横島inハイスクールD×D   作:雪夏

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続きました。いいタイトルが思い浮かばない。早速原作崩壊。

2015/09/21 ちょこっと修正


横島inハイスクールD×D その2

 

 

「やってきました、駒王町ってか」

 

 そう呟くのは、横島忠夫。魔神アシュタロスの魂を継ぐ者と一部で噂される男である。

 

「にゃ~」

 

「早速、リアスちゃんとこに挨拶行くか。確か、駒王学園ってところにいるんだよな~」

 

「にゃ!」

 

「そうだな、白音ちゃんにも会っていこうな」

 

 地図を片手に頭の上に乗せた黒猫と会話しながら歩く彼は、駒王学園へと足を向けるのであった。

 

 

 

 

 

「やってきました、駒王学園! いやー、立派な学園だな。何より、美少女がいっぱいなとこがいい!」

 

「……にゃ」

 

「え? そんな顔してると、警備員呼ばれるって?」

 

 黒猫の指摘に、だらしない顔を引き締める横島。慌てて周囲を見回すが、特に注目を浴びていると言う訳ではなさそうである。

 

「……大丈夫そうだな。さて、リアスちゃんとは暫く会ってないが……きっと、ヴェネラナさんに似た美女に成長しているに違いない! じゃ、早速会いに行きますか!」

 

 握り拳を振り上げ力説する横島に、頭上の黒猫が呆れたように鳴くが本人は全く気にしていないようで、鼻息を荒くしている。悪魔としてこの世界に現れてから、様々な経験を積んでいるとしても、横島は所詮横島と言うことであろう。

 

 

 気合を入れて横島が学園で待っているであろうリアスの元へと一歩を踏み出す。呼び止められることもなく、容易に学園内に入る事が出来た。

 

「何か簡単に入れたな。警備員とかいないのか?」

 

『待て~』

 

「ヤバッ!?」

 

 拍子抜けといった感じで学園内を歩いていた横島だったが、学園内を歩くブルマ姿の女生徒に鼻の下を伸ばしている時に聞こえた声に周囲を見渡す横島。しかし、横島に向かってかけられた声ではなかったようである。

 

『待て~! エロ兵藤~! 性懲りもなく覗きやがって!』

『ちょ、何でオレだけ! 松田と元浜だって……って、いねぇ!!』

 

 どうやら男子生徒が何人かで覗きを行ったらしいが、他のメンバーに裏切られた男子生徒が追いかけられているらしい。

 

「いや~、懐かしいな。オレもよく追いかけられたっけ。これも、青春ってやつだな」

 

「にゃー」

 

「違うって? 男子学生の青春なんてのはそういうものなんだって。ま、猫魈(ねこしょう)のお前には分からんだろうがな」

 

「姉さまにデタラメを教えないでください」

 

 カラカラと笑う横島に、背後から声がかかる。それに驚くこともなく、横島は振り向くと話しかけてきた少女に笑いかける。

 

「デタラメじゃないんだけどな~。ま、いいや。久しぶりだね、白音ちゃん」

 

「にゃ~」

 

「はい、お久しぶりです。忠夫さん。姉さまも」

 

 

 

 

 

 その後、少女に案内され横島たちはリアスがいるオカルト研究部へと向かう。

 

「では、忠夫さんはサーゼクス様の命令で?」

 

「うん、まぁそういう事。リアスちゃんの方にもグレイフィアから連絡あったんじゃないかな。何せ、隣人になるんだし」

 

「にゃ!」

 

「姉さまも一緒なんですか……ところで、何で姉さまはその姿なんですか?」

 

「そりゃ、黒歌は目立つからさ。美人ってだけでも目立つのに、服装がアレだからなぁ。ま、オレだけなら目の保養ってことで構わんが。むしろ、もっとやれ?」

 

「ふにゃ~」

 

 横島の言葉が嬉しかったのか、横島の肩に降り横島の頬に顔を擦り付け甘える猫――黒歌。そんな姉の姿を若干羨ましく思いながらも、少女は案内を続ける。やがて、オカルト研究部の前につくと少女は扉を開く。

 

「ようこそ、オカルト研究部へ」

 

 

 

 部屋の中へと入ると、学園の一室とは思えない空間が広がっていた。

 

「ほー、燭台に絵画にソファーとは……本当に学園かよ」

 

「全部、リアスの趣味ですわ。全く、珍しくリアスがそわそわしているなと思ったら……こう言う訳だったのね。ふふ、あとでお仕置きしないと」

 

「お、おう」

 

 部屋に入るなり、話しかけてきた美女に若干引いてしまう横島。何せ、女性が浮かべていたのは()()()に見た黒い笑みにそっくりだったのである。

 そんな横島に気がついていないのか、女性は朗らかに挨拶をする。

 

「お久しぶりですね、忠夫さん。最後にお会いしたのは、一昨年の夏頃にグレモリー邸でサーゼクス様主催のパーティがあった時でしたね?」

 

「たった三年なの? いや~、すっかり綺麗になって。一瞬、誰か分からなかったよ。……久しぶりだね、朱乃ちゃん」

 

「にゃ!」

 

「黒歌さんもお久しぶりです。さ、こちらへどうぞ。リアスもそろそろ来る頃ですから」

 

 横島の軽口に薄く頬を染めながら、横島をソファーへと促す朱乃。横島が腰掛けると、朱乃がその隣りにすぐに腰掛ける。

 

「それで、何故こちらに? 普段は、サーゼクス様の命で冥界を飛び回っているアナタが来るなんて余程のことだと思いますが」

 

「いや、別に冥界を飛び回ったなんてないけど?」

 

「あら、そうなんですか? この三年、お屋敷を不在にされていたり、パーティーでお見かけにならなかったのは、そのせいだと伺っていたのですが……」

 

「いや、居ない時もあったが、基本は屋敷に居たぞ? パーティーに関しちゃ、そもそもパーティーに呼ばれてないんだが……? 何でだ?」

 

 首を傾げた横島が、白音の膝上に移動していた黒歌に知っているかと問いかける。その視線を受けた黒歌は、関係者しか居ないと言うことで人語で語り始める。

 

「それはリアスたちが人間界に行ったからにゃ。忠夫が来ると、せっかく帰ってきたリアスたちが忠夫に取られてしまう。それが嫌だから、アイツ等はリアスたちに忠夫は居ないって嘘をついてたにゃ」

 

「姉さま……。姉さまも忠夫さんは仕事でいないって、いつも言ってませんでしたか?」

 

「それは、忠夫を取られたくない……もとい、白音を取られたくない姉心がそうさせたにゃ」

 

 ジト目を向けてくる妹に耐えられなくなったのか、黒歌は横島の膝に飛び移ると早口で弁解を始める。

 

「ほ、他にも理由はあるにゃ! 忠夫の存在は、身内とごく一部の人以外には伏せられてた。だから、身内以外がたくさんいるパーティーには出席させないようにと言われてたにゃ。あと、サーゼクスのヤツ等が出るようなパーティーは堅苦しいのが多いから、忠夫に窮屈な思いをさせないようにと言う気遣いにゃ」

 

「確かに、堅苦しいのは嫌いだが……。絶対、美女たちのドレス姿をオレに見せたくなかっただけだぜ?」

 

 あんにゃろうと呟く横島だったが、横に座る朱乃が横島の腕を抱き寄せたことで顔をだらしなく崩す。そんな横島の反応に気を良くしたのか、朱乃は更に力を込め胸を押し付けていく。

 それを止めたのは、扉を開けて部屋へと入ってきた紅髪の美女であった。

 

「あら、朱乃。忠夫を誘惑するのは、あとにしてくれないかしら?」

 

「あら、リアス。遅かったわね。そうそう、良くも私に忠夫さんのことを秘密にしてくれたわね」

 

「そ、それは……ほら、アレよ。サプライズよ、サプライズ。決して、嬉しくて言うのを忘れていた訳じゃないわ。ええ……って、それはいいから離れなさい! ソーナもいるのよ!」

 

 朱乃の言葉に視線を逸らしていた美女――リアス・グレモリー――は、一緒に部屋にやって来た美女――ソーナ・シトリー――を指差し朱乃に告げる。指を差されたソーナは、少し不快そうに眉をひそめたが何事もなかったかのように横島に挨拶する。

 

「お久しぶりです。忠夫。姉が押しかけた際はご迷惑をおかけしました」

 

「ソーナちゃんも美人になったなぁ~。セラたんのことは別に迷惑じゃないよ」

 

「でしたらいいのですが」

 

 横島の言葉に安心したのか、頬を緩めるソーナ。そんなソーナの様子に、横島は内心で奔放な姉に苦労しているんだなぁと同情する。

 そんな横島に、朱乃との言い合いを中断したリアスが話しかける。

 

「ひ、久しぶりね、忠夫。ようこそ、我がオカルト研究部に」

 

「おう、リアスちゃんも久しぶり。いや~、予想通り美人に成長して。うん、絶世の美女ってのはリアスちゃんの為にある言葉やな。勿論、ソーナちゃんと朱乃ちゃんも、リアスちゃんに負けてないぞ」

 

「あ、ありがと」

 

 横島の言葉に照れるリアス。そんなリアスの様子を、付き合いの長い朱乃とソーナは不審に思う。その容姿から褒め言葉を聞きなれているリアスが、横島の言葉でそこまで照れるとは思えなかったのである。

 ソーナがリアスにそのことを尋ねようと口を開いた瞬間、リアスが先に口を開く。

 

「忠夫……いえ、旦那様。不束者ですが、末永く宜しくお願いします」

 

「「「「へ?」」」」

 

 

 

 

 




あとがき

色々、原作無視。小猫ではなく、白音なのは理由がありますが何れ本編で登場すると思います。
 因みに、一誠はまだ純粋な人間です。


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