Project Moon RPG気ままに実況プレイ 作:とろねぎ
始まります...
モブ敵たちのステータスは書く時と書かない時があって、なんならパッシブだけ書いてることもあると思いますしなんなら途中からないと思います
ねえ...もし、私が...全て■■ても...
それでも、■■のままでいてくれる...?
...えぇ
じゃあ、あの事も、■■れないで...ね
...えぇ...
約束、だよ...
───どこかの荒野───
「...ン......」
誰かが...何か、言っている。
「ダン......起き...」
......アリス...?
「ダンテ起きろ〜。顔舐め回すぞ〜?」
〈そ、それはやめ......アリス...?どうして...?〉
「私の方が聞きたいんだけど。ドンキの膝上で寝てて、起きたらこれだよ。皆どこにもいないし、こんな殺風景な荒野でダンテは倒れてるし。」
どうやら私は気絶して倒れていたらしい。
...どうして?
「どうなってるの?事故だったらヴェルギリウスが何もしないはずがないし、てことはこれも流れってやつなのかな?」
〈...思い出せない。〉
「H社に行くみたいな話は聞こえてたんだけど...H社ってこんな場所なの...?」
〈H社...?なんで...?いや、ちょっと待って...今、思い出すから...〉
「ごゆっくり。私は他の皆の匂いがしないか探してるから。」
荒野...ここは、都市じゃないのか?
どうしてこんな場所に、私は残されていたんだろう。
...
......
.........
〈ダメだ...〉
「諦めるの早くない?まあ...そういう日もあるよね。いつか思い出すだろうし、その時にまた教えてくれればいいよ。あ、こっちからヒースの匂いがする。着いてきて。」
〈あ、うん。〉
今日はやけに温厚な気がする。
いつもなら笑いながら煽り倒してもいいぐらいなのに。
〈...もしかして、ここがどこか知ってる?〉
「......何を根拠に。別に、私だって見慣れた荒野の一つや二つあるよ。私の正体を考えればすぐわかることだと思うけど。」
正体。
ドンキホーテが、血鬼で、第二眷属のサンチョだったというように、アリスも特色フィクサーという正体を隠している。
特色といえば、ヴェルギリウスと同じだと思うんだけど、どうしてアリスは囚人になったのだろう。
自分の力だけではどうにもならない事があって、それで...?
〈そういうもの...なの?〉
「そういうもの。あっちこっちに呼ばれて、酷い時は真反対の巣同士を往復したことあるんだから。そりゃお金は稼げるけどさ、使い道は無いし、依頼では何回か死ん...死にかけたし。」
〈...なのに、どうしてリンバスカンパニーに入社したんだ?〉
「...聞いちゃう?」
〈...〉
いつもの茶化すような空気が一変し、つい固唾を飲み込む。
「...教えない。私の番が来たら教えてあげる。」
変化した空気は気のせいだったかもしれない。
「うーん...遠いな...乗ってく?いつもヒース乗せてるヤツあるでしょ?」
〈こんな所でE.G.Oを使えって?侵蝕とか...〉
「ねじ伏せてるから大丈夫。」
〈ロージャのレンジ代わりになってた人が言うと説得力が違うね。〉
「頼られたんだから仕方ないじゃん。」
そういう問題じゃないと思うんだけど...
でも、確かにいい案だと思った。
───メフィストフェレス 内部───
移動をするバスの中、囚人たちは皆、落ち着いたように外を眺めたり囚人同士で会話をしていた。
〈ファウスト。〉
「はい。」
〈次はどこに行くか、そろそろ教えてくれない?〉
いつもなら自分の番の囚人が自分で言ったり、言わなくても少なからずそわそわとしたりしていたから聞かなかったけど。
今は、その判断できる材料が欠片もころがっていなかったから。
「次は...」
「H社。そうですよね、ファウストさん?」
いつもと何ら変わりのない様子で割り込んできたのはホンルだった。
「はい。」
「それで、僕の番なんですよね?」
「...その予定です。」
「あ〜。やっぱりそうでしたか。予想がぴったり当たって、少しだけ嬉しいですね?」
〈...そっか、ホンルか。〉
ホンルなら確かに、他の囚人たちにも、本人にも分かりやすい変化は無かったし分からなかった。
ホンルという囚人はいつもそうだったから。
ただの一瞬もその笑顔が歪むことはなくて、死ぬ時でさえ最初の時から慣れていたかのようだったし。
〈...予想って?〉
「僕の実家だと、この時期になったらいつもやることがあるんですよ。その時期に重なるように僕の番だろうなと予想してたので。」
〈...怖いとか無いの?〉
「あんまりそういう感じはないですかね。久しぶりにお婆様や、たくさんの哥哥と姐姐に会えるんですから...あっ。」
〈な、なに?〉
「...アリスさん、起きてませんよね?」
〈いや、寝てるね。ドンキホーテの上で、ぐっすり。〉
「良かったです。僕が家族のお話をすると、どうしてかアリスさんは機嫌が悪くなりますから。」
〈......〉
『家族』
ドンキホーテの血鬼としての家族といい、どうしてこうも最近は家族という単語に縁があるのだろう。
ホンルの次も、また家族ぐるみの話なのだろうか。
〈...まあ、H社でどんなことがあるかっていうのは...どうせまだ教えてくれないよね、ファウスト。...ファウスト?〉
ついさっきそこに居た人物に話を振るも、何も反応がない。
振り返ればそこには誰もいないから、てっきり座席にいると思って確認したんだけど...
〈...いない。〉
「む?どうされたのだ?キョロキョロと辺りを見回して...珍しく落ち着きがないではないか。」
〈...〉
囚人の落ち着きがない筆頭に言われるほどだったらしい。
〈なんでもない。ただちょっと、ファウストが見えなくなったからどこに行ったんだろうって。〉
「ファウストくんも見当たらぬのか?」
〈ああさすがに知らないか...ん?『も』?〉
「イサンくんが見当たらぬのだ...先程まで共にアリス殿のブラッシングをしていたというのに...!」
「ぐぅ...すぴぃ...んふふ...もう、食べらんない...」
「それから管理人殿...!当人、もう、足が限界で...!」
「もう、おなかいっぱい......うぇ、ちょ、やだ...かんべんして...でる...ぜんぶでるから...でる...内臓ごとでる...」
〈......〉
なんでこの二人は独自の地獄をいつも作り出すんだろう。
「神・隠だな。」
〈...か、かみ...?〉
「...チッ、翻・者はどこだ。」
「シンクレアくんか?シンクレアくんならそこに...いない!?どこに行ったのであろうか?まさか、お腹の調子が悪いのでは...」
〈...みんな揃って?〉
「管理人殿...事実はフィクサー逸話集よりも奇であるのだぞ。」
〈それを言うなら小説なんじゃ?〉
「これも文字ばかりで絵のない本という意味では小説である!フィクサーの語った話よりも実際のことの方が凄まじい事の方が多いのだ。」
〈...もう一旦、ヴェルギリウスと話してこよう。誰か...良秀とか...〉
「チ...」
私と目を合わせた良秀は、何も言わず、ただ舌打ちの予備動作に移っていた。
〈やっぱりドンキホーテ!〉
「何故!?良秀くんが暇そうだったではないか!それに当人にはアリス殿を見守るという使命が...」
ヴェルギリウスにまだ少なからず恐怖を覚えて口ごもるドンキホーテの上から、アリスが連れていかれた。
「アリス殿ぉぉぉッ!!」
「預かっておいてやる。安心だろ?」
「う、うぅ...しくしく...このままではアリス殿の毛皮が剥がされてしまう...」
「今は困ってない。」
「つるつるになっても...我々は、友であるからな...!」
「...」
良秀は、黙って刀を持った。
〈い、行くよドンキホーテ!〉
物凄く嫌な予感がしたので、急いで逃げることにした。
「......」
自身の席に座り目を閉じるヴェルギリウスは、いつになく眉間にシワがよっているように見えた。
「あ...赤い、視線殿...?」
「今はサインをねだる状況では無いと、そんな簡単なことも分からないようだな。ドンキホーテ。」
「ち、ちが...!う、ので、ある。い、いや、サインを貰えるとしたらこれ以上ないほどに喜ばしいことであるが...」
〈ドンキホーテ???〉
「いつにも増して針の音が大きいですね。ダンテ。通訳の選び方を間違えたのではないでしょうか。」
〈...ドンキホーテ、私の言ったことをそのまま伝えてくれるだけでいいから。〉
「う、うむ!間違ってもあんなことやこんなことは言わぬと約束しよう!」
心配だ。
〈囚人たちの姿が見えない。用事があって廊下や部屋に行っているならまだ分かるけど、それを許されるとは思えない。〉
「仕事において持ち場を離れないのは当然です。離れなくとも良いようにするべきでもあるでしょう。」
〈...随分落ち着いているね。事前に聞いてた?〉
「いえ、一言の報告も無しに姿を消しました。本来なら彼らを迎えるための罰則を用意しておくべきだろうな。」
〈本来なら...ってことは、非常事態でも無いわけだ。〉
事前連絡に関しては杜撰もいいところなこの会社だけど、こんな、立て続けに囚人が消えたら、ねじれか何かに巻き込まれたと勘違いしてもしょうがないんじゃないか?
通訳のドンキホーテには汲み取れないように薄らと混ぜた皮肉の感情。
もちろんドンキホーテは変わらず言葉を伝えるけど、ヴェルギリウスには伝わったのかもしれない。
「それはどうでしょうか。ダンテ...流れは時として、速度を、形を変えるものです。それはあなたも、俺も例外ではない。」
〈...?それはどういうことだ?〉
「...」
私の問にヴェルギリウスは答えなかった。
いや、
隣でスピーカーのように音量を上げて私の言葉を出していたドンキホーテの姿が、無かったから。
〈......え...?〉
後ろを向けば、アリスの頬を興味深そうに引っ張っていた良秀と、うなされながら頬を引き伸ばされていたアリスの姿も無くなっていた。
「良い旅を。期日は一週間。あぁだが、早ければ早いほど良いものだ。今回もやり遂げることを期待しているよ、管理人。」
私の一の皮肉に十も百も皮肉を織り交ぜるヴェルギリウス。
それを何も言えず眺める私の視界は
〈...!?〉
おぞましい程に美しい、青い空間に飲み込まれた。