デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

110 / 110



黒ソニア
「前回の『デアペル』!
七罪攻略に悩ませる士道は見事に七罪が化けた人物(?)を当てたものの、七罪の本当の姿を見てしまい、皆を庇って子供になってしまった!
一体…どうなるのぉお!?」


シンク先生様、ホムラ=ホライゾン様
評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。





第四話:予想外の事態

 

 

 

「…」

 

 

少年は怯えている。

自身を見つめてくる者達が怖いからだ…。

 

 

「……ねぇ、琴里ちゃん。」

 

 

「……何よ。」

 

 

「……士道、くん…凄く怯えてるね。」

 

 

「そうね……それはさて置いて…士織───その手に持っているスマホをしまいなさい。」

 

 

「それは高そうなカメラを構えてる琴里ちゃんに言われたくはないかな。」

 

 

今現在…見た目だけで無く、心まで幼子になってしまった士道を見て───琴里達は正気でいられなくなっていた。

 

彼女達は、今士道を見て正気でいられなくなっていた。

 

ある者は何処から用意したのか、今の士道に合うサイズの可愛らしい服。

ある者はお揃いの服(※女性モノ)を。

ある者は士道を見てトキメキが抑えられずにいたり、可愛がりたくて仕方ないと言わんばかりに手を動かしたりしていた。

 

 

「おお…何というか、シドーが何というかだな…。」

 

 

「し、士道さん……か、可愛いです…。」

 

 

《だよね、だよねん! 犯罪的すぎない?》

 

 

「どうしよう夕弦……私、何かに目覚めそう…!」

 

 

「指摘。耶倶矢は既に厨二病に目覚めてます。」

 

 

「ち、違うし! って、そうじゃなくて…。」

 

 

「同意。小さくなった士道は何処か母性本能を刺激するものがあります。

あ……耶倶矢には、まだ…早いかも、しれません…。」

 

 

「ちょっと、夕弦! 何処を見て言ってるのよ!」

 

 

「はぁ…はぁ…だーりんが……だーりんが可愛すぎますぅ。

だーりんとの子供もこんな感じになるのでしょうか…!」

 

 

涎を垂れ流し、目を輝かせながら五河家リビングの部屋の隅っこで怯えて丸まっている士道を見ながら美九は呟く。

その言葉に……この場の女子全員に電流が走った。

 

 

───し、士道/士道君/士道さん/おにーちゃんとの子供…!!

 

 

そレぞれが士道と結ばれ、自分との子供を授かった未来を妄想する。

その未来を見て───

 

 

───……良い…!!

 

 

「?」

 

 

それにより皆の今の始動に向ける視線がより一層強くなる。

…約1名、よく分かっていない子が1人(十香)。

 

最も、幼い士道からすればより恐怖が増すだけだった。

 

 

[はぁ…はぁ…!!]

 

 

[…!!(ビクビクと怯える士道)]

 

 

「…」

 

 

幼い士道を見て息を荒くする者達、怯える被害者、そしてその光景を見て頭をボリボリと掻く夢界。

 

 

「……なぁ、皆んな。

取り敢えず、一旦士道から離れない?

すげー怯えてるけど。」

 

 

「そ、そんなのは分かってるわよ…!

け、けど…昔のおにーちゃん、今思うと凄く愛らしいから…つい…。」

 

 

「……うん、物凄く悪い事をしているって自覚はあるんだけど…凄く、士道くんが可愛らしいから、つい…。」

 

 

琴里達が正気を取り戻して一旦離れていく。

 

 

「……にしても、こいつは由々しき事態だな。

まさか七罪ちゃんの正体が、大人のおねーさんでは無く、実は子供だったと…んで、行方を晦ませちまって探したい所…。

今はそんな事よりも、見た目だけで無く中身まで子供になっちまった士道の対処の方が優先だからな。」

 

 

「ねぇ、その七罪は見つけられないの?」

 

 

「フラクシナスの総力と俺の方でも探してみても、ぜーんぜん。」

 

 

「…疑問。解決手段は?」

 

 

「現状ではどうする事も出来ませんっと…。

せめて士道本人が、まともに話だけでも出来れば良い所なんだが…。」

 

 

夢界が士道に近づこうとするも、琴里達同様に怯えてしまう。

 

 

「…俺でもこの反応。今の士道は完全に恐怖症に陥ってる為、検査も碌に出来ない状況だ。

せめて……活性能力を持つ翔が来るまでに警戒心だけでも改善させないといけない所なんだが…。

琴里ちゃん、この頃の士道って、五河家に引き取られた8歳()じゃないんだよな?」

 

 

「……ええ。ウチに来た頃はもう少し、背丈が大きかったと思うわ。」

 

 

「つーことはそれ以降の記憶って事だから、琴里ちゃんの事も分かって無いわけだ…困ったな。

なぁ、琴里ちゃん。士道って引き取られる頃以外ってどんな感じなのか、知らないのか?」

 

 

「…分からないわ。知っている事は───

おにーちゃんはウチに来る少し前に、おとーさんとおかーさんが海岸で見つけた事くらいで、おにーちゃんの過去は()()()()()()()()のよ。

母親や父親の事も分からない……

───って、いえ、1人いるじゃない!

おにーちゃんの過去を知り得る可能性のある人物!」

 

 

琴里がハッ!と思い出した。

それに先に動いていた夢界がウィンクして応える。

 

 

「そう思って、連絡を入れといてあるんだよね。

もう直ぐ来ると思うよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

「兄様! ご無事でいやがりますか!?」

 

 

暫くして……五河のリビングのドアを勢いよく開ける人物。

崇宮真那(実妹)が現れた。

 

 

「…来たわね。おにーちゃんなら、あそこに───」

 

 

「兄様! 大丈夫ですか!?

真那です!! 兄様の一番の可愛い妹の真那ですよ!?」

 

 

「…!!(ピキピキ!!)」

 

 

「お、落ち着いて、琴里ちゃん。」

 

 

「…大丈夫、ええ…問題ないわよっ…!」

 

 

琴里は静かに嫉妬と怒りのオーラを纏いだすも、夢界が宥める。

 

───が、そんな事よりも状況は一変する。

 

士道は真那(実妹)相手にも、酷く怯えていた。

 

 

「なん…だと…?」

 

 

「ちょっと、どういう事?

どうして真那にも怯えているの?」

 

 

「……もしかして…?」

 

 

「な、何か分かったんですか!?」

 

 

「もしかすると、今の士道は()()()()()()()なのかもしれない。」

 

 

「…中途、半端?」

 

 

「どういう事よ?」

 

 

「あの時…七罪ちゃんが発した霊力は暴走状態であって、七罪ちゃんが意図した状態にした訳じゃない…。

つまり…今の士道は、記憶喪失に近い状態で容姿と精神は幼くされた状態って事なんじゃないか?」

 

 

[!?]

 

 

「そ、それって…大丈夫なの、士道くんは!?」

 

 

「…分からない。」

 

 

「だーりんは元に戻れるのですかぁ…?」

 

 

「……分からない。」

 

 

士織、美九の問いに頭を悩ませる夢界。

 

 

「おにーちゃんは…。」

 

 

「兄様は…。」

 

 

「「どうすれば、私/真那達を信じてくれるの(でやがりますか)?」」

 

 

「わっかんねぇよ…!」

 

 

琴里と真那の問いに、珍しく夢界は怒気の含んだ声を上げる。

それにより、士道は涙目になって縮こまってしまう。

 

 

「あぁ……す、すまない。

俺とした事が、思わず声を上げちまった…。」

 

 

「…いえ、こっちも悪かったわね。

アンタも、今回のこの状況は完全にお手上げ状態なのね。」

 

 

「…けど…どうすれば、兄様は助かるのですか?

……そうです、〈ナイトメア〉…!

〈ナイトメア〉のあの力をぶん取って、何とかするのはいかがでやがります!?」

 

 

「いやいや、そんな物騒な行動取っちゃ駄目だからね?

て言うか、無理でしょ?

真那ちゃん……ここ暫くの間、狂三ちゃんを追いかけていたみたいだけど、足取りすら掴めなかったでしょ?」

 

 

「うぐっ!」

 

 

「アンタねぇ……ただ、今この状況では彼女の力が欲しい所ね…。」

 

 

「ですよね! 琴里さんも分かる様になったじゃねーですか!

よし! これから皆さんで〈ナイトメア〉を仕留めに行きましょう!」

 

 

「いやいや! そんな物騒な手段はダメだかんねっ!?

俺達は基本、武力を用いずに対処するのが第一だからね?

……って、え、皆んな?」

 

 

「…し、士道さんが、助かる、なら…。」

 

 

《取り敢えず、捕まえるだけでもしておく?》

 

 

「え、冗談…だよね、四糸乃ちゃん?」

 

 

「……ククク、今こそ、我が颶風の巫女なる真なる力を解放すべきではないか? 夕弦よ?」

 

 

「同意。士道を助ける為、夕弦は尽力をつくしましょう。」

 

 

「え、え?」

 

 

「そうですねぇ。だーりんの助ける為にもちょっと強引な手段を取っても仕方ないですよねー。

…ふひひ、あのエロ気ムンムンの狂三さんのくびれや胸とか太ももとか…ハァハァ…!!」

 

 

「…美九ちゃんは下心の方が強く出てない?」

 

 

「…そうだね。でも、時崎さんを追うよりも、七罪さんを見つける方が優先じゃない?」

 

 

「ふむ。確かに、よく分からない狂三よりも、七罪を見つける方が優先かもしれんな。」

 

 

「いやいや…正直どっちも厳しいと思うよ。

士織ちゃん、十香ちゃん。

それが分かれば、こっちから何とか交渉出来るわけだし…。

てか、狂三ちゃんに至っては日本中を巡ってた真那ちゃんですら見つけれて無いわけだし…。」

 

 

夢界は士道の為に無茶な言動を取る女の子達に何とか説得し、疲れる。

 

 

「…でも、どうすればいいのかしらね。

このままじゃ、打つ手なさすぎて───」

 

 

夢界の説得になんとか冷静となり、妹として、司令官として、頭を悩める琴里。

そんな彼女の悩みに、手助けの者が現れる。

 

 

「…此処は一先ず、シンを落ち着かせる事を第一にすべきではないかな?」

 

 

「令音!」

 

 

「すまないね。鞠亜と共にかつて耳にしたベルベットルームの者達にコンタクトを取れないか、色々と探っていたが…すまない、駄目だった。」

 

 

「…いいえ。令音達の行動は間違いじゃないわ。

打てる手は少しでも打つべきだもの……。

───って、え?」

 

 

琴里は突然の事に驚愕する。

それは…さっきまで誰にでも怯えていた士道が、令音の姿を見て、士道自ら駆け寄り、令音に抱きつくのだった。

 

 

[え?]

 

 

「お?」

 

 

「ふむ……よしよし。シン、いい子いい子。」

 

 

令音は今の士道の背丈に合わせてしゃがみ、いつもの士道に対して行動とる手段…『令音の抱擁』を行うのであった。

士道も、令音には何故か心を許し、令音の抱擁を受けて眠りにつくのであった。

 

 

[…]

 

 

その光景を見た、士道に想いを馳せる者達は悔しがるのであった。

 

 

「……まぁ、令音ちゃんは普段から…ねぇ…。

アハハ…。」

 

 

「く、悔しいです…。」

 

 

夢界は苦笑いをしつつも何とかなりそうかと安堵し、真那も悔しそうにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

「よしよし…シン、いい子いい子。

(士道を愛おしそうに撫でる。)」

 

 

「…スー…スー…。

(心地良さそうに寝息を立てて寝ている。)」

 

 

[…(精霊達+士織の膨れ顔)]

 

 

士道に想いを寄せる者達は納得いかない雰囲気を出していた。

それは当然……先程まで、誰にでも恐怖を抱かれ、怯えていた士道が、令音にだけは怯えず…なんなら、甘えん坊の様に抱きついている姿から、不機嫌になっていた。

加えて、今はとても安心している様に熟睡していた。

 

 

「まぁ……そのなんだ、令音ちゃんは…ほら、この中では年長者だからさぁ…小さい子に対しての扱いが、上手いって事で…。」

 

 

「……それを本人を前にして言う辺り、キミはデリカシーが全く無いね。」

 

 

「…いや、流石の俺だって、そんな事言いたくないって……。

あ、こら、士道…くん、俺が全部悪いから、そんな怒った顔をしないでよ、な?」

 

 

令音が不機嫌となった事で、士道もそれを感じ取っていたのか、夢界に対して敵意の視線を送っていた。

 

 

[…(夢界を睨む視線。)]

 

 

「…あ、この場において、俺の味方が1人もいねぇ…。」

 

 

『…日頃の行いですね。』

 

 

「おおう…返事返してくれるだけでも嬉しいよ、鞠亜。」

 

 

『…(令音に向ける膨れ顔をしつつ琴里達と同様に夢界を睨む。)』

 

 

「えぇ…結局鞠亜も皆んなとおんなじなのー?」

 

 

『当たり前です。私は…肉体が無いで、遠慮していますが。

肉体が有れば、透かさず皆と同じ行動を取ってました。』

 

 

「お…おう、そ、そうだ、ね。」

 

 

『ですが……そろそろ皆んなは冷静になりましょう。

今は…少しでも士道が元に戻れるかもしれない可能性と───七罪を見つけ、説得する方法を考慮すべきです。』

 

 

鞠亜の言葉に皆が真剣な顔つきになる。

 

 

「…やはり、それが一番の方法だよな。」

 

 

『はい。では先ず…令音と共にベルベットルームの者達にコンタクトを取ろうとしたのは、ペルソナという着眼点からです。

ペルソナとは心の力を具現化をした力とありますので、それを通じて士道の精神だけでも元に戻されないかと考えたからです。』

 

 

「ふむ。」

 

 

『しかし、これは幾らコンタクトを取ろうとしても、現状では不可能と判断し、除外する事にしました。

続いて、狂三に関しては悪くない案です。

…しかし、狂三を見つける手段、狂三への要望等、確実に戻せるかの点を考慮し、断念する事となりました。

で、残る案は七罪です。

元凶…というのは良くはありませんが、元は彼女の霊力…〈贋造魔女(ハニエル)〉による影響ですので、確実を考えるならやはり、七罪を見つけ、説得する事です。』

 

 

「ただし……狂三ちゃん同様に、それを受け入れてくれるか、だ。

普通に考えりゃぁ、断るだろうな。

…七罪ちゃんの弱みを、俺達を知ってしまったからな。」

 

 

『ええ、夢界の言う通りです。

ですが、これは逆にチャンスかもしれません。

彼女の本当の姿を知った上で、彼女を攻略するという事が出来るからです。

もし、初期の頃からのままでは、彼女と分かり合えるとは言い難いですから。』

 

 

「その通りだな。」

 

 

「……ふむ。では、私はまたフラクシナスへ戻り、鞠亜とクルー達とで案を考えるとしよう。

夢界藍、キミにはキミの方の協力者にコンタクトを取り、元に戻せるかを問い出してくれたまえ。」

 

 

「おん…それはとっくに取っている行動だけど…。

()()だね、令音ちゃん。

令音ちゃんだったら、今の士道とはいえ、困っている士道を真っ先に優先すると思ってたけど。」

 

 

夢界の指摘に皆がハッ!となり、令音に視線を送る。

皆もとっくに()()()()()()()…令音が、どういった気持ちを士道に抱いているのかを───

 

 

「……それについて答えを言うなら私の為だ。

このままではシンに私は───私以外の女性に興味を抱かせない為…ありとあらゆる手段をとりかねん…!」

 

 

キリッと令音はクールを装いつつも、下心を包み隠さずに告げた。

要するに…士道を自分色に染め上げてしまうと全員の前で断言しているのだ。

 

 

「それは絶対に駄目ね。

士道は私のモノだから(スンッ!)」

 

 

「うん、士道くんは僕のだしね。(キリッ!)」

 

 

「違うし、私達のだし。(シュッ!)」

 

 

「同意。士道は我等…いえ、夕弦色に染まるべきですから。(ガタッ!)」

 

 

「…(ブンブンッ!)」

 

 

《いやいやぁー、士道くんは四糸乃のだよ?》

 

 

「違うのだ。シドーは私のだ。(ドンッ!)」

 

 

乙女達は令音に向けつつ…ライバル達にも向けつつ断言する。

それにより、膠着状態にへと入る訳だが───

 

 

「いえ。だーりんも、令音さんも、皆さんも…私のと、言わせてもらいます。(キリィッ!)」

 

 

美九は士織よりもキリッとした顔をしつつ…涎を垂らす。

 

 

『やれやれ…皆、一旦落ち着きましょう。』

 

 

「ふぅ…鞠亜、キミだけはまともだと、夢界さんは信じと───」

 

 

『───士道は鞠亜のであると主張します。』

 

 

「た……はぁ…駄目だこりゃ。誰も融通きかねぇし…。」

 

 

五河家内のリビングが殺伐する中、夢界は顰めるのだった。

 

 

 

 

 

暫くして…何とか令音や他の皆んなが落ち着きを取り戻し、普段通りになってそれぞれが行動をとっている中───

 

 

『緊急! 緊急事態です!

寝ていた士道が行方を晦ませました!』

 

 

何と、令音によって寝ていた士道が何処かへ消え去ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

「折紙一曹…貴君は懲戒処分とする。

そして、日下部一尉にも厳重な処罰を後に言い渡す。」

 

 

「…っ。」

 

 

「…」

 

 

AST本部にて、折紙と隊長である日下部は上層部より処遇を言い渡されているまだ最中だった。

その経緯は、約一月前の美九…〈ディーヴァ〉の一件にて、修復したばかりのホワイト・リコリスを再び無断使用をしたからだ。

 

 

「…お、お待ち下さい。彼女の暴動に関しては───」

 

 

日下部が言いかけた所で、室内に入って来る者が現れる。

 

 

「何者だ。今は───」

 

 

「失礼。事情は知っての行動ですので、お気になさらず。」

 

 

「…これはこれは。執行部長殿。

事情を把握してでのと事ですが…一体どういった要件で?」

 

 

上層部が問い詰めるも、エレンは答えるどころか視線をも返さず───折紙の前に立つ。

 

 

「鳶一折紙さん。アナタをDEMへとスカウトしに参りました。」

 

 

『!?』

 

 

エレンが口にした一言で、空気が一変する。

 

 

「な、何ですって!?」

 

 

「……どう言う、事?」

 

 

「そのまま通りです。私はアイク…ウェストコット様の命により、アナタを特別討伐隊に入隊して頂きたく存じました。」

 

 

「な、何ですと!?」

 

 

「一体、どう言う事なんですか!?」

 

 

「何故も何も、アナタ方に応える必要はありません。

どうですか? 折紙さん?」

 

 

「…わた…しは…。」

 

 

「───宜しいのですか? このまま、憎き精霊を殺せずして只の平民に戻るのですか?」

 

 

「…!? そ、それは…。」

 

 

「我々は既に熟知しております。

アナタが精霊に対して、並々ならぬ思いを抱いている事を…この気を逃せば、アナタはその無念を抱くも、何も出来ないまま生涯を終えてしまう。

そんな人生は嫌ではありませんか?」

 

 

「…」

 

 

「さぁ、私の手を……我等の手を取る事を勧めます。

アナタに力をあげましょう。

アナタの両親に手を掛けた者への復讐を…遂げたくはありませんか?」

 

 

悪魔の囁きが折紙を招く。

本当ならば…手を取るべきではないと、頭が告げている。

修学旅行にて、彼女の存在を思い出しており、彼女が只者ではない事を理解していた。

そして…今、彼女の手を取ってしまえば、大切な彼を…士道を捨てる様な、彼女にとってそれは最も嫌な行為であるのに…。

 

だが、同時に…いや、それ以上に───心の奥底から湧き上がる負の感情が…精霊を手に掛ける最大にして最後のチャンスが来ていると…そして、その手を取るべきだと…告げていた。

 

 

「わた、しは……私は…!!」

 

 

彼女は苦悩する。

脳裏に浮かぶ、士道()と…血塗られた茨の道、どちらを選ぶべきかを悩み…悩んで───

 

 

「……私は、私の全てを奪った者に…復讐を…。」

 

 

折紙はエレンの手を取った。

それにより、パリンと割れた様な感覚を覚えた。

 

 

「それで良いのです。アナタは正しい選択を取った。」

 

 

エレンは彼女を歓迎した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

──どこにいるの?

 

 

彼は追い求めていた。

理由は…分からない。

ただ…その人に会いたいという、強い想い。

 

 

───どうして?

 

 

疑問が浮かび上がる。

何故…何故…何故…。

 

 

───どうして…離れるの?

 

 

手を伸ばしても、駆け出しても、人影すら見えない、掴めない。

 

 

嗚呼……一体、どうやったら───

 

 

「───あらあら、どうしましたの? ()?」

 

 

自分に声を掛けてくる声が一つ。

黒いコーデの格好をした美しい女の子が、長い黒髪を耳にかきあげ、心配する様な顔をして問く。

 

 

「……ぁ……ぅ……。」

 

 

言葉で伝えようとしても、言葉が上手く発せられない。

以前までは、普通に喋れたのに。

 

 

「あらまぁ。上手く喋れないようですわね。」

 

 

「…(プルプルと震える)」

 

 

「大丈夫ですわよ。お姉さんは僕を助けたいだけですの。

大丈夫…大丈夫…。」

 

 

女の子は怯えて震える小さな子を優しく、安心させる様に頭を撫でながら抱きしめる。

 

 

「……ぁ…。」

 

 

その優しさはとても心地良かった。

前に得ていた暖かみとは異なるもの…しかし、この暖かみはとても安心出来るものだった。

 

 

「…(そっと手を出す)」

 

 

「ええ。勿論。」

 

 

救いを求める小さな手を優しく握る女の子…その正体は───

 

 

「さぁ、狂三お姉さんに頑張って訳を教えて下さいまし。」

 

 

数多の人間を手にかけた精霊…最悪な精霊と呼ばれる〈ナイトメア〉。

 

時崎狂三だった。

 

 

 






七罪編前半が終了しました。
残り後半は他の作品を進めてからになりますが、出来るだけ早く再開出来るように頑張ります。


・次回、『士道を探せ』
行方不明になった士道を探すフラクシナス一向。
狂三は士道に何をするのか───!?




───『デアペル☆オ・マ・ケ』───




黒ソニア
「第二回、『このキャラならこの属性の死ぬ気の炎だろう企画』ぅう!!」

士道
「これまだ生きてたのか。」

黒ソニア
「やるタイミングが中々掴めなくてねぇ…
だから、この機に二回目をやるのだよ!」

士道
「…一応俺…幼子になってるけど───」

黒ソニア
「メタ発言は止めてね!
ささ、気を取り直して行きましょう!
今回は……『十香』です!」

士道
「うん………十香は明るくて良い子だから、『晴』かな?
それともイメージカラー的に、紫の『雲』?」

黒ソニア
「んー……難しいねぇ。
まぁ、長々と考えるのも癪がヤバいので、即決で行きます!
───『雲』! 序盤の立ち振る舞いやカラー的に『雲』!
後、他の精霊達に『雲』要素が少ないから!」

士道
「……色々と端折ったな。俺は『晴』でも良い気がするけど。」

黒ソニア
「じゃ、主属性が『雲』で、もう一つの波動に『晴』で決定!
さっきも言ったけど、長々とするのもあれだからこれで終わり閉廷!」

夜刀神十香の死ぬ気の炎は『雲』で決定!

士道
「……もうちょっと捻ってからこのコーナーやれよ。」

チャンチャン!


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。