「ここは…」
ガシャッ
…鎖の音がした。
俺が足を動かしたので鎖の音がしたのであろう。
という事は。
ここはあそこか。
「お目覚めですね、客人。」
その声で体を起こし、扉の前に立つ。
あいかわらず、俺は檻の中か。
檻に触れている俺の心境を読んで語る。
「これはあなたの意思とは関係なく。
あなたの心境、あるいはこれからの道行を表しているのかもしれません。」
ラヴェンツァが扉の前に来て語る。
俺の心境、俺が誰かを閉じ込めたいと?
あるいは閉じ込められたい?
そんなわけがない。
俺にそんな性癖はない。
では、これからの道行か…
だとしたら怖いな。
「ですので、我々があなたをサポートするのです。」
まぁ。協力してくれるなら助かるよ。
「あなたは、我々にも知らぬ力を宿していていたのですね。
無論、あなたもご存知ではなかったようですが。」
今度はイゴールが意見をする。
「…意外だ。あなた達ならコレについても知っていると思っていたんですけど…」
俺は唇に触れる。
「いえ、我々が知っているのはペルソナについて。
そして、これからあなたが破滅を迎えるという事です。」
イゴールは言う。
精霊の力を封印する力は管轄外であると。
「…それにしても、キス…口づけで精霊の力を封印とは…
あなたはペルソナ能力の姿といい、強奪者なのかも知れませんね…」
「ご、強奪者? そんな野蛮なやつではないぞ」
「どうでしょう…」
ラヴェンツァが半眼になりながら言ってくる。
にしてもなぜ冷たく当たるんだ…
あれか?
普段の行動とはイメージが崩れるような事をしたからか…
「俺とて…やりたくしたわけでないぞ。
あの状況で、妹に言われたから…
覚悟を決めて…キスをしたんだ。」
後半は恥ずかしながらも言い切った。
そしたら、分かっていたのか、ラヴェンツァが真面目な表情で答える。
「そのあなたの妹達。
『ラタトスク』と呼ばれる組織について我々は疑問視しています。
いえ…かなり危険視しています。」
き、危険視だって?
確かに、琴里や令音さんは俺に知らない事を知っていたみたいだし…
それに可愛い妹を危険と言われては、兄貴として少し許せない。
「お気持ちはわかります。
あなたは優しい人。
お人好しとも言える性格をしています。
溺愛する妹の事を悪いように言い、申し訳ないと思います。」
ラヴェンツァは分かるように語る。
ラヴェンツァにも兄弟とかいるのかな?
「しかし、あなたと一緒に住んでいた中で、妹君があのような事をご存知だったのは事実。
それはあなたも理解はしていますね?」
「ああ。それは理解はしている。」
琴里が大体…5年くらい前かな?
そのあたりから何かを感じてはいたけれど…
「にしても琴里は14歳。
何かを知っているにしても、限度があると思うんだ。
まだ多分…隠している事はあるけれど…」
俺は不安を少し言うけど。
「妹を…琴里を信じたい。」
「…ええ。そうでしょう。
ですが、我々はその組織に何か裏を感じ取ってます。」
「あぁ。その通りだな。」
「ですので、くれぐれも我々の事は話さないようお願いします。」
まぁ確かに信用できない連中に自分達の事を伝えるのは拒否するよな…
逆である琴里達からすれば同じだけど…
「ふむ。俺なりの言い訳はする。
色々誤魔化すが、文句は言うなよ。」
「ええ、それで押し切れるのは無理でしょうけど…お願いします。」
無理矢理すぎる。人を…大事な人を騙すというのは…辛いな。
心臓に悪い。
正直嫌だが…こればかりは仕方ないな。
暗く考える中、ラヴェンツァが思い出したように言う。
「客人。我々はあなたの行動を観察して、武器が必要だと思いますが、いかがでしょうか?」
っ!?
武器。武器は欲しい。
正直、アルセーヌの力があれば問題ないだろうが…
いざという時の護身は欲しいな。
俺は目を輝かせながら言う。
「うん、欲しい。
琴里達に言えば用意してくれそうだが…
ここはお前たちを頼りたい。」
このメガネの件もある。
俺のペルソナに合わせて良い感じの武器を調達してくれるだろう。
例えば…銃だな。
「そうだな、まずは銃。
それも己の意思であらゆる事のできる。
自在の…」
俺はいつの間にか一人で色々言っていた。
その様子をラヴェンツァ達は無邪気な子供を見て、微笑んでるような親目線だった…
「あなたもまた、その辺がまだ幼い所がありますね。
でも、そういった少年心も今後では必要不可欠です。
大切に。」
クスクスと可愛く笑う。
…ずるいな。
そんな可愛く笑うと怒りたくても、怒れない。
俺は意外にも女性全般に弱いのかな…
まぁ女性を敬う。
という意味ではありか。
「ええ。少しあなたの事を理解しました。
愛らしい所もあって素敵ですよ。
怪盗さん。」
俺を褒めたところで、次にラヴェンツァが言う。
「あなたの仮面…いえ、マスク?
まぁ…メガネに彼らのシステムを導入させましょう。」
それは非常に助かる。
あの選択肢、今のところ変な部分があるけど、マシなのも少なからずある。
ならよりわかりやすくしてくれるなら願ったり叶ったりだ。
「そのメガネは我々の力も含めます。
無くさないように、なお彼らやそれを狙う者達に奪われないようお気をつけて。」
あくまでも、俺たちだけの秘密。
まぁそうゆうのもアリだろ。
ヤバい、テンションが上がってきてる!
…っんん。
一旦、落ち着こう。
「気をつけよう。」
二人はまた俺の反応やらを見て微笑む。
「夜が明けます。くれぐれも今後、油断なさらぬよう。
健闘を祈ります。」
イゴールは言う。
「あなたなら、乗り越えられると信じています。
あなた自身、精霊、周りにも。」
そして最後に。
「頑張って。」
そう言われれば、頑張らないとな。
夜が終わる。
そして、夢が覚める。
その日に武器が置いてあるのかと周りを見たが、何も無かった。
まぁ流石に言ったそばから、作ればしないだろう。
にしてもあんなところで、武器をどう作るのだろう?
疑問は尽きないが、やれる事をしよう。
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俺はそんな事があったと思い出す。
目を閉じていたら思っていたよりも長かったせいか…
目を開けたら、体からメラメラと燃えるような姿が見える琴里が視界に入る。
「あらー? おはよう。士道。
黙り込んで、何考えてるかと思えば寝るなんてねー。
それも立ったまま?」
かなりご機嫌斜めだった。
その様子に十香はソファに身を隠して「シドー…シドー…」と小声で俺を起こしてくれていたようだ。
令音さんは「そういった事も…」みたいな興味深そうな顔をしていた。
俺はマズイと思い。喋る。
「いや、悪い。寝てたわけではないが、どう伝えようか迷っていた。
俺は口下手だし。」
言い訳と事実を言って誤魔化す。
ふーん。っと琴里は言う。
「じゃあ、話してもらうわよ、士道。
こんなに可愛い女の子達を待たせて考えていたわけだし。」
琴里が言う。
「ああ。そうだな。
こんな可愛いく麗しいレディ達を待たせていたんだ。
言えるだけの事は言おう。」
俺は改めて椅子に座り語る。
そして手を開いて俺は言う。
「コレは、いやあの時の姿と力は“ペルソナ”と呼ばれる力だ。
中学3年の冬に俺はこの力に目覚めた。
ペルソナは心の力を具現化したモノらしい。」
俺はそう言うが、琴里がやや切れ気味に返す。
「はぁ? 何それ?
お兄ちゃん、壊れたの…
いや今そういう時期に入ったのか…。」
琴里は違う意味で納得したのか次の言葉をかける。
「士道がそういった設定を考えているのはわかったから。
早く言ってちょうだい。」
どうやら信じてないらしい。
俺は“本当の事”を言っているので、このまま黙っている。
「…士道?」
若干キレかかってる。
その様子に令音さんが横入れして言う。
「…まぁまぁ。兄妹喧嘩は良くないよ、琴里。
…ところでシン。
今キミが言ったのは本当かい?
にわかに信じがたいが…」
令音さんは琴里を宥める。
そして、俺が本当に言っているかを聞き返す。
まぁ、令音さんでも信じられないよな。
心の力って言われても困るよな。
俺は立ち上がり。
「ペルソナ。」
俺はそう呟いて、体が暗くなり変身する。
アルセーヌを顕現させずにペルソナを使うと暗くなり衣装が変わる。
ついでに口調も。
「これが真実だ。」
「「「っ!?(…)(!)」」」
琴里、令音、十香この順番でそれぞれ違う反応をする。
琴里は警戒心を高める。
おそらく別人じゃないかと思ってるだろう。
令音さんは考察しているのか分析しているのだろう。
解析官だからな。
十香は驚くだけだ。
俺が姿を変えられる事に驚いたのか。
「琴里、俺は俺だ。
そう警戒しないでくれ。」
「なら、何でそんな偉そうなの?」
琴里は警戒心が解けず、聞き返す。
お前も似たような者だろ。
「お前も似たようなもんだろ。」
「「…」」
睨みついてくる…仕方ない。
「この姿になると…口調がこうなってしまう。
何というか、もう一人の自分。
そんな気がするんだ。」
「ペルソナの力自体、まだ俺にもわかっていな事だらけだ、一つ言えるのはこの力がなくてはあのシャドウを対処できない事…
精霊の存在は琴里達に出会ってから知ったから、なんとも言えないが。」
琴里が理解できないみたいに聞いてくる。
「…それで、あの気持ち悪いのは?
シャドウってのは何?」
「あれは今を生きている者達の心の歪み、負の感情が形となっているモノらしい。」
「これについても俺はまだ分からない事だらけだ。
精霊の存在と何か関係があるのではないかと踏んでいる。」
次に十香を見る。
「十香は? …カッコいいか?」
俺は体を軽く回転させる。
「ふむ。私は中々悪くないと思うぞ。
ただシドー、シドーも服を変えられたように私のも変身させれたのではないか?」
十香はデェトの際、『着替えてくれ。』っと言った件についてだろう。
「俺のは、俺自身しか出来ないし。
この格好しか出来ない。」
「そ、そうか。」
少し残念そうにしていた。
「これはあくまでも非常時の戦闘用だ。
私生活には向いていないんだ。
俺は…あくまで、争い事はしたくないから。
話し合いで何とかしたいから。
この格好をしなかったんだ。」
俺は本心を言う。
そう言ってか十香は意外にも受け入れてくれた。
「十香は今の俺を見て、不信感ないか?」
士道は若干、いつものように聞く。
そして十香は言う。
「うん…? シドーはシドーだぞ。
ビックリしたがシドーはシドーだ。」
十香はそう言ってくれる。
「そっか…そっか。」
俺は嬉しかった。
怖がらず、何も変わらず俺と接してくれる。
しかし、やはり令音さんは琴里と変わらない反応をする。
「…シン。やはり、色々無理があるんじゃないかな?
見ていた限り、精霊とは無縁なものだ。
シンを疑いたくはないが…
もう少し言葉を選ぶべきだ。」
少し強めに言う。
分かってはいたが悲しかった。
「…」
「…シン一人ではないだろう。
協力者は何者なんだい?
心の力の具現化と言ったが…
にわかに信じがたい。」
俺は元の姿に戻って言う。
「疑うのも無理はないです。
ただ…俺は皆をアレ…
シャドウとは関わらせたくは無かった。
何も知らない琴里を、その思いで、一人で戦ってきた。」
本心を言う。
「どうゆう事? 士道?」
琴里が疑問視する。
「すまん。これ以上は、ちょっと…」
申し訳なさそうに言う。
「あくまでも、言わないつもり?」
琴里がキレる寸前だった。
「…悪いとは思ってるよ。
ただ、誰も巻き込まないようにしているんだ。
それに…俺自身もこれ以上わからない。
俺もこの力を知りたいと思ってる。」
続ける。
「ただ、俺は嘘をついていない。
信じて欲しい。」
…今の俺が言える全てを言った。
こんな事で信用できるとは正直思えない。
ザーザー
[…]
沈黙になる。
琴里、令音、俺はそれぞれ考える。
十香は一人状況についていけず、首を傾げる一向だった。
「…とりあえず。シンの力がペルソナと呼ばれるモノで、それがシンの心の力…キミのもう一つの姿、側面と見て良いのかな?」
「はい。」
「…互いにまだ納得していないだろうが、今はこれくらいにしておこう。
最低限、知りたいことは知り得たはずだ。」
令音さんは暗い表情からいつもの表情になる。
「…ただ、シン。我々はキミの味方だ。
何かあれば我々を頼ってほしい。
それだけはわかってて欲しい。」
「はい。すみません、令音さん。」
令音さんは立ち上がる。
「…さて、私はこの話をまとめておくとしよう。
シン、これからもよろしく頼む。」
令音さんはこの場を後にする。
きっとフラクシナスに戻るのであろう…
「令音さん。」
俺は彼女を引き止める。
令音さんは止まり俺の顔を伺う。
「ありがとう。こんな俺の味方で、俺からもよろしくお願いします。
ーー無理しないでください。」
「ーーああ。」
令音は五河家を後にする。
「…士道。あなた、やたら令音に対して紳士的じゃない?」
琴里が半眼な目で士道を見る。
しかも十香も不機嫌になっている。
ーーこれはマズイ。
「俺は、誰にでも平等に接しているつもりだけど。」
咄嗟に俺は琴里の頭を撫でる。
その様子を見ていたのか更に十香が不機嫌になるが、士道は十香にも頭を撫でる。
「悪いな十香。難しい事ばかり話していて、少しずつ十香にもわかるように説明するようにする。」
十香は俺の話よりも頭を撫でられる方が嬉しい表情をしているようだ。
俺はその様子を見ていう。
「これで良ければいつでもするさ。
十香ーー琴里も。」
十香を見ながら、琴里にも視線を送る。
急に見られて琴里は頬を赤く染めながらフンッと横を向く。
さて、夕飯作るか。
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村雨令音はフラクシナスに戻り、作業を行う。
シン…五河士道のレポートだ。
彼から知った情報は少量だったが、これまでにないモノだっためレポートに記述する。
『ペルソナ』
心の力が具現化したモノ。
ペルソナの力を使うと姿が変わり、通常時とは違う性格になる。
もう一人の自分。
シャドウは今を生きる者達の心の歪み・負の感情が形となっているモノ。
士道が語った言葉だ。
…今までにない情報だ。
これ以上は本人でさえわかっていないようだった。
確かに琴里が記述したレポート、周りからラタトスクが集めた情報でも彼のあのような力や性格の変貌については記載されていなかった。
なら彼の語ったことは事実だろう。
もう一人の自分か…シン。
キミはもしかして実はーーーーなのか?
…いや期待するのはやめておこう。
……彼は…
令音は少し期待してしまったが、忘れることにした。
とにかく、あの力についてこれから要注意して調べよう。
もし彼に害があるのならこちらで処理すべきかもしれない。
無理しないでください。
彼の顔とその言葉が心に響く。
ーーそれは難しいよ、シン。
さてようやく一通りできた。
今回は今作においてのペルソナ…については要素や設定を自分好みに変えてみた物です。
ほぼコピーしたもんだけど…
だってパレスとか認知とか異世界要素をどう考えてもデアラに導入できなかったもん。
ホントごめんなさい。
ただ、ペルソナ5のジョーカーとそのペルソナがカッコよくて書いてみたかったんです。
それも自分はペルソナをアニメでしかよくわからないので…
すみません、ニワカです。
まぁともあれ今後も頑張りたいです。
感想とか評価とかお願いします。
後、デアラで一番好きなキャラは令音さんだよ。