<オリ章作成中につき現在更新停止中>Project Moon RPG気ままに実況プレイ 作:とろねぎ
ストーリー見返して泣きそうになった
声あるとヤバみつらたんマヂぴえんって感じ
やっぱりこんなの読んで満足してないで原作もやるかストーリーの動画も見るかしてください
見せてないシーンもあるんで尚更見てください
そのせいで少しわかりにくくなってるので見てください
入れられる空気じゃないのでミルカラE.G.Oはまた今度(予定未定)にします
...あー...久しぶりに死んだかも。
やっぱり、もう少しこう...身の丈に合った生き方をした方がいいと思うんだけどね。
でも、自分のやりたいことをねじ曲げてまで得た安寧は、死ぬよりも嫌だ。
まあ、こういうところだよね。
なんなら死んでる方が心安らかな気がするし。
...さっきから、カチカチうるさいな...
本当に...いつもこんなふうにされると、チェーちゃんが週一で目覚まし時計を叩き割る気持ちもわかるよ...
でも、この時計は叩き割ったらいけない。
...起きないと。
「......血生臭っ。」
『一言目がそれなんだ...』
「...ドンキホーテは!?もしかしてもう終わっ...ギャーーッ!!」
『アリスー!!』
私に向かって、なんか、オレンジ色の毛玉が飛んできて巻き込まれた。
「ダンテ...なに...やってるんですか...!こんな、近くで...」
「イシュメール...どけ...!」
「まさか、こんな戦闘真っ最中にアリスさんを起こして...」
「重いんだよ!!」
「おもっ」
どういう訳か固まったイシュメールの背中からどうにか這い出ると、少し前方でドンキホーテと黒雲会の人格を被った五人が戦闘しているのが見えた。
立て続けの戦闘、それも強敵との連戦で疲弊していた囚人たちは少しずつ刀を持つ手から力が抜けていく。
「...はあ、思っていたよりもずっと強いですね。ドン...サンチョと言うべきでしょうか。」
気を取り直すかのように務めて冷静に状況を見る。
「ここの血鬼たちは二百年間まともに血を吸わず弱体化していた状態だった。しかしあの者は...第二眷属は、我々の相手にするには...」
「ハッ、まるで今まで俺らより強いヤツとは戦ったことがなかったみてぇな言い草だな。死んでも生き返って、そんで勝ってきたんだろうが。」
「しん・いき・しん・いきは無意味だ。」
「再生力も列車で会った血鬼とは段違いだ。長期戦が糸口になる様子は無いが。」
『君は、私たちを阻み続けるつもりなのかい?』
「そうだ。これからもずっと阻むであろう。何度も言わせるな、吾はあの者ではない。父上の望むまま、血鬼らしく生きていく。」
「...でも...まだ、夢が続いているとしたら?」
話を聞いていたシンクレアが、我慢できないようにドンキホーテに大股で近寄る。
「夢...過熱し、堕落したさ。吾の目の前にあるのは、腐り果て弾けた夢の残骸のみ。」
「ラ・マンチャランドは...人間の前に現れ危害を加えますが...それと同時に、姿を隠すこともあるんです。幾多の杭が突き刺さっても、ずっと...あなたの父上という人が人間と共に歩もうとしたように、害を与えまいとするように...」
シンクレアのおかげで確信できた。
ドンキホーテは、まだ夢を諦めていないって。
確かに、血鬼として生きるならラ・マンチャランドは常にあり続けて、絶え間なく人間たちを誘き出しても良かったのに。
でもそれをしなかったのはきっと、本能に抗う親のドンキホーテによるものだったんじゃないか。
「思うに...僕たちはもう一度行ってみるべきだと思います。夢が始まった、その場所へ。」
シンクレアのその姿に、誰かが重なる。
『白い月の、騎士...』
「...バリ。」
「......バ...リ...久方ぶりに、呼んでみる名であるな...」
枝の共鳴。
何度目かも分からないそれは、再び私の頭の中に記憶を流し込む。
一人の第一眷属が、一人のフィクサーと決闘し、交流を重ね、夢を見て...
やがてそれが、一人の第二眷属に伝播していく記憶。
「...しかしやがて、折れて投げ出された。吾も父上も、同じように。ただ同じ場所で回り続けることすらままならなかった。」
遠くに、根元から折れた木馬が二つ、見えた気がする。
「目に見えゆものが全てではあらざん。現に、ラ・マンチャランドが現るるも人々の前より姿をくらますとは...そなたの父上の、最後の意志にならん。」
「...父上は、冒険をしてこいと言って吾へロシナンテを渡した。しかし吾は忘却の川の水を飲み、狭い塔の中へ一人閉じこもりフィクサーなる存在の本を読み漁った。そうして私の冒険は全てホラ吹き話となった。お前たちが言っていたのではないか、正気に戻れと。」
腐った血肉のように淀んだ瞳を揺らめかせて、目を閉じる。
「なのにどうして...意味の無い戦いを続ける...吾はもう、お前たちが知っているあの者ではないのだぞ...お前たちこそ、正気に戻れ...!」
「...確かに色々やらかしてきたけどよ、オメェの言う正義やら義理やらってのも気に入ってたんだ。少し移ってきちまったし。そしたら急になんだ?シケた面して自分だけ帰るって?それをオレたちが大人しく見送るとでも思ってたのかよ。」
ヒースクリフが、苛立ちを抑えきれないような態度で、でも芯のある瞳でドンキホーテを引き止める。
「何を...!」
「これ以上、朋を置きていづこへ行くまじ。」
「バスにドンキがいないと味気なくなるからダメ。」
一人、二人と付け加えていく。
「まだ聞けていない冒険談があります。もっと聞かせてくださいよ。バスの中で話してて、途中で遮られてしまった話もあるんですよ。」
「...私も。結構フィクサーとか、結構興味持ち始めたし。あなたがいなかったら、退屈なバスの移動時間、なにすればいいの?」
「ドンキホーテさんの声を聞いていると、どうしてか...力が入るような感じがするんですよね。」
「そうか?オレは力が抜けてげっそりしちまうけど...ま、悪くはなかったな。」
「無鉄砲に突撃することもありましたけど、まあ、ああだこうだと言い合う状況が変わるのは良かったんじゃないでしょうか。」
「言・行は好きな方だ。」
「言葉全部すっ飛ばすのはちょっと迷惑だったけど、それも今は笑い話にできるよね。結果論でしかないけど、それで十分じゃん。」
「そうですね...言葉よりも行動で。曖昧な状況でも、いつも前に出てくれました。だから今度は、ドンキホーテさんの冒険が終わらないよう、僕たちが前に出る番です。」
「問題はどうやって、だろうな。」
「あの時のシンクルみたいに殴って正気に戻す感じ?」
「いいえ。僕は、ドンキホーテさんに正気に戻らないで欲しいです。」
狂気に溢れた現実へ戻るぐらいなら、狂ったように輝かしい夢を追い続けて欲しい。
そういうことなんだろうね。
私も賛成するよ。
「管理人様、あの者はいくつの罪無き人々を殺めたかわかりません。しかしそれでも、受け入れるというのですか。」
『うん。正気に戻る時間は、私が決める。』
「...例え...数百、数千...数万もの人間を死へ追いやったとしても、それすらも抱きかかえてくださるというのですか。」
『うん。進むことさえできるのなら。』
「...今の答え、覚えておきます。」
「やめろ...夢は終わったんだ。私の冒険は...ここで終わりなんだ...」
「終わりません。あなたの冒険譚の中で、僕たちは重要人物でした。登場人物の同意無しに、冒険は終わりません。」
「その登場人物は14人。ダンテと、私たちと...それから、ドンキホーテ。諦めなければ、冒険は続けられるんだよ。」
「ッ...」
固まり、乾いた血液のような瞳が揺らぐ。
その奥には微かに光るものが見えた。
期待。
微かに灯った希望の光に、シンクレアを筆頭とした囚人たちで火を焚べていく。
『...冒険家ドンキホーテは......ここで、諦めなかった。』
ダンテの一言を皮切りに、血生臭い世界がハリボテで作られたチープな世界に塗り変わる。
「やめろ...やめてくれ...」
「ドンキホーテは一人で冒険をしたことがありませんでした。彼らのことを思うと、自然と諦めきれなかったんです。」
「どうして忘れていたんだろうね?ドンキホーテには、なんと13人もの仲間がいたのに!」
ハリボテの夜の荒野にヒビが入る。
「一人では無理でも、仲間が居て、友達が居て...ドンキホーテに、乗り越えられない苦難は無かった。よね?あ、これ思ってるの私だけじゃないよね?」
「まあ、全部が全部勝利で終わったわけじゃなかったけど。」
「そういう時こそいつも...諦めるでない...!とか何とか言ってたじゃないですか。」
再びヒビが入り、裏の舞台装置が顔をのぞかせる。
逃げるように夜の荒野は去り、次には穏やかな農村が見えた。
「彼の朋らが挫折せじ時、ドンキホーテは彼らが夢を失うまじと素晴らしき冒険談を聞かせり。その全てはいとめだたく輝かしく、彼らは再び立ち上がりけり。」
イサンの言葉で何か思い出したように、後ろで何かが落ちてきた。
あれは...いつぞやかの、ボール。
そういえば、あのビーチバレー?って、ドンキホーテが言い出したのかな。
「あ、あぁ...あとはまあ、一緒に死ぬくれぇたくさんの狂ったヤツら...悪党共をぶちのめしたさ。虫になっていく人間や怪物とも戦ったさ。」
「鯨の腹の中にも入りましたね。」
「傑・作。」
「そうだ。列車での戦いも外せないな。」
今度は、洞窟の入口。
「あぁそれから、僕たちが集めたお宝を奪おうとする人たちも居たんですよ。何度も危機が訪れました。」
背景の壁が剥がれ落ち、薄く黄金に光るような木でできた骨組みが見える。
「困難にぶつからなかったことはなかった。」
ムルソーの言葉で、雷が落ちる。
その下には大きな尻尾を持った小さな動物が雷に打たれていた。
...思い出すにしてももうちょっとマシなこと思い出さない?
やがて、洞窟の最深部。
「彼の13人の仲間たちの他に...ドンキホーテを応援していた者がいたかもしれないという話...物語ですね。」
ファウストの言葉を皮切りに、光り輝く宝が描かれた壁から...ドンキホーテの、ランスが飛び出してきた。
ハリボテが完全に崩れ去ると、そこはたくさんのフィクサーのポスターが、びっしりと至る所に貼られた部屋。
その中で、記憶を失ったサンチョはペンを持ち、手紙を書いていた。
『センク...殿...へ...そなたの話は...本当に...感動的な話であると...言わざるを...得ませぬ...当人は...そなたの話を...骨髄にまで染み込ませ...いつか、正義のフィクサーに...なりたいと思いまする。』
希望に満ちたいつものドンキホーテの目でペンを走らせる。
「...そう。その葉書には、いつも返事が来ていた。届け元の住所すら書いていなかったのに。」
ドンキホーテは、サンチョが持つ返事の書かれた葉書を懐かしいように眺めていた。
『お、おぉ!!返事が来たぞ!!どれどれ...正義のフィクサーを目指すドンキホーテへ。一生懸命に精進し美徳を悟れば、君は必ず勇敢で偉大なフィクサーになれる!君は...必ず...夢を、叶えられるであろう...』
『管理人殿!!管理人殿には夢がありまするか!?当人には...ありまする!!!!』
「...バリ。そなただったのだな。私の手紙に返事をくれた、数多のフィクサーたちは、全て...そしてまた、この部屋に、ここまでたくさんの本を置いてくれたのも...」
薄暗いメフィストフェレスの中。
これは、あの時ドンキホーテの靴が脱げた時の光景だ。
『ワープ列車のあの時、君は私を約束の時計って呼んだよね。』
「そうだ...約束の時計...そなたが...」
『約束を守りに来た。君の冒険を、続けさせるために。』
「冒険は、終わったのか...?」
『ううん...たぶんまだ、終わってないと思う。』
「本当か...?本当に...冒険はまだ、終わっていないのか...?」
『冒険は、今この瞬間もずっと、続いているんだ。』
長く短い思い出の旅を終え、血生臭い現実が戻ってきた。
「...」
ドンキホーテは瞳を揺らし目を閉じたあと...私たちに背を向け、親のドンキホーテの元へ歩き出す。
「サンチョよ...なぜ彼らを倒さず、戻ってくる...」
「...父上様。」
「お前は、吾の言うことをそのまま聞いたことはなかったな...他の子供たちとは違った。しかも、吾が眷属にする時、息絶えゆく間にも、助けを求めすらしなかったな。眷属になった後も...一度も、生への執着を見せなかった。」
「......なぜならその人生の中で、愛すべきものは一つもなかったからです。」
「ならばこの場所を愛してくれ。吾の狂気を治し、家に連れ戻すために彼らは多くの苦労を重ねた。それ故この苦痛を愛し、この杭を慰めとして...吾に喰われる人間たちの血を、栄光と看做すのだ...」
「あなたが狂人なら、私も狂人でした。その戯言に思えるような言葉が、私の不毛の地のような心に根付いていったんです。あなたとのおしゃべりを繰り返す時間は、その土地を耕す時間でした。」
「吾の夢は...失敗した、サンチョ...お前も経験したではないか。吾が語るように、外の世界は輝きに満ちていたか?バリの言う通り、フィクサーたちは弱き者を助けんとし、善い者は必ず悪に打ち勝ったか?」
「いいえ。」
「それ故...全ては虚構なんだよ。君は落馬して夢から覚めただけなんだ、サンチョ...吾々は...再び夢を見るには、深く傷付きすぎた...」
全てを諦め、俯くドンキホーテに対して、サンチョは何も言わなかった。
ただ黙って、私たちの方を振り返る。
心做しかドンキホーテと目が合ったような感じがして、囚人たちの一歩前に出る。
そのままドンキホーテに近付いていくと、他の囚人たちもダンテを先頭についてきていた。
手の届く範囲まで進み、目が合う。
濁っていた赤い目も、今は多少マシになったみたい。
だから私は、こう言おう。
「おかえり、ドンキホーテ。」