夏油君を曇らせたい外道くん 作:獄門彊
「では改めて、私に従え、猿共」
盤星教。
呪術界の要たる天元を崇拝し、純粋な天元を汚さぬために天元と同化するはずだった天内理子の命を狙い殺させた集団。
夏油傑は、その集団を今から支配する。金を集めるために。呪術師だけの世界を作るために。利用し尽くして殺し尽くす。そう決めた。
「なんだ、あれ…………達磨?」
「人を潰したぞ!」
「…………………は?」
呪霊を認識せず、呪霊を生むだけの猿共。それが、傑の操る呪霊を認識し怯えている。
死の直前に呪霊を認識…………違う。纏う呪力からして、彼等は全員呪術師に目覚めた。ならば庇護すべき家族…………家族?
「……………」
先日保護した姉妹を見る。非術師により不当な差別を受け、自分が間に合わなければ殺されていた可能性もあった少女達。
眼の前の盤星教教徒共を見る。自分達が何に守られているのかも理解さず、一人の少女の死に笑顔を向けた猿共。
同じ? こいつらと、彼女達が?
(…………違う。同じ呪術師であろうと────)
では何故自分は両親を殺した?
たった今呪術師になった盤星教の猿どもより余程出来た人間だった。だが殺した。
例外はないと決めたからだ。呪術師の未来のために如何なる善人も殺すと決めた。
だから、彼等も差別してはいけない。両親を殺した意味がなくなる。大義を失う。
「……これは呪霊と言います。呪力を持たない猿どもが生み出し、猿のみならず私達呪術師にまで迷惑をかける」
間違えるな。救うべきは呪術師。滅ぼすのは非術師。
「皆さんも呪力に目覚めました。もう呪霊を産む事はないでしょう。しかし猿はこうしている今も呪霊を産みます。みんなで滅ぼしましょう」
「………………オェ」
我輩こと
前世の記憶を持ち、この呪術廻戦というパンピーも味方も敵も死ぬ世界に転生した。
呪術師であることを隠し、盤星教に忍込み今日という日をずっと待っていた。原作で、夏油傑が悪として君臨するこの時を。
天内理子の死に対し笑顔を浮かべた宗教団体。憎いよなぁ? 嫌いな猿の中で、此奴等は嫌悪ではなく憎悪を抱いていたはずだ。でも、呪術師なった以上、殺せない。
両親を殺してまで立てた誓いは縛りでなくとも、本人にとってそれだけの強さがあるはずだ。
「…………ぷっ、くく…………」
人の気配がないとはいえ、大きな声を出したら気づかれるかもしれない。だから我慢。我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢…………!
「ぶっふ! ぶはは、あはははははは!! あの顔、あの顔!! 本心押し殺して……ひひ、笑顔必死に……まじ受ける! アハハハ、えほ! ごほ、は、腹が………ひー………ひひ!!」
無理だった。腹が捩れる。
だって見たかあの顔!? 理由がわからずとも、呪術師になった連中を家族として見なくてはいけなくなった。大義を騙るために己の本心すら押し殺したあの顔!!
「ええと、後は………里香ちゃんに宿儺の指、九相図に………五条悟の封印か。そういや結果は知らねぇんだよなあ」
この世界の知識は丁度そこで途切れている。呪術廻戦零で死んだと思っていた夏油傑が生きていて、色々暗躍していたのは知っているがその結果までは知らない。
呪術師に対してもドライになっていたし、誰かに洗脳されていた可能性もあるが………まあどうでもいいか。
「台無しにしたら、どんな顔するんだろうなぁ…………」
さて、零の方はどうするか。どのみち失敗するから放置? それとも、敢えて里香ちゃんを奪わせて縛りから開放されたただの雑魚呪霊を手にさせる? どっちも面白そうだなぁ。
年齢・123歳
性別・男
術式「贈与術式」
非術師、呪術師を問わず術式と呪術を与える。どのような術式になるか、どの程度の呪力量になるかは基本的にランダムであり道長自身が操作することは出来ない。
あくまで基本であり縛りを設けることである程度の術式の方向性、呪力量を調整可能。術式自体は本人の性格によるので大体は呪力量のみ。
付与された術師が死ぬと発現した術式、呪力は道長のものになる夏油傑と同じ『手数が無限に増える術式』。
縛りの例『生殺与奪を道長に与える』『道長に忠誠を誓う』『道長の死後道長に肉体を譲り渡す』。
極ノ番
術式の数だけ
贈与術式の極ノ番は『徴税』。
術式は取り込めない代わりに縛りに関係なく付与された呪術師から呪力の命を回収する。
死体をばら撒いてから徴税することで範囲内の術師、非術師からも呪力の一部を奪える。
領域も複数持ち。一つが焼ききれても代わりを使える。
本人の領域『
強制的な術式の付与で相手の術式に動作不良を起こさせる。さらに徴税も可能。
現在公開可能な術式『不老』『若返り』『変化』『口寄せ』『隠匿』『加速』『防壁』『位相操作』『五感停止』『人形操作』『視覚共有』『呪毒』
性格・外道
自分が楽しむためなら他者の心も命も弄ぶ。どうせ紙の中の人間だし