Project Moon RPG気ままに実況プレイ   作:とろねぎ

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■-16 追憶、吐き気、頭痛

 

 

 

 

「ふう.........やっぱりよっわいなぁ。TETH真ん中ぐらいか?」

 

「真ん中あればいいぐらいじゃない?」

 

「他支部にもあんなん出とるんか...面倒そうやな。ここが人少ないからそう思うだけかもしれへんけど。」

 

「...まあ、確かに少ないよね。」

 

「二人ともかっこよかった!すごく、すご〜くね!」

 

「今更かもしれないんだけどさ、チェーちゃん持ち場とかないの?ていうかどこの部門所属なの?」

 

「指揮部門やな。こうしてぶらぶらしとんのは...まあ、半分管理人の指示で半分はうちが暇やから。」

 

指示...?

 

「いやほら、こっちのアリスちゃん育成せな。一応ランクⅢはあるけど...ちょい心もとないでなぁ。収容室もどこに何がおるか見せときたいし。」

 

「あぁそっか。」

 

ていうかやっぱり指揮部門なんだ。

 

やっぱりどの部門の中でも指揮部門が一番大事な場所なのかな?私の支部でも唯一チーフがいた部門だったし...

 

『あぁ?あの■■■■■野郎の居場所だぁ?』

 

『あ、う、うん...なんか、さっき作業したアブノーマリティ報告書で確認したいことがあるって■■さん先輩が。』

 

『チーフの恥ならまたどっかで寝てんだろ。てか俺に聞くな。知るかんなもん。』

 

...また頭、痛くなってきた。

 

「ほな安全なやつから作業入ってみよか。」

 

「お世話ね!わかった!」

 

『......なにやっとん■■■■。事案か?ナオちゃん大丈夫?おまわりさん呼ぼか?』

 

『どこをどう見たら事案なんだ腐ってんのは脳みそだけにしとけよ...』

 

『なんやとコラ。』

 

......誰...?

 

口が悪くて...でも私がどうしようもないって顔してたら...嫌そうな顔で助けてくれて...

 

『......事案か?お前...それはさすがに...』

 

『なんでテメェも同じ反応してんだ■■■■てめぇ。』

 

ただ、誰よりもよく周りを見ていて...不遇な扱いに見えるけど、疲れた顔は少しだけ心地よさそうだった。

 

『オイ。起きろ。オイ!』

 

『ん...んん〜...?いったいなぁ...私にぃ、なんの用...えぇっとー......■■■■呼んだ方がいいかなー?』

 

『ええぞー!我が支部最強の力をこの犯罪者予備軍に見せつけたれー!』

 

『だッから...!なんで!テメェも!そうなんだぁ!?アァ!?』

 

いつも自堕落な姿を見せてたけど、勤勉な姿を見せていなかっただけだった。いや...いつものが本性なのかもしれないけど、それでももう一つの顔は間違いなくあの人の本性だった。

 

私はこの人達を知らない。でも出会ったことはある。

 

いつか、どこかで...私が知らない私と出会った私の大事な人達だった気がする。

 

『...なんか余計な手間かけさせたな。悪かった。ほら行くぞ。あの死にかけのミミズがのたくって地面に潜ったような字を解読してもらうぞ。』

 

『んぇー?やだやだやーだー...せめてっ、せめてあと一杯...一瓶だけぇー...』

 

『なんで増えてるのさ...もう...』

 

『...ハァ...散々人を引きずり回しといていいご身分だな。さっさと戻ってろチビ。邪魔だ。』

 

『あ、今のはこれから部門の職員に影響与える可能性があるアブノマの作業するから避難しとき〜ってことやね。』

 

知ってる声が知らない声と楽しそうにしていて...心臓の奥が音を立てて軋んでいた気がする。

 

私が知らない大切な人たちが話しかけている私は...誰?

 

私が忘れてしまったの?それとも...私が、忘れられてしまったの。

 

「おぉ...初めての作業にしちゃ結構ええんちゃう?好きな作業言うても成功率8割は上出来すぎやわ。」

 

「ふふん!」

 

「ダメージも...ちょいWダメージ受けたぐらいか?それぐらいなら移動中回復するやろし、次行こか。」

 

『■■』って名前は...本当に私のもの?

 

...あれ?『■■』って誰だ?私のものかなんて...どうして思ったんだろう。

 

大事な名前だった気がする。

 

「何ぼーっとしとるん。なんやそんな抱っこして欲しいんか!素直やないな〜!」

 

「...え?いや、ちが...ひゃあ!?」

 

頭が痛い。割れそうで、頭の中で金属の板が引っ掻かれているような気持ちの悪い耳鳴りがずっとする。

 

「あれ?ほんまに大丈夫?」

 

手足が宙で揺られる感覚が少しずつ耳鳴りを振り払って...すぐ、さっきの音も忘れるほどに収まった。

 

「なんの施術の影響かは知らんけど、やっぱその身体合っとらんとちゃうんか?まあ、深入りはせんけど。」

 

 

 

 

 

 

 

───旧L社支部教育部門───

 

 

「結構今更や思うんやけど、なんでうちが新人研修やっとるんやろな?配属前にやるだけやって、後は現場で丸投げって杜撰もええとこよな。」

 

「やって覚えるのが一番良いって言うもの、異論は無いわ!」

 

「ミスったら死ぬかもしれんのに呑気やなぁ。」

 

「...あ?こんなとこでなにやってんだオメェら?」

 

通路で騒がしくしているとメインルームの扉が開いて見慣れた顔が出てきた。

 

ヒースこそなにやってるんだろ...?

 

「そっくりそのまま返すよ。サボり?」

 

「違ぇよ。これは...あー......そうだな、これは...つか、さっき大罪が湧きやがったがどうもなかったか?」

 

「サボってるんだね。シンクレアは一緒じゃ...うん、そりゃそっか。」

 

「何一人で納得してんだ。」

 

「あんまりシンクレアいじめちゃだめだよ。」

 

「いじめてねぇよ!」

 

「オオカミさん、ひよこさんを食べちゃったらみんな悲しむからね?」

 

「食わねぇよ!」

 

「今度の土曜日野球せえへん?」

 

「テメェは何言ってんだ!?」

 

「面白いでしょ、ヒース。」

 

「最高や。うちの支部ボケばっかでツッコミおらへんねや。」

 

「何を突っ込むの?」

 

「こういう天然ボケがいっちゃんタチ悪いわ。」

 

「.........」

 

「あれ?ヒースどこ行くの?」

 

「...戻る。」

 

「?そっか。」

 

幻想体を鎮圧した時よりも疲れた表情でメインルームに戻って行った。

 

「...あ...お、思ったより、早かったですね...どうしたんですか...?」

 

「.........オレは、テメェを食ったりしねぇよ。」

 

「本当になんですか!?」

 

「アリスちゃんのお友達愉快やわ。結構長いん?」

 

「一年経ちそうぐらいだよ。」

 

「結構即席チームなんやな?そんだけの期間であんななっとるっちゅうことは...結構な修羅場、くぐって来たんやろ。」

 

「...まあね。」

 

『つい最近の修羅場はチェーちゃんが殺しにかかってきたことだよ。』とは口が裂けても言えず、目を逸らして頷くだけに留めた。

 

「ほい。次はこいつ。愛着作業好きやで思う存分撫でたって。得意やろ?」

 

「任せて!」

 

これもまた、良い作業結果が残った。

 

 

 

 

 

 

 

───旧L社支部情報部門───

 

騒がしさと相変わらずの茶葉の匂いが充満していた。

 

「おっす、大将やっとる〜?」

 

「なんにも言わないよ。」

 

「ちぇ、ノリ悪いな。」

 

「何でもない日バンザイ!」

 

「何でもない日バンザイ!」

 

「「バンザーイ!!」」

 

「わあ、前と同じこと言ってる......あっ。」

 

横を通り過ぎていく最中、席に座って青い顔をしているイサンと目が合った。

 

震える手でカップを掴んで飲むと、すぐに次が注がれた。

 

「ぅ...こ、これより上は...いま入らず...」

 

「さあさあ!まだおかわりはあるよ。君は初めての二人目のゲストなんだから!」

 

「一人目と三人目もどうぞ!」

 

えっと...ハートンとマーチ、だっけ...?

 

「相変わらずガブ飲んどるか二人とも〜。ちょいこっち来いや。」

 

「君の席は無いよ。失礼だね全く。」

 

「そうそう。僕たちは君を招待しないし、君は僕たちに招待されるわけがない。」

 

「ほいほいそういうのええから。いつもみたいにおもろい歌でも歌いながら作ったもん寄越せや。」

 

「...おもしろいだって。」

 

「そんなふうに褒められたのなんてたぶん初めてだ。」

 

チェーちゃんはチェーちゃんで、なんかあの二人を脅し...言いくるめ......説得?していた。何用意させてたんだろ。

 

「...なにやってんの?拷問されてる?」

 

イサンの横を見たらムルソーとファウストもいた。

 

ムルソーは無言でカップをあおって、ファウストはカップから立ち上る湯気を視界に映して思考を遠くに飛ばしているようだった。

 

「ムルソーさ、拒否って言葉知らない?そんなに美味しいのそれ。」

 

「全体として突出した長所も短所もない。集中の阻害をしない飲料としては適切だ。」

 

「いや味を聞いてる訳じゃなくてだね。」

 

「私も!私も飲みたい!一口ちょうだい!」

 

この前断られていたからか、ホストがいなくなった途端ムルソーに擦り寄って、もちろん断る訳もなく渡してる。

 

「ん〜!いい香り!レモンかしら?味の方は...うん、さっぱりしてて飲みやすいわ!」

 

「うぷ...かくものを嗜みしことは幾度かあれど...腹底に波々と注がるることはあらざりき......かくも...理想的にあらず...」

 

「どれだけ飲んでるのさ...」

 

「業務開始直後に一度。幻想体の作業終了時に一度。その最中に打ち切り三度目。囚人イサンが限界を訴えたことでこの四度目の茶会が始まった。」

 

「頭おかしいの?」

 

「...ファウストは疑問が絶えません。彼らが使用しているこの茶葉は...業務上必要な経費として扱われているのでしょうか。」

 

「ファウストがそんなどうでもいいことで悩むレベル?確かに気にはなるけどさ。」

 

「さりて...アリス嬢はいかでここに居られりや。」

 

「そこのアリスのわがままで連れ回されてる。」

 

「...そなたの感情の全ては心得きらねど、同情の意ばかり示さむ。」

 

「同情するなら変わって。」

 

「私の一存にて変わることはあらむ。」

 

「ちくしょう。」

 

「楽しそうなとこ悪いんやけど、次行こか。」

 

「えー?私まだ───」

 

「いいから行くよ。ほら、抱っこして。」

 

「...!えぇ!行きましょう!」

 

「アリスちゃんもアリスちゃんの扱いわかってきたなぁ。」

 

伊達に同じ名前してないよね。

 

同じ名前ってだけで完全に知らない人だけど。

 

 

 

 

 

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