初めてです!
ありがとうございます。
「早くしなさいよ!もう!あんたのせいで列車乗り遅れちゃったじゃない!」
「そんな怒るこたぁねぇだろ」
「ひとさじも良くない!これでフグ鯨の特盛スクープ逃したらどう責任取るつもりよ!」
「いや、だからなぁ」
フグ鯨の産卵、以前ティナから行くと誘いがあり了承。アニメではゾンゲとトリコが初対面となる話。
フグ鯨が浅瀬に姿を現すのは10年に一度だけ。
フグの身、マグロの大トロ、クジラの肉の性質を持つと言われる食材。
しかしフグ鯨が産卵に集まる洞窟に向かい、見事捕獲して生還できる確率は0.1パーセント。
貴重な食材で、そのフグ鯨を捌ける人も10人といないなんて言われている。
生死に関わらず少しでも刺激を与えると、毒袋が破れ致死性の毒が全身に回ってしまい毒化、食べられなくなる。少しの刺激も許さない繊細な捕獲技術や調理技術が必要。
1匹1億円で取引されるらしい。
ちなみに失敗して毒化したフグ鯨も味は変わらないため、闇ルートでは一匹800万円ほどで取引されており毎年数万人規模の死者を出しているという。まさしく「死ぬほどうまい」食材である、らしい。
俺は猛烈にフグ鯨を食べたい。
捕獲さえできれば後は伝手で捌ける料理人に頼めば良い。
そう思い、張り切っていたのだが寝坊してしまった。
朝早く待ち合わせして行くつもりだったのだが、目覚ましをかけ忘れ寝坊。
ティナは集合時間にいつまでも来ない俺を宿泊のホテルまで起こしに来てくれ、現在に至る。
現在フグ鯨漁に向かうべく列車に乗っている。
「そんなに張り切って早く行ったとしてもなくならねぇよ。しかも、俺じゃなきゃそもそも捕獲すらできん」
「その自信過剰なところ相変わらずね。私その自信のせいで何回も死にかけたことあるの一ミリグラムも忘れてないからね」
「こっちも誰かさんの独断専行で大怪我して、一週間予定外のサバイバル生活になったことあるが……」
「う……そ…それは……いちいち過去のこと気にしてんじゃないわよ!知らない!」
プイッと顔を真っ赤にしながら怒ってカメラを持って行ってしまった。多分同じ列車にいる美食屋の取材にいったってところか。
ふ……俺に文句をつけるとは百年早いってんだ。
文句をつけてきたところで過去のティナの失態をネタに出せば絶対に勝てるのだ。
ここまで過去を引きずるティナも珍しいと思うのだが、まぁ、気にしない。
今では俺とティナにとっては笑い話で終わらせる話題の一つだからな。
怒って行ってしまったが、それは時間が解決する。
放っておこう。
ティナは行ってしまったが、どうせ目的地に着くまで時間がかかるのだ。
酒でも呑んでゆっくり外の景色を楽しむのもいいだろう。
ティナがカメラ片手に向かって5分ほど経つと、車内販売のお姉ちゃんが歩いてきた。
俺はよく顔が怖いと指摘される。
なので、初対面では笑顔を意識している。
「酒をくれ」
「ヒッ……ご、ごめんなさい。お酒はもう……前の車両で売れてしまって……い…命だけは」
「……ち、悪かった。残ってるのだけでいい。置いていけ」
「……わ……わかりました」
そう言いつつ、金を取り出し渡そうとすると……あれ?何で商品だけ置いて行くんだよ。
「……おい」
「い…命だけは」
ああ……俺に怯えているのか。
まぁ、俺の言い回しも悪いな。
怖がらせて悪いことをした。
「悪いことをした、姉ちゃん。詫びだ。これはチップとしてとっておけ」
「こ……こんなにいただけません。お金はいりませんから」
「あ?文句あんのか?」
「いえ!いただきます!」
俺ってそんなに怖いのか?
いいや。別に金渡したし、チップも渡した。
これでプラマイゼロだよな……うん。プラマイゼロだな。
「それにしても、酒が一本もないのは寂しいな。前の客から譲ってもらうか」
もともと迷惑な購入をしたのだから、交渉すれば一本くらい譲ってもらえるだろう。
前の車両で売れたって言ってたよな。
面倒だと思いつつ、席を立ち上がり前の車両に移動する。
「大盛り、いや特盛ラッキー!トリコと同じタイミングで列車乗ってるなんて!ね!やっぱりあんたたちもフグ鯨の捕獲に向かうんでしょ!」
何やってんだよティナのやつ。
ティナは大量の食事と酒をテーブルに置いてある席にいた。
ティナはオレンジの冒険服、青髪、しかも俺よりも巨体の男を取材していた。
最後まで読んでくださりありがとうございました。