つなげ!マルチバース・イレブン‼   作:ヘビとマングース

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世界進化論

 サッカーというものは、人類にとって害悪です。

 たかがスポーツと侮っておいででしょうが、あれは人の心を狂わせる。

 時として現れるのですよ。サッカーを用いて人心を乱す輩が。

 

 歴史を紐解いてみてもサッカーを利用して成り上がる人間というものは居るものです。学者はそれを認めようとはしませんがね、過去と未来を管理するあなた方であればもうわかっているはず。今、目の前に提示したデータがそれを物語っています。

 古くは恐竜と人間が共存した時代から。日本では織田信長、坂本龍馬。中国では劉備玄徳。フランスのジャンヌ・ダルク。或いは、伝説上の存在とされたアーサー王まで。

 サッカーという名前が使われていない時代から、その存在は何度も歴史を動かしてきました。

 

 あらゆる次元、あらゆる時代、あらゆる世界の平和を望むのならばサッカーを排除すべきだ。

 ただし消滅させるのでは危険性が伴う。いずれ誰かが復活させることを望まぬよう、我々で全てのサッカーを管理すべきなのです。

 そのためのシステムはすでに存在します。私に任せていただければすぐに取り掛かりましょう。

 

「ふむ。サッカーの管理か」

「それは支配なのではないかね? 果たしてそこまでの価値があるのかどうか」

「しかしどの次元においても多大な影響力があるのは事実。放っておくと万事に影響する可能性はあり得るかもしれん」

「我々の手には余るだろうが」

「ではカゲヤマ君。君なら管理できると言うのだね?」

 

 はい。

 全ての次元の平和を保つためです。何かが起きてからでは遅い。何かを起こさせる前に我々が手を打つ必要があるのです。

 その最たる危険因子がサッカーかと。

 

「ふむ……確かに、サッカーをプレーする人間が特異な力に目覚める事例は少なくない」

「悪用されては大惨事を引き起こしかねないか」

「任せてみてもいいのでは? カゲヤマは頭の切れる男だ。これまでに数々の結果を出した。それに古くはサッカーの監督を務めた実績もあると聞いている」

「餅は餅屋に。サッカーはサッカーの専門家に一任した方が良いやもな」

「わかった。ならばカゲヤマ、この件は君に任せる。サッカーの危険性について調べ、必要があるのならば君が管理したまえ」

 

 了解しました。

 必ずやご期待に応えましょう。

 

「君の有能さは理解しているが、いまだ新参であることを忘れるな。我々には失敗は許されない。理由はわかるな?」

「我らは人類最高の意思決定機関。我らの決定が数多の世界を守るのだ」

「全ては“エルドラド”の名の下に」

 

 そして人類の繁栄のために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 許可は得られた。

 予定通り、計画を始動する。

 

 諸君らの任務は私が指定する次元へ飛び、有能な選手を捕獲・回収することだ。放っておけば反乱分子となり厄介な事態を引き起こすが、こちらの手駒にしてしまえば問題はない。同様の輩が出てこようと回収した人材を使って鎮圧できるだろう。

 

 采配は私が執る。

 現地へ赴き、サッカーを愛好する者を捕らえろ。

 リストは確認したか? 最優先のSクラスから順にだ。

 手始めにSクラスが集まる雷門中へ向かえ。円堂守、豪炎寺修也、鬼道有人の三人は必ず逃さずに捕らえてこい。

 

 諸君らのチームはこれより“プロトコル・オメガ”と呼称する。

 キャプテンはアルファ。お前に任命する。

 

「YES。任務を遂行します」

 

 諸君らが捕獲した選手は後に“処置”を施し、プロトコル・オメガへ迎える。全ての次元を管理し切るにはあまりに膨大な任務が必要となるだろう。

 ベータ、ガンマ、お前たちにも存分に働いてもらうぞ。

 

 エルドラドの老害どもに人類の最高機関を預けておくなど我慢ならない。

 我々が取って代わる時が来たのだ。

 全ての次元のサッカーを管理し、力を蓄えて、いずれ乗っ取りを果たす。そのことを忘れるな。諸君はそのための先兵であり、世界を変える貴重な人材だ。

 さあ行け。任務を遂行してこい。

 

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