2章四話よりよしのんのカッコを変えました。
2章一話もそれにより変更しました。
空間震警報が鳴り、俺たちは急いでクラスの所へ行く。
「十香!」
俺は、直ぐさま十香を探す。確か十香に空間震警報については教えれてなかった気がする。
「おおー!シドー!何か鳴っているな!どういうことなのだ?」
クラスの連中が避難する中、十香は一人状況がわからずにいた。
当然だ。にしても、これに関しては早く教えておくべきだった。
「おいおい。十香ちゃんもしかして空間震警報初めて聞く?」
しまった。夢界がいたんだった。どう説明すべきだ…
「どれだけ無縁な場所で生活していたんだ?」
夢界は笑っている。セーフ。
…とはいえ、冗談だろって考えているんだろうな。
「ひとまず十香。俺についてきてくれ。」
「うむ!わかったぞ。」
そう言って、十香を連れて避難先のシェルターの近くへ案内する。
「十香。このアラームが鳴ったら、この場所まで避難すること。わかったか?」
俺はひとまず十香にそれだけ説明する。
十香は多くの人間が並んでシェルターに避難する状況を見て興味深そうにしていた。
そんな中、後ろの方から聞き覚えのある声が聞こえる。
「…全員、速やかに避難したまえ。」
眠たそうに避難誘導する令音さんがいた。
そして、俺を見て手招きする。
「令音さん。」
「…ああ、シン。空間震警報が起きた、つまり。」
精霊が現れた。
それも十香ではなく他の新たな精霊が。
「…ひとまず、キミには私の手伝いをしつつ物理準備室に向い、そこからフラクシナスへ移動する。」
「十香は。」
「…十香は置いていく。精霊の力を封印された今の彼女は普通の人間となんら変わらない。それも、ASTとの戦いでストレス値が上がっても困る。」
令音さんは冷静に教えてくれる。
十香は置いていくか…正直、不安だ。
無論、令音さんの言うことは正しいし俺も賛成ではある。しかし、状況がわからず、右も左もわからない状況で、そっちの方がストレス値に影響があるかも知れない。
ならここは。
「おい、夢界。」
「ん?何だい親友士道?」
本当に親友に認定されていたのか。それも、いつの間にか名字から下の名になってるし。
だが、今は好都合だ。
「親友云々はともかく、俺は今から村雨先生の手伝いで、他に生徒が遅れていないか確認してくる。十香を見ていてくれないか?」
「へぇ~。良いの俺に十香ちゃんを任せて~。」
夢界は俺にチャラい感じでおちょくってくる。
「…」
「冗談だよ。十香ちゃん空間震について、よくわかっていないから俺から言っといてやるよ。」
ふざけた顔から真剣な顔つきになる。
「助かる。」
「それに“村雨先生の手伝い”だもんなぁ。断れないよな。」
普通の顔つきで言ってくる。こいつはいまいち掴めんな。
「まぁ気をつけろよ。」
「ああ。」
俺はそう言い夢界が十香に悪いことをしないよう祈りながら令音さんの元へ行く。
「…」
夢界はただ士道を見つめる。
「…んー。ちょっとふざけすぎたな。」
夢界は失敗したかなっと反省する。
「まぁ、とりあえず。親友にはなれたんだ。なんとかなるだろ。」
ここまではまぁ順調と言ったところだろう。
さぁて次にすべきことは。
キョロキョロしていたが、士道が村雨先生の所へ行く所を見る。
「シドー!何処へ行くのだ!」
十香ちゃんが親友士道の所へ行こうとする。
俺は彼女の肩を掴んで止める。
「な、何をする!?」
十香ちゃんは驚く。
「大丈夫だって。士道は村雨先生の手伝いで他に避難が遅れている子が居ないか見に行くんだったさ。」
「ん?シドーがそうするなら私もーー」
「まぁまぁ、十香ちゃんはまだ学校に慣れていないから、おとなしく避難しよう。それに士道に頼まれているからなぁ。」
「むう?」
十香ちゃんが困った表情を浮かべる。
やれやれ士道。十香ちゃんにほぼなーんにも教えてあげられていないじゃん。
それはとても良くない。君の状況が状況とは言え、十香ちゃんに最低限教えてあげないとさぁ。十香ちゃんが可愛そうだし。
「シドー…」
ほらほら、十香ちゃんが心配しているぞ。
ーー十香ちゃんに悲しい顔して欲しくないんだろ?居場所になるんだろ?なら十香ちゃんにも教えてあげないと。
ーーーーー
俺は、夢界に十香を任せ令音さんの元へ向かう。
「行きましょう。令音さん。」
「…ああ。」
令音さんの元気が薄い。何かあったのか?
準備室へ向かう中、令音さんが俺に問う。
「…シン。キミはいつの間に親友が出来たんだい?」
どうやらさっきのやり取りをしっかり見ていたらしい。
「どうやら、興味を持たれたみたいで…」
「…ふむ。まぁ、頼れる友人が出来るのは良いことだよ。今回、十香を任せられるようにね。」
令音さんが冷静に言う。確かにその通りだ。
「…」
だが、何か思うところがあるようだ。
「令音さん。」
「…うん?」
「俺、何かあったときは令音さんにも直ぐ相談するので、頼りにしています。」
俺は今精一杯のフォローを入れる。
俺の一言に令音さんは驚くが、次第に優しい顔になった。
「…ああ。任せたまえ。シン。」
どこか安心した顔になった。ひとまず良かった。
どうも女性の不安な顔は心に刺さる。それもーー
そう思っていたらいつの間にか準備室に着いていた。
俺たちは周りを見て、室内に入りフラクシナスへ移動する。
ーーーーー
フラクシナス
俺と令音さんは司令室に入る。
「来たわね。二人とも。」
声のする方へ顔を向ける。既に琴里が司令席に座ってた。
いつの間に来てたんだろう?今更だけど学校ちゃんと行っているんだろうな?
「失礼ね。ちゃんと学校へ行ってるわよ。」
俺の考えてる事が琴里に見抜かれていた。
それなら良かった。
「精霊が出現したわ。令音は持ち場へ着いて、士道の転送の用意をして頂戴。」
「…あぁ了解した。」
令音さんはいつの間にか学校での白衣の姿から、フラクシナスの女性服の姿になっていた令音さん。一緒に来てたよな?いつ着替えたの?
「…シン。大人には色々秘密があるんだ。」
令音さんにも考えてる事を見抜かれていた。
何?今日色々と俺の事見抜かれているんだけど、俺そんなにわかりやすいの?
俺は頭を抱え苦悩する、令音さんはそんな俺を見てほくそ笑む。
「士道!何やってるの?ぼさっとしないで映像を見て頂戴。」
琴里は俺を呼ぶ。いかんいかん。
「…それにしても今回の空間震は小規模ね。」
空間震に小規模何もないだろう。
「そのようですね。」
神無月さんもまた、冷静に琴里の意見に同意する。
…俺がまだこの現実を受け入れていないのかな?
そりゃ、空間震が発生して精霊が出現するなんて、中々受け入れるに苦労する。こればかりは俺は間違ってないはずだ。
「しかし、“ハーミット”ならこの様なものでしょう。」
「それもそうね。“ハーミット”は比較的大人しいタイプだしね。」
どうやら空間震は、出現する精霊によって発生する規模が変わるようだ。
なるほど、これは覚えた方が良いな。
そして、今回の出現したハーミットと呼ばれる精霊は大人しいタイプか。これなら何とか話し合いで何とか済ませられるかもしれない。
そして、映像に精霊の姿が映し出される。
そこに映っていたのはーー
ーー以前、神社で出会った女の子だった。
「な!?この子は!?」
映し出された子を見て、素が出る。
「士道?どうしたの?」
琴里が心配して俺を見る。よく見れば令音さんや神無月さんなど他のクルーも俺を見る。
「俺…この前の雨、この子に会った。」
俺の一言で全員が驚く。
「なんですって?一体いつの話?」
「昨日だ。」
クルー達が一斉に調べる。
「昨日、空間震及びそれに関する詳細はありません。」
「データを見る限り、確かなようね。十香と同じケース?士道?なんで言わなかったの?」
「昨日のあの子が、まさか精霊だなんて知らなかった。それも空間震も起きてない。」
「むう…確かに。」
琴里が反省する中、映像にASTーーその中に折紙の姿が映る。
「っ!…鳶一。」
ASTが動くのはわかっていた。彼女達は空間震の発生元凶である精霊を対処するために動く。そして分かってはいた鳶一がいた。驚いたのは、心のどこかでして欲しくないって思っていたからだ。
『あれは精霊…私の両親の仇。』
『5年前。私の両親は精霊に殺された。』
彼女の言っていた事を思い出す。
…
それにしても。
「幼い女の子だぞ。」
俺は怒りを表す。拳を握りしめる。
「今更何を言っているの士道?」
琴里の真剣な顔を見る。
「士道や私達が精霊…十香の事を知っているけど…。精霊はAST達からすれば空間震が発生する原因にして元凶、この世界にとって、人類にとっては脅威でしかないの。」
琴里が事実を言う。
…確かに何も知らない人達からすれば脅威でしかない…か。
映像を見る。
その場にいた全員が驚く。ASTの遊撃部隊があの女の子へ向けてミサイルや銃弾の雨を放つ。
しかし、あの女の子は反撃せずに逃げ回る。
悲しい表情をしていた。
ーーあぁ助けなきゃ。
女性に悲しい顔をしてほしくない。
「琴里。俺はこの子を助けたい。」
琴里は俺の顔を見て安堵の顔になる。
「それでこそ、私のお兄ちゃんよ。」
「…こちらも準備完了だ。シン。」
令音さんが俺を見る。そして俺は頷く。
「さぁ、私たちの戦争(デート)を始めましょう。」
ーーーーー
俺は地上に転送される。そこにいたのはデパートらしき場所だった。
俺はインカムをつけて琴里に連絡する。
「現場に着いた。しかし、ここはデパートの中か?」
士道は周りを見渡す。そこにはマネキンなどが置かれていた。どうやら洋服コーナーのところだった。
『ええ、そうみたいね。そして解析からハーミットがこのデパートの中にいるのは間違いないわ。ーーASTも迂闊に手を出せない見たいよ。」
「わかった。」
それにしても、空間震の影響で暗いデパートって怖いな。このマネキンなんか中途半端に光っているせいでより怖さが出ている。
違うところを見よう。
《ーーキミも四糸乃をいじめに来たのかな?》
「うわぁ!?」
急にパペットが喋り出した。そして、あまりの怖さで情けない声が出る。
そして、女の子の様子に更にびっくりする。
逆さまになっていたのである。もうホラーだな。
《おんやぁ?誰かと思えば、あの時のラッキースケベのお兄さんじゃなーい?元気にしてたん?》
逆さまになっていた女の子がぐるんっと元の重力に逆らい、パペットがパクパクと喋り出した。
俺は咄嗟に話しかけようとする瞬間、インカムから琴里の声が聞こえる。
『士道待ちなさい。』
どうやらこのタイミングで選択肢が出たそうだ。
ーーーーー
フラクシナス
画面にはこのように表示されていた。
①「ああ、久しぶり元気だったかい?」素直に挨拶する。
➁「ラッキースケベってなんだ、ラッキースケベって!」軽快なツッコミを入れる。
➂「ふっ、知らないね。私は通りすがりの風来防さ」ハードボイルドに決める。
「総員、選択!」
琴里のかけ声に全員が選択する。結果はなんと①➁➂全てが同数だった。
そこでクルーたちがまたあーでもないこーでもないと言い合う。
琴里はクルーたちの意見を聞き、決断を下す。
事前に琴里は士道に選択肢について勝手な行動は控えるように言ってある。
「士道、➂よ。」
ーーーーー
琴里の声が聞こえた。以前、琴里から選択肢に対して勝手な行動に出るなと釘を刺されていたので今回は従った方がいいか。
それにしても、武器はまだ届いていないがどうやらこのメガネに選択肢を見えるようにしてくれていたそうだ。
でも何この選択肢は…。琴里よ、お兄ちゃんに釘を刺す前にこの選択肢のシステムをどうにかした方が良いい。後で行っておこう。
しかし、この子とパペットが首をかしげている…考えている場合ではないな。
士道はメガネを輝かせながら。
「ふっ、知らないね。私は通りすがりの風来防さ。」
選択肢の指示通り、ハードボイルドに決めながら言う。
…
沈黙が生まれた。俺もこの子もどう反応したら良いのかわからない状況になる。
やっぱり改善が必要だろうな。
《ぷ…あっひゃっひゃっひゃっひゃー!》
パペットが爆笑する。
無理に笑っているような気がする。
《お兄さん意外とひょうきんもの?今時それはないわー!》
「ですよね。」
うん。だよね。俺も正直ないと思う。
「俺は、五河士道。キミは?」
《おおう、ミステイク。よしのんとしたことが事項紹介を忘れるだなんて。》
よしのんと言うパペットが様々な動作をする。
《よしのんの名前はよしのんだよ!可愛いでしょ!可愛いっしょ!》
「ああ。良い名前だ。」
『よしのんね。十香と違い名前はあるのね。』
確かに十香とは違うようだ。何か意味があるのか?
…気になるが、今は。
「それで、キミは?」
俺はパペットの方ではなく、女の子の方に向く。
「よしのんの事はわかった。ただ、キミの名前も知りたい。」
刹那。
よしのんの機嫌が悪くなるのを感じた。
そして、インカムから琴里の声が聞こえた。それもやや怒り気味で。
『ちょっと、士道何やってんの!精霊の好感度が下がっているわよ!』
!?
な…何だと!?何を間違えた?
と、とりあえず何とか切替えなければ。
「すまん、変なことを聞いた。キミはよしのんだったな。」
徐々に不機嫌が収まっていくのを感じる。
《んもーう。士道くんったら、急に変なことを言うんだから-。もしかして、よしのんの可愛さに戸惑っちゃったん?もーお茶目さん。》
とりあえず何とかなったような気がする。
危ない。危ない。
《それにしても、士道くんは何でここにいるの?もしかして何か用があるの?》
そうだ。まずは。
「ああ、キミが外の人達から逃げてくのを見かけて、ここへ来たんだ。」
《おおー!紳士だねー、士道くんは!》
「うん…そうだ。外の人達がいなくなるまでここで遊ばないか?」
デートと中々言えず、代わりに遊ぶと言ってみた。
ーーーーー
フラクシナス
『うん…そうだ。外の人達がいなくなるまでここで遊ばないか?』
「ここでデートと言えないなんて、相変わらずへたれね士道は。」
司令官である琴里は頭を抱える。
十香の一件でデートに慣れたかと思えばこの始末。
「…まぁ、これはこれでデートと呼べるのではないかな?」
令音が士道の味方をする。
「令音。あなた士道に甘々よ。それでは今後に支障がでるわ。」
琴里が令音に言う。
「…別に甘いわけではないのだが。」
令音は続ける。
「…シンは、自分に出来ることをやっているだけだと判断したまでだよ。」
「まぁともあれ、不機嫌の状態から持ち直していけたのはまずまずね。けれど、問題はここからよ。」
そう、問題はここからなのである。
「…ああ。ここから彼女の好感度を上げ、キスをして精霊の力を封印しなければならない。」
「ええそうよ。」
「…」
「ん?どうしたのよ令音。」
琴里は不満げな令音を見る。
「…いや、何でもない。」
ーーーーー
外にてASTが精霊ハーミットの動きを待つべく、周辺に待機していた。
折紙が隊長である日下部に言う。
「攻撃許可は?」
「当分降りないわよ。」
「何せ今回の相手はハーミットよ。これだけの人数で建物を壊して、復興部隊繰り出すほどの相手ではないし。プリンセスの時とは状況が違うのよ。」
「…」
折紙としては今すぐにでも建物に突入して精霊をーー
「それにしても、不思議な話よね。あなたの学校にプリンセスらしき女の子が転校するなんて。」
その言葉に折紙は反応する。夜刀神十香のことである。
「しかも精霊反応もなく、経歴もおかしな所もないし、一体どうなっているのかしら。」
「…」
日下部の言葉に折紙も同意する。
まるで何者か…否、彼女を匿う組織があるような話だ。
「…気になることは沢山ある。けど今は。」
彼女は建物に意識を集中する。
四糸乃編以外と長くなりそう。十香編より…出来るだけ同じくらいにしたいんだけど…