<オリ章作成中につき現在更新停止中>Project Moon RPG気ままに実況プレイ   作:とろねぎ

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召使の独白

「アンジェラ〜戻ったぞ〜」

 

文学の階の指定司書...ホド、だったか。

 

ホドと軽く顔合わせを済ませてアンジェラの元に戻る。

 

そしたら、アンジェラがいやに険しい顔をしていたものだったからつい聞いてしまった。

 

面倒事じゃないといいんだけどな。

 

「アンジェラ?何をしているんだ。」

 

「...招待状を通して見ていたのよ。あなたも見る?」

 

なんだそんな事か。

 

それにしても、アンジェラが顔をしかめるようなゲストが来るのか...?

 

あぁ、そういえばこいつはやたらと世間知らずだったな。

 

フィクサーもろくに知ってないし裏路地の状態すら知らない。今までどうやって生きてきたんだ?

 

「あ、じゃあお言葉に甘えさせていただきます〜次はどんなゲストか...な...は?」

 

 

 

 

「もしもーし!ここがどこだか教えて欲しいなーなんて...ありゃ」

 

「876...29431...25...967...」

「4956...72519...7655...」

「04551...9975...513...」

「649...98513...」

「499...963...15...」

 

「アッ」

 

「991357...8...」

 

「あ、こっち...来ないで...!」

 

「698...88...」

 

「うん言葉通じてないね!」

 

「896...443...」

 

「キャアアア!そこのあんたなにか指示したでしょ!ふざけんじゃないよ!」

 

 

 

 

 

「...」

 

何をしているんだあいつは...?

 

「あ、アンジェラ?なんであいつが図書館の外にいるんだ?お前の許可がないと出られないんじゃなかったのか?」

 

「一度に複数の質問をしないで。私だって全てを把握しているわけじゃないの。」

 

アンジェラにとっても予想だにしない事態だったんだろうな。いつもよりも不機嫌に思えたんだから。

 

「それよりもあなたはゲストの接待をしてきなさい。」

 

「...わかりましたよ。でも一つだけ、何かあったら教えてくれないか?」

 

「あなたには関係ないでしょ。いいから早く行ってきなさい。」

 

下手に今のアンジェラを刺激して、また手足を切り落とされでもしたらたまらない。

 

そう思って諦めることにした。

 

そこから3日...4日だったか?それほど日が経ってもまだ帰ってこなかった。

 

心配ではあるが、今の俺が心配したところでどうにもならないし余計なお世話だな。

 

...やっぱり心配だ。

 

まだ確定とまではいっていないが、あいつは恩人なんだから。

 

...普段の言動を見ていると勘違いな気がしてくるけど。というか、『あんなのに助けられたのか...?』って気持ちが強くてな。

 

ただ、アンジェラが最近『見ている』こと自体が少なくなってきた。

 

「あー、アンジェラ?」

 

「なに。」

 

「あいつ...どうなったんだ?」

 

「さあ。」

 

「さあ、って...招待状で見ていたんじゃないのか?」

 

「切られたわ。」

 

「切られた?」

 

「あの子供が青キチと呼んでいる人物に切られたわ。」

 

『青キチ』

 

俺が同じように思っている奴が一人いる。

 

偶然同じあだ名の人物?それか俺が思っているのと同じ?

 

そこいらの3級、2級のフィクサーにやられるほどでは無いだろうし、おそらく接待では本気を出していない。

 

1級とも渡り合えるかもしれない。

 

なら1級よりも上なら...?

 

「...マジかよ...くそっ...」

 

「ローラン?どこ行くの。ちょっと?」

 

「いや、本の整理してなかったの思い出してな!ということで、自分の階に戻るな!」

 

まだ確定していない。確かめるすべもない。

 

勘違いかもしれない。

 

この都市で知り合いの子供が死んでも、何一つおかしい事じゃない。

 

それはそれで、これはこれだから。

 

ただ一つ、間違いでも良かったから

 

「礼...しとけば良かったかなぁ...」

 

 

 


 

 

次の日も変わらずゲストの接待に駆り出されていた。

 

 

「ふっ!」

 

「くどい!」

 

俺が振り下ろした武器と黒い服と鎖を身に付けたゲスト...ギョンミの拳で火花を散らす。

 

一見、実力は拮抗しているようにも見えていたが少しづつギョンミの方が押され始める。

 

ローランは無傷に近く、ギョンミは多量では無いが出血が目立っていた。

 

カンッ!

 

そして、ゲストの拳を打ち上げ、無防備になった胴体に武器を叩きつける。

 

一度息を整えるために距離をとると相手も同じだったようで仕切り直しとでも言うような空気になる。

 

その俺たちを笑う奴がいた。

 

「なはは!どやどや、順調かいな〜?」

 

「そう言う貴方様こそ、もう終わらせたんでしょうねぇー?」

 

皮肉を込めて言ってみるが案の定

 

「おう終わったで!ウチのこと舐めすぎやろおっちゃん。」

 

知ってた。

 

「ディーノもズールーもやられたか。はぁ、クソがよ。」

 

気だるげに肩や手の骨を鳴らし、再び詰め寄ってくる。

 

「ちなみに手伝う気は?」

 

「んー疲れた!」

 

「左様でございますかッ!」

 

バリンッ!

 

俺とゲストの相手の空間が裂けた。

 

「「「...あ?」」」

 

海のような深い青が詰め込まれた空間の裂け目から、人が出てきた。

 

「...お、着いた。たっだいまー!」

 

それは、ここ数日姿を消していたあいつだった。

 

なにやら見慣れないピクニックバスケットを持って、年相応の無邪気な笑顔でもう片方の手を振っている。

 

「おかえり!」

 

「「...!?」」

 

「ありゃ、ローランくんどったの。変なもんでも食べた?大丈夫?23区行く?」

 

「...生きてたんだな。」

 

「ひどっ。」

 

「邪魔だガキ!」

 

「あっ...」

 

ゲストがあいつを突き飛ばしたら、あいつの持っていたバスケットが宙を舞ったんだよな。

 

宙を舞うバスケットを見たあいつは今までにないくらい怒っていたんだよ。

 

...正直思い出したくない。

 

「...テメェ...」

 

「だいたい、なんでこんなとこっガアァ!?」

 

気付けばゲストは、あいつがどこからか装着した爪に顔を掴まれて押し倒されていた。

 

「あれが何なのか知らねぇのかこのボンクラ!」

 

「な、にを、言って...や、がっ...!!」

 

ゲストの頭を掴んでガンガンと地面にたたきつけ始める。

 

地面は少しづつ凹んでいき、頭からミチミチと強く締め付けるような音が聞こえる。

 

「あはははは!めっちゃキレるやん!」

 

何笑ってんの?...あれ?

 

「お前が持ってるの「薄汚ねえ駄犬がよくもやりやがったなッ!死ね!」

 

ぶちゃ

 

肉が潰れて液体が溢れ出す音。

 

その後すぐに頭を失ったゲストの体は光となり本となった。

 

「ふぅー!ふぅー!」

 

「お、おい?」

 

「あぁん!?最近だらしねぇな!?野郎☆オブ☆クラッシャァァァ!」

 

「あぶなっ!?」

 

意味のわからないことを言いながら俺にまでその爪を振るってきた。

 

「なんだったんだよあのバスケット!?」

 

「あれ...あれはなぁ...!」

 

ナオがここまで取り乱すなんて一体なんなんだろうと思ったよ。思ってたよ。

 

「先輩たちが作ってくれたご飯だよぉッ!!」

 

...俺が馬鹿だったよ。

 

「心底どうでもいいって顔したな!?許せるッ!貴様の血で墓場を染めてやる!」

 

再び俺に襲いかかろうとしたが

 

「へへ、ナオちゃん。これなーんだ?」

 

チェシャが掲げたものを見た途端に大人しくなった。

 

「チェーちゃん...それ...!」

 

「ん、キャッチした。ウチを褒め称えたまえ〜!」

 

「あびばぼうぼばいばずっ...!」

 

なんて?

 

「今度一緒におっちゃんに技かけてくれりゃええでー」

 

よくない。

 

「やった!チェーちゃん大好き!」

 

いや待てよ。

 

「...あ。」

 

「「んあ?」」

 

「どしたん、おっちゃん。」

 

「空中で回転してなかったか?バスケット。」

 

「「...」」

 

キョトンとした顔で向き合う二人が少し滑稽だった。

 

「「...やっべ」」

 

急いで中を確認し始める二人だったが、すぐに安堵の表情に変わった。

 

...嘘だろ?あれで無事だったのか?

 

「おー...でかない?んいしょっと。」

 

重箱出てきちゃったよ。しかも五段

 

「え?あ、こんなに食べれないんだけど...あの人たちどんだけ私が食べると思ってるわけ?」

 

「セヤナー、それに傷まんかも心配やし...んおっ?」

 

何かを見つけたのか、もしくは何かを見つけてしまったのか、重箱を再びバスケットの中に戻すとそのままバスケットを振り回し始めた。

 

「イヤァァ!!なにやってんですかちょっとォォォ!」

 

ナオの悲鳴に呼応するように振り回す速度が上がっていく。しばらくしてようやく止まり、チェシャは中を確認しそれに釣られてナオも覗き込む。

 

...かくいう俺も一緒に覗き込んだけど。

 

「...あれぇ?」

 

「箱が倒れてないな。」

 

ぴったりと接着剤で止めてあるかのように直立していた。

 

何かの技術か?

 

それとも特異点。

 

J、T、Uあたりの特異点だろうか。いやでも弁当の保管に特異点を使うって...それだけ中身が大事だったか、それともただ単にその先輩たちとやらが、金が余っている集団ってだけなのか...

 

「...うん、食べよか!さすがに多いからみんな集めよ!」

 

「いいねぇ!じゃあ私、マルちゃんとイェソドくん呼んでくる!」

 

「あ、じゃあおっちゃんこれアンジェラちゃんのとこ持ってっといて!ウチ、ホドちゃんとネックん呼んでくるわ!」

 

ネックん?

 

「え、いやいやちょっとま...はっや...」

 

「ネックん?ホドちゃん?」

 

そうだったこいつ居なかったんだ。

 

「んー、まぁいいや!二人を呼んでこよー!」

 

...

 

「少し待ってくれ。」

 

「おうっ、なーにぃ?」

 

「ピアニスト。」

 

「...」

 

笑顔が消えた。

 

こいつもピアニストに何かを奪われた一人か?

 

「俺がここに来たのがピアニスト発生の原因を調べるため...みたいなものなんだが、ピアニストの討伐に...参加していたか?」

 

「...正式な依頼じゃないけどね。依頼を終えた帰りに巻き込まれて、それで少し攻撃した。」

 

「お前が見ている間で、黒い服で白い髪をした女性を見なかったか?」

 

「え?あ〜...るね。なんなら危なそうだったからちょっと援護してた。」

 

「...ありがとうな。」

 

「えっ?なに?いきなり気持ち悪い。」

 

「酷くないか?あー...その人は、俺の...妻なんだよ。お前のおかげで...」

 

「...ぬっふぉぉお...!」

 

「...どうしたんだ?」

 

「ローランくん...あんな美人の奥さんいたわけ!?キーッ!私と同じ側だと思ってたのに!裏切り者!」

 

...なんか今になって人違いな気がしてきた。

 

「...あれ?じゃあ、あの時助けに来たお面の人って...」

 

「ヴッ...」

 

不味い。話しすぎた。

 

俺としたことが余計なことまで...

 

「ローランくんのお友達?凄いねお友達!」

 

「...え?あっあぁ、そう。そうなんだよ。ほら、俺お世辞にも強いわけじゃないから助けてもらうしか無かったんだよな〜」

 

「いいお友達だね!」

 

「...そうだな。」

 

たまにやたらと頭がキレる癖に大抵ズレた考えしているのなんなんだ?

 

「とりあえずみんなを呼ぼうよ。それで...またいつか奥さんの話聞かせてくれる?」

 

「いいぞ。」

 

都市は俺から奪うだけじゃなかったのかもしれない。

 

もし彼女まで喪っていたら俺は今頃どうしていたのだろう。

 

無気力になったのか、それとも報復をしようと躍起になっていたのか。

 

...そういえば、ナオは何で図書館に来たんだ。話しすぎた自分が悪いとはいえ、聞いておくべきだったかもしれない。

 

 


 

 

今後たまにこういう視点の回があるかも。

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