<オリ章作成中につき現在更新停止中>Project Moon RPG気ままに実況プレイ 作:とろねぎ
リンバスの構想が固まったのでアンケート打ち切りました。
「冗談、だよね...?そうだよね?」
希望の側面を合わせていた言葉は、深紅の斬撃によって切り刻まれた。
「なんで図書館に戻れんのか...分かっとんのやろ。...なあッ!!」
地面から突き上げられた槍が頬を掠める。
「だからってあなたが死ななくてもいいでしょ!?」
「...良かないわ。周りを見てみろや。」
「周り?...っぐ...!?」
頭が、痛い...!
金槌でぶん殴られているような痛みと耳鳴りのような音。
今見ている世界が混ざり合うように渦を巻いて...
薄らと赤に包まれた。
「はあ、はあ...これは、非常事態の...何が、どうなって...」
「いや、いぃっいやぁぁあぁ!」
「死にたくない死にたくない死にたくない...!」
悲鳴。
「あはっあはははっ!あははへへひはは!!」
笑い声。
「ジェニファー!無事だったんだな!」
「大丈夫!大丈夫!大丈夫!大丈夫!だぃジョぅブ!ぁいぶ!』
異形の雄叫びと重いものが落ちる音。
「なに、これ。」
「懐かしいなあ。あの時の状態まんまや。」
「ねえ、ねえ...!」
「49日目。」
「49日目...?」
オウム返しになって、ふと設計部門の内装が酷く変わっているのに気が付く。
溶けかけのソファが天井にくっついていたり、柱のようなものが飛び出している、気味の悪い空間。
「ウチらだけの試練やなく、管理人の試練でもあったこの日は、ウチの命日や。」
「訳の分からないことばかり...!...っぐえっ!」
近付いたところを、予測していたかのように鳩尾へ鋭い蹴りが入る。
『へ』の字に体が曲がり、浮き上がったところを黒い衝撃波で吹き飛ばされる。
「...げほっ...その、EGOも...なんなん...ぅっおぉえっ...!」
...気持ちが悪い。
腹の奥で蛆虫が沸き立っているような、心臓を極小の生物に少しずつかじられているような...
ただ確かなのは傷口から匂う死の香りだけ。
「ほれ、はよウチを殺さな...殺されんぞ。」
絶え間なく足元から襲いくる凶刃の数々。
遠距離でも、近距離でも負けている現状。
殺したくない。
でも、図書館の力なら本になるだけじゃないのか。
その考えがよぎったが形容し難い悪寒に襲われた。
『もしかしたら、もう二度と目覚めないかもしれない』そう考えさせるようなナニカがここにはあった。
「あぁもう!あなたがどれだけ色んな自分の記憶を見たとしても、私の知ってるチェーちゃんは一人なの!」
銃で牽制し、僅かな隙を見つけて心体を捻じ曲げる。
自分以外の、流れ込む思考を押さえ付けて前を見据える。
「自分だけで抱え込んで、いきなり死のうとして!もうあったまきた!一発ぶん殴らせろバカ先輩!!』
「...あぁそうか。本気で頼むわ。」
『いいや、殺さない...殺させないから!』
「......そか。」
短い言葉を告げて再び攻撃が始まる。
道を通って回避し、チェーちゃんの後ろに出る。
迎撃を予測して飛び出すと、自身の体を通してあの刃の数々を突き出しているのは想定外だった。
いきすぎたハリネズミのような見た目。
その状態のまま訪れる衝撃波を避ける。
『守りにも使えるのかよそれ...』
「こんなことも出来るで。」
そう言うと、体を貫いていた槍の一本を引き抜き、杖と共に構える。
姿勢を低くすると、残像を残してこちらへ飛び出してくる。
真っ直ぐに突き出された槍を噛み砕き、杖の先から迸る黒い濁流を身を捻って回避する。
動きを封じようと振り下ろした爪は横に飛ぶようにして躱されたが、それに追い付いて体をぶつける。
数メートル吹き飛ぶチェーちゃんと、体の横側に走る鋭い痛み。
いつの間にか深々と突き刺さっていた槍を口で引き抜き、噛み砕く。
体勢を立て直したチェーちゃんは、口の端から垂れる鮮血を拭き取り、吐き出した。
「...やるやん。」
『そう思うなら、手を止めてよ。』
「仲良くお話してもしよか〜って?本格的な茶ぁ入れて、たっかい菓子用意して?なはは...ふざけんなよ。」
『大体、どうして死ぬだなんて言うのさ!?』
「......なんでやろなあ。死に絆されたわけや無いし、自暴自棄なんもちゃう。使命感やろか。」
『はあ...!?』
絶えず降り注ぐ刃を弾き、砕き...拒絶するように放たれる黒い衝撃を掻い潜って少しずつ近付く。
「チェシャは49日目で調律者と刺し違えた。彼女は自身の命を捧げ、その他の多くを守った。」
あと少し、手を伸ばせば届くと言った距離で、不意に攻撃の手が緩む。
「他のチェシャたちも、生き残った個体こそ居ないものの、施設を壊滅から救っていた。...でも...」
やがて攻撃が完全に止むとぽつり、ぽつりと言葉を、自身で反芻するように続ける。
「ウチは...?死に場所を逃して、何も知らずになあなあで生き残って...守るべきものも、守れんと...!」
膝から崩れ落ち、力無く垂れた手からは杖がこぼれ落ち、地面で軽くバウンドした。
「やから...頼むよ...」
俯き、震える両手を組み交わせると、神性を感じる装備も相まって、神へ祈りを捧げる敬虐な使徒のようだった。
突然電池が切れた玩具のように、先程までの殺気がピタリと止まったのを確認して、元の姿へ戻る。
「...あぁ...結局、チェシャと同じ事は...出来んかったか...」
そう呟くと視界が歪み、船酔いのような気持ち悪さの後、メインルームが最初に来た時と同じような白と黒の部屋へ戻った。
「生み出された意義すらまともに果たせず...腐臭で嘔吐く、死体の山の上で幸せになろうと足掻くだけの人生を...終わらせてくれ......!」
「...いやに...決まってるでしょ...」
「そりゃ、そうよな...はははっ...」
諦めたような一人よがりの笑い声が木霊する。
「...ねえ、チェーちゃんはさ、なんて言うか...考えすぎなんだよ。本社のチェシャだとか、クローンだとかどうでもいいことをさ...普段あんなおふざけ全開の癖に。」
さっきまで殺しあっていたとは思えないような、いつも通りの平然とした口調で話す。
「...どうでも、よかない...もう居ない本物のことを知ったまがいモンは...誰も守れなかった失敗作は、どうしろと......」
「あぁもう!」
チェーちゃんの防具を掴んで引き上げ、目を合わせるとそのまま頬に拳を叩き込んだ。
「どうでもいいんだよッ!本社のチェシャだとかなんだとか!うじうじうじうじ言いやがって!私はチェーちゃんの話をしてるの!チェシャの話じゃないッ!」
地面に叩きつけられて、放心したように動かなくなったチェーちゃんにそのまま言い放った。
「.........」
それでも反応しないチェーちゃんに痺れを切らして、上に被さり、顔を掴んで互いの額がくっつく程の距離まで近付けて無理矢理目を合わせる。
「......誰も守れなかったなんて、言わないでよ...殺してなんて言わないでよ。」
虚ろな目に、私の必死な顔が反射している。
「どんな記憶があって、どんな声が聞こえて、どんなものが見えても、あなたの経験したことじゃない。あなたの犯した間違いじゃない。」
水滴が、チェーちゃんの頬で弾ける。
「...それ、でも...ここは、地獄...や...」
「...地獄でも、二人なら案外悪くないかもよ。」
「......ははっ、なんや、それ...」
瞳の中に、ようやく私が映った。
それを確認して、私も離れて立ち上がる。
「ほら、帰ろう?こんな鋭い爪が生えた手で良ければ、いくらでも貸すから。」
「助かるわ。あと...なんや、その...かっこ悪いとこ...見せたな。」
恥ずかしそうに頭を掻いて謝るのが、えらく新鮮で自然に見えた。
「...ふふっ、全くだよ。さ、帰ろ?」
「せやな。」
白くなりつつある世界の中、憑き物の落ちたような顔をしているチェーちゃんが思い出したように「なあなあ」と声を掛けてきた。
「どうしたの?」
「しばらく、本のままにしといてくれんか。」
耳を疑うような発言が飛び出した。
何でそんなこと...と思っていると、「少し、整理がしたい。」と言われ、納得する。
「...そっか。じゃあ、しばらくの間お別れだね。」
「おん。...またな。」
「またね。」
『チェシャ』の本
体力102斬(抵抗)打(抵抗)貫(抵抗)
混乱抵抗値36斬(耐性)打(普通)貫(普通)
・パッシブスキル
『速度3』...速度ダイス+2。感情レベルが3以上の時、追加で速度ダイス+1
『血族LC・速』...接待開始時、『血族LC』を持つ全てのキャラクターにクイック3、「速攻」(マッチ時相手との速度ダイスよりも自身の速度ダイスが高い場合、2毎にダイス威力+1(最大3まで))を永続的に付与。
『反撃』...戦闘開始時、反斬(7〜10)を二つ追加する。
『失楽園』...攻撃的中時、次幕に束縛1を付与(一人につき最大5)し、ダイス威力分、体力と混乱抵抗値を回復する。10以下のダメージを受けた際、それを無効にし体力を回復する。
『死こそが権限されし御身なり』...攻撃的中時、対象の体力をダイス威力×0.1の割合で減少させる。
『敬虐な信徒への恩寵なりて』...5回攻撃的中毎に、手札に『護りたまえ』を追加する。
・バトルページ
『護りたまえ』...光4 合算広域 斬(35〜42) 使用後、次幕終了時まで保護5、混乱保護5を得る。
『悔やみ暗泥に沈め』...光0 使用時、光2回復 遠距離 斬(4〜7) 斬(3〜8) 反斬(4〜9)
『紅き柄を握りなさい』...光2 使用時、次幕開始時、自身と自信を除くランダムな味方2名までにパワー3、クイック1を付与。反防(6〜6) 反防(6〜6) 反防(6〜6)
『仇敵を討ち果たさん』...光1 対象にマイナス効果があった場合、ダイス威力+3 貫(3〜6) 防(3〜8)
『我が身こそが死である』...光3 的中時、全ての敵にダイス威力分のダメージを与える。個別広域 打(2〜9) 打(6〜11) 打(10〜12)
あとがき
『おっ、コイツ強いし使えるやん!増やしたろ彡(^)(^)』って考えって、完全にメタルク〇ラのそれやんけ。
こんなことを前回書いている時に思ったけど、雰囲気壊すなぁと思って自重しました。