横島inハイスクールD×D   作:雪夏

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原作一巻もあと少し(ごめんなさい)


横島inハイスクールD×D その16

 

 

 

 

 

 教会の前に集まったのは、横島の他にアーシアとその護衛を買って出た白音。教会を見張っていた横島の眷属である黒歌。そして、レイナーレに思うところがある一誠と、一誠から連絡を受けて駆けつけた一誠の親友(予定)の木場の六人である。

 

「悪いな、木場は関係ないってのに」

 

「いいんだよ。イッセーくんが心配だってのもあるけど、僕としても教会の神父どもがこの町にいつまでも居座っているのは気分が良くないからね。シスターアルジェントには悪いけど、教会関係者は昔から嫌いなんだよ。タダオさんの手伝いという建前がある今なら、遠慮なくヤツらを叩き斬れるからね」

 

 そう言うと、黒い笑みを浮かべる木場に顔を引きつらせる一誠。そんな一誠に気がついた木場は、黒い笑みを消し一誠に告げる。

 

「安心してくれ。何も本当に叩き斬る訳じゃないよ。自主的に手伝っている僕が殺してしまうと、忠夫さんに迷惑が掛かるかもしれないからね。死なない程度に上手くやるから」

 

「そういう心配してんじゃねーよっ!? ……まぁ、木場が神父っていうか教会関係者が嫌いってのは分かったけどよ……アーシアや堕天使はどうなんだよ?」

 

「救出対象の堕天使の女性に関しては、イッセーくんには悪いけど正直どうでもいいかな。その堕天使のやろうとしたことは許せないけど、シスターアルジェントに関しては未遂だし、その彼女が助けて欲しいと願うなら助けてもいいと思うよ。何より、イッセーくんを襲ったのとは別の堕天使だしね」

 

 その木場の言葉に安心したように息を吐く一誠。それを見ることなく木場は、横島と黒歌と話しているアーシアを見ながら話を続ける。

 

「シスターアルジェントに関しては、特に嫌いとかはないかな。彼女は忠夫さんと契約を結んだから、教会に追われる立場になる訳だしね。それに、個人的にも彼女の境遇には共感を覚えないわけでもないし……」

 

 それと、と一誠に向き直り木場は続ける。

 

「忠夫さんに関係する女性……特に容姿が優れている女性や、忠夫さんの身内に対して、敵意を向けたり怪我をさせたりしようものなら、僕が忠夫さんにお仕置きされてしまうよ。ああ、忠夫さんが身内と扱っている女性には部長たちも含まれるからね。イッセーくんも気をつけなよ? 忠夫さんは女性に関してはかなり沸点が低いからね。怪我以外にも偶然着替えを見たってだけで、お仕置きの対象になる可能性があるから」

 

「まぁ、別に進んで女の子を怪我させるつもりはないが、たかがお仕置きだろ?」

 

 大丈夫だと笑う一誠に、木場は過去に遭遇したお仕置き現場を思い出し遠い目をする。

 

(イッセーくんは知らないからね。イッセーくんも部長の眷属だから、軽いお仕置きで済むとは思うけど身内であるグレモリー卿でアレだったからな……。フェニックス卿の方も軽いお仕置きとは言ってたけど……)

 

 遠い目で何かを思い出してしまった木場を放って、一誠は横島たちの方に歩み寄る。一誠に気づいた横島は、黒歌の報告を踏まえた現状の説明を行う。

 

「黒歌が言うには、教会に入ったのを確認した堕天使の数は四。男一人に女が三人。その内、入り口から出て行ったのが男女一人ずつの計二人。アーシアちゃんから聞いたレイナーレを襲った堕天使と特徴が一致するから、単純に考えると救出作戦の邪魔者が減ったってことだな」

 

「単純に?」

 

「数だけ見れば減っているが、仲間……それもトップを襲ったヤツらが堂々と出て来た。ということは、そうしても問題ない状態にあるってことだ。つまり、レイナーレや教会の神父たち、もう一人の堕天使に追われたり攻撃されることを気にしなくていい状態だな」

 

 横島の言葉に考え込む一誠。悪魔になったとは言っても、それまでは平凡な人生を送っていた一誠にとって、横島の言葉では中の状態を推測するのは困難であった。

 そこに、教会の中の状態を()()()()()()()()木場が合流し、一誠に説明する。

 

「考えられるパターンは大きく分けて三つかな。一つは、教会の神父たちや残っている堕天使も彼女――レイナーレを裏切っている。つまり、出て行った堕天使たちの仲間。当然、堂々と出入りできる。二つ目は、レイナーレを裏切ったという状況を神父たちが知らない場合。シスターアルジェントの話では、彼女たちが襲われたという地下室に他の人たちは居なかったそうだから、襲ったことさえ知られなければ、何らかの理由をつけて教会を出ることは簡単だろう」

 

 そして、と木場は説明を続ける。

 

「三つ目だ。この場合、女性陣には教会に入ることを遠慮して貰いたいかな」

 

「どういうことだよ」

 

「教会の中に()()()()()ということだよ」

 

「誰もいないなら、さっさと救出すればいい話だろ? 何で女性陣を遠ざけるんだよ?」

 

 一誠の質問に答えず、木場は猫の姿になり横島の頭上でくつろいでいる黒歌へと問い掛ける。

 

「黒歌さん。教会の中にいた神父たちは、出てきましたか?」

 

「一人、白髪のヤツがさっき言った堕天使たちと一緒に出て行ったにゃ。他の奴らは外には一歩も出ていないにゃ」

 

「じゃあ、誰もいないってパターンは違うってことだな」

 

「いいや、教会に誰もいない可能性はあるんだよ。扉から誰も出ていなくても……ね」

 

「分かった。魔方陣での転移だろ。それなら、扉関係なく外に……」

 

 その一誠の言葉に、木場は寂しそうに小さく笑う。人から悪魔になったり、はぐれ悪魔の消滅を目の辺りにしても変わらなかった一誠が、この想定通りのことが中で行われていた場合、()()()()()()それまでの自分と変わってしまうかもしれない。今までの明るい一誠とは会えなくなるかもしれない、と木場は想像したのである。

 それでも、木場は説明を続けることを選ぶ。一誠が一誠であることは変わらないからと。

 

「その可能性もゼロではないけど、そういうことじゃないんだ。そうだね。遠回しに言うのは、やめるよ。一つ目、二つ目のパターンのどちらでもない。且つ出て行く堕天使たちを止める者が教会に誰もいない。その状況が指し示す三つ目のパターン。つまり……」

 

 そこで木場は一誠をまっすぐに見つめる。見つめられた一誠は、覚悟を問われている気がしていた。そして、同時に木場の瞳の奥に微かな喜びが秘められているのを感じるのであった。

 

「教会の中に“生者”がいない。皆、死んでいるんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 絶句する一誠を他所に、横島は明るくアーシアに話しかける。

 

「ま、祐斗が言ったように大まかに三つのパターンがあるんだけど、三つ目はないから」

 

「な、何故ですか……?」

 

 木場の言葉で想像してしまったのだろう。アーシアの言葉は震えている。そんな彼女に、横島は大丈夫だと彼女の頭を撫でながら説明する。

 

「うちの黒歌は仙術を使えるからね。気配を探ることは得意なんだよ。な?」

 

「だからと言って、監視に駆り出されるのはちょっと不満にゃ。こんな結界が解除された教会なら、白音でも十分だったにゃ」

 

「後で何か買ってやるからさ。大体、白音ちゃんはリアスちゃんの眷属だろ。お前はオレの眷属なんだからさ。頼むよ」

 

「まぁ、私は白音と違って忠夫の眷属だから、主の頼みを聞いてやるにゃ」

 

 黒歌が白音を横目で見ながら告げた言葉に、傍で聞いていた白音の眉が少し上がるが、空気の読める白音はスルーする。但し、終わった後に絶対に仕返しすると内心で誓っているが。

 そんな二人の静かなやり取りをスルーし、横島は黒歌に肝心なことを尋ねる。

 

「で、黒歌。教会の中に何人居る?」

 

「一階に二十人。その内、力の強いのが一人。多分、こいつが残りの堕天使にゃ。それで、地下に弱い反応が一つ。他に気配はないから、こいつが救出対象のレオタードだと思うにゃ」

 

「レイナーレな。と言う訳で、中には十九人の神父と二人の堕天使がいるってわけ。勿論、生きて」

 

 その言葉に安心するアーシアと一誠。一誠は悪戯に不安を煽ってくれた木場に何か言いたそうだったが、横島が話を続けた為に口には出さなかった。

 

「祐斗が言ったように、三つのパターンが考えられた訳だが最後のパターンは消えた。で、一つ目と二つ目……つまり、レイナーレ以外が全員グルだったパターンと、裏切りを知らないパターンのどっちって話なんだけど。まず、どっちの場合にせよレイナーレは地下で動けない状態にあると見ていい。どっちも自由にする理由がないからな」

 

 その言葉に頷く一誠たち。それを見た横島が続ける。

 

「アーシアちゃんがオレのところに召喚されてから、裏切った堕天使たちが出てくるまでそんなに時間が経っていないことから、地下に大掛かりな罠が仕掛けられている可能性は低い。侵入を防ぐ為に出入り口に仕掛けるならともかく、潜伏先の地下に前々から罠を用意していたとは考えにくいからな」

 

「じゃ、一階にいる神父たちと残りの堕天使をどうにかすればいいのか」

 

「そういうことだな。で、オレたちがどうやって救出するかだけど。全員グルでも、騙されていた場合でも、オレたちがやることは変わらないんだな、これが。オレらの一部が一階の敵と戦闘している間に、残りが地下に突入。レイナーレを救助したら、速やかに合流して一階の奴らの手伝い」

 

「何でだよ? 一つ目なら全員敵だから分かるけど、二つ目ならレイナーレを助けたいって言えば戦闘しなくても……」

 

 一誠の言葉を遮る横島。大きくため息を吐き、全身で呆れましたと表現している。

 

「忘れたのか? 連中の元々の目的はアーシアちゃんの神器だ。それに、悪魔(オレたち)が今から突入するのは堕天使たち(あっち)が潜伏している場所だぞ? 敵対しているヤツが来たら、即戦闘だっての。向こうがこっちを信じるとも限らないしな。何せあっちがやってんのは敵地でのスパイ活動みたいなもんだ。当然、オレたちが自分たちを捕まえに来たと思うだろうしな」

 

「まぁ、実際に悪魔の統治する町に侵入して、こそこそやってるんだから捕縛されとしても言い訳できないよね」

 

 木場の言葉に確かにと頷く一誠。他に疑問はないようだと判断した横島は、レイナーレ救出の作戦を話し始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

「シスターアルジェントはここかな?」

 

 教会の扉を蹴り飛ばし、爽快に告げる木場。その傍らには、大胆に着物を肌蹴た黒歌の姿もある。

 教会内にいた神父たちは彼らの突然の登場に驚くが、アーシアの名が出たことで神器奪取の計画が露呈したと判断し戦闘体制に入る。 

 その彼らの先頭に、教会に残っていた堕天使の少女――ミッテルトが降り立つと木場たちに向けて問い掛ける。

 

「何のことっすか? と、惚けるのは無理みたいっすね。何処のヤツらかは知らないっすが、レイナーレ姉さまの邪魔はさせねぇっす」

 

 そう言って、光の槍を手にするミッテルト。一触即発といった状況の中で、黒歌は前に進み出る。

 

「じゃ、予定通り私はあの堕天使を貰うにゃ。神父たちは好きにするといいにゃ」

 

「分かりました」

 

 黒歌の言葉に、自身の神器である魔剣創造(ソード・バース)で創り出した魔剣を手に答える木場。

 二人は事前に決めた通り、黒歌が堕天使を、木場が神父たちを相手取り戦闘を開始するのであった。

 

 

 

「さっきの女の子の口ぶりからして、裏切ったのは二人の堕天使だけみたいだな」

 

「そうみたいだな……それにしても、アーシアを抱き抱えてよくそんな早く走れるな」

 

 木場たちを囮に裏口から侵入し、地下に続く階段を駆け下りる横島たちの言葉である。一誠の言うように、アーシアは横島に所謂お姫様抱っこで抱き上げられており、横島を先頭に横島たちを羨ましそうに見る一誠と白音が続く。無論、一誠が羨んでいるのは美少女を抱いている横島であり、白音が羨んでいるのが横島に抱かれているアーシアであることは言うまでもない。

 

「しかし、ここまで特に罠もないとは……レイナーレを確実に殺すわけでもなく、地下に入ったやつを害する罠もない。ということは、レイナーレの殺害や彼女を使って罠を仕掛けるのが目的じゃない」

 

 そう呟くと、腕に抱えているアーシアに視線を向ける。彼女は横島の走るスピードに驚いているようで、ぎゅっと横島の首に回している手に力を入れている。そんな彼女を安心させるように、抱きかかえる腕に力を込めながら横島は考える。

 

(レイナーレを裏切ったのは、自分たちがこの娘の神器を手に入れる為。それも、堕天使の上層部――グリゴリだっけ? 確か、監視するとかそんな感じの意味だった筈。そこ以外の組織に持っていく為か、私的に利用する為。ま、アーシアちゃんを探す素振りも見せず出て行ったってことは、神器は諦めたみたいだけど)

 

「ま、堕天使のごたごたはオレたちには関係ないか。……お、もうすぐ広いとこに出るな。って、どうした一誠?」

 

「いや、木場たちに任せて良かったのかなって。一応、オレも使いこなせてはないけど神器は使える訳だし、残った方が良かったかなって。木場の強さは知っているけど数が数だし……。それに黒歌さんってあまり強くなさそうだし」

 

 一誠の言葉に白音と顔を見合わせた横島が笑う。その反応に納得がいかない一誠に、白音が説明する。

 

「木場先輩なら、教会から聖剣を与えられた神父や神器持ちがいない限り、あの程度の数は余裕です。光対策もありますし。それに姉さまの心配は更に不要です。姉さまはただの猫又ではありません。猫又の中でも特に力の強い猫魈という妖怪です。更に、仙術の使い手でもあります。例え先輩が束になったとしても瞬殺です。相手取るのが堕天使だとしても、上層部から好きにしていいと言われる程度の奴なら余裕ですね」

 

「そ、そんなに?」

 

「まぁ、黒歌は所謂ウィザードタイプだから、接近戦で挑まれたら辛いかもしれんが……今のアイツは『戦車』の駒を与えたからな。元々、猫の妖怪だから素早いし、攻撃は仙術で十分。難点だった防御力も、『戦車』で素の耐久力があがってるから心配ないだろ。うん、今の一誠じゃ百人いても無理だな」

 

 明るく笑う横島に、落ち込む一誠であったが慰める者のいないまま一行は階段の先の広場へと走る。広場に出ると、中心に位置する祭壇の上を見たアーシアが、横島に抱かれたままそれを指差す。

 

「あれをっ! あそこにレイナーレ様がっ!」

 

「夕麻ちゃん!」

 

 そこには、十字架に磔にされたレイナーレの姿があった。それを見た横島たちは、彼女を下ろすべく祭壇へと駆け寄る。

 しかし、その足は彼女まであと数メートルの地点で止められることとなる。

 

「止まれ!」

 

「何でだよ、横島っ! 早く夕麻ちゃんをっ! って、何じゃありゃ!」

 

「……石像? ゴーレムって奴ですか?」

 

 横島たちの眼前に現れたのは、白音の言うような動く石像。三メートルを超す高さを持つ人型のそれが、行く手を遮ったのである。

 

「いや、アレはゴーレムじゃないな。本物はもっとデカイし、ゴツイからな。堕天使の総督が遊びで造った粗悪品の一つに、あんなのがあった筈だ。低コストで造ったから、性能もそこまで高くなかった……筈」

 

 落ち着いてゴーレムではないと告げる横島。それを聞いた白音とアーシアはゴーレムではないことに安心したが、堕天使の総督が造った物だと聞いて、警戒する。

 そんな中、立ち止まった横島たちの脇を猛スピードで駆け抜ける影が。

 

 

 

「邪魔だーー!!」

 

 

 

 それは自身の神器の真の姿――神滅具(ロンギヌス)赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)」――を発動した一誠であった。

 

 

 横島に部室で問い掛けられた時、一誠は夕暮れの公園で薄れ行く意識の中、最後に見た涙を思い出した。それと同時に、悪魔となった時に切り捨てた彼女――天野夕麻――が好きだという“想い”も。

 だからこそ、彼女かも知れない堕天使レイナーレの救出作戦に参加しなくてはと一誠は名乗り出た。

 

 しかし、時間が経つに連れ、彼は内心で悩み始めていた。アーシアはレイナーレを許し、自身を代償に手を差し伸べることを願ったが、自分とアーシアの二人の人生を狂わせた堕天使を本当に救出していいのかと。

 

 その為一誠は、横島が受けた依頼だから、と積極的に作戦の立案等に関わることはしなかった。地下への突入班に加えられた時も、一階で堕天使や神父たちを相手取るよりは安全だからと、自身の安全を理由に同意した。

 そんな悩みは、磔にされ血を流すレイナーレ――天野夕麻――を見た瞬間に吹き飛んでいた。彼女を救う。ただ純粋にそのことのみを心に決めた時、真に神滅具を発動させることに彼は成功したのである。

 

 

 

 

 

 振りかぶった左腕。そこに召喚された神滅具「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)」。

 

 『Boost(ブースト)!』

 

 ――殴る。

 

 石像がよろめく。ただ邪魔者を排除する為に、腕を振りかぶる。

 

 ――殴る。殴る。

 

 まだ石像は砕けない。構わず腕を振りかぶる。

 

 『Boost(ブースト)!』

 

 ――殴る。殴る。殴る。

 

 殴った箇所が欠けては、修復していく。構わず、続ける。

 

 『Boost(ブースト)!』

 

 ――殴る。殴る。殴る。殴る。

 

 心なしか一発の威力が増したように感じる。石像の修復も追いついていない。

 

 『Boost(ブースト)!』

 

 ――殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。

 

「オレと夕麻ちゃんの間に……立ち塞がるんじゃねーーー!!」

 

 『Explosion(エクスプロージョン)!!』

 

 ――殴る!!

 

 

 

 

 

「悪魔に転生したばっかりの一誠が、力技で破壊しやがった。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて何とやらってか」

 

 砕け散る石像と、レイナーレに向かって祭壇を駆け上がる一誠を見ながら横島は呟く。

 

「さて、白音ちゃんとアーシアちゃんは先にレイナーレのとこに。アーシアちゃんの神器ならレイナーレの怪我程度なら治せる筈だからさ。白音ちゃんは、一応レイナーレが目を覚まして暴れないように見張って」

 

「はい! 行きましょう、白音さん! って、タダオさんは?」

 

「オレ? オレはちょっとね」

 

 そう告げると、横島は砕けた石像のところへと歩き出す。それを不思議そうに眺めていたアーシアであったが、白音に促されたことでレイナーレの元へと走る。

 

 

 

 

 石像が砕けた場所にやって来た横島は、石が徐所に集まっていく箇所を発見すると無造作に手を突き入れる。

 

「折角、一誠が女の為に頑張ったんだ。後始末くらいはしないとな」

 

 そう呟くと同時に手を引き抜く横島。その手には、ソフトボール大の球が。それを持つ手に”栄光の手”を発現させた横島は、そのまま一気に握りつぶすのであった。

 

 

 




あとがき
 終わりませんでした。あとは後処理で今度こそ終わりです。
 あと木場が思った以上に出張ってきました。何故でしょう。それと、木場のアーシアの呼び方は、すぐに原作の呼び名に変わります。原作では木場が直接会話したのはアーシアが悪魔となった後だったと思いますが、拙作では追放された教会関係者です。教会関係者に恨みをバリバリ持っている為、多少距離を取っている感じですね。

 木場のアーシアの呼び方。アザゼル製ゴーレム(粗悪品)。
 これらは作中設定です。

 関連活動報告は【HY】と記載します。
 ご意見、ご感想お待ちしております。感想いただけるとモチベーションあがります。

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