横島inハイスクールD×D   作:雪夏

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横島眷属はまだ悩み中。



横島inハイスクールD×D その4

 

 

 

 

「では、タダオ様は二学年に編入という事でよろしいですね?」

 

 協議の結果、横島が編入する学年は二学年と決定した。これには、リアス、ソーナ、朱乃、白音が自分のクラス(学年)に編入すべきだと主張した結果、二学年なら不公平とならないだろうと言うグレイフィアの一言によるものである。

 

「二年に編入するのなら、木場様と同じクラスの方が都合が良いでしょうか?」

 

「あ~、祐斗か~。アイツ、イケメンだからな~。モテモテくんと一緒のクラスはちょっと……」

 

「それでしたら、違うクラスにしましょう。編入の時期は……そうですね、二週間後くらいで如何でしょうか? まずは、こっちの暮らしに慣れて頂かなければいけませんし」

 

「学生か~。ま、是が非にでも卒業しなきゃいけないって訳じゃないし、勉強は適当にやるとして……荷物は新しい家が完成してからでいいか。そういや、お前はどうすんだ? オレと一緒に学生やるか?」

 

「お断りにゃ!」

 

 横島の問いかけに即座に首を横に振る黒歌。そんな黒歌にグレイフィアが教師はどうかと尋ねるが、それもすぐに断る。彼女は学園生活には興味がない為、横島が学園にいる間は昼寝などをして過ごすつもりであった。

 

「まぁ、アタシのことはいいにゃ。それより、あの娘たちはどうするにゃ? 新居にリアスたちも住むなら、二人くらいこっちに呼んだ方が良くないかにゃ?」

 

「まぁ、そうだな。でも、あの娘たちは人界には来たくないんじゃないか? こっちに来る時だって、屋敷の管理があるからって着いて来なかったし」

 

「それなら心配いらないにゃ。忠夫には言っていなかったけど、あの娘たちは一ヶ月単位で交代でこっちに来る予定だったのにゃ。何でも屋敷では中々忠夫の世話を一人で出来ないから、一ヶ月交代でそれを満喫することに決めたと言っていたにゃ。だから、別に人界が嫌と言う訳ではにゃいし、それにあの娘たちは忠夫が必要としていると言えば、例え人界が嫌だったとしてもすぐに来ると思うにゃ」

 

 黒歌の言葉に安心した横島だったが、急な呼び出しに本当に応じるのだろうかと心配しているようである。

 

「ご心配には及びません。あの娘たちには人手がいることは既に連絡済みです。今頃は、全員で荷造りをしている筈ですので、タダオ様が心配されている事態にはなりませんよ」

 

「あ、全員こっち来るんだ……」

 

「ええ。冥界の屋敷の管理の問題はありますが、これから眷属が増えれば同居人が増えるでしょうし、向こうの屋敷は交代で管理すればいいので。ひとまず全員で来るようにと伝えました」

 

 グレイフィアの言葉に納得する横島。元々、反対することでもないので、あっさりとしたものである。

 

「あの娘たちには、新居やその他色々について説明しておきたいので二日程お借りしますが構いませんか?」

 

「ああ、いいっすよ」

 

「ありがとうございます。新居に移れるようになるまでは、こちらで用意したホテルにご宿泊ください」

 

 そう言うと、横島にホテルについて書かれた紙を渡すグレイフィア。彼女は、大人しく話を聞いていたリアスたちに向き直ると、今後の予定について話を始める。

 

「リアス様たちは新居に持っていく荷物を整理しておいてください。新居となる屋敷が完成した後、順次連絡しますので。基本的には、当面の衣服や身の回りの物でしょうか。家具については備え付けのものがありますので。家具が気に入らない、もしくは私物を持ち込みたい場合は先程お渡ししたリストに記入しておいてください」

 

 グレイフィアの言葉に心此処にあらずと言う様子で頷くリアスたち。彼女たちの内心は、既に同居生活及び学園生活のことでいっぱいのようである。

 

(忠夫と一つ屋根の下……朱乃たちもいるし、楽しくなりそうね)

 

(リアスと黒歌さんが手ごわいですが、このチャンスを活かせば……)

 

(姉さまも一緒……忠夫さんの膝は渡さない)

 

(忠夫と一つ屋根の下……バレないように気を付けないと)

 

 

 

 

 

「それでは、私はこれからあの娘たちと合流しますが、皆様は解散なさって結構です。それとタダオ様……」

 

「うん?」

 

「来週のことですが、色々と立て込んでいますので二ヶ月後冥界に戻られた時という事で……」

 

「おう、分かった」

 

「それでは、失礼します」

 

 そう告げると一礼しグレイフィアは、転移していく。それを黙って見送ったリアスたちであったが、グレイフィアと横島のやり取りが気になり、そのことについて尋ねるのであった。

 

「来週がどうとかって、何の話?」

 

「あー、リアスちゃんたちは知らなかったけ? グレイフィアに定期的に世話になってるんだよ。あの娘たちの教育とか、屋敷の掃除とかさ」

 

 リアスたちに答える横島。その視線は右往左往しており落ち着かない。明らかに何かを隠してますと分かる横島の態度に、追求すべきかと口を開こうとしたその時、部室の扉が開く。

 扉を開いたのは、木場祐斗。リアス・グレモリーの眷属にして騎士(ナイト)の駒を持つ剣士であった。

 

「お、祐斗じゃねーか」

 

「あれ、忠夫さん来てたんですか? それに、会長まで……一体、何をしていたんですか?」

 

 事情が飲み込めない木場に、横島は逃げ道を見つけたとばかりに事情を説明していく。その様子にこれ以上の追求は不可能と判断したリアスたちは、横島の無茶苦茶な説明に混乱する木場に、一から事情を説明していくのであった。

 

 

 

 

 木場への説明が一段落すると、ソーナは眷属たちに一応同居について聞く為に退出する。その際、新入りの眷属の顔合わせについても約束していく。

 

「ソーナも着々と眷属を集めているわね。若手悪魔の会合も近いし、私も眷属を増やさないと……」

 

「リアスちゃんは兵士(ポーン)がまだ全然いないんだっけ?」

 

「ええ。状況次第では最強の駒になり得るだけに、慎重にって考えていたから」

 

「そうですね。兵士の駒は全部で8個。最大8人の兵士を揃えるか、複数の駒を消費して2人から3人の精鋭を揃えるか。悩みどころですね」

 

 朱乃の言葉に、そう言う考え方もあるのかと関心する横島。レーティングゲームに参加することは決まっているが、どのように眷属を集めるかばかりに気がいって、駒の特性や戦略についてまで考えていなかったのである。

 

(よく考えれば、オレってレーティングゲームを見たこともないし、暫くはリアスちゃんやソーナちゃんの眷属集めを見学してた方がいいか?)

 

 そんな横島の内心など知らず、リアスたちは今後の眷属について語り合う。

 

「私としては、そろそろ男性の眷属を増やすべきかと」

 

「同性の眷属がいた方が僕も助かりますね。個人的には、もう一つの騎士の駒が埋まれば鍛錬もしやすくなりますし、連携の練習も出来ていいとは思います。兵士は、そう都合よく何個も駒を消費するような人を眷属に出来るとも限らないので、焦らず流れに任せるのがいいのでは?」

 

「……男の子が増えると、木場先輩も楽だと思います」

 

「……白音と朱乃は、本音を隠してない? 例えば……ライバルが…「「いいえ」」…なら、いいわ」

 

 リアスの言葉を食い気味に否定する二人。リアスも内心ライバルが増えることを憂慮している部分があるので、二人を深く追求することはしない。……一応、意見は述べていることだし。

 

「まぁ、祐斗の言う通り焦らずいきましょうか。その内、兵士を8個消費するような拾い物に出会えるかもしれないしね」

 

「それは流石にないわよ、リアス」

 

「そうですよ、部長。それこそ、神滅具《ロンギヌス》持ちとかになっちゃいますよ」

 

「そうね、流石に8個全部はないわね」

 

 

 

 ……彼女たちは後に知ることとなる。自分たちがフラグを立てていたのだと。

 

 

 

 




 続きました。
 あの娘たちについては、メイド3人組とだけ明かしておきます。今後出てこない可能性もありますが、横島は家のことは彼女たちに任せています。

 リアスが兵士の駒を使用しいていない理由。
 これらは作中設定です。

 関連活動報告は【ハイスクール横島】と記載します。
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