アイのお腹に双子がいることが分かった後、アイは定期的に病院へ行き検査を受けている。アイを担当している医者もアイのファンらしいが推しが妊娠している事に納得して色々と協力してくれているらしい
(・・・俺はもしあのまま生きていたらアイを応援することが出来たのだろうか)
そう考えるが直ぐに無いなと考えるのを止める。今の俺がアイを好意的に見られるのは人間だった頃には知ることが出来なかったアイの部分を知ることが出来たのが大きい
(最悪、あいつの言いなりになってアイを殺してた可能性も有ったんだ)
「トパーズ?どうしたの、ボール遊び飽きた?」
「ワン(いや、ちょっと考え事をしてただけ)」
俺はアイが投げたボールを拾ってアイに渡す。アイはそれを笑顔で受け取ると俺の頭を撫でる。尻尾は意識しなくてもとても力強く振ってしまう
(犬ってなんでこんなに自分の感情を隠すのが下手なんだろう)
□
アイの出産が近づいてきた頃、ここからあの病院までは距離がありすぎるので社長が病院に居るというアイのファンと相談して事前にアイは入院する事となった。俺は暫く斎藤社長の家にお世話になる。
(まあアイは入院して家に居ないし病院に俺は連れていけないし仕方ないよな)
今は社長の奥さんのミヤコさんに遊んでもらっている。社長何でこんな美人さんと結婚できたんだろうか、羨ましい。
「帰ったぞ~」
社長が帰ってきた。社長は帰ってくるとミヤコさんにただいまと言った後は毎回俺を探して見つけると凄い撫でてくる
「お~いトパーズ、帰ったぞ~」
「ワフ(はいはい)」
「お前って俺が返ってきたら必ず返事してくれるよな、お前はいい子だなぁ!アイに似なくてよかった」
(この社長よっぽどアイに振り回されてるんだな)
まあアイドルで妊娠して出産するんだ。色々と大変だろう。
ストレスのせいか社長が俺に構ってくる時間が増えた。抵抗しないと最低10分は肉球触ってるしお腹に顔を埋めようとしてくる(これは何か嫌だったので抵抗している。ミヤコさんがやってくれるなら最高だったのに)原因が
「お、時間か。もしもし・・・お前なあ、開口一番がそれ・・・分かった分かった。トパーズ、こっち来い」
社長は俺を呼ぶとスマホの画面を見せてくる
『あ、見えた。トパーズ元気にしてる?佐藤社長からセクハラ受けてない?』
「ワン!(毎日受けてる)」
「お前俺を何だと思ってんだ?」
『犬好きが行き過ぎた人。ミヤコさんから報告受けてるよ、一心不乱にトパーズの肉球触ってる動画とか、気づいてなかった?』
「気づいてなかった、気を付けよ」
「ワン、ワワン(本当にな、芸能事務所の社長が隙だらけはヤバいだろ)」
ちなみに俺は気づいてた、ミヤコさん隠れもせずに社長の背後から撮ってたし
『コンコン』
失礼しますと言って病室に誰かが入ってきた。ちなみにアイが居るのは一人用の病室らしい。まあ他の患者がいる病室に妊娠したアイドルを置く訳にもいかないよな
『あ、先生。見てこの子、超かわいいでしょ!』
一瞬画面がぶれたかと思ったらスマホ画面には見たことのない白衣を着た男が映っている
(これがアイのファンだっている医者か)
『ジャーマン・シェパードか。君の犬?』
『そう、私が拾って育ててるうちの子。始めは懐いてくれなかったんだけど私の可愛さが通じて今じゃとっても仲良しなの』
「ワフ(可愛さで態度が甘くなったわけじゃないけどね)」
『クッなんて羨ましい…じゃなくて!お腹の子にも悪影響ですからそろそろ寝てください』
『はーい、それじゃあね、お休みトパーズ』
「ワン(おやすみ)」
「・・・俺には何も無いかよ」
(ドンマイ、斎藤社長)
二期が楽しみ。イベントも楽しみ。イベント当たってくれ~!