ヱヴァンゲリヲン・I have Ironheart 作:cycle(サイクル)
[VOOOOOOO]
R8が甲高いエキゾーストノートを奏でながら高速道路を走り抜ける、流れ過ぎていく景色を眺めながら僕は運転中のショウコさんに声をかける。
「僕らがこの世界を守っていくんだね……この混沌として美しい世界を」
「そうでございます、私たちが今後この世界に迫る脅威に対抗し……秩序を正していく。……しかし心が痛みます、その最前線にあなた自らが立つのですから。」
ショウコさんはそう言いながら僕に視線を送ってくる、悲しみを帯びるその目に僕は真っ直ぐ向き合いながら笑顔を返した。
「大丈夫だよ、少なくとも僕や[組織]はね……けど何れ戦場になる街の方が心配だ。」
そう言いながら僕は窓に肘をかけながらより景色を視る、窓に映る僕の顔は憂いに満ちていて、他者が見たら不安を感じてしまいそうな危うさのようなものを帯びていた。
「おっといけない……こんな顔はしちゃダメだった、そういえばそろそろ到着だね」
「はい……もうすぐでございます」
★★★
「戦略自衛隊本部、日本政府、この面子に僕が混じるのか……」
凄まじいプレッシャーを感じながら僕はショウコさんを従えながら門をくぐる、その奥では大きな建物と明らかにガタイのいい軍人の護衛数名が入口前で構えていた。
僕はすかさずポケットからIDを出して見せる、それを確認してくれた護衛さんに礼を言ってから入口を通った。
「来たか……歓迎するぞ御曹司殿、おっと勘違いしないでくれ……嫌味を言ったわけでは決して」
「その焦り方で分かりますよ[霧彦]大尉、それより今回の議題の方は?」
そう言いながら進む僕を焦りながら追って来る男、彼の名は[
若くして重役を任されている者同士のシンパシーで良い付き合いをさせてもらっている。
「今回の議題か……まずうちの上層部が言っている[巨大未確認生命体]及びそれに対抗する[究極の決戦兵器]に対する[対抗兵器]が主軸になるはずだ。全く無茶言うよな〜、40m前後のバカデカイ兵器なんてどうしろってんだ!」
「固定砲台でも金が吹っ飛びますからね、まぁその辺は我々に任せてください。」
僕はそう言いながら会議室の戸を開いて入っていく、すると僕が座るであろう場所に玉座のような椅子が用意されていた。
「お待ちしておりました、さぁどうぞここに」
「……普通の椅子では?」
「まあまあシンジ様、ここはお言葉にお甘えしてください♪」
そう言いながら軍人の女性が僕を玉座にスっと載せる、さすが軍人……軽い僕を椅子に載せるなんて赤子の手をひねる程簡単なようだ。
「……昔一度お会いし抱っこさせていただきましたが……その頃よりはるかに大きく重くなってますね。」
「子供の成長ほど早いものは無い……故に戦場間近のこの施設に居るのが嘆かわしい。本来我々が守るべき子供が一組織の責任者としているこの時代が忌々しくも思う」
「心優しき気遣いありがとうございます総帥、しかし我々は今……そんな時代を終わらす為に会議をするのですよ。」
僕はそう言って話を終わらす、そしてキッチリ座り直すと会議を切り出した。
★★★
「……では、そろそろ主題に移ろう。この謎多き特務機関[NERV]、ここが作る決戦兵器に対抗する兵器の案を考え合おう。」
総帥はそう言いながらタブレットを操作する、すると僕含む全員が見るモニターに黒背景にイチジクの葉を使った真っ赤なロゴと、それの隣に出て来る同じ色のTOP Secretの判子文字が映し出された。
「現状名称不明の兵器、しかし全高40m前後である事が判明している。」
「けれどそこまで巨大ですと運用方法が余計に気になりますね、もしかしたら巨大ロボかも」
「タラレバなたわけ事を言うのはやめろ」
一人の女性士官の発言に男性士官が即否定する、しかしそれに待ったをかけるように僕は手を挙げた。
「いや有り得ますね、だって空中戦艦ならもうとっくに地上にいるはずですし、何より人型だったら想像よりコンパクトに納められる。」
「ほぉ……じゃあ証拠を見せろやガキャ、この俺様にありえない証拠をな!」
僕が言った言葉を否定しつつ男性士官がそう挑発する。
僕はそれを待っていたと言わんばかりに口角を上げた。
「ではお見せいたしましょう……さあさあ皆様お立ち会い! ただいま発表し目撃するのは、戦自研と合同開発し……そして今後も進化していくこの星の守護神です!!」
僕は高らかにそう宣言しながら指を鳴らす、瞬間会場の電気が消えいつの間にか置いてあったプロジェクターが起動しある資料が映し出された。
そしてその資料の表紙らしき画面では白背景に青い無限の輪を背にするAのマークがあった。
「それでは今から新兵器と! 我らの組織[アベンジャー]の説明を行います!」
★★★
「ご主人様、本日はお疲れ様でした♡」
「ぁぁ……思ったよりも興に乗ってしまったせいで疲れてしまった……」
僕はそう言いながらショウコさんのマッサージを受ける。
緊張のあまり想像よりガッッチガッチになっていた身体を解されながら僕はあることを確認した。
「[
「このまま行けば予定通りかと、しかしなぜ
ショウコさんはそう言いながら僕の背中を思いっきり押し解す、そんな中僕は若干はぐらかしながら答えた。
「まぁちょっとした勘というのかな? それが訴えているんだよ」
(言えるわきゃねぇだろ!
「……それなら仕方ないですね、ご主人様の勘は鋭いですから。」
僕の苦しい言い訳に何故か納得してくれたショウコさんは最終工程とばかりに背中をグリっと揉み回す、さらに「仕上げです♪」と言って二・三発叩いてきた。
「はい♪ 解し終わりましたよ♪」
「……最後の三発は必要だったか?」
そんなふうにツッコミながら僕は台から降りて衣服を羽織る、その流れのままに部屋から出るとそのまま特設通路を移動する。
「アベンジャーの職員数は今どうなっている?」
「現在民間雇用は1500人以上、しかしこれでも圧倒的人不足ですね。なお……戦自から送ってもらった技術班を含めれば26500人になります。」
「贅沢な話だがまだ足りないな。」
そんな事務的な会話をしながら進んで行くとトロッコの駅に着く、そこに止まっているトロッコに乗るとモーター全開で走り出す。
「GS_s-01及び02の完成進捗率は?」
「技術班の合流のおかげでTYPE:Ⅰと同時期に完成します。」
ショウコさんと現状の確認を行う最中、目的地に到着した僕らはトロッコを降りて駅を出る、そしてそここそ僕らが属する組織[アベンジャー]の本部だった。
「今更なんですが、何故に名前がアベンジャーなんですか?」
「まぁその辺はいつか話すさ。」
そう言いながら僕は発令書の重厚な椅子に座って業務に取り掛かった、これは過去の僕がくれた反省点だ。
(頭をよく使う、そして判断を他人に委ねない……まぁ前を向くことかな。……ともかく)
「タイムリミットはあと二年だ……それまでに準備を全て終わらせる……さぁて、今日の分全て終わらせるか。」
ついに訪れた襲来の時!
サード不在の中出撃する初号機とそのパイロット!
そして……戦場に舞い降りるもう一機の兵器!
次回![使徒襲来]!
さぁて、次回も〜、サービス♪サービス♪