一文字隼人、オタクに優しいギャルみたいな奴だよね。 作:よよよーよ・だーだだ
もともと
あーしが出会ったその人は、国語の先生だった。先生は普段からぼんやりしたダサいオッサンで、授業は教科書を読んでるだけで事実上の睡眠学習。しかもちょっとオタクで今でいうところのコミュ障、オマケに当人がかなり浮世離れしてたのでクラスメートの誰からも内心でバカにされてる、そういう人だった。
けれど、『札付きのワル』として周りのオトナたちから距離を置かれてたあーしのことをただ一人、目にかけてくれた人でもあった。
そんな先生と関わるようになったきっかけは、校舎の窓ガラスをブッ壊したことだ。
原因は不良グループとの対立。今思えばクソダサい猿山のナワバリ争いでしかなくてマジ黒歴史だけど、
とーぜん、あーしはそのことで学年主任に呼び出され、耳から耳に抜けるような説教タイムを経たのちに反省文を書くよう命じられた。まぁそんなのいつもどおりバックレても良かったんだけど、このときはなんとなく気まぐれでテキトーに書いて出してやった。
それを読んでくれたのが、先生だった。あーしの文章を読んだ先生は、あーしを呼び出してこんなことを言った。
「一文字さん、貴女、文章上手だね。本、実は結構読んでるでしょ?」
……は? 本なんか読んでねーし。
あーしは咄嗟にそう答えたのだけれど、そんなヘタクソなウソじゃあ先生の目は誤魔化せなかった。先生はいつになく
「貴女の書いたもの、もっと読んでみたいな」
なに、毎回反省文書けっての? じゃあ毎回窓ガラスをブッ壊してやろーか?
そうやって凄んでみせたけど、先生はいつもの昼行灯っぷりがウソみたいに怯まなかった。へにゃ、とクソダッサイ笑顔であーしに言った。
「窓ガラスは別に割らなくていいよ。貴女だって、めんどくさいでしょ?」
……そりゃまあ、そうだ。窓ガラスを割ったのだってバカ騒ぎの見栄の張り合い、ノリでやっただけ。学年主任その他に絞られて興が醒めた今、今更また繰り返す気にはなれなかった。
「もし気が向いた時でいいから、何か書いたら持ってきてほしいな。どうだろう?」
あっそ、気が向いたらね。その当座はそう言って別れた。
あるいは『メンドクセー』とこれまたいつもみたいにバックレても良かったのかもしんない。けど、『自分が書いたものが褒められる、期待される』なんてのは生まれて初めての経験で、ついついその気になってしまったのだった。
次に書いたものを見せたとき、先生はこんなふうに感想を言ってくれた。
「一文字さんの文章、言葉の選び方がとってもイイネ。人の孤独に寄り添おうとする貴女の優しい心が感じられるし、何より『力強さ』を感じる。きっと、良い本を沢山読んできたんだね。ぼくもこういう文章が書きたかった」
思えば、先生も本来こんな底辺ヤンキー高校の国語教師なんかやってるような人じゃなくて、本当は小説家かなんかの世界が好きだったんだろう。
それからあーしは自分の文章を先生に見てもらうようになり、先生との付き合いはあーしが卒業するまで続いた。かつて札付きのワルとして名を馳せたあーしが高校を中退せずになんとか卒業できたのも、きっと先生がいてくれたからだと思う。
卒業式の日、先生はこんな言葉をくれた。
「いいかい、一文字さん。貴女の名前はとっても素敵なものなんだよ」
……は、なんだし。それ、口説いてんの? セクハラでチクんぞ??
いつもどおり捻くれた態度を見せたあーしに、先生はなおも続けた。
「『つらい』って字、漢字で書いてごらん?」
はっ、んだよ。ショウガクセーでも書けるぜそんなん。先生の真意を図りかねつつ目の前で『
「そこに
……あ、ホントだ。気づかなかった。
素直に驚いてしまったあーしに、先生は「つまりね、」と続けた。
「貴女の
……ふん、何言ってんだか。タケダ=テツヤ気取ってんじゃねーし。だいたい『
当時はそんな風に斜に構えて鼻で笑ったけど、こうして大人になった今でもずっと心に残ってるんだからいわゆる『感銘を受けた』って奴なんだろーなきっと。
そんなわけで、あーしは国語の成績だけはバッチリ良くなって、高校を出る頃にはなんとなーく『文章を書ける仕事に就ければイイな』と思うようになっていた。
そんな自分の心境を幼馴染のミユキチに話したところ、ミユキチは感嘆したように言った。
「へー……イッちゃん、変わったね」
変わった、なにが? そう聞き返すと、ミユキチは「だってさあ、」とニヤニヤ笑うのだった。
「先生の話をするようになってから、イッちゃんメッチャ変わったよなあって。大嫌いだった勉強もちょっとはするようになったし、中学の頃なんかメチャクチャ荒れててそれどころじゃなかったし。先生のおかげじゃん、感謝しなくちゃね」
……は、うっせーし。
なんだか顔が熱くなった気がしてきて耐えられなくなってきたので、あーしはすぐに話題を変えた。
「ミユキチ、そっちの方こそどうすんの? オマエ、大学行くんだよな?」
「わたし? わたしはねー、もう決めてあるんだー」
そう言いながら、ミユキチは鞄を漁って一冊の本を取り出した。その本は400ページくらいの分厚いハードカバーで、表紙にはこう書いてあった。
「『子供の心のケア、児童福祉の現場から』? ナニコレ?」
本のタイトルを読み上げたあーしに、ミユキチはフフーンと得意気な顔で答えた。
「わたしねー、児童福祉司になりたいんだー」
ジドーフクシシ?
聞き返すあーしにミユキチは「ほら、覚えてる?」と促した。
「村の『震災』でウチらがお世話になった施設の人。あんな感じに子供を助ける人になれたらカッコイイじゃん、って」
なるほど、だからミユキチは大学行くのな。
ミユキチはグレてるあーしと違って頭が良くて勉強もできるし、気立ても素直で誰からも好かれるイイコチャンだ。奨学金取って大学行くことになったのは知ってたけど、ちゃんと目標があったんだな。
あーしが感心していると、ミユキチはますます得意になって、挙句の果てにこんなことを言うのだった。
「児童福祉司は任用資格だからね、大学行ってちゃんと勉強しなきゃ。だからイッちゃんも、きちんと将来のこと考えなきゃダメだよ? ウチらはもう高卒、いつまでも不良ギャルやってるわけにはいかないんだから」
はいはい、わーったわーった。
かくしてあーしは文章を書く仕事を目指すようになったのだが、とはいえあーしにお話作りの才能はさっぱり無かったし、他には気合と根性しかなかったもんで、最終的にはジャーナリズムの世界へと飛び込むことになった。楽しむためのフィクションは好きだけど自分で考えるのは得意じゃないし、ウソも苦手だ、スッキリしない。それに引き換えジャーナリズムの世界は至ってシンプル、ホントのことをきちんと調べて書けばいい。
そうしていくつか雑誌に寄稿していた記事のうちの一つが、当たった。
このときのテーマはかつてのあーしと同じような街の不良少女を取材したもので、弱い立場の彼女たちをとことん追い込んでいく社会の理不尽、絶望、そしてそこに付け込んで食い物にする弱者ビジネスの巨悪を暴こうとしたものだ。これがインターネットのSNSその他でちょっとした評判となり、これまたド偉い作家先生の名前を冠したノンフィクション賞の新人賞と、これまた御大層に立派なトロフィーなんかもいただいちゃったりした。
そんな分不相応な華々しいデビューを飾っちゃったあーしは、新進気鋭のフリーランス・ジャーナリストとして生きてゆくことになったのだ。
その“組織”の存在を知ったのはそんなジャーナリストとして活動し始めてから数年後、ある人から依頼を受けたことだ。
ことの発端は、一人の少女の失踪事件。学校生活に問題を抱えていた依頼人の娘は『幸せになりにゆく』とだけ言い残して、ある日忽然と姿を消してしまった。これだけならよくある家出人の事件でしかない話だが、依頼人が独自に調べてゆくうち各地で同様の失踪事件が発生していること、そしてその裏に巨大な“組織”が暗躍していることに気づいてしまったのだという。
その非合法組織の名前は『Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling』。これまた結滞に長い名前だが、裏の世界では頭字語で『
『どうか、娘を攫ったSHOCKERの悪事を暴いて世間に訴えて欲しい』、それがあーしに接触してきた依頼人の依頼内容だった。
……いいネタになる。そう思った。
人生に迷った末に『幸せになりにゆく』と言い残して闇へ消えた少女。そんな追い詰められた不幸な人たちを食い物にして利用するSHOCKERは、まさに外道の中の外道だ。たとえ世間のナニサマがヤツらを許したとしても、このあーし:一文字はぜってー許さねぇ。
早速ミユキチを行きつけの居酒屋に呼び出し、そういう腹案があることを打ち明けてみたところ、ミユキチからは思わぬ反応をされてしまった。
「……大丈夫、イッちゃん?」
大丈夫、なにがだ。聞き返すあーしに、ミユキチは心配そうに顰めた顔で言った。
「前の取材、『弱者ビジネス』だっけ? 前の取材のときもイッちゃん、メッチャしんどそうだったからさ。休んだら? 無理、してない?」
はっ、してねーし。つい意地を張って答えてしまったのだが、ミユキチからはそこら辺もお見通しのようだった。ミユキチはお通しで出されたツマミの枝豆をパクパク食べながら、こんなことを言った。
「イッちゃん、なんだかんだ言って優しいし、しかも強がりだからね。そういう闇の深い感じのところ行くと、とことん付き合っちゃう気がするんだよね~」
はっ、しねーし。そっちこそどーなんよミユキチ。
あーしがそうやって訊ねると、ミユキチは「わたし?」と首を傾げたので、さらにあーしはツッコんでやった。
「そーだよ。福祉の仕事、大変なんだろ?」
高校卒業、そして大学卒業から数年。あーしがジャーナリストになったのと同様に、ミユキチは児童福祉司になるという自分の夢を叶えていた。今のミユキチは児童相談所に勤めており、酷い親から虐待された子供たちを保護するために日々奮闘しているらしい。
そのことを聞き出そうとすると、ミユキチは途端に鼻息を荒げた。
「ダメだよ~、イッちゃん。福祉のお仕事にはちゃぁんと『守秘義務』ってのがあるんだから。たとえ幼馴染相手でもそうペラペラ喋るわけにはいかないの」
……ふーん、ちゃんとしてんね、オマエ。あーしは笑いながら、自分のノンアルのグラスへ口をつけた。
それから数日後、準備を整えたあーしはSHOCKERへの取材を開始した。
SHOCKERについては、調べれば調べるほどヤツらのヤバさがひしひしと感じられた。デストロン、GOD機関、ゲドン、ガランダー、ブラックサタン、デルザー、スマートブレイン社、財団X……SHOCKERの下位組織にあたる反社集団やカルト、あるいはフロント企業は山ほどあってヤツらの悪事は決して表沙汰に出てこないが、SHOCKERが世の中に与えている影響力は絶大なもの。ヤツらがマジモンの『悪の秘密結社』なのはさらっと調べてみただけでも十二分によくわかった。
だけど、あーしにはペンがある。あーしがペンで世の中に訴え出れば、きっと皆わかってくれる。皆で力を合わせてくれれば巨悪にだって立ち向かえる、そう信じてたんだ。
SHOCKERを調べるにあたってあーしが選んだ方法は『潜入取材』。
SHOCKERの奴らが使っているアジトを割り出し、こっそり乗り込んで内部から情報を集める。これなら誰も巻き込まないし、ヤツらのことを知りたけりゃ直接入り込むのが一番手っ取り早い。
僅かな情報からアジトを割り出すのは難しかったが、それさえわかってしまえばあとは想定以上にことがスムーズに運んだ。まったくザル警備もいいところだ、SHOCKERの下級構成員は決まった制服、そしてマスクを着ている。だからそれらを失敬してしまえば、あとは成り済ますのなんて簡単だったのだ。
かくして始まった、あーしによるSHOCKERへの潜入取材。しかし、そこで見せられたものは、あーしの想像を絶するものだった。
「あのねあのねあのね!」
そう声を弾ませたのは、下級構成員の一人。他の同僚に向かってエラく楽しげな声で話しかける。
「昨日ね、わたしね、バイトで10,000円稼いだんだよぉ!」
それに対して隣の構成員も、「わあ、すごいねえ!」とこれまた大仰にリアクションする。
「わたしは昨日は家にいたよ!」
「私は友達とカフェに行って、可愛いケーキを食べたんだよね!」
「私はショッピングに行って、可愛いワンピースを買ったんだあ!」
「あはははは……!」
「うふふふふ……!」
……なんじゃこりゃ。
SHOCKERのアジトで声高らかに響き渡る、構成員たちによる楽しげな団欒の笑い声。あーしは想定とは違った意味で絶句してしまった。
SHOCKERは悪の組織だ、だからきっとそこにいる構成員も碌な奴らじゃない。そう決めてかかっていたあーしだが、予想に反してSHOCKER内部の実態は極めて平穏なものだった。『アットホームな職場』ってのが公私混同著しいブラック企業の常套句ってのはよく聞く話だが、SHOCKERの内部はホントにマジでアットホームな雰囲気だ。下手すると、巷のブラック企業なんかよりも遥かにホワイトなんじゃねーの。
そんな和気藹々とした雰囲気に呑まれそうになりつつも、あーしが平静さを保てたのは理由がある。
「今日はとっても幸せだね!」
「そうだね、ぼくたちって本当に幸せ者だよ!」
「幸せって最高だね!」
「ああ、幸せになれるって素晴らしいね!」
「でも、無心になりすぎてはいけないよ。今日はわたしたちは組織のために頑張るんだから」
「そうだね。わたしたちはSHOCKERで一つになって、幸せを感じよう!……」
如何にも幸せそうに笑っているSHOCKER下級構成員たち、しかし全員が皆一様に同じように笑っているのはいくらなんでも気味が悪すぎた。いつも楽しいのは善いことかもしれないが、喜怒哀楽の『喜』しかないなんていくらなんでもおかしすぎる。
それに、『幸せ』というフレーズをやたらと連呼しているのも奇妙に思えた。一見すると構成員同士で歓談しているようでいて、よくよく聞いてみるとところどころで会話が成立していないし、シアワセシアワセ言っているのもなんだか自分自身へ無理矢理に言い聞かせているかのような不自然さが感じられるのだ。
……なんかキモチワルイ。スッキリしない。
とはいえ、取材初日はあんまり収穫が無さそうだ。続きは明日以降にさせてもらって、そろそろオイトマさせてもら……
「其処の貴女、」
不意に肩を叩かれて振り返ったあーしは、思わずぎょっとした。
そこに立っていたのは、毒々しい蜘蛛男。
あーしを呼んだ男は華奢な痩躯、だけどその顔は異様なガスマスクに覆われていた。黒と赤のサイケデリックな模様に、緑の複眼のような三つ目のスリット、そして左右4対のドレッドヘア状のチューブ。なんだか、バカでっかい毒蜘蛛を頭に載せてるみたいだ。
その蜘蛛男は、機械的に合成された平坦な声と丁重な物腰であーしに言った。
「一文字さん、と言いましたね。我々の『上級幹部構成員』がお待ちです、こちらへどうぞ」
……あちゃー、とうとうバレちまったか。観念したあーしは素直に投降した。
あーしが通された奥の部屋、着いた途端に蜘蛛男は『上級幹部構成員』に向かってこんなお伺いを立てやがった。
「スパイには死を。それがわたしの考えですが如何しますか、イチロー君?」
……やっぱりこーなると思った。下級構成員たちの和やかさはやっぱり上辺だけ、一皮むけばやはり本性は人殺しも辞さない奴らってことだ。あるいはあれだけニコニコしていた下級構成員たちも、SHOCKER上層部からなんらかのマインドコントロールを受けている可能性だってあるかもしれない。
あーしだって素直に殺されてやるつもりなんて、もちろん無い。ぜってー逃げ延びて、SHOCKERの非道を世に知らしめてやる。
そうやって奮起するあーしを前にして、イチローと呼ばれた上級幹部構成員は「まあ待て、クモ」と制止した。
「まだ手を出さなくていいよ。こいつはいずれ“おれたちの仲間になる奴”だからね」
……は? 今なんつった? おれたちの仲間、誰が?
思わぬ言葉にあーしが唖然としている一方、蜘蛛男とイチローのやりとりは続く。
「そうなのですか? わたしにはそう見えませんが」
「ああ。おれにはわかる。こいつは、かつてのおれと同じ『絶望』を抱えている。まだそこまで熟し切ってはいないが、いずれおれたちの側へと堕ちてくる。そういう奴だ」
悟った覚者のような顔つきで答えるイチローに、蜘蛛男は「なるほど……」と考え込んだ。
「……イチロー君が言うのなら“そう”なのでしょう。承知しました、手を出さずに置きます」
「ありがとう、クモ。おれは少しこいつと話がしたい。君も居てくれるかい?」
「はい、喜んで」
オイオイオイオイちと待てやコラ。当のあーしを無視して勝手な話を続ける二人に、あーしは思わずツッコんだ。
「言うに事欠いてあーしのことを『仲間になる奴』だって? ざっけんなっ、誰がオマエらみたいな悪党の仲間入りなんぞするかッ!」
「……『悪党』?」
ガルルルと唸りながら噛みつくあーしの言葉にイチローは一瞬首を傾げたが、やがて呆れたように口を開いた。
「まさかおまえは、おれたちSHOCKERが『悪』だと思っているのか? 『世界征服を企む悪の秘密結社』とでも?」
はっ、ちげーのかよ。
あーしは鼻で笑いながら睨みつけてやったのだけれど、イチローは相変わらず悠然とした佇まいを崩さないままこう答えるのだった。
「勘違いも甚だしいな。“IF YOU WANT TO BE HAPPY,BE:幸せになりたいのなら、なりなさい”、それがおれたちSHOCKERだ。ここにいる奴らは“自ら望んで”、そして幸せになるために此処にいる。部外者である今のおまえが外からどうこう口を挟むことじゃあない」
すかさずあーしは反論した。
「罪もない女の子を攫ってその家族を泣かせて、それで『幸せ』だと? タワゴト抜かしてんじゃねーし、悪党が」
あーしはそう言ってSHOCKERの悪行を突きつけてやったのだが、当のイチローは歯牙にもかけずに「まぁ、おまえにもいずれわかるさ」と席を立った。
「もういい。
なんだって……!?
唖然とするあーしに、イチローは平然と言い放つ。
「おまえはおれたちの同類だ。ここでどうこうしなくても、いずれおれたちのところへ堕ちてくる。それに、どうせ誰もおまえの言うことなど耳を貸さないだろうしな」
そうしてあーしは、指一本の危害も加えられないままSHOCKERのアジトから追い出されたのだった。
蜘蛛男に見つかった際も身体検査をされたので、あーしが隠しカメラやレコーダを持ち込んでいたこともバレたのだが、それらも中身を確認されただけで一切没収されなかった。
……さてはあーしのこと、ナメてんな。それで吠え面かくんじゃねーぞ、SHOCKER。
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