<オリ章作成中につき現在更新停止中>Project Moon RPG気ままに実況プレイ 作:とろねぎ
どシリアス
「...がはっ!」
「うぐえっ!」
背中から打ち付けられ、その衝撃が肺の中の空気を押し出す。
「いたぁ...ん?何この白い部屋。」
「ちょーい!見回す前に一旦下見よか?」
「え?...あ、ごめん。」
チェーちゃんから飛び退くとすぐさま跳ね起きた。
軽く伸びをするチェーちゃんを横目に、目の前の額縁を見つめる。
曲がりくねった、木のような黒い線の上に点々と写真が付けられている。
偶然にも、そこの人たちは私が知っている人たちと似ていた。
何人かは知らない人がいるけど...あとなんかビナーさんっぽい写真歪んでいるし...
一体ここは...
「設計部門。」
「設計部門?」
オウム返しになった言葉に返事することなく二人並んで写真を眺める。
「ロボトミー本社。その最下層がこの、設計部門や。」
「...なんでそんなこと知ってるの?」
「えぇ?なんでって.......あーそういうことか、クソッ...なんやその、すまんな、別行動しよか。」
「どういうこと?」
「ウチはこっちで探しもんがある。でも一緒に来たらあかん。」
「無視しないで!?さっきから自分で勝手に納得して...ってもう居ないし!」
若干の怒りを覚えながら、しぶしぶ反対方向の扉をくぐった。
くぐった先は、真っ黒な廊下だった。
収容室の扉もあって、通りがかりに中を覗いたけど何も居なかった。
ついぞ広い空間に出たと思えばそこも真っ黒で...
所々に黄色い線が入っていて、なんかちょっと蜂の巣みたい...この模様、どことなくビナーさんっぽいな。
...
「ここは特に...何にもないのかな。」
早々に見切りをつけて奥で鎮座する灰色のエレベーターに乗り込む。
「んーと...本社と支部でエレベーターは同じか。流石にそうだよね。」
血の匂いのしない、新鮮なエレベーターを利用して上の階に上がる。
「......あ、ここに繋がってたんだ。」
クレヨンのような黒から、鮮血のような赤。
彩度の振れ幅が広いせいでチカチカとする目を抑えて廊下を歩く。
ここも相変わらず、収容室はあるだけ。
中身は空っぽで...虚しい。
思えばここに居てここまで静かなのは初めてかもしれない。
いつもなら悲鳴とか血飛沫とか、あとは幻想体の脱走アナウンスでうるさかった覚えがあるけど...
「...ってそれはいい事か。ふう、メインルームも見慣れたもの...で...?」
突然、目の前が歪んで見える。
陽炎のように揺らめいて、混ざり合って...
気分が悪くなって一度深く目を閉じる。
呼吸を整えて、拳を握りこんで、目を開ける。
『......』
「...誰?」
目の前に現れた、赤い髪の男。
かなりの高身長で手なんかの肌が露出している部分にはこれでもかというほど、びっしりと古傷が刻まれている。
どことなく既視感を覚えて顔を見るが、目の辺りにノイズのようなものが走っていて見えない。
互いに身動ぎせず、沈黙を貫いていると不意に男が大剣を取りだした。
星...いや宇宙...?
あれは...EGO?
神秘的な狂気を帯びた大剣に目を奪われていると、すぐ目の前までそれは迫って来ていた。
「は...ぅぎいっ!」
振り下ろされた大剣を間一髪の所で受け止める。
全身が軋み、腕の血管がぶちぶちと音を立てる。
火花が降り掛かって熱い...
「いきな...りっ...!なに、するんだ!!」
『...』
「ぅぐ、また、重く...!」
風切り音。
ひゅおっ
そんな小さな、つむじ風みたいな音がした後。
クレーターのように凹んだ、メインルームの壁にもたれかかっていた。
「ぁに、が...ごぶっ!」
薄皮と肉の下で硬く鋭いものが突き刺さっているような痛み。
砕けた骨が肺に刺さっているのだと、どこか他人事のように思いながら冷静さを取り戻す。
「ぁ、くそ、ぞうきも...つぶれ、てる...」
軽く剣を振って、こちらに歩いてくる男。
いつぶりだろうか腹の底から這い寄る恐怖を押し殺して、血の混じった、紅い霧を吐き出しながら立ち上がる。
「うぐ、げぼっ......!!」
直後に得体もしれない悪寒に襲われ、もつれるように横に転がる。
大剣が霧を晴らし、そのまま私が元いた場所に深く突き刺さる。
ガラス窓のようにヒビが入る壁を見て軽く息が漏れる。
「あぁくそっ...」
死の匂い。
いつも身近にあったそれが今は常に目と鼻の先で陣取っている。
笑いもしない無機質な口元、手の平ですら古傷だらけのそれが
私の顔を覆った。
体を襲う浮遊感。
「はな、せ...!離せよ、くそ...やろう...!」
頭蓋骨から脳に響く、古くなった木の板を踏んだような耳障りな音。
背中に当たる、ごつごつとした固いもの。
「...ま、さか...」
めり...ぶちっ
「あぎぃあっ...!」
そしてクリアになる視界。
震える視界で下を見ると、自分の腹からあの大剣の柄が生えていた。
刃じゃなく柄で串刺しにされたことを理解するまでの間に、目の前に立っていた男が拳を振る。
理解が追いつかぬ間に、左腕が血肉となり弾けた。
「あ...あ゙ぁぎゃあ゙あ゙ぁっ!!?」
久しく感じていなかったような激痛に叫ぶ。
その叫び声が煩わしがったのだろうか。
「いきなり何しやがんだこのクソや...ぉひゅ...」
次はその拳が喉に突き刺さる。
叫ぶための器官が潰されて、ひゅーひゅーと呼吸音しか聞こえなくなった私に、再び肉と油がこびりついた拳を振るう。
左足をちぎり、右足をへし折り、あばらを砕いて臓器を叩き潰す。
いずれも地獄のような痛みを与えるだけで死に至らない。
極度に関節の柔らかい人形のように、奇怪な形でぶら下がる。
見切りをつけたのか、体を大きく仰け反らせて勢いと、ひねりを載せた拳を真っ直ぐに振り下ろす男。
「...ひ、はひゃっ...」
素直な軌道で助かる。
頭が碎ける直前、数多くの細かな骨が飛び出している腕を、爪を振るう。
脳漿と共に、傷だらけの腕が飛んだ。
『......折れないか。これだけ出来るなら心配するだけ無駄か...』
「んふあっ!?」
こくり、こくり
淡々と夢の中で船を漕いでいた時、不意に落ちるような幻肢痛で目を覚ました。
「...あ...あの男、は...」
見回しても、激しい戦闘の痕跡を残したメインルームだけ。
「...ん、何この毛布...?あの男が掛けたのか...?どうして...」
今思えば不思議な男だった。
最後の最後まで殺意をぶつけることは無く、でもさっぱりと殺す慈悲を持ち合わせているわけでもなかった。
だからと言って、殺戮や拷問を楽しんでいるようにも見えなかったし...なんだろうかこの違和感は。
......手ほどき?
「...ぷはっ、いやいやまさか。見ず知らずの男がどうしても私に。」
くだらない思考を振り払って立ち上がる。
「こんなとこで寝てる場合じゃないか。そろそろチェーちゃんと合流しないと。中央本部で会えるかな。」
どうしてだろう。
訳も分からず本社の中で意味の分からない男に襲われて、殺されて。
なのにどうして、こんなにも胸が暖かいのだろう。
中央本部部門。
ちょっとややこしい名前をしている部のメインルームは相変わらず広い。
何から何までが記憶と同じで気持ちが悪い。
「確か中央にエレベーターがあったよね。確認だけ......うわ。」
エレベーター前、そこに二人の黄色い髪を持った男女がいた。
双子だろうか...?
コイツらも変わらず目にノイズが走っている。
びっちりとエレベーターに張り付いて...門番のつもりか?
それならこっちだって考えがあるんだぞ。
空間を開いて目の前に現れる。
「退け。」
「やめろ!!」
裏返った叫び声が聞こえると同時に私と双子の間を無数の、赤黒い槍やら鎌やらが飛び出し遮る。
「はあ、はあ...待て、待ってくれ...!」
「...チェーちゃん?」
酷く狼狽した様子のチェーちゃんがよたよたと駆け寄ってくる。
手の届くところに来たぐらいに躓き、受け止める。
定まらない瞳孔、見慣れない白と赤の防具、林檎に向かって蛇が巻きついた白い杖。
そしてなにより、その後ろをついてくる青い髪の女。
「殺すな!...頼む、殺さないでくれ...!」
縋り付くように私に顔をうずめるチェーちゃん。
『探しもん』と言っていた。
一体何を探して、何を知ってしまったのか。
余程のものじゃないと...こうなった理由がつかない。
『先輩のこと、任せたよー』
すると突然、青髪がやたらと間伸びした物言いで私に伝えると、そのまま霧のように溶けて消えてしまった。
「なんなの、あなたたち...なんで私のこと知ってるの...!?」
『...はあ...帰るぞ、■■■。』
『え...?いいの...?』
『アイツが認めたのにわざわざやり合う必要あるか?それに...』
「やめてくれ...行かないでくれ...」
『そんな姿、見たくなかったよチェシャ先輩。僕らのことは忘れてくれ。』
『......チェシャ先輩のこと...頼んだよ...皆には言っておくから...』
「待ってくれ!お前らまで居なくなる必要なんか...!あ......」
しばらくの間、涙を流して誰も居ない空間に手を伸ばしていた。
本当になんなのだろう。
なんでさっきから一々知らない奴らにチェーちゃん任されてるんだ...?
知らない人間が出てくるのがおかしい。
私の記憶から作られたはずじゃなかったのか...?
...もしかして、ここは私の記憶だけじゃないのか。
それなら合点が行く。
「......上に行こうか。チェーちゃん。」
その場にへたり込んで放心するチェーちゃんを背負う。
武器と思える白い杖も持ってエレベーターに乗り込む。
「...て......くれ...」
「チェーちゃん?」
「殺して...くれ......」
「......」
エレベーターで体にかかる重力が、いつもより重く感じた。
『懲戒部門チーフ』の本
体力132斬(抵抗)貫(耐性)打(抵抗)
混乱抵抗値62斬(抵抗)貫(抵抗)打(抵抗)
・パッシブスキル
『速度3』...速度ダイス+2。感情レベルが3以上の時、追加で速度ダイス+1
『破壊者』...接待に参加している他チーフコアページ装備者の数だけマッチ時ダイス威力+1・与えるダメージ+10% マッチ開始時、反斬(8〜13) 反打(7〜10)を得る。
『守護者』...生存している間、他チーフコアページ装備者全てに保護2を付与。この効果で保護を得ている味方がダメージを受ける際、その際のダメージを肩代わりする(一幕で最大30)
『喪失者』...他チーフコアページ装備が死亡時、次幕開始時に虚弱10、脆弱10を得る。
・バトルページ
『叩き斬る』...光1 使用時光2回復 斬(4〜9) 斬(2〜10) 打(7〜8) 反斬(4〜7)
『穿つ』...光2 防(4〜8) 貫(7〜11) 貫(8〜11) 的中時1枚ページを引く
『粉微塵』...光1 回(2〜9)マッチ敗北時、次ダイスの威力-7 打(13〜20)
『ビッグバン』...光4 個別広域 打(10〜15) 的中時、的中した数だけ全ての敵に火傷5を付与。
『福祉部門チーフの本』
体力98斬(抵抗)貫(弱点)打(耐性)
混乱抵抗値50斬(抵抗)(普通)打(抵抗)
・パッシブスキル
『速度3』...速度ダイス+2。感情レベルが3以上の時、追加で速度ダイス+1
『がんばろーか?』...他チーフコアページ装備者のマッチ勝利時、呪毒2を付与。
※呪毒...幕終了時、数値の分だけ、最大体力・最大混乱抵抗値を減らし数値を半分にする。(50%まで)
『そうだねぇ、辛いねー』...呪毒5以上の敵に束縛3を付与、10以上で虚弱2、脆弱2を付与、15以上で最大ダイス威力-5
『スキあり』...回避・防御成功時、呪毒3を付与。
・バトルページ
『受け流し』...光0 回(4〜9) 回(4〜7) 防(7〜10) マッチ勝利時、次幕に忍耐3を得る。
『百足の牙』...光1 貫(3〜9)的中時、呪毒4を付与。 貫(6〜8)的中時、呪毒5を付与。
『あぶなぁっ!?』...光3 回(13〜15) マッチ敗北時、次幕開始時、自身の速度ダイスを一つ破壊する。
『中央本部部門チーフ』の本
体力142斬(耐性)貫(耐性)打(耐性)
混乱抵抗値49斬(抵抗)貫(抵抗)打(抵抗)
・パッシブスキル
『速度3』...速度ダイス+2。感情レベルが3以上の時、追加で速度ダイス+1
『愛すべき兄妹よ』...同名パッシブスキルを持つ味方と同じ対象を攻撃する時、ダイス威力+2。攻撃を受けた場合、攻撃した対象に『憎愛』を付与。(最大10)
『執愛』...『憎愛』を持つ敵とマッチ時、『憎愛』の数だけ対象のマッチ威力を減少させる。(最大5)
『盲愛』...全ての敵の『憎愛』の合計数が10毎に全ての敵の速度ダイスを-2。0以下になった場合破壊する。(最大-6)
・バトルページ
『見つけた』...光1 斬(3〜7) 的中時、ページを2枚引く。防(7〜9) 斬(3〜6) 斬(1〜5)
『逃がさない』...光2 防(3〜8)回避ダイスを相殺した場合、再使用する。 斬(8〜12) 斬(6〜10) 的中時、光1回復。
あとがき
パッシブスキルが強いので、バトぺをスカスカにして汎用的なものにしました!
あれ?悪化してね?懲戒チーフコアペで連続切断とかやられたら死ぬぞ?
...え?『全員戦わないのか』...?
戦闘描写苦手なので勘弁して下さい。
今回はページを手に入れるための思い出巡りだと思ってください。
思い出巡りにしては、なんか一人不穏な人がいる気がするけど。
それと、忘れている人がいるかもしれないので再度言っておきますが、当作品のチーフたちの装備は全て、『名無しの権兵衛』様の『誰も知らないアブノーマリティ』に登場するALEPH装備です。
特段高評価も受けていない、よく分からん作品を書いている奴に使用許可をくださったことを、深く感謝致します。
マジでありがとうございます。
まあここまで読んでくださってるか分かりませんがね!ガハハ!