デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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夢界「前回のあらすじぃ〜。狂三ちゅわ〜んとの水族館デートに士道くんたら周りの視線にビクビク〜。」

士道「誰の真似だよ。」

夢界「ほんでぇ〜。ランジェリーショップにて士道くぅ〜んたらアダルトな下着を選んでメッロメロ〜。」

士道「本当に誰の真似?てかアレは夢界が…ん?」

令音、琴里、十香「…(ゴゴゴゴ!!!!)」

士道「え?何?何されるの…俺?」

夢界「その後、士道くんは…狂三ちゃんの本性を知る。さてどうなるかなー?ルパン三世の真似して見たけどどうか…ありゃ…」

夢界が見たモノとは…大蛇に睨まれる子兎の光景だった。





第六話:本性

 

 

 

そこにいたのは精霊としての狂三の姿だった。

 

黒髪を左右非対称のツインテールに括り、赤と黒を基調としたドレスで、前髪で隠されていた露わになっていた。

左目が金色の時計の文字盤となっており針までしっかりと動いていた。

 

だがそんな事よりも士道は狂三に問う。

その声は震えていた。

 

「狂…三…?

何を…何をしているんだ!?」

 

俺はこの現状と彼女の行動を見て戦慄する。

しかも狂三によって殺された人達の姿があまりにも酷かったのだ。

ある者は脳天に穴が3つ空いており…ある者は胸あたりから大量の血が流れており…ある者は1番ひどく全身に銃弾を浴びさせられた状態だった。

 

「ぅ…ぁ…ぁ…た、助けてくれぇ…」

 

最後の1人の男は両足を銃で撃たれて動けない状態にあり木を背にして士道に助けを求めていた。

 

しかし、その言葉を聞いた狂三はゴミを見るような目をしてーー

引き金を引いた。

 

「やめろぉぉぉぉぁぁ!!!!!」

 

しかし現実は残酷だった。

狂三は一切の躊躇いもなく男を殺した。

 

「あ…あぁ…」

 

助けられなかった…

ペルソナの力を使えば助けられなかったかもしれないのに…

目の前に広がる血と本物の死体に士道は動けなくなっていたのだ。

 

「あらあら。まぁ士道さん。

そんなに驚かなくても…

もしかして、間近で人が死ぬ所を見るのが初めてですの?

という事は…士道さん、人を殺めた事がないのですの?」

 

狂三は淡々と喋る。

まるで人を殺めるのを…慣れているかのように。

 

「何で…何でだよ…

その人達がお前に何をしたのかは知らない…

けど、こんな…こんな事をしてっっ!!」

 

俺は震えた声で叫び、狂三を睨む。

狂三はそんな俺を見てーー高らかに笑う。

 

「きひ、きひひ、きひひひひひひ!!

あぁ、あぁ、良いですわ!

士道さんのその表情!

唆りますわぁ、昂りますわぁ!」

 

俺が今見ているのは本当に狂三なのか?

お淑やかな彼女とは思えない狂気に満ちた高笑いをし、先程デートしていた同じ人物とは思えない表情をしている。

そして狂三は冷静になって士道を見つめる。

 

「さて…知られてしまった以上は、もう隠している必要はありませんわね…

ねぇ、士道さん?」

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

フラクシナス

 

船内にいた者達もまた時崎狂三の本性を知る。

その変貌に驚愕していた。

 

「…これが彼女の本性っ!」

 

琴里が警戒心を剥き出す。

 

「士道? 聞こえる?

戦闘準備して!

こちらかもサポートはするからーー」

 

琴里が声かけても士道は微動だにしなかった。

画面から見ても分かる通り。

彼の表情は恐怖で硬直しており狂三の変貌から動かないでいた。

 

「どうしたの士道!?

早く士道のあの力を引き出して!

このままだと危ないわよ!?

どうしたのよ!?」

 

そう。士道にはペルソナという力がある。

その力が何なのか未だに謎が多いが、少なくてもその力が精霊との接触に対しても有効であろうと判断していたため大丈夫だろうと判断していた。

しかしーー普段の士道なら指示しなくてもその力を発揮するだろうが…その力を使っていない。

それどころか誰の声も届いていなかったのだ。

 

「…おそらく使えないのだろう。

ペルソナ(あの力)はシンの心境に大きく関わっているのかもしれない。

狂三の恐怖がシンの心を折っている…

今のシンではあの力が発揮されない。

非常事態だ!」

 

令音が士道のペルソナと呼ばれる力について分析した上で危険だと判断し、クールな彼女が珍しく慌てる。

その事から相当危ないケースだとわかる。

 

「今すぐ士道をーー」

 

琴里が指示を言い出した瞬間。

士道の前にある少女が現れた。

 

 

 

 

 

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「さぁて、士道さん。あなたを戴きますわ。」

 

そう言って狂三は俺に近づいてくる。

怖い。でも抗わないと今度は俺が殺される。

 

抵抗…しなければ…

 

「ぺ…ペルソナァ…」

 

俺は自身に宿る力、ペルソナを発動しようとする…だが。

俺に変化は起こらず。

力も出なかった。

 

「な…何で…?」

 

俺は震えながら身体中を見る。

しかし何も変わっている所はなく。

何が起きているのかさえわからなかった。

そんな姿を見て狂三が少し驚きながら喋る。

 

「あらあら。士道さん。

あの力を使わないのですの?

…もしかして使えないのですの?

それも自分でさえ理解していないと。

えぇ、えぇそれはそれで好都合。」

 

彼女はどんどん歩み寄る。

このままだと狂三に近づかれて…何されるかわからない!

 

「…っ!」

 

逃げる。

抵抗する手段がない以上は逃げなければーー

 

「駄ぁ目ですわよ。」

 

彼女はそう口にして足元から赤黒い霧のようなモノから無数の手が出現し士道を捕える。

 

「…ぁっぐぅ!」

 

士道は為す術なく捕えられる。

脱出しようとするも、多くの手は力強く士道を押さえて動けないようにしていた。

 

「あぁ。あぁ。

失敗しましたわ、失敗しましたわ。

もう少し、もう少しあなたとの…

士道さんとのデートを楽しみたかったのに…

でも、仕方ありませんわよねぇ?」

 

狂三は士道に近づき手を顔に当てて自身の顔を近づけながら語る。

そして彼女は舌を舐める。

まるでこれから士道を食べようとするように。

 

「…ッッッ!!!」

 

士道は怯え、恐怖で瞳を大きく開け、声が出ずにいた。

 

殺される。

 

狂三の時計の様な瞳に自分の怯えた顔が写った瞬間

ーー狂三が吹き飛んだ。

空中で何者かに数回攻撃され最後には木に叩きつけられた。

 

そして狂三に攻撃した人物が俺の前に立つ、その人物は。

 

「大丈夫でいやがりますか?

兄様。」

 

立っていたのは実妹(いもうと)の崇宮真那だった。

 

「ま…真那?」

 

「はい。間一髪でした。怪我はねーみたいですね。」

 

真那は士道の生存を確認すると安心した表情になる。

 

「けど…どうして真那が…ここに?

それも…その格好は…」

 

先程から驚く事ばかりで頭の中がパニックになる士道。

士道を助けた真那の格好は以前、映像で狂三を殺害した時に装着していた姿であった。

 

「ここには姉さ…いえ、鳶一一曹に連絡した際にお聞きしました…

しかし兄様。

何故、時崎狂三何かとお出かけしていやがるんですか?

彼女は危険人物です。」

 

「ぁ…それ…は…」

 

真那の問いにどう答えれば良いのか、今の士道には答えられなかった。

 

「…お互い言いたい事はあると思いやがりますが…

まぁ、話は後です。」

 

真那は俺から、吹き飛ばした狂三の方へ視線を変える。

視線を変えた先には狂三が既に立ち上がっていた。

 

「あらあら。誰かと思えば真那さんではありませんの。」

 

立ち上がった狂三に外傷はなかったが、ダメージはあるのかゆらゆらとしていた。

 

「わたくしと士道さんの逢瀬を邪魔するなんてマナー違反もすぎませんこと?」

 

「はっ。人の兄様に手を出して、タダで済むとでも思っていやがりますかっ!」

 

真那はそう言うと手を鳴らし肩についているモノから光の細いビームが発射される。

狂三なそれを自分に向けられていると察知して空中へ回避する。

しかし、ビームは軌道を変え空中の狂三に当たる。

狂三は地上に倒れ、攻撃を受けた所から大量の血が吹き出す。

 

「ガフ…」

 

倒れる狂三の所は真那は近づいて、トドメを刺そうとする。

 

「やめろ真那! 殺してはーー」

 

「フフ…士道さん、お優しいこーー」

 

ザクッ!

 

真那は戸惑いもなく狂三の斬首する。

 

「あ…あぁ…真那、お前何を…何をしたと思ってるんだ!

人を!!」

 

士道は精霊とはいえ狂三を、人を平然と殺したのだ…

 

「精霊です。それに…」

 

真那は武装を解除する。

 

「慣れていやがりますから。」

 

真那の目は濁っていた。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

フラクシナス

 

[…]

 

船内にいた全員が言葉を失っていた。

モニターに映っていた状況では、狂三に襲われていた士道を助けたのは以前士道の前に現れた崇宮真那。

そしてその真那は精霊である時崎狂三を士道の目の前で斬首された。

クルー達の顔は青くなり、指令の琴里も驚愕していた。

十香は状況を見て驚くも、彼女の心境は士道を心配していた。

四糸乃は令音にモニターを見せないよう抱きしめていた、しかし彼女も暗い顔をしていた。

 

「…全てにおいて最悪な状況だな。」

 

夢界は目を細めて言う。

 

「それも今回の一件で士道の心はボロボロだぞ。

どうする?」

 

士道を心配するも、以前フラクシナスにて士道の使命を聞かされた夢界は冷静に聞く。

 

「…っ。」

 

スカートを強く握りながらも決断を問われる。

 

「…まずは士道の身の安全を確保しなくちゃ…総員!」

 

琴里はまず士道の身を最優先にしていた。

その行動に夢界も空気を読んで黙っていた。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

あたり一帯が血だらけの中、士道と真那の2人だけになる。

沈黙な中、真那が口を開く。

 

「鳶一一曹から話は聞いているかもしれねえですが、今回の件は悪い夢を見たと思って忘れてください。」

 

淡々と冷静に言う。

 

「忘れるなんて…何でだよ真那!」

 

「死なねぇんですよ。」

 

「!?」

 

真那は狂三の事を言い出す。

 

「どれだけ殺してもナイトメア。

時崎狂三は何処にでも出現し人を殺しやがるんです。

だから私が殺し続けるんです。

何度も、何度も、何度も…」

 

「やめろ!」

 

俺は怒鳴って真那へ近づき手を取る。

 

「そんな事は慣れちゃいけないんだ!

心を殺しているだけだ!

今すぐやめろ!

お前のこの手は人を殺める手なんかじゃない!

お前はそんな子じゃないだろ!」

 

俺は必死に言いながら強く手を握る。

すると士道の優しさなのかその手はとても不思議な感覚に真那は無意識に感じ取っていた。

しかし。

 

「…私にしかできねぇ事なんです。」

 

真那はゆっくりと手を下ろして士道の手を振り解く。

そして、暗い顔をして真那は士道に手を向ける。

刹那。

士道は吹き飛ばされ真那に語りかけても声が届かないでいた。

 

 

 

 

 

「何でだよ…か。」

 

真那は悲しい顔をして必死に訴える士道を思い出す。

 

「ゔっ…」

 

直後、真那に頭痛が走る。

まるで思い出させないように仕組まれているように。

頭痛が走る中、足元から奇妙な音が聞こえてくる。

 

「…士道! …士道! …聞こえる!?」

 

兄の士道がいた足元に何やら耳につけるモノから聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「コレは…」

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

「…」

 

士道は元気なく自宅へ向けて歩く。

狂三とのデート中、水族館では彼女に翻弄され続け、ランジェリーショップでは彼女の魅惑な行いにてもて遊ばれていたものの士道は楽しかったのだ。

たとえ相手が最悪な精霊相手であってもだ。

しかし狂三の本性を知り、真那による狂三の殺害。

以前に映像にて殺された筈の狂三が生存していたため今回もそのケースに当てはまるのか、彼女の秘密を知るためのデートだったが…

そんな事なぞどうでも良くなる事が起きたのだ。

 

「…クソ。」

 

今の士道は色んな事がありすぎて平常心ではいられなかった…だが。

 

「シドー!」

 

「…士道さん!」

 

俺の名を呼んでいる。十香と四糸乃が走って来る。

 

「十香…四糸乃?」

 

2人の名を呼ぶ。

 

「シドー大丈夫か?

大変だったな。」

 

「…はい。士道さんお疲れ様でした。」

 

《いやー、士道くんー。

今日は頑張ってたねー。》

 

十香、四糸乃、よしのんが俺を気遣ってくれた…デート中はあんなにも…

 

「すまない、元気なくて。」

 

俺は無理にも笑って見た。

けどそれが無理していると知って、2人は俺の両腕に引っ付いた。

 

「十香? 四糸乃?」

 

「シドー! これからご飯だ! 食べに行くぞ!」

 

「はい…美味しい物…食べに行きましょう。」

 

《いーっぱい食べて元気になろうねー。》

 

そう言って2人は俺を連行するように歩いていく。

 

 

 

 

 

「んー。うむ! 一杯食べたなー!」

 

「お…美味しかったです…」

 

《十香ちゃんも四糸乃もいっーぱい食べたねー。》

 

レストランから俺たちは出る。

十香は言葉通り沢山食べ、四糸乃も美味しそうに食べていた。

俺は2人の元気に食べる姿を見ていつの間にか自然と笑えるくらいまで元気になっていた。

 

「シドー。」

 

ふと十香が俺の顔を見てくる。

 

「今日シドー達の事を見てたぞ。

琴里達も何やら色々やってて大変そうだったな。

シドーは…最初は時崎狂三にいいようにされていたが…っ!」

 

狂三の話になると十香は拳を力強く握りしめていた。

 

「…と、十香?」

 

震えながら俺は十香の機嫌を取ろうとする。

がーー

 

「だが…あの様な事になるとは思いもよらなかった。」

 

…あぁ。そうだな。

 

「それでも…シドーが一生懸命。

私達を助けてくれたように。

狂三にもそうしようと頑張ってた事はわかったぞ。」

 

え?と、十香?

 

「はい…士道さん。

すごく頑張っていたと…思います。」

 

《士道くんは頑張っていたよー。》

 

四糸乃…よしのん…

 

「シドー。狂三を救ってやってくれ。」

 

「十香…?」

 

十香から狂三を救ってと言われて俺は目を見開く。

 

「狂三が何故ああなっかはわからん。

だが、私はシドーに救われたのだ。

狂三はシドーに会う前の私に似ているのだ…だから私を救ってくれたように狂三も救ってやってくれ。

シドー。」

 

「十香。」

 

「それにシドーの側には私がいるぞ。

シドーが居場所をくれたのだ。

だからその、シドーはーー1人ではないのだぞ?」

 

…!

 

「私も…です。士道さんがいたから…

今があるです…士道さんは1人じゃないんです。」

 

《そうだよー。このよしのんもいるから大丈夫だよー。》

 

四糸乃とよしのんも続けて俺に元気をくれる。

 

1人じゃない…そうか、俺はもう1人じゃないんだ。

 

「それに…士道が苦しんだり、辛かったりすると私も苦しいし、辛いのだ。」

 

「はい…私も…です。」

 

あぁ。そうか。

俺は周りを見ていなかったのか。

 

「十香、四糸乃、よしのん。

ありがとう。大丈夫だ。」

 

俺は恵まれているなぁ。

恵まれすぎている。

こんな俺を信じてくれている。

俺を見てくれている。

俺を助けてくれている。

ならば、俺もーー狂三を助けないと。

 

 

俺はもう1人で戦っていないんだ。

それを覚えておかなくてはな。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

フラクシナス

 

「立ち上がれた見たいね、士道。」

 

琴里は腕を組んで司令官として意見を述べる。

けれどその表情は1人の妹としてとても安心していた顔だった。

 

「それにしても起点が利くわね、夢界。」

 

「まぁこのくらいはでかねないとなぁ…

と言っても俺自身は何もしていないけど。」

 

夢界が十香と四糸乃を士道の元へ行くよう指示したのだ。

 

「…シンが無事立ち上がれて良かった。」

 

はぁ。っと一安心する令音。

安心しているものの彼女が何かをしている手を止めていなかった。

 

「ん? 令音何しているの?」

 

琴里が令音の行動を見て疑問に思う。

 

「…琴里これを見てほしい。」

 

そこに表示されたのは士道と真那の血液検査の結果だった。

 

「うぅ…見た目も言動も士道そっくりで、わかっていたけど血は繋がっているのね…けどそれにしては令音何か浮かない表情しているわね。」

 

長い付き合いの彼女には、令音の機嫌の悪さがわかっていた。

 

「…あぁ。以前、崇宮真那の状態を夢界藍に解析してもらったモノを君にも見てもらいたくてね…今のシンにはとても見せられないが…」

 

そう言って彼女は画面に表示する。

そこに表示されていた内容は崇宮真那の現在の身体の状態だった。

彼女の身体はどの部分も異常な数値が表示されていた。

 

「何よ…これ? どうなっているの?」

 

琴里が驚愕な顔を浮かべる。

当然だ。今の真那の状態はとても酷かったのである。

 

「…これは私独自で調べた結果だか、彼女はDEM社から派遣された社員らしい。」

 

「DEM社ですって!?」

 

令音の言葉に琴里は立ち上がって大きな声を上げる。

 

「DEM社。確かイギリスが本社の大企業の1つだよな?」

 

デウス・エクス・マキナ・インダストリー

機械仕掛けの神の名を冠する世界規模で事業展開を行っている大企業だ。

 

「 顕現装置(リアライザ)を自衛隊を初めとした各国の軍部にも提供している所ね…通りで精霊である時崎狂三を何度も殺害しているわけね。」

 

琴里が目を細める。

 

「…なーんか嫌ーな事に繋がってきてんなぁ。」

 

夢界も嫌なモノを感じとる。

 

「…加えて崇宮真那は深刻な魔力処置が施されている。

おそらく彼女は…もう10年程しか生きられない…っ!」

 

令音は真那の容態を口にすると、彼女は普段クールな表情から怒りを露わにする表情に変える。

加えて強く拳を握りしめていた。

 

「ともかくこの事はまだシンには秘密にしておこう…優しいシンがこの事を知れば…」

 

令音はこれ以上何も言えなかった。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

翌日。

俺たちは普段通り学校へ通う。

下駄箱で靴を履き替える際、ある人物が士道の元へ駆け寄る。

 

「士道さん。ごきげんよう。」

 

黒い髪で多くの男性が虜になっている人物。

 

「狂三。」

 

そうそこに立っていたのは時崎狂三。

あれから考えていた。真那の言葉、“何度も”っと…ならおそらく生きている筈だと。

 

「おはよう。」

 

俺は普段通りに挨拶して返す。

俺の行動に狂三は驚くも瞬時に微笑み返す。

 

「士道さん。昨日は楽しかったですわね。

また誘ってください。」

 

デート後の狂三とは思えない態度をとる。

 

「あぁ。そうだな。」

 

俺も狂三に微笑みながら返す。

 

「けれど、安心しましたわ。

士道さんは今日お休みを取ると思っていましたので。」

 

俺は一度瞼を閉じて決意を固め、改めて狂三を見る。

 

「狂三。」

 

「はい。」

 

「俺はーーお前を救うと決意した。

何があっても絶対にだ。」

 

俺がそう言うと狂三は笑顔のまま一瞬固まった。

 

「もうお前にこれ以上人殺しをさせない。

真那もお前を殺させない。

傷つけさせないようにする。」

 

俺は決意を狂三に言う。

俺は決めた。

誰も辛い思いをさせないと。

狂三は笑顔から少し凛とした表情になる。

 

「そうですの。」

 

そう言うと狂三はスタスタと歩く。

狂三の雰囲気の変わった感じに俺は胸騒ぎを感じた。

 

 

 







意外と早く投稿できたかな?

十香と四糸乃の2人に慰められた士道くん。
本当なら令音さんによしよしタイムを入れたかったけど令音さんオンリーだと他の精霊のスポットが極端に少なく一度終わったらポイされる感じでダメだなと思い、2人にスポットを当てて見ましたー。

※個人的には重大な描き忘れとか諸々付け足しました。

さて次はいよいよ狂三との激闘かな?


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