<オリ章作成中につき現在更新停止中>Project Moon RPG気ままに実況プレイ   作:とろねぎ

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独りはいや

 

コメディチック。知らんけど

 

昨日今日でお気に入りが30人ぐらい増えてて戦慄してる。

これが、評価バーが赤に染まるということか...!

 

 


 

どこかの巣。

 

どこかの地区。

 

活気溢れる道に。

 

二匹の獣が落ちた。

 

『少女』を下にして叩きつけるように落ちてきたそれらは、それだけで十数人の命を奪った。

 

即座に体勢を建て直した『少女』は、走り出す。

 

横に避ける者以外を雑多に踏み潰して。

 

悲鳴と血肉に塗れても息を荒くしてぎこちない四足歩行で逃げ出す。

 

必死に逃げる『少女』。それの上から狐が降下し、頭を掴んで再び地面に叩き付けた。

 

『アハハハッ!...痛イ!痛イィ!』

 

自分を押さえ付ける狐に、新しいおもちゃで遊ぶ子供のように笑う『少女』。

 

それに答えることはせず、首に噛み付いて『少女』を振り回す。

 

食いちぎらんばかりに噛み締め振り回し、叩きつける。

 

固く無機質な人口道路を割り、温かみを感じる建築物を破壊する。ひしゃげた肉塊が潰れ、血と骨と臓物が飛び散り二人の躰を赤く染めていく。

 

白に赤が混じって、また違う赤が混ざる。

 

『...』

 

狐が少し目を閉じ、狐の顔に爪を立てる『少女』の首から、こきりと綺麗な音がした。

 

力無くたれさがる爪が少しだけ肉を抉りとった。

 

狐は牙を抜いて腕の中に優しく落とす。

 

少し胸に引き寄せて反芻するように抱きしめたあと、口を開く。

 

何をするにしても、早くしなければ再び『少女』は動き出すだろう。それなのに口を開いて固まっている。

 

『...もしかして』

 

口を閉じて呟くとそれを待っていたかのように『少女』が燃え出す。

 

炎の中から爪が飛び出て狐の胸に突き刺さる。

 

『うっ...ぐ...』

 

『きひっ、きひひひっ!見て見て、こんなに強くなったよ!もうおかあさんの邪魔にならない!役に立てるよ!だからさっだからさっ!......一人に、しないでっ...!』

 

笑ったかと思えば泣きそうな声になる

 

『...おもいだして。あなたが、だれなのかを...』

 

『私?...私は、私で...これもあれもそれも!ぜーんぶ私!ふわふわ浮かんでパンッて弾けて!のらりくらりと綿毛みたい!あっおかあさん血が出てる!』

 

爪を引き抜いて毛繕いをするように狐の顔を舐め始める。

 

『いま、たすけてあげるから。』

 

『ん...私、今とっても幸せだよ?ふひひっ!』

 

再び笑った『少女』の立っている地面が裂けた。

 

『こわがらないで、だいじょうぶ。』

 

『...えへへっ』

 

落ちていく中で、『少女』が笑った気がした。

 

 

 

 


 

 

 

 

「にははは!飲め飲めぇ!さーけ!さーけ!」

 

「うるさいですよ。僕の階層で何やってるんですか?ローラン。」

 

「俺!?俺何もやってないんだけど!?」

 

「じゃあなんでチェシャがあんなに酔ってるんですか...」

 

「にははぁー!!」

 

べろんべろんのチェシャを眺めながら呆れたように話すローランとネツァク。だが、すぐにローランはチェシャが持っているものに気づいた。

 

「...え?お前これ...」

 

「なんだったんですか?」

 

「ウイスキーボンボン。」

 

「ウイスキーボンボン...?」

 

「...ウイスキーボンボン。」

 

「ウイっ...スキーっ!」

 

「...これで酔ってたんですか...?」

 

「みたい...?」

 

「ウチかてねぇ!」

 

「「っ!?」」

 

ビクリと二人の肩が跳ねる。

 

「酔いたくてこんな酔い方しとるわけやないんやてぇーっ!ゥッハッハッハッハッハアアアアァァッッ!」

 

「「(あ、ダメだこれ...ダメな酔い方だ...)」」

 

二人の心が一つになったのも束の間、図書館が揺れた。

 

「おわっ!?」

 

「なにが...」

 

そして、獣の遠吠えがやって来る。

 

「...まさか。おっちゃん!上!」

 

「あ!おい待て!」

 

ふと呟いてから駆け出すチェシャ。そしてそれを追いかけるローラン。そしてそれを見ながら缶ビールのプルタブを起こすネツァク。

 

「...いや何お前は飲んでんだよ。」

 

「あなたたちが行くなら僕いらなくないですか?」

 

「...確かに!」

 

「納得しないでくださいよ。それはそれでなんか...」

 

ぶつくさと言うネツァク。いつもならここら辺でチェシャが何か変なことを言うのだが、生憎とチェシャは既に走り去っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「まさかやと思うけど、この声は...保護者はんの...」

 

開けた場所についたウチは、二匹の獣の殺し合いを見ることになった。

 

「やっぱり...ん?アレはなんや?」

 

チェシャの見知った狐とはまた違う、しかしかなり似ている獣が居ることに疑問符を浮かべていると...

 

「...うそん。」

 

狐が『少女』をチェシャの方向へと投げ飛ばしてきた。

 

「(うわでかぁ、もっふもふ。あの子が見たら喜んで撫でに行きそうな...あ、お花咲いとる。可愛ええ。)」

 

「...じゃねぇ!避けるに決まっとるやろこんなん!」

 

「はあ、はあ、やっと追いつい

 

ぷちっ

 

「...え、おっちゃん?...っかしいな、今声したはずなんやけど...?」

 

『いたぁ〜い。...そういえば、初めての喧嘩だね。よし、負けないぞ〜!ひひひっ!』

 

「え...?」

 

石に囲まれた空間のように頭の中に反響する声。その声は、酷く聞き覚えのあるものだった。

 

『次は私からね!』

 

子供の笑い声を響かせながらその身を起こして、保護者はんに飛びかかろうとする獣。

 

「...おい。」

 

『ぐいーっと体丸めて、ぐぐーっと力入れて...きひっ!』

 

「...ウチを...」

 

錫杖を握り締め、叫ぶ。

 

「ウチを見ろや!バカ後輩ぃぃ!!」

 

姿勢を低くし、筋肉を張り上げる『少女』の腕に自身の武器を投擲することで突き刺さし、ねじ切った。

 

「何やっとるんや...ナオちゃん、ナオちゃんやろ!?...お前はこんな馬鹿みたいなことするヤツちゃうがな!あぁ!?」

 

転がってきた腕を蹴り飛ばして啖呵を切る。

 

ゆっくりと『少女』が首を動かし、色の違う二つの球がチェシャを捉えた。

 

『ナオ?誰それ...あなたは?あなたはだぁれ?』

 

...これぐらいじゃこたえへん。問題はこいつをどうするかや。

 

「...ウチはチェシャ。お前は...ナオちゃんや。」

 

『チェシャ!可愛い名前!でも私はナオちゃんじゃないよ?私は...私......あれ?私...?私は、誰...?』

 

楽しげな声から一転、首を傾けての悩ましげな声。心情の変化に追いつけない思春期のような困惑した声。

 

『ゆっくり、ゆっくり、おちついておもいだして。』

 

「おっ、おひさ。いつの間に?」

 

『わからない...わかんない......じゃあ、もう......いっか!』

 

明るい諦念。

 

不穏な空気を感じ取った次の瞬間には、目の前に大口を開いた『少女』が迫っていた。

 

「(あ、ウチこれ......死...)」

 

回線の悪い動画のようなスローで重い世界。それがぐにゃりと歪んだ。

 

自分が立っていたところを鋭い牙が抉り取っていったのを少し離れた場所で見ていた。

 

「...えっ?」

 

『てつだって。しんでるばあいじゃ、ないわよ。』

 

隣で無愛想な顔をして前を見ている保護者はん。そして突然の移動。つまり...

 

「...助けられてもうたか。やけんど...」

 

『すこし、まって。』

 

チェシャの言葉をさえぎって、狐の姿がブレ『少女』に肉薄する。

 

『少女』が爪を振るい、狐はその腕を切り落とす。そして喉笛を噛みちぎる。

 

痛がる様子もなく『少女』は大量の血を流し、灰に戻った。

 

「...ウチ、いらんくね?」

 

『わたしだけじゃ、たりない。』

 

「たりない?」

 

『あのこを、よんで。よびかけて。じかんは、わたしがつくるから。』

 

つまり、戻るんか...元の、一緒にバカやってたナオちゃんに...

 

「...わかった、頼むで。......なんやあれ。腕?」

 

あの子のEGOそっくりな爪?腕?がふわふわと浮かんで...いやいやいや!多ない?

 

「うわこっち来た!アレ叩き潰してええやつ!?」

 

『あの、はいやまいがいは、ね。』

 

それなら話が早い。サクサク〜といこか!

 

 

 


 

 

 

落ちる。

 

下へ、下へ。

 

真っ暗な闇の中へ。

 

落ちる。

 

吹き付ける風と一緒に落ちる私()()を見ながら、「早く下に着かないかな」とふと思う。

 

無限に落ち続ける恐怖よりも、硬い地面に体を打付ける方がマシだと思ったから。

 

そんなことを考えていたら、私が隣にまで来た。

 

笑って、楽しそうに。

 

『なんでお前が生きてるの?くひっ』

 

呪詛を吐き出した。

 

お前()、ということは、私は誰かを殺したのだろうか。なにか、大事なものを見殺しにしたのだろうか。

 

気になって隣の私に聞いても、笑っているだけだった。

 

「まあ、落ちてれば分かるか。」

 

そんな投げやりで他人任せな結論を出して、再び無限に広がる闇を見据えた。

 

 


 

 

 

「ちょ、タンマタンマ!多い、多すぎやて!ひぃー!」

 

飛んでくる腕を蹴り飛ばしつつ、串刺しにした四本の腕を燃やしながら軽口を叩くチェシャ。

 

本当に軽口程度で収まっているのはひとえに、L社で積み重ねた対幻想体の経験があるからこそだろう。

 

なんでこんなドンパチしとんのに誰もこおへんのや!?...アンジェラおるやんけ!何見とんじゃワレェ!!

 

「...んおっ、腕消えた。」

 

『もう一回...もういっかぁいっ。きゃははっ!』

 

また、灰山からあの子が生まれる。ちぎれた腕も、体中についた傷も元通りになって。

 

「あの子何回蘇るん?」

 

『...ずっと...』

 

「ファーーwww」

 

呟いてから、狐が飛び掛り組み伏せる。

 

『少女』も無抵抗にはやられず、炎を纏わせてわずかに緩められた腕に噛み付く。

 

鮮血を飛び散らせて狐が後退する。

 

ずっと!?嘘やろおい!いくら保護者はんでも死なないわけやないやろうし...

 

「...はあ、じゃあはよ起こしたらんとな。」

 

 

 


 

 

 

どさりと遂に体が地に着いた。

 

ジンジンと痛む体を起こすとぱきり、ごしゃりと変な音がする。

 

不思議に思って見ると、ただ自分の死体が積み重なっていただけだった。

 

いい感じのクッションになってくれた私たちに感謝して歩く。

 

私の骨を踏み砕きながら。

 

『おい!』

 

...?

 

何か...聞こえたような...

 

『いつまで寝とんじゃアホ!』

 

誰...?

 

誰なの...?

 

......

 

もう何も聞こえない。

 

私の声じゃない。

 

でも、聞き覚えのある声。

 

何度もこの声に、私は助けられた気がする。

 

私の死体が炎となって消え、一瞬の熱を感じたあと再び落ち始めた。

 

 

 


 

 

 

「くっそ!またダメかっ...!」

 

あの子はまた灰に戻ってもうた。腕をどつき回すのもそろそろ、疲れてきた...!コイツらロボトミーの下手なHEより強いぞ...!?

 

「また生き返ったら今度は両手足折ってでもみるかぁ!?」

 

『そうね、いちど、ぜったいうごけなくしてみましょう。』

 

案外あっさりと受諾されてウチびっくり。

 

「えっちょ、心とか痛まんの!?」

 

『あのこを、とめるため。』

 

答えなっとらんやんけ。やっぱ痛むんやないか。

 

『あのこの、こうげき、とめれる?』

 

「一発ならこれぶん投げて止めたるわ。でも、なんで...」

 

『ゆっくり、してられないから。たしょうのきずは、うける。』

 

アレを受け止めるつもりか...

 

「わかった。」

 

ただ...

 

「ウチも一緒に痛い思いするわ。」

 

保護者はん一人にカッコいい思いはさせへんで?

 

 

 


 

 

 

また私を眺めながら落ちる、退屈な時間が始まったと呆れていたが、今度は案外すぐに終わった。

 

体が痛む感覚はなく、ただくぐもった青い世界の中青を見つめて紺色に沈むだけ。

 

水の中に居ると気付いたのは、しばらく沈んでからだった。

 

上からバチャバチャと私が落ちてくる。

 

眠ったように目を閉じて沈むのも居れば、もがいて溺れている私も居る。

 

こんなに違うんだと他人事のように感じた。

 

それでも溺死は嫌だなと思ったが、動く気力は湧かない。

 

『めを、さまして。』

 

またこの声だ。

 

さっきのとは違う声。

 

ずっと一緒に居てくれたような気がする声。

 

『おうおうおうおう!人の腹斬りつけといて狸寝入り決め込んどんとちゃうぞボケコラァ!』

 

噂をすればさっきの声。

 

...いや口わっる。

 

誰かも分からないのにこれだけ言われて、少し腹が立つ。

 

でも...

 

この感覚...懐かしい...?

 

ゆらゆらと揺れる水面が離れていく。

 

そこから差し込む光が見つめるだけだった私の脳を殴りつけた。

 

なんでだろう。

 

あそこに行かないと、いけない気がする。

 

虫が炎に引き寄せられるように、無意識的に水面を目指して泳ぎ出した。

 

すれ違う私は、全員が上へと登る私が不思議で仕方ないみたいでまじまじと見つめては、ごぼごぼと口から気泡を吐き出していた。

 

上がって、上がって...

 

水面に手が届き顔を出す。

 

すると突然、上だったものが下になって...また落ちていった。

 

 

 


 

 

 

「...生かさず殺さずってこういうこと言うんやろな...」

 

『うまいぐあいでしょ?』

 

「しっかりどっちも痛い思いしたけどなぁ〜」

 

『どうして...どうして酷いことするの...』

 

「お前が大事だからに決まっとんやろ。」

 

『大事...?なんで大事なの?...私は誰...?』

 

未だに自分を見失っている『少女』は、ひしゃげた腕で頭を抑える。

 

『う...うぅ...』

 

呻く『少女』。

 

会話は普通に出来る。せやけど記憶は抜けとるんか...それとも思い出さないようにしている...?

 

んー、もう一回灰に戻るかもしれんなこれは...

 

『...ひひゃっ』

 

「あ?」

 

『ぅぐっ...!』

 

『少女』が笑ったと同時に、押さえ付けていた狐から鮮やかな赤色が飛び散った。

 

「...は?」

 

空中に裂け目が生まれ、その中から『少女』の顔が飛び出ている。

 

腕で顔を覆い隠し、顔と狐の首元の空間を繋げて食らいついていた。

 

「待っ...!」

 

チェシャが引き剥がすよりも先に、肉を食いちぎった。

 

 

 


 

 

 

また落ちている。

 

何度目だろうか。

 

ふと気になって下を見ると、さっき見た光が見る見るうちに小さくなっていく。

 

「...?」

 

なんでだろう。

 

あそこに、行かないと。

 

ただどうやって...

 

『くす、くすくす...無駄だよ。もうお前はここから出れないんだから。』

 

...足場あるじゃん。しかも、たくさん。

 

『あはは!自分を足場にするんだ!』

 

笑う私を掴んで上に乗ると、周りの私も話し始める。

 

『そうだよね!いつもいつも!自分のことは消耗品!』

『まさか、なんの対価もなく死を免れているとでも?』

『馬鹿だね。』

『間抜けだね。』

『滑稽だね。』

 

『『『『『きゃはははははっ!!』』』』』

 

うるさい。でまかせを言うな。

 

「よい...しょっ。」

私の足裏に足を重ねて、跳ぶ。

 

そして、適当な所にいる私を掴んでもう一度乗る。

 

『何も守れない役立たずのくせに、生き意地だけは汚いんだから!』

 

私を、その罵倒とともに蹴り出して跳ぶ。

 

『ひひっ!本当に助かるとでも思ってるわけ?』

 

跳ぶ

 

『やめてよー、酷いよー、うわーん』

 

跳ぶ

 

『そこまで必死だと応援したくなるね!さっさと諦めて落ちろよ』

 

跳ぶ

 

『自分が良ければいいんだろ。』

 

跳ぶ

 

『死んだ仲間たちに申し訳ないと思わないわけ?』

 

...跳ぶ

 

『私達を、他のみんなを殺して、目的を果たすのがお前なんだよな!』

 

......跳ぶ

 

『自分を愛せてとっても偉い!...んなわけねぇだろ、キモいんだよエゴイストが。』

 

.........

 

体が、重い。

 

それでも、行かないと。

 

自分の、元いた場所に。

 

...帰るべき、場所に...

 

「そうだ。私には...帰る場所が...!」

 

力を振り絞って、跳ぶ。

 

跳んで、乗って、跳んで、乗って...

 

『バァ♡』

 

次に跳ぼうとした瞬間、上から落ちてきた私に突き落とされる。

 

『あはははは!あーっはっははは!』

『くすくす...』

『落ちた落ちた!』

『見て見て!バカみたいで、マヌケな顔!』

『ひひゃひゃひゃ!罪を償え!このクソ野郎!』

 

光が、遠のく...暗闇に落ちる...

 

「だめ...だった...ごめん、なさい...」

 

目を閉じる。

 

どうせ、闇に包まれるなら自分から塞いでしまえ。

 

無理だったんだ。

 

近くならない光、疲れて、本心を抉られて...さすが私、どうすれば効果的なのかを分かっている。

 

効果は、バッチリ出てる...

 

 

 

 

視界を潰して体を楽にしていると、いきなり体にがくんと衝撃が来た。

 

 

 

 

「...?」

 

『うおっ...やば、思ったより...キツイかもー!』

 

誰かに、腕を掴まれていた。

 

どういう訳か、その人は落ちていなくて私たちだけが下に落ちていった。

 

常に新しい私が落ちてきていたはずだけど、それも止まっていた。

 

「...誰...?」

 

『いやひどっ...あ、そうかー。仕方ないやつだねーこれ。』

 

酷く間伸びした話し方の...女性?輪郭しか見えない...

 

『まーまー、おいちゃんの事はいいからさ、へい力持ち!ぱーす!』

 

「うわっ...!?」

 

上に投げられる。

 

『...思ったより軽いんだな。』

 

それを、今度はガッチリとした体格の男性に受け止められる。

 

下に居た人は、もう居なくなっていた。

 

『最後くらい先輩らしく、後輩を助けてやるか...な!』

 

『雑!』

『雑...』

 

似たような体格の二人。

 

『アンタここに来るの早いんだよ!』

『落ち着きのある人になってから...来てね...?』

 

『うへ〜、私までやるの〜?』

 

気怠げな女性。

 

『勘弁してよ〜やっとゆっくり出来ると思ったのに〜』

 

この人?は投げずに何も無い空間を、階段でも歩くように次に手渡した。

 

『こんなとこでもサボろうとしてんじゃねえぞミドリムシ。おっせぇんだわ。』

 

『え〜?』

 

口の悪い男性。

 

『はあ......まあなんだ。精々、長く苦しんでくれ。』

 

なんか急に酷いこと言われた。

 

『...っと!あー、アイツはあぁ言ったけど、本当はお前の事を心配して...』

 

世話焼きな男性。

 

「うん、なぜか、わかってる。」

 

『...そうか?なら良いんだ。...見えるか?もうすぐそこだぞ。』

 

言われて上を見ると、聞いたようにもう少し跳べば届くようなところに光の膜のようなものが出来ていた。

 

『もう少しだ。だから、気張れよ。』

 

「...うん、ありがとう。」

 

『いくぞ?...良くも今まで好き勝手してくれたなお前ェェ!

 

『『『『『『最後がそれでいいのかお前!?』』』』』』

 

懐かしい雰囲気を感じて、光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

ごちりと頭に響いた。

 

頭を打ったようで少しくらくらする。

 

痛む頭を押さえながら立ち上がると、あの花畑が広がっていた。

 

外郭の花畑。

 

ふとあの時作ったものと同じものを作ってみようと思い、いくつかの花を摘む。

 

集まったことだし、丁寧にゆっくり、茎を編み込んで一つの太い紐にする。

 

しばらくして赤と白の花冠が完成した。

 

せっかく作ったことだし、掛けてでも...

 

『おかあさんっ!』

 

「!?」

 

『その、私が付けてもいい?』

 

目の前で笑うのは...あの時の、外郭で過ごしていた頃の私。

 

無邪気で、悪意を知らず、しかし悪意に敏感だった...あの頃の。

 

「...ふふ、いいよ。」

 

そう言って、腕を差し出す。

 

当たり前のように出して気付かなかったが、無いはずの方の腕を出していた。

 

『...出来た!すごくキレイだよ!』

 

「...ありがとうね。」

 

...そうか。

 

こんな光景だったんだね。

 

こんな、気持ちだったんだね...

 

「お母さん...」

 

 

 

 


 

 

 

「...大丈夫そ?」

 

『っ...えぇ、きもちよさそうに、ねてるわ。』

 

「いやそっちやなくて...無理はせぇへんでよな?保護者はん居なくなったら、ナオちゃん悲しむから。」

 

『あぁ、わたしね。』

 

「保護者はんが消えてもうたとなれば、いよいよこの子壊れるで?」

 

『だいっ、じょうぶ...!』

 

「あかん!明らか大丈夫やない!」

 

『しぬ、まえに、もぐりこめば、いいっ...!』

 

「潜り込むぅ...?」

 

もふもふ...

 

「やから、ギリギリ攻めんな言うとんの!」

 

なんか、うるさい...

 

「んぅ...なに...?」

 

 

 


 

 

 

バトルページ変化(チェシャ)

『しゅばばば〜!』→追加

『ちょっと本気でやろか!』→追加

 

『しゅばばば〜!』...光1 回(6〜12) マッチ勝利時、次幕にクイック1を得る。(最大6まで)

『ちょっと本気でやろか!』...光2 貫(8〜14) 的中時、束縛2を付与。貫(7〜15) 命の灯火3を付与。反貫(6〜8)

 

パッシブ変化(チェシャ)

『瞬間呼吸法』→『瞬間呼吸法/鎮圧準備』

 

『瞬間呼吸法/鎮圧準備』...0コストのページを1枚とランダムなページを追加で1枚ドローする。/毎幕開始前、全ての敵に束縛2を付与。

 

 

あとがき

 

チェーちゃんがパッシブありきとはいえ、バトルページの貧弱さが目立ってきたところだったので、強化。

いよいよ劣化ミョの腕前を生かすため、クイック束縛モリモリにしてクソデカダイスでぶん殴るスピードスター・ゴリラの誕生です。

 

チェーちゃんのバトぺが見たい方は102話のあとがきにございます。コピペするとかいう違法文字数稼ぎはしたくないので...

 

ホモちゃんのステータスは、もう少し後になります。とりあえず、山場は越えた...ということは言っておきます。

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