横島inハイスクールD×D   作:雪夏

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原作が近づいてきました。
そして、どうしてこうなった。


横島inハイスクールD×D その6

 

 

 

 

「ヴァレリーの意識が戻らなかったのは、神器を抜かれたからだ。それでも生きていたのは、神器が三つで一つっていう亜種だったから。ここまでは知ってるよな?」

 

 リアスたちに問い詰められ、ヴァレリーについて説明する横島。始める前に、ギャスパーを無駄に悲しませていたとして、白音にわき腹に一発貰い痙攣してたりしたが、今は関係ないことだろう。

 

「ええ。そこで忠夫が抜かれた神器の一つを取り返して、あの娘に。でも、三つ揃っていないから意識は戻らなかった。それでギャスパーひどく落ち込んだもの」

 

「で、考えたわけだ。あの娘の神器は聖杯。なら、かつて砕けた聖杯の欠片を使えばってな。探すのに時間はかかったが、結果は成功。ただ、目覚めたばかりだからオレの屋敷でリハビリ中。精神の方もようやく安定してきたって感じだな」

 

 実際は、横島の切り札の一つ文珠で神器の一つを『複』『製』したものである。最も、長い時を経た横島でも神器の複製は完璧ではなく、ヴァレリーの神器が神滅具ということもあり、未使用の状態でひと月が限界であった。その為、定期的に横島がヴァレリーに文珠を使用する必要がある。また、複製した神器は使用すると、効果の発動と同時に消え去る為、ヴァレリーの神器は使用に著しく制限が課された状態である。

 そのことが逆にヴァレリーの精神を安定させているのだから、物事は予測できないものである。

 

「と言うわけで、当分は屋敷から出すわけにはいかないけど、意識は戻ったというわけだ」

 

 横島の説明に考え込む一同。すぐに教えてくれなかったのには腹が立つが、横島のした苦労を思えば安易に怒ったのは間違いだったのではないだろうかと思うと同時に、精神が安定してきたばかりの彼女のことをギャスパーに知らせたものだろうかと悩む。

 ハーフで親交があったとは言えギャスパーは吸血鬼なのである。彼女が同族である吸血鬼にされたことを思えば、精神が安定した来たばかりの彼女にギャスパーを会わせるのはまだ早いのではないだろうか。会う事が出来ないのに、ギャスパーに意識が戻ったと知らせるのは酷ではないか。そういう考えが頭にあるのである。

 

 そんな彼女たちの悩みなんて知りませんとばかりに、横島は問いかける。

 

「で、早く知らせんでいいのか?」

 

「ギャスパーは今、封印されているのよ? 知らせたところで会いにいけないんじゃ、可哀想じゃない。それに伝えても、信じてくれないかもしれないし」

 

 リアスの言うとおり、ギャスパーに伝えたとしてもヴァレリー本人と会えないのでは、最初は信じても次第に会えないのは本当は意識が戻っていないからではと思い込まれる可能性もある。今そういったことを心配しても仕方がないのだが、双方が会えるようになるまで黙っておくことにしたようである。

 ギャスパーの場合、封印解除の条件の一つがリアス次第な所がある為、二人を再会させる為に一層の努力を誓うリアスであった。

 

 

 

 

 ギャスパーに対する方針が決まった翌日。横島は駒王学園高等部の二年B組の扉の前に立っていた。編入生として、紹介されるのをまっているのである。

 

「あー、やっべー。緊張してきた。黒歌のやつはいいよなー。オレたちが出るまで寝てたし」

 

 黒歌の自由さを改めて羨む横島だったが、クラス担任の入室を促す声に従い教室へと足を踏み入れるのであった。

 

 

 

 

 編入生を迎え入れたクラスは、静かであった。それに対し、美少女じゃないんだしこんなものかと横島は思ったが、大半の生徒は横島の額に注目していた。

 

(バンダナ……? 制服に?)

 

 どうやら、制服にバンダナと言う組み合わせに注目しているようである。そんな中、違うところに注目している女生徒が一人。彼女の名前は桐生藍華。眼鏡を通して男性のアレを数値化できるという謎の能力を持つ人物である。

 

(な、何アレ……。通常時で、あのサイズだと言うの……?)

 

 そんな注目を浴びているとは知らない横島は教室を見回す。クラスに知り合いはいないが、駒王学園に初めて来たときに青春していた男子生徒三名と、それを咎めていた女子生徒が数人いた。あっちの男たちと仲良くなれば、覗きに誘ってくれるかなと考えた所で、自己紹介を始める。

 

「初めまして、大阪からやって来た横島忠夫です。好きな食べ物はハンバーグ、嫌いな食べ物はたまねぎとヤモリです。宜しくお願いします」

 

 教師と生徒たちにヤモリ……? と疑問を与えながらも、自己紹介を終える横島。その後、質問タイムに移るのかと身構えていた横島だったが、そんなことはなく一番後ろの席に座らされ、HRが終了する。

 何処か拍子抜けしていた横島だったが、HRの終了と同時に生徒たちが押し寄せてくる。

 

「オレは松田。なぁ、お前は何処が好きなんだ? 胸か? 脚か? 尻か?」

 

「オレ、元浜。そっちがイッセーな。イッセーは極度の胸派なんだが……」

 

「お前は人の性癖をばらしてんじゃねぇ! 大体、お前はどうなんだよ!」

 

 席が近い三人が真っ先に質問してきたが、すぐに話題がそれて仲間内で変態会話をしていく。それを若いなぁと思いながら見ていた横島だったが、他の生徒に話しかけられる。

 

「大丈夫?」

 

「何が?」

 

「いや……あの変態男子のノリについていけなかったのかなって」

 

 どうやら黙ったままの横島に、三人組みのノリの引いていたのだと認識されたようである。

 

「いや、そんなことはないぞ? ただ、若いなぁって」

 

「あんたも十分若いって。まぁ、それだけのものを持ってれば、そんな風にもなるかもね。間違いなく横島が学年……いや、学園ナンバーワンだよ」

 

 その言葉にクラスの空気が固まる。それを不思議に思った横島が周囲を見回すと、女子はうっすらとほほを染め、男子は落ち込んだり驚愕したりと様々である。

 一体どうしたのだろうかと考えていた横島の元に先ほどの三人組みが戻ってくる。

 

「「「兄貴と呼ばせてくだせぇ!!」」」

 

「は?」

 

 かつてのクラスメイトたち並に濃いかもしれない。横島はそう思うと同時に、今の自分がこのノリについていけるのか若干心配になるのであった。

 

 

 

 




 横島が兄貴になりました。どうしてこうなった。

 一誠たちのクラス。ギャスパー、ヴァレリー関連。聖杯の欠片。
 これらは作中設定です。

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