<オリ章作成中につき現在更新停止中>Project Moon RPG気ままに実況プレイ   作:とろねぎ

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番外編:不幸中の幸いってやつー?

番外編!

 

事務所のみんなが和気あいあいとしてるシリーズです。

 

(血)湧きあいあいかもしれませんが

 

 


 

旧L社ロボトミーコーポレーション福祉部門チーフ、ケルミナ。

 

彼女の朝は、豆から一杯の珈琲を堪能するところから始まる。

 

「...んーっ...いいねーぇ...」

 

早朝だろうが仕事が多く入っていようが先輩と後輩が二人揃って失踪してようが、この瞬間だけは心休まる彼女の流儀(こだわり)なのだ...

 

「...ズズッ...「ぎにゃー!!」

 

がしゃっパリィッ!

 

「」

 

彼女のこだわりは数秒の命だった。

 

突如視界の外から飛来した緑の物質が、それはもう綺麗に彼女の珈琲カップだけ破壊して吹き飛んで行った。

 

「今日という今日は殺す。絶対殺す、頭かち割って脳漿ぶち撒けて掃除屋の燃料にしてやる。」

 

「」

 

絶句しているケルミナの目の前をいつにもなく恐ろしい顔をしたタルマが横切って行く。

 

「ねえちょっと〜いきなり何するの〜?」

 

「なんでアタシの部屋にいんだよテメェ。」

 

「ん〜?仲良くなりたいな♡なんて〜...」

 

「おっけい早く死にたいならそう言え。」

 

「うーん、それは困るな〜...あ」

 

「こんな時に余所見か、余裕だ...な...あっ」

 

「」

 

カップを傾ける姿勢のまま固まっているケルミナを見て、タルマも冷静さを取り戻してくる。

 

安い代償だったね。

 

「おいちゃんの...ネコちゃんマグカップに...豆...」

 

「えっと...ごめん、ね...?」

 

「あは、あはは...は...」

 

「も〜そんなにショック受けないでよ〜大丈夫?服に珈琲染み出来てるよ〜?」

 

「はは、そっ...か、あははは...」

 

「...?あっ...やっべ...」

 

何かを察したタルマはこの場を一足先に、そして足早に離れる。

 

「まあ、怪我が無さそうで...ふあ〜、良かったよ〜」

 

サリアは反省するどころか眠気がぶり返してきたようであくびまでしていた。

 

ケルミナはふら、と立ち上がって近くにあった、先程まで使っていたミル...それも今の時代では珍しい手動のもの...を掴んでふらふらとサリアの所に歩いていき

 

「あれ?そういえば昨日数週間楽しみにしてた豆が来たって言ってたよね〜...ケルミナちゃん?なにそ...」

 

「あはー...!」

 

その手に持ったものを頭に振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

時は変わり、同日、朝

 

今は亡き(死んではいないが)所長に代わってここ死損事務所の経営をしている元情報部門チーフ、アントン。

 

彼にももちろん朝の習慣はあった。

 

それは、薄霧が漂っているような外、庭で軽く体操をしておくことだった。

 

同僚たちには、『お前なんかジジイくせえな』と言われ、先輩からは『えっアーくん...いくつやったっけ』と言われ、挙句の果てには後輩にまで『...アーさん何歳なの?』と言われる始末。

 

...いや先輩と後輩は同じ思考回路してんな。

 

それでも、彼にとってこれをすることで一日が始まるのだ。

 

今日ももちろんそのつもりで外に出てきたアントンだったが、いつもと違うことがあった。

 

「...ケルミナ?」

 

「...!」ピクッ

 

「珍しいな。お前が朝から外にいるなんて...何してんだ?」

 

声をかけられたケルミナ本人は、少し大きめのシャベルを持ったまま振り返った。

 

「んー?...んーとねー...ガーデニング?」

 

「こっちに聞くなよ...いや、ガーデニングにしてはそんなデカイシャベル使うか?」

 

「ちょっと大きいやつ植えたからねー」

 

「ふー、いい汗かいたー」と額に軽く浮き出た汗を拭いながら笑う。

 

それをアントンは、「珍しいこともあるんだな。」程度で認識していた。

 

...認識していた。

 

地面から飛び出る人の指のようなものを見るまでは。

 

「...!?ガフッ!ゴホッゴホッ!!」

 

「んっ!?どうしたの!」

 

「お、お前何埋めてんだよ...!?」

 

「え...?アッ」

 

ケルミナは指のようなものを見つけてひょうきんな声を上げる。

 

それは飛び出ていることになのか、指のように見えることに向けられた声かは分からないが。

 

「...最近の肥料って色んな形があるんだよ?」

 

「絶対違う!確かに栄養になるだろうが、そんなん売っててたまるか!」

 

「チッ、バレたか...」

 

「...嘘だろ?なんでこんなことを...誰を...!」

 

アントンはケルミナに掴みかかって問い詰めるが、次の言葉を聞いた瞬間に落ち着きを取り戻してその手を離した。

 

「リビングと、みんなの部屋見てきて。そしたらわかるからさー」

 

「は?」

 

その後、何やかんやで見に行ったアントンは、さらにその後全てを察して何も言わずにケルミナの肩に優しく手を置いてくれた。

 

掘り返されたような地面は湿っており、そこは水がやられていたのか少し湿り、花が一輪添えられていた。

 

なぜかその湿った土から微かにアルコールの臭いがしたが、気にするものは誰もいなかった。

 

 

 

 

 

現在事務所内にいる全員で食事をとっているとき、扉をノックする音がした。

 

「依頼人か?」

 

「めんどくせぇなぁ...」

 

口ではこう言いつつもなんやかんやでクラインが扉を開く。

 

「誰だ。悪ぃがまだ開店前...はぁ。」

 

扉を開けた先には、片手で大剣を地面に突きながらこちらに二枚の紙を差し出す一人の少年がいた。

 

白い外套を身につけ、閉じているのかと思うような細い糸目に白い髪をサイドテールにしている。

 

「んだよ、イカれ新興宗教の人差し指サマか。」

 

「死損事務所ですね。指令です。」

 

「ハッ、一昨日も来ただろうがこんな大喜利大会のお題をわざわざご提供いただきありがとうございますねぇ。しかも二枚と来たもんだ。暇なのか?」

 

「...指令は...」

 

「あぁはいはい、『指令は絶対』ね。ま、今回も楽しませてもらうよ。ありがとさん!」

 

そう言い捨てて勢いよく扉を閉める。

 

「待ってください。」

 

その閉めた扉をさっきの伝令が再び開いて覗き込んでくる。

 

「んだよ、まだあんのか。」

 

「指令を遂行する所を見せてください。」

 

「は?なんで...」

 

「そういう指令ですので。」

 

「(嘘くせぇー...!)」

 

「...らしいが、お前ら良いか?」

 

形だけでも聞いてはみるが、答えを聞くまでもなく全員が当然のものとして受け入れていた。

 

「伝令も大変なんだな。一緒に食べるか?」

 

「結構です。」

 

「珈琲飲むー?」

 

「結構です。」

 

「カフェオレが...良かった...?」

 

「結構です。」

 

「そろそろ名前教えてくれよ。」

 

「けっk...ヤン・ヴィスモクです。」

 

「とりあえず指令見ろよ。ほれ」

 

クラインが紙をくしゃくしゃと丸めて投げるとそれをキャッチしたバイロンが開いて読み始める。

 

他のものも気にはなるようで覗き込んでいた。

 

「『同胞の暖かい体をナイフで刺す』...なるほど。」

 

「前なんだっけ。」

 

「『団子を二時間で3000個作る』とかじゃなかったっけー?」

 

「あぁ...全員で1cm弱の泥団子量産したやつか...」

 

「なんなら最後の方は...適当に、土を指でつまんで終わりだった...よね...」

 

「アレでよかったからな。今まで正直に従ってたのが馬鹿らしくなったよ。」

 

「こういうのはオレは分からん。悪いな頭が固くて。」

 

「ハッ、石頭。」

 

「んだとてめえ。」

 

「自分で言ったんだろうがやめろやこのバカ!」

 

「...あの」

 

「あ、すまんな。まあこれなら...ケルミナ?」

 

「あいよーナイフ持ってくる。」

 

「俺も少し席を外すな。」

 

「(え?そんなにあっさりと解決するものなの?まさか本当に突き刺すつもり...?)」

 

「顔しかめてるけどどうした。」

 

「なんでもありません。」

 

しばらく談笑しながら食事をしていると再びケルミナがやってきた。

 

それの少し後にバイロンも戻ってくると手を広げ言った。

 

「さあ来い!」

 

「あいよー」

 

そして一切の躊躇なくケルミナはバイロンの無防備な腹になにか(おそらくはナイフ)を突き刺した。

 

「うぐっ...」

 

「「「「わーお」」」」

 

「(まさか本当に...あと皆さんなんですかその反応。)」

 

苦悶の表情を浮かべていたバイロンは突然口から赤い液体を吐き出した。

 

びちゃびちゃと床に嗅ぎなれたすえたにおいが立ち込める。

 

「これでいいよねー?」

 

「...はい、指令は遂行されました。」

 

「だってさ、よかったねー」

 

「それにしても痛いんだが。」

 

ヤンの言葉を聞いた途端にケロリとしてバイロンが苦言をこぼす。

 

「どうしてそんなに平気な顔をしているんですか。」

 

「だってこれ、ペーパーナイフだしー」

 

「じゃあ、あの血は...」

 

「血のり」

 

「...」

 

「「「「おー」」」」

 

「(思ったより大喜利してた...)」

 

「これ血のりいらなかったんじゃ...」

 

「あにぃちょっと黙ろっか。」

 

「そういうものなのか?」

 

「そういうもんだぞ石頭パープル。」

 

「やかましいぞ口悪ブラウン。」

 

相変わらず喧嘩をしている二人を横目にバイロンがもう一枚の指令を開ける。

 

「んじゃ次行くぞ。どれどれ...」

 

「えーと?『親しい友人を花を添えて埋める』...えぇ...」

 

「これって...」

 

「...えらいタイムリーだな。」

 

「あっはっはっはっ!マジかよww」

 

「ヤンくん...だっけ、ちょっとこっち来てー」

 

疑問符をうかべるヤンをケルミナが手招きして外に連れ出す。

 

「...あ、そういえば、今日の依頼は何があるの?」

 

話題を無理やり切り替えるようにアルマが質問を投げかければすぐにアントンが返事をした。

 

「お前とタルマは依頼じゃない。ケジメつけさせに行くだけだ。」

 

「「...マジ?」」

 

「マジマジ。どうも金が約束の分よりいくらか少なかったようだからな。」

 

「...目標は...?」

 

「全員。キッチリやってこい。」

 

「了解。」

 

「なんかこうしてっとヤクザもんみてぇだなお前ら。」

 

「最近のヤクザは毎回組織壊滅させてるのか?怖いな...」

 

「おめーの顔面の方が怖ぇよ。」

 

「うぐっ...!」

 

「あんまバイロンで遊ぶんじゃねえぞーいつか殺されっぞお前。」

 

「あー...それは...」

 

「かえったー...ぞー!」

 

クラインが言い淀んだタイミングでケルミナがヤンを連れて再び戻ってきた。

 

「無事終わったよー!ね?」

 

「は、い...指令は遂行...されてました...」

 

「あ、よかったんだ。」

 

「ただ一つ...」

 

「あ?」

 

「仲間をもっと...大切にしてあげてください。」

 

そう言うだけ言って、すーっとその場から立ち去ってしまった。

 

「それで?アイツはどうしてた。」

 

「瞳孔開いてたー」

 

「それマジで死んでねぇか?」

 

「ダイジョブ、呼吸はしてたから寝てるんじゃないかなー」

 

「永眠させてやろ...?」

 

「やめなさい。」

 

 


 

 

作者はね、真面目な話ばかり書いてると死んじゃうの。

だから定期的にふざけます。先に言っておけばセーフですよね...?

もう一生おふざけ回書いてたい

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