アドマイヤベガIF ~もしも妹さんが生きていたら~   作:トマリ

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『概念としては思い付いたけど小説として膨らませられる程ではない』というネタを二つほど思い付いたので、二本立ての会話文SSとして射出します。
最初のネタは前回の話の後日談的な内容になっています。


覇王ズセクステットメンバーのヒミツ①
・実は、アドマイヤベガとアドマイヤリラの恋のレースについては(ハルウララを除き)大体把握しており、邪魔しない程度に見守ろうとしている





『アヤリの悩み』と『尻尾ハグ』(会話文SS)

 

「あのー、トップロードさん……ちょっといいかな……?」

 

「あれ、アヤリちゃん? どうしたんですか?」

 

「そのぉ……トップロードさんに、折り入って相談がありまして……」

 

「私に、ですか? 珍しいですね。アヤリちゃんでしたら、私よりもお姉さんのアヤベさんに相談した方がいいんじゃ……?」

 

「いやぁ……これはその、ちょっとお姉ちゃんには相談できない内容と言いますか、ね?」

 

「……あっ、なるほど。いくら姉妹でも相談できないことはありますもんね! わかりました! では、ここは学級委員長として私が相談に乗りますっ!」

 

「あ、ありがとう! さっすが委員長っ、頼りになる~!」

 

 

 

 

「それで、一体何があったんですか?」

 

「……三日ぐらい前の話になるんだけどね……トレーナーさんたちとお出かけしたんだよ」

 

「トレーナーって……あのアヤベさんとアヤリちゃんのトレーナーとですか?」

 

「そう。まぁ、当初は私とトレーナーさんの二人っきりのハズだったんだけど……なんか諸々あった末にお姉ちゃんも加えて三人で行くことになって……更に色々あってゲームセンターに行ったんだよ」

 

(そういえばアヤベさんも行ってましたね……『ゲームセンターでリラが危なっかしかった』とか……)

 

「んでさぁ……私ダンスゲームやったんだよねぇ……。ここでハイスコア出してカッコいいとこ見せて、トレーナーさんに一気にアプローチしようと思ってさぁ……」

 

「ダンスゲームですか……確かにアヤリちゃんは得意でしたよね」

 

「そーなの。で、実際ハイスコアは出せたんだけどさぁ……肝心のトレーナーさんには、その辺あんま効果なかったみたいで」

 

「そうだったんですか?」

 

「……それどころか、『アヤリが心配で気が気で無かったー』とか言ってさ、なんかお姉ちゃんと通じ合っててさ……」

 

「あー……」

 

「……確かに客観的に見たら、まるで私がお姉ちゃんとトレーナーさんが夫婦で、私が手の掛かる娘みたいな空気感になってたんだよねぇ……」

 

「それはまたなんと言いますか……」

 

「はぁ~……」

 

(それは確かに、まるでアヤベさんの方がアヤリちゃんよりもトレーナーさんと親密になっているように見えなくもないですね……。リードしたつもりがリードされていたと……それはアヤリちゃんも嫉妬して、落ち込むでしょうね……)

 

「……んでね、私その時思っちゃったんだよ……」

 

「はい……」

 

 

 

「トレーナーさんとお姉ちゃんが親で私が娘って……それはそれで悪くないかなって……」

 

 

 

「……え??」

 

「いや、だから……もしお姉ちゃんとトレーナーさんが夫婦になるのなら、私が養子縁組で二人の子供になるのもアリかなって……」

 

(……この人は一体何を言ってるんでしょうか???)

 

 

 

 

「え、なんなのトップロードさんその顔。私、今なにかおかしなこと言ってるかな?」

 

「まぁまぁおかしいこと言ってると思いますけど?」

 

「なっ、なんでよトップロードさん!? トップロードさんならわかってもらえると思ってたのに!!」

 

「アヤベさんと血縁関係のない私がその気持ちをわかったらそれはそれで問題だと思うんですけど……」

 

 

「たとえば、想像してみてよトップロードさん。

 

のどかに晴れたとある日……久しぶりに外で遊べるからと公園で娘としてはしゃぐ私……そしてそれを『怪我するなよー』とか言いながら夫婦としてベンチに並んで座るトレーナーさんとお姉ちゃん……二人とも口許に手を当てて笑ってる……

 

そんな日常を想像してみるとさ……なんか、それはそれで良いな、って……」

 

 

「ん、んん……? わかるような、わからないような……?」

 

「でもなんか、一瞬でもそう思っちゃったのって、なんか敗北感感じるというか……二人の仲を結構認めちゃったってことになるんだよねぇ……。そこがちょっとね、落ち込んでるっていうか……」

 

(結果的に落ち込んではいましたけど、予想とはだいぶベクトルが違うんですが……)

 

「それで、こんなときはどうすればいいと思うトップロードさん?」

 

(この流れで私に振ってくるんですか……どう答えるのが正解なんですかこれ……)

 

「お姉ちゃんに負けた感がすごい一方で、それもまた良いと思っちゃってるんだぁ……どうしよ……」

 

「んーと……とりあえず、もっと頑張って、もっと状況をアヤベさんより優位にするつもりで頑張っていけば、余裕を持って考えられるようになるんじゃないですかね?」

 

「な、なるほど?今よりもっと……」

 

(状況が未知過ぎたのでなんだか変なアドバイスになってしまいましたが……大丈夫でしょうか……?)

 

「……今より状況を優位にする……。……うん! わかったよトップロードさん!」

 

(ほっ。なんだかわかりませんが、無事に助けにはなったみたいです……)

 

 

 

 

「私っ、これからはお姉ちゃんを養子にするつもりで頑張るよ!!」

 

「????????」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜。

栗東寮の広場にある共用のテレビにて。

 

 

 

『~~~……』

 

 

 

「……あ、CM入った!」

 

「えー!? すっごく良いところなのにー!!」

 

「いやぁなんていうか……この『LOVEだっちシーズン4』って番組、思ったよりドロドロなんだね~……目が離せないよマヤちゃん」

 

「私もだよ~アヤリさん」

 

「まさか後輩ウマ娘ちゃんが第一話から一途に想い続けていた先輩ウマ娘に、ここにきてウマ娘を取っ替え引っ替えしてる疑惑が出るなんて……! 私はこのシーズンから見始めた口だけど、こういうパターンって過去のシーズンにはあったのマヤちゃん?」

 

「うーんどうだろう……」

 

「……あるにはありましたが、ここまでのものはなかったと記憶していますアヤリさん」

 

「あ、イクノディクタスさん……本当なの?」

 

「はい。……ですが今シーズンは違うようですね。『今回では今までのシーズンではあえてやらなかったことに挑戦する』という製作陣のインタビューもありましたし……ここにきて路線変更ということでしょうか……。まぁ、現に視聴率が向上していたり、我々もより物語に入り込めている以上、何も文句は言えませんが……」

 

「へぇ~。……シーズンごとにキャラを一新しているとは言え、やっぱりこうなるとTSUT◯YAで過去のシーズンも借りて早いとこ履修した方がいいかな……」

 

「上映会するなら付き合うよアヤリさん!」

 

「私も、過去のシーズンを復習するのは悪くありません。より物語への理解度が深まりますからね」

 

「あははっ、二人ともありがとう! じゃあその時は付き合ってもらおっかな!」

 

「……そういえばアヤリさん、お姉さんは今日も来ないの?」

 

「今日も来ないよマヤちゃん~……面白いからって何度も布教しようとしてるんだけど、やっぱりお姉ちゃんこんな恋愛モノには興味ないってさ……。そんなだからお姉ちゃんは恋愛偏差値低めなんだよ……まぁ、今は高くなられても困るけど」

 

「……ん。しっ、二人とも、CMが明けたようですよ」

 

 

 

 

 

『やっぱり先輩はっ、こんなダートばっかり走ってる砂まみれのウマ娘なんてどうでもいいんですねっ!!』

 

『待つんだ後輩!』

 

『待ちませんこの浮気ウマっ! どっかのウマの骨の尻尾でも追いかけてたらいいんですっ!』

 

『待ってくれったら!』

 

『っ……今さら抱き締めたってっ……!』

 

『……後輩。私はな、物事は口に出すより先に行動に移すタイプなんだ』

 

『……それがなんですか。そんなの、ずっと前から知ってますよ』

 

『だから……本来はちゃんと勝ってから君に伝えるはずだったんだ。しかし……そのせいで君を誤解させてしまったのなら仕方がない。これが真実なんだ……』

 

『これは……っ!? なんで来月のGIレースの出走バの中に、先輩の名前が……!? あっ、ま、まさか……! ここの所私と付き合いが悪くなってたり、他のレースウマ娘のところにばかり行ってたのって……!』

 

『……私はまだ、君の隣にいるには格も箔も足りない。だから、早く君と釣り合うようなウマ娘になりたかったんだ。だから、GIレースを勝ったときに初めて、君と……!』

 

『っ! ……先輩はっ、バカです……! 私は、先輩に格が足りないとか、そんなの全然気にしてないですしっ……! 私はっ、私は先輩がいてくれればそれだけで……!』

 

『後輩……』

 

『先輩……』

 

 

『ん───』

 

 

 

 

 

「きゃーー!! いったーー!! 尻尾ハグいったーー!! マヤも盛り上がってきちゃうーー!!」

 

「シーズン2最終回以来の尻尾ハグ、ここで来ましたか……! シーズン1で初めて行われて以降、シーズン2でもされて半ば終盤でのお約束のようになりましたが、なぜかシーズン3では全く行われずこのシーズン4まで古参視聴者をヤキモキさせていたあの……!」

 

「う゛っ……!」

 

「ちょっ、ウオッカ!? あんた鼻血噴いてるじゃない!! 早くティッシュを!!」

 

 

 

「……え?」

 

(……なんで皆、こんな騒いでるの?)

 

 

 

「え~!? ここでTo Be Continued!?」

 

「次が最終回なのですが……果たして尺はあるのでしょうか……?」

 

「ねー? 後輩ウマ娘ちゃんのダートの試合も残ってるのに」

 

「う゛う゛っっ……」

 

「ウオッカ! 気をしっかり持ちなさい!! ちょっと!!」

 

「うう~……早くウマスタで他の人の感想も見てみよっと!」

 

 

 

 

「…………」

 

「? アヤリさん? さっきから静かだけど、どうしたの?」

 

「え? いや……。今番組内でウマ娘二人がやってた、あの尻尾同士を絡み合わせるヤツだけど……」

 

「尻尾ハグのこと?」

 

「たぶんそう。……あれって……そんなすごいことなの?」

 

『え??』

 

 

 

「どっ、どういうことアヤリさん?」

 

「え? だって……私はしょっちゅうやってるし……」

 

『えーーー!!?』

 

 

 

「あっ、アヤリさん!?」

 

「た、確かにアヤリさんは我々の中でも積極的な方とは思っていましたが、ここまでとは……!」

 

「ええっ、な、なんなの二人ともっ! そんな驚くこと?」

 

「あっ、相手は誰なのっ!? 一体誰としたのっ!?」

 

 

「だ、誰って……お姉ちゃんとだけど……」

 

『お姉ちゃんと!!?』

 

 

 

「姉妹で、ですか……! まさかあのアドマイヤベガさんが……!」

 

「もしかしてキンダンのコイってヤツなのかな~!!」

 

 

 

「禁断の恋って、なんでそういう方面に行くの? たまーに夜にお姉ちゃんと(私がホラー番組見た時とかに)一緒に寝てベッドの中でやってるだけだよ?」

 

『夜にベッドの中で!!?』

 

 

 

「な、なんという……!」

 

「アヤリさんとアヤベさんって大人のカンケイだったんだぁ……!」

 

「ん゛ん゛っ……」

 

「ちょっウオッカ!? なんであんた気絶しながら鼻血噴くっていう器用なことしてんの!?」

 

(?? 普通の姉妹の触れ合いのハズなんだけど……なんで皆こんなに驚いての?)

 

「ち、ちなみに……ヤル時はどっちから……?」

 

「えぇ?」

 

「私も不躾ながら気になりますね……」

 

(……基本は私の方からなんだけど……『ホラー番組見て怖いからやってます』なんて恥ずかしいから言えないし……お姉ちゃんからやってくることもあるから、こう言ってもいいよね?)

 

 

 

「まぁ、基本は(寝ぼけた)お姉ちゃんからやってくることが多いかな。そのせいで(嬉しくて)私が寝不足になることもあるし」

 

『お姉ちゃんからなの!!?』

 

 

 

「アヤリさんは、追われる側だったのですか……!」

 

「オトナだぁ……! アヤリさんオトナの女性だったんだぁ……!」

 

(……? なんでそこまで盛り上がってんのかわからないけど……。ま、なんか称賛されてるのは悪くない気分だし、別にいっか♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのーアヤベさん、最近クラスメイトや皆さんの間で、『アヤベさんが夜な夜なアヤリちゃんに尻尾ハグを求め続けて眠らせていない』という噂が広まってるんですけど……」

 

「何の話??」

 

 

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