「今日はありがとね!これで特盛スクープを収められたわ」
「こちらも助かった。目的を達成できたわけだしな」
ガララワニを食べ終え、帰りの船の上。
肉も全て食べることなく、土産として持ち帰る。切り落としを二つほど持ってきたので数千万は行くはずだ。
確か部位によるが、Kg単価50万はある。
活動資金を貯める上で売るのが一番だろう。
充分食材を堪能したわけだし。
色々と欲しいものもある。
まずは捕縛用のノッキングガン、一番安いのでも20万くらいだった。
高いものだと桁が二つ増える。
今後の美食屋活動のために必要になってくる時がある。
「ねぇ、あんたほどの美食屋が今まで無名だったの?」
「何だ、藪から棒に」
「単なる世間話よ。ガララワニを二体同時に討伐、並の美食屋じゃまずできないわ」
「お前、俺様の活躍見てたんじゃねぇか」
俺が眼中にないと思っていたが、思っていた以上に興味を持ってもらえていたようだ。
「田舎で山籠りしてたんだ。グルメタウンに来たのも最近。これから美食屋としてゾンゲ様の名が全国に知らしめられることだろう」
「ふーん。そうなんだ」
……興味なしかよ。
聞いておいて、何つう反応だよ。
もっと他にないのかよ。
もう、話しても意味なさそうだな。
「はぁ……もういい。とにかく俺は世間に疎いからな。どんな道具があるのか、食材があるのか無知だ」
無知を晒すことは別に恥じゃない。
それにこれから関わってきそうな人物でもあるし、過大評価されるよりはマシだろう。
どうせこいつは人の話聞いてなさそうだ。
今も撮った動画の内容を見直しているくらいだ。
帰ってどんなふうに編集するか楽しみなんだろうな。
「ああ……こんなてんこ盛りの内容撮れたの初めて……いつも失敗に終わるのに」
……嬉しそうで何よりだよ。
話しかけても返答は返ってこず、だから、俺はゆっくりと休むことにした。
終止船の上からビデオカメラの音声が聞こえるも俺は船に揺られて体を休むことに専念したのだった。
「ご…ごめんなさい。つい動画に夢中になってしまって、私って楽しみなことあるとつい夢中になっちゃって。他のことひとさじも入ってこなくなっちゃうのよね」
トリ港に着いたのは翌日早朝となった。
着いた途端、ティナから突然の謝罪に困惑するも、反省しているなら許してやるのも男だ。
「気にしてねぇさ。ま、今後は気ぃつけるこったな」
でも、ティナがいなければガララワニ討伐どころかバロン諸島にも行けなかったしな。
「助かったぜ嬢ちゃん、あんたのおかげで俺は目的達成できたぜ」
「え?…ちょっと…いいの?」
そう言ってグルメケースに入ったガララワニのもも肉の部分を渡す。
戸惑っているティナだが、
「だいぶ無茶したみてぇだしな。仕事クビになる可能性もあるんだろ?なら、こいつがあればお前の上司も多少目を瞑ってくれるかもしれねぇ。その献上品として、納めるもよし、お前の胃袋に納めるもよしだ」
「ほんと!ありがとう。大盛りラッキー!」
素直に喜ぶのは結構。
飛び跳ねるくらい嬉しいのか。
この分なら上司に渡すより自分で食べそうだな。
ふ……そろそろ別れるか。
次の獲物があることだしな。
「世話になったな嬢ちゃんーー」
「ティナよ」
「……は?」
「私にはティナって名前があるの。嬢ちゃんって子供扱いされてるようでムカつくのよね」
「そうか。わかったティナ」
変なところでこだわりあるなぁ。
今更だな。
別れを告げて帰ろうとしたのだが。
「ねぇ。これ私の連絡先」
連絡先を手渡してきた。
最後まで読んでくださりありがとうございました。