バロン諸島。
約5万種もの生物がいる、マングローブで構成された島々。
空には無数の鳥の猛獣が飛んでおり、空からの侵入は不可能。だから、最南端のババリア島からしか入れない。
バロンフェンスと呼ばれる、無数の岩礁に囲まれている。
これは後から知ったことなのだが、この島に行くにはプロの航海士が必要らしい。
本当に俺は運がいい、ティナに感謝だな。
「ついたな」
「てんこ盛りスクープの予感……ああ、一体どんな食材がいるのかしら」
それにしてもこいつの胆力すごいな。
ピンクのスーツから着替え、サファリルックになったティナは危険地帯にも関わらずこの調子だ。ここまで来てビビらないって逆にすごいな。
「ここからは船で進めない。ゴムボートで行くぞ」
「鬼の口よね。マングローブでできたバロン諸島唯一の入り口」
「良く知ってるな」
「このくらいはね」
……そういえばアニメではフライデーモンキーというバロン諸島の奥底に住むとても警戒心が強い獣もいたはずだが、島の周辺の岩礁を見る限りいなかった。
……つまり、島の異変が起こるのはもう少し先ってことになるのか。
「……すごい、サメがいっぱい」
「クルッポー!」
「バロンシャークだ。……個体の大きさによるが捕獲レベルは1」
ゴムボートで鬼の口を移動中、ティナと共に警戒しながらバロン諸島に向かう。
伝書風船鳩のクルッポーは帰巣本能を利用して電波も届かない僻地で撮った映像も本社に送り届けることができるらしい。
常にティナの隣にいるクルッポーは相棒らしい。
だが、危険だと判断したら俺の懐に来るように伝えてある。
ティナはと言うと、カメラを回しながら取材を続けていた。
……一応目的の確認だけしておくか。
「念の為言っておくが、今回俺が捕獲しにきたのはーー」
「ガララワニでしょ。ああ、一体どんな猛獣なのかしら、生きてるの見たことないのよね」
「そうか……分かっているならいい。そこの鳩、わかってるな」
「クルッポ!」
元気のいいことで何よりだ。
そんな会話をしつつ、バロン諸島の砂浜に到着した。
「生きて帰りたきゃ、俺から離れるんじゃねぇぞ」
ティナがガメツイのは今更だな。
そう思いつつ、ティナに忠告し俺たちはバロン諸島奥地へと向かった。
行く途中は猛獣との戦闘を極力避けながら向かう。
と言っても捕獲レベル1の猛獣だけなので、迫ってきても威圧すれば逃げて行く。
一応、ガララワニに襲ってきてもらうためにこれをしておくか。
「ねぇ、あんた何やってるんのよ。てか何それ、キモい」
「何って……ガララワニを誘うための罠に決まってるだろ。後、こいつはバロンヒルだ」
「それとガララワニが何の関係あるかひとつまみもわからないんだけど」
まぁ、これに関してはアニメでトリコが言っていたことだ。
ガララワニはバロンヒルと共存している。
バロンヒルに血を吸わせ、その臭いを頼りに獲物を狩る。
それを逆手に取ったにすぎない。
まぁ、距離があるし、これに意味があるかは不明だが。
まぁ、いいだろう。
そのことをティナに説明したら。
「なるほど!なら私とやったほうが大盛り効果アップね!」
……といいながら自分からバロンヒルを手に取り血を吸わせていた。
……この女目的のためなら危険を厭わないのか。
頭のネジ緩んでんじゃないか。
少しドン引きするも、すぐにやめさせマングローブの葉っぱから海水を垂らしてやめさせた。
「せっかくの綺麗な肌に傷がついたらどうするんだ?傷口にこれ貼っとけ」
傷口の手当てをさせた。
「へ……へぇ、あんたにそんな気遣いできるなんて一ミリグラムも思わなかったわ」
照れながら言われても嬉しくねぇよ。
てか、一言余計だわ。
まぁ、やってくれたことには感謝しよう。
二人だから効果2倍、なんてこともあるかもしれない。
むさ苦しい男の血の臭いよりも、健康的な女の血のほうが臭いがいいかもしれないし。
「ふ……俺様の頭脳は冴えてやがるぜ」
「……ちょっとねぇ、大丈夫なのよね?てんこ盛りやばくない?」
バロン諸島奥地に進むこと数時間……自分を餌に誘き寄せようとしたのだが。
「ぐるるる」「がるる」
二体のガララワニに遭遇したのだった。
最後まで読んでくださりありがとうございました。