Project Moon RPG気ままに実況プレイ   作:とろねぎ

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■■事務所の世界:1

 

 

 

一旦休憩しません?

 

 

 

 


 

 

 

『■■事務所 所長代理グレゴール』

 

 

 

 

 

 

「......はあ〜...」

 

事務所の執務室とも言えるような場所で、子供が深いため息をついた。

 

片腕は骨を剥き出しにしたような異形だったけど、それでも普通に生活出来ていた。

 

「なあ...これ、何かの間違いとかじゃないよな?」

 

「いいえ〜、現実ですよ。」

 

「...はあぁあぁぁ〜...!」

 

どうやら、他の子供が作成した書類が頭痛のタネみたいだね。

 

子供は今や、一時的とはいえこの事務所を任せられているんだ。

 

だから、この事務所で起きている備品の管理や資金の流入を確認して、指示を出す必要がある。

 

「なあ...なんでアイツら、P社製の窓ガラスをぶち破れるんだ?しかも、今月で四枚目...!」

 

「さあ〜、あ、でもでも、この前ウーティスさんが出力調整とかなんとかで割ってました〜。」

 

「止めろよ!!おい...アレ一枚で一般的な裏路地を二年は過ごせるんだぞ...!」

 

「蓄えがあって良かったですね〜。」

 

そう。

 

子供たちは以前、ロボトミーの職員だった。それも、かなり上の立場のね。

 

だからだろうね。

 

「こんな大金を湯水みたいに使う事務所、うちだけだろ...」

 

「少なくとも僕の実家もそうだった気がしますね。」

 

「やめろやめろ。その金銭感覚で事務任せてるの恐ろしいよ全く...」

 

ズキズキ痛む頭を抱えて書類に目を落とす。

 

見るからに、この事務所の苦労を一身に受けている様子だったけど...

 

 

 

 

「はいひとぉつ。」

 

「ぎゃああぁっ!!」

 

「ふたぁつ。」

 

間の抜けた声で、槍のように鋭くなった腕を容赦無く次々とターゲットの腹へ、首へ...致命傷となり得る箇所へ的確に叩き込む。

 

...うん。この様子だと、なんにも心配は要らなかったみたいだね。

 

「お、おかしい、だろ!!」

 

「お?何がだあ〜?」

 

「お前みたいなのが、なんで!」

 

「...?」

 

男の叫びの意味がわかっていなかったみたいだけでしばらく考え込む子供だったけど、すぐに分かったみたい。

 

頭の回転が早い、賢い子だったからね。

 

「あぁ、シのフィクサーを殺したのに、報復に来たのが俺みたいなおっさんでご不満かな?」

 

「ぁがっ...!」

 

答えを聞く間もなく男の首を刈り落とした子供は、懐からそう値段の張らない、安価な煙草を取りだして火をつける。

 

「......ふうー。俺たちのリーダーがな、アイツらのことを家族同然に扱ってんだ。もっとま、俺ら事は本物の家族みたいに扱ってるが。」

 

死体の山を見下ろして、深く息を吐く。

 

「あ、もちろん血が繋がってる訳じゃないぞ?血よりも濃く堅いモノで結ばれてるけど...あ、話が逸れたな。」

 

煙草の灰をぱらぱら落として、一息。

 

「つまり、なんて言うか...はは、対応、間違えたな?」

 

まだ完全に吸いきれていないそれを、死体の山に捨てた。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

『■■事務所 諜報 シンクレア』

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ〜い、この前頼んだやつ、どうなった?」

 

「は、はいっ!そこにまとめてあります!」

 

今は居ない所長の代理に声をかけられて、子供は肩を跳ねさせると同時に綺麗に整理されたファイルの山を指さした。

 

「あぁ〜...これか?」

 

「違います!その、ピンクの!」

 

「ん〜...?お、これだな?」

 

「それはマゼンタですよ!!ちゃんと目着いてます!?ピンクとマゼンタなんて全然違うじゃないですか!これだからおっさんは...」

 

...なんだか、険悪な雰囲気だね。

 

でも、これがこの子達なりのコミュニケーションなんだ。

 

長年、死線の上でバランスを取り続けていた彼らにとってこの程度の暴言は冗談や軽口...いや、挨拶程度なんだよね。

 

「はいはい、俺が悪かった、いつも助かってるよありがとな。」

 

それに代理もすっかり慣れた顔付きで流して...

 

「でも最後は言い過ぎじゃないか?もうちょっとこう...手心というか...」

 

...少し慣れた顔付きで流したね。

 

二人の子供は、一見仲が良さそうには見えないけどそれも仕方ないのかも。

 

苦笑い浮かべる子供の担当は事務所の取りまとめや、直属のシ協会南部2課との交渉。

 

片や毒を吐く子供の担当は、依頼のターゲットやその周りの情報収集...関わる機会が少なかったからね。

 

「...あ、そういや昨日頼んだ...」

 

「スミ工房の工房長暗殺ですか?それならやめた方がいいと、伝えておいてください。あいつの姉が中指の末姉です。」

 

「おぉ、そうなのか?よくそんなことが分かったな。」

 

「はい、周りに居た中指の人間から絞り出した情報なのでまず間違いないかと。」

 

「.........はあ!?」

 

「最初は強情でしたが...便利ですね。EGOって。」

 

「...ちゃんと足がつかないようにしたんだよな?」

 

「死体どころか血痕の一つも消しましたから、大丈夫でしょう。......あ、でも「ここかあ!!おぉい!!うちん弟殺ったんはぁ!!」

 

何か些細な不安を思い出したかのように言い淀む子供の声を、さらにかき消すように野太い、たくさんの怒声が聞こえたんだ。

 

「...ふ、あ、すいません。どうやら詰めが甘かったみたいですね。」

 

「.........」

 

「僕のお客さんなので、僕が相手しますね?」

 

子供は好戦的な笑みを隠しもせず、真っ黒な、夜霧のような手袋を深く装着した。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『■■事務所 会計 ホンル』

 

 

 

 

 

 

「ん〜?ぃっく。これもなかなかぁ...実家の梅酒ほどじゃありませんがぁ...?」

 

一人の子供が、部屋でグラスに入った透明な液体を啜っていた。

 

鼻を突き刺すようなアルコール臭で、そこに入ってきた人なら顔を顰めてしまいそうなほどのね。

 

「...昼間から飲兵衛とは余程の御身分に見える。恥を知れこの痴れ者が。」

 

事実、そこに入ってきたもう一人の子供は顔を顰めるどころか服を鼻まで持ち上げて、冷ややかな視線を注いでいたんだ。

 

「んぇ〜?...あぁ、ウーティスさぁん、どうしまひた?あ、残念ながらこれ、僕が楽しむ分しか無いんですよぉ、すいませぇ...いたっ!?」

 

「違う。」

 

「...それにしたって、酷くないですか?」

 

「目が冴えただろう?私が来たのは、この間渡した装置の改良案が出来たからだ。」

 

「......あぁ〜!」

 

しばらくなんの事やらと言った顔をしていたけど思い出したみたい。

 

机の上に置かれた、小さなボールのような装置を指さして笑った。

 

「『血液ぶるぶるくん』ですnいったぁ!!?」

 

「『対血液振動変換装置』だ。そう呼ぶのはあの未熟者と貴様だけ、巫山戯ているのか?」

 

「うーん、僕はあの呼び方好きなんですけどね。可愛くて、覚えやすいじゃないですか。」

 

「...はあ。」

 

もう一人の子供も、ついに今日、訂正するのに疲れたみたいで、黙ってファイルから数枚の紙を取りだして子供の机の上に置いた。

 

「...あ、すいません。今、一応僕も仕事中で手...ならぬ目が離せないんですよ〜。後で読んでおきますので、待っていなくてもいいですよ。」

 

そうして子供は、なんの悪気もなく言ったあと腕の下に敷いていた書類に目を落とした。

 

「...ふん、後で説明してくれと泣きついても知らないからな。」

 

そうして出ていって、しばらく経ったあと...

 

「...ん?確かにおかしいな...」

 

「やっぱり、そうですよね?」

 

さっきとは別の子供と、一つの紙を見つめていた。

 

「うぅん...設備の修繕費と言われても、僕たち何も壊してませんよね?ましてや、工房内で何かした訳でもないですし。」

 

「はあ...やっぱりここ...」

 

「...?ここがどうかしましたか?」

 

「あぁいや、ちょっと一悶着あってな...」

 

「あ、中指と繋がってるってところですか?」

 

「お前も知ってるのか...」

 

「それで、どうします?迂闊に手を出せば中指との全面抗争の始まりですけど、先輩いないのに大丈夫なんですかね〜?」

 

「......今の中指は、黒い沈黙に半壊させられているんだし、そこまで大袈裟な事にはならないだろうな。」

 

「おっ、じゃあ?」

 

目を輝かせて聞いたのは一瞬で、答えも聞かずに体を伸ばしたり、ストレッチを始めたね。

 

「...はあ、お前らって、本当に血気盛んで「そういえば、さっきウーティスさんから新しい道具を貰ったんですよ〜。さっそく、これの出番ですね!」

 

「.........」

 

呆れた様子で頭を抑えるのをよそに、子供はクリスマスプレゼントを開封するかのようにきらきらとした瞳で説明書を見ていた。

 

「......なるほど。電力の消費を落としてかつ効果も底上げ...ふふっ、さすがですね〜。」

 

「...俺は...あー、他の奴に、声かけてみるな?」

 

「はい!皆さん一部を除いて暇でしょうし、喜んで着いてくると思いますよ。」

 

ばたりと扉が閉じ、再び一人になった子供は例の装置を自分が使う武器に取り付け、背負った。

 

「...はは〜、僕たちも舐められたもんですよね?」

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

突然ぶち込む人格ストーリー。

 

イラストのイメージは...

 

グレゴール

死んだ目でデスクに座るグレゴールとそれの近くで笑っているホンル

↓

夜のように暗い曇り空を背景にタバコを投げ落とすグレゴール

 

シンクレア

額に怒りマーク三つぐらい浮かべながらファイルの山を指さすシンクレア

↓

おにぎらんみたいな笑みを口元にだけ浮かべてグローブを深く付けるシンクレア

 

ホンル

顔を赤くしながらデスクに横面を押し付けてうたた寝しているホンル

↓

銃を背負って開けた扉から入り込む光を、笑いながら手をかざして防いでいるホンル

 

 

 

みたいなイメージで書いてました。

 

皆様方のイメージを壊したならホモちゃんが死んで詫びます。

 

 

 

 

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