※色々結構直しました。
士道の弱さを表すのはまた後々だと言う事に気がつきました。
修正していきます。
学校の屋上
現在の時刻では既に授業が行われている時間帯に、時崎狂三はいた。
そこで彼女は士道の言葉を思い出していた。
『もうお前にこれ以上人殺しをさせない。
真那もお前を殺させない。
傷つけさせないようにする。』
狂三が考えていた事とは違う事を士道は決断した。
その目は強く、決して変える事のない決意だと。
「はぁ…本当に本当にーー傍迷惑なお方ですわね。
士道さん。」
狂三の雰囲気が変わる。
これまでに見せた事のない表情だった。
「わたくしの事を理解できていないのは仕方のないとはいえ、随分とまぁ勝手な事を言いますのね。
--あれだけの事をわたくしはしたとはいえ、あんな決意を固めた表情をするなんて…
デート中では人前で密着した時は鼻の下が伸びかけていて下心が見えかけでしたのに、更には下着を選んだモノもまぁ随分といい趣味を持ってる小物に見えましたし…
なのに急に人が変わったかのように見えたらそうでもなく、今朝ではあんな事を言うなんて…どこまで勝手ですの?」
狂三は1人長い呟きをしていた。
彼女の裏の性格である。
表向きでは常に笑顔でお淑やかに振る舞ってはいたが、裏では冷酷な一面を持っていたのだ。
士道とのデート中も内面では士道のことを結構下で見ていたのだ。
だがしかし
「まぁこれでも、士道さんとの学校生活も悪くはありませんでしたわ…けれど、それもここまでですわね。」
彼女はそう言うと、全身から赤黒いオーラを放出し霊装を纏う。
そして
カツン
足音を立てる。するとそこから赤黒い影のようなモノが学校に広まる。
まるで学校を侵食するように、彼女の恐怖が襲い掛かろうとする。
「きひひ、きひひひひ!!
あぁ。士道さん、可愛い可愛い士道さん。
今からわたくしがする行為にあなたは決意を曲げずにいられますの?
あなたの言葉が本当かどうか
ーー試しかめさせて頂きますわ。」
-----
ここは廃墟となったとある場所
そこに青髪の少女が立っていた、その人物は崇宮真那ある。
「お待ちしましたよ、琴里さん。」
真那がそう言うと暗闇から士道の妹、五河琴里が現れた。
「こんな所に何のようなの?
普通の女の子が来るような場所じゃないと思うけど。」
琴里がそう語る。
その言葉に真那は笑って返す。
「はっ。普通の女の子とは笑わせやがりますね。」
そう言うと真那は士道の落としたインカムを琴里に投げ渡す。
「ラタトスク機関。」
真那の言葉に琴里は眉をビクッと動かす。
「まさか、そんな組織に兄様と…
五河琴里、あなたがいたとは。」
真那は目を細めて琴里に言う。
「よく調べたわね。」
琴里は冷静に答える。そしてインカムを見ながら琴里は語る。
「それでコレを通して来たわけだけど…要件は何?」
真那は拾ったインカムを通してラタトスクにコンタクトを取った。
色々あって琴里が対応しこの場所に2人だけで会っているのだ。
「まず、この一件はあくまでも私独自の判断です。
それを上にも誰にも報告するつもりはありません。」
要件を言う前に真那は真剣な表情で琴里に告げる。
本来なら立場上、信用できないだろう…
だが、彼女の今の表情はまさに兄である五河士道と対面している様に琴里は感じた。
そのため、琴里は本気なのだろうと理解する。
「そう。それはこちらとしても助かるわ。」
「ーーなので兄様をあなた達から解放しやがってください。」
真那は真っ先に士道を助けるお願いをする。
「琴里さん。何故あなた達は兄様を危険に晒すのでいやがりますか?
顕現装置(リアライザ)はおろか武器も持たせずに精霊に会わすのですか?」
真那はラタトスク機関の全貌を知らない。
当然だ。
何故精霊を助けるのか、何故精霊を救えるのが士道だけなのか…
無論、全貌を知らないのは士道も同然であるが…
彼は事情も知らなくても助けるだろう。
「精霊(レディ)相手に武器を持って口説くなんて、紳士な士道はしないわよ。」
琴里がそう言うと真那は目を細める。
「相手を何だと思っていやがるんですか。
精霊は危険人物です。」
「武力をもって精霊を相手にするあなた達に言われたくないわね。
私達は精霊を救い、守るための機関よ。」
琴里の言葉に真那は不信感を抱く。
「武力を持たずに精霊を救う? 守る?
そんな事が出来るわけがねーです。
事実、ナイトメアは兄様を殺そうとした。」
「…」
狂三の件については琴里は何も言えなかった。
士道を頼りきってしまったが故に危険に晒してしまった。
真那は何も言えなかった琴里を見て怒りを露わにする。
「琴里さん…いえ、五河琴里。
あなたは妹失格です。
あなたの様な人に兄様は任せていられませんっ!」
真那は強く言う。
妹だから…ようやく出会えた兄だからこそ士道のために真那は言う。
だが真那は、負けずと強い目で反抗する琴里の姿を見る。
拳を強く握りしめていた事に。
「へぇ…私が妹失格としてあなたはどうするの?」
「私が兄様の身柄を預かります。
あなた達とは違いこちらはーー」
真那が“こちら”の事に途端、琴里はより真剣な表情で応える。
「はっ。それこそ任せていられないわ。
DEMのような悪徳企業に士道を任さられるわけがないわ!」
「な、何故それを!?」
真那は驚愕する。
あくまでも自分はASTとして知られていると思っていたからだ。
「優秀な友人がいてね。
情報を掴み合ってるのはお互い様ってわけね。」
琴里は不敵に笑う。
「それも知ってやがりましたか。
はい。私はDEMの社員です。
そして、悪徳企業とは聞き捨てならねーですね。
彼等は記憶喪失の真那を引き取り、存在理由をくれました。
感謝しきれねーです。」
真那の言葉に琴里は目を大きく見開き驚く。
「…正気? あなたの身体にあんな。」
「…? 何のことでいやがりますか?」
何も知らない真那は首を傾げる。
その様子に琴里はますます驚く。
「なんて事なの? …悪い事は言わない、真那。
DEMをすぐ辞めなさい。
私達があなたを面倒見るわ。」
そう言って強く真那の両肩をもつ。
「な…何を言っていやがりますか。
彼等はーー」
「あなたの身に何が起きているのか説明してあげる。
士道がこの事を知れば絶対に私と同じことをする。
いえ、それどころか無理矢理にでもあなたの手を取って言うわ。
“そんなところから足を洗え、大丈夫俺が居場所になる。”ってね。」
「に、兄様が?」
真那は最愛の兄がそう言うと琴里に言われ照れる。
あくまでも琴里の言った事だが、士道ならそう言うであろうと…
それ故に迷う。
自分に存在理由をくれた彼等(DEM)か再会した最愛の兄の手を取るか。
目をグルグルとさせる中、2人の携帯に着信が入る。
「「!?」」
2人は瞬時に携帯をとり連絡を取る。
琴里に入ったのは神無月の声だった。
『司令! 士道くん達のいる来禅高校に強力な霊力反応が!」
「何ですって!?」
そして真那も琴里と似たような反応をする。
-----
「…っ!」
体がよろめきそうになるも俺は何とか踏みとどまる。
一体急に何が起きたんだ?
全体を見ると学校内全体が異様な空間に支配されていた。
教室内の生徒は皆倒れ、それも息苦しそうにしていた。
「これは一体…っ! まさか!」
『シン!』
インカムから令音さんの声が聞こえる。
「令音さん!」
俺は返事を返す。
すると令音さんはインカムを通して安堵のため息を漏らす。
『…良かった、シン。
学校から強力な霊力反応を感知した。
おそらく時崎狂三による広域結界だろう。
キミも周りを見て大体理解していると思うが、結界内の人間を衰弱させている。』
やっぱり…これは狂三による現象だったか…
だとすると彼女の力についてますます分からなくなったきた。
今はそんな事を考えていない場合ではない。
「けど何故俺は平気なんだ?
一瞬苦しい思いをしたけれど…今は何ともない。」
俺は自分の体をあちこちと見る。
けれど特に変わった事はない。
『…シン。キミには十香と四糸乃の霊力が封印されている。
キミは無自覚だろうが、シンの身体には精霊の加護を受けているに等しい。
加えてあの時と違い、今キミの精神心が安定しているためペルソナの力も影響しているのだろう。』
令音さんが俺の疑問に思ったことを分かりやすく説明してくれた。
なるほど…なら急いで狂三を止めないと!
「シ、シドー…」
十香が教室のドアを持って、頭を抱え、よろよろしながら俺を呼ぶ。
「十香! 大丈夫か!?」
俺はすぐさま十香の元へ駆け寄る。
「う、うむ。何とか…だ、だが体が重い…シドー…」
士道は他のクラスメイト達も見る。
夢界、3人組の亜衣、麻衣、美衣、タマちゃん。
皆が息苦しそうに倒れていた。
十香が皆と違って意識があるのはおそらく精霊であるからだろう。
たが、力を士道に封印され人間ペースまで力が落ちているため意識を保つのがまで限界だろう。
ギギーギギ
スピーカーの音が聞こえる。
『士道さん。聞こえますの?』
狂三の声だった。
『わかっておいでかと思いますが、学校全体を覆うモノはわたくしの張った結界ですわ。
早くしないと生徒や教師の方々がわたくしの手によってーー死んでしまいますわ。」
「何…だと…!?」
そして狂三はある事を暴露する。
『きひひ、それとも日頃から士道さんが密かに処理していらっしゃる…
シャドウによって皆さん殺されてしまうのでしょうか。』
『…ッ! …シン。』
インカムから令音さんの驚きと何故黙っていたんだ?
と言わんばかりの声が聞こえた。
ここで明らかになる話
士道は密かにシャドウが出没しているだろう気配を感じた時、1人黙って駆除しに出ていたのだ。
十香の一件後も、四糸乃の一件後も、1人でシャドウと戦っていた。
「なっ! 何故それをっ!」
しかもシャドウの事も知っているのか!
時崎狂三…一体彼女は何者なんだ?
十香や四糸乃はシャドウの事を知らない感じだった。
…疑問が山ほどある。
ならやる事は変わらない。
『屋上で待っております。お早めに来た方がよろしくて?』
狂三はそう言ってスピーカーの回線を切った。
「…シドー? 行ってしまうのか?」
十香が苦しそうにしながら心配する目をしていた。
「あぁ。危ないとはわかっている。
でも、皆んなを助けるためにも…
狂三を止めるためにも俺が立ち止まってはいられない!」
俺はそう言って俺は教室を出ようとする。
「ま、待て! 私も!」
十香は無理にでも立って士道について行こうとする。
士道は十香に優しく微笑みながらお姫様抱っこをし、壁にもたれさせる。
そして、頭を優しく撫でながら士道は言う。
「大丈夫だ。俺は“もう1人では”戦っていない。
だから、こんな結界壊してーー狂三を救ってくる。」
士道は約束はちゃんと守る。
その意味を込めて十香に言い、士道は教室を後にする。
「シドー。」
十香は1人で向かう士道を心配する。
-----
狂三による結界の中、士道や十香以外にも動ける人物がいた。
「…っく。」
その人物は鳶一折紙である。
彼女はASTに所属し日々訓練を行なっている。
そのため他の一般人よりかは影響に抵抗できた。
しかし、それはあくまでもこの校内での話だ。
彼女もまた普通の人間。
それも精霊に対して強い精神力を持っていたため、気を失いかけながらも意識を保つ。
「識別、AST、鳶一折紙。
基礎顕現装置(ベーシック・リアライザ)、起動!」
彼女はチップ型のデバイスを起動させる。
瞬間、彼女は光に包まれ、脳や体全体を焼かれるような感覚が襲う。
「うぅっ…くぅっ…あぁ…」
そして、ワイヤリングスーツに変貌する。
息を荒くしながらも折紙は気持ちを切り替えて行動する。
そして日下部から連絡が届き会話しながら動いているとーー
「ーーきひひ。折紙さん。
そんなに急いでどちらまで?」
この事態の元凶が目の前に現れた。
「時崎狂三。」
折紙は瞬時にブレードを構える。
「申し訳ありませんが、ここから先は行かせませんわよ?」
-----
「…シドー。」
壁にもたれていた十香は士道を1人にさせまいと動こうとする。
「んぐっ!」
たが、今の彼女は士道に霊力を封印されていてまともに力が出ないでいた。
「ダメだ! ダメなのだ!
シドーを1人にしては!」
彼女は強く想う。
居場所をくれた人。
優しい人。
誰かのためなら自分を犠牲にしてしまう人を!
大好きな人を1人にさせないと!
そう強く思った瞬間に自信に変化が起こる。
以前、四糸乃の時に士道を助けに行った時と同じ事が起きた。
「っ! これなら。」
十香は先程より平気になる。
そして士道の元へ向かおうとした瞬間。
銃弾が十香へ放たれた。
十香な何なくかわす。
そして撃った人物はーー
「き、貴様は!?」
「きひひ。」
士道を屋上へと誘った人物である。
時崎狂三だった。
-----
「お待ちしておりましたわ。
士道さん。」
狂三が霊装を纏い、威張る様なポーズで士道を待ち構えていた。
「待たせたな。
ーー早速だが狂三、この結界を解いてくれ。
俺は逃げない。」
俺は普段よりも強めに狂三へ言う。
すると、彼女なきひひと笑始めた。
「あらあら。士道さん?
そんな事でこの結界を解くと思いますの?」
「…」
分かってはいたが、言うのが常識だと士道は思う。
「この結界は【時喰みの城】。
私の影を踏んでいる方のーー時間を吸い上げる結界ですわ。」
彼女は丁寧に説明すると、普段隠れていた時計の眼を見せる。
士道は以前にも見ていたが、改めて見るとまさに時計のように羅針が動いていた。
「その眼は。」
「ええ。この眼はわたくしの時間。
ーー命。と申し上げておきますわ。」
「!?」
命?その眼が狂三の命?
「わたくしの"天使“はそれはそれは素晴らしい力を有しておりますけれど…
その代わり使うたびに膨大な時間(いのち)を喰らっていきますの。
だからこうして、時折外から補充しておりますの。」
時折?
…という事は、狂三はこれまで何人もの人間を犠牲にしてきたんだ!?
「精霊と人間なんて所詮そんなモノ。
皆さん哀れで可愛いわたくしの餌。」
狂三は哀れ者を見るような目で語る。
「あぁ。あぁ。でも士道さん。
あなたは特別ですわ。」
狂三は赤い眼光を狂気の色にして言う。
「…特別。」
「えぇ。えぇ。
あなたは最高ですわ(ペロリ)。
わたくしはあなたと一つになるために、この学校へ…
あなたの所に来たのですわ。」
ゴクリ
俺は身の危険を感じて息を呑む。
「一つになるって…何をどうする気だ?」
「きひひ。そう睨まないでくださいまし。
わたくし怖くてこの結界をより強くしてしまいそうですわ。」
狂三はわざとらしく体をビクビクと震えように演じるが、次第に真剣な顔つきになって士道に問う。
「ただ、あなたをいただく前に…
一つ、士道さんには撤回してほしい事がありますの。」
狂三は俺の方へ歩み寄る。
「わたくしを“救う”などと…
戯言を撤回して欲しいのですわ。」
「…」
戯言の撤回…か。
「ねぇ、士道さん。
そんな理由でこんな事をするわたくしは酷いでしょう?
憎いでしょう?
慈悲などかける相手ではないでしょう?」
狂三は自身の顔を俺の顔に近づけて、更に狂気に満ちた眼光で俺に撤回を求める。
「さぁさぁお早く。」
「なぁ狂三。」
俺は狂三に思っていた事を問う。
「お前の過去に何があった?」
俺の言葉に狂三は驚き、瞬時に警戒し、怯えるように俺を見つめる。
-----
学校に貼られた結界内にて生徒や教師達が苦しむ中、心の歪みは現れる。
悪意(シャドウ)
悪意は人の負の感情の募りやすい場所に現れる。
この天宮市を中心に多く発生するのは偶然では無い。
悪意は成長している。
特殊災害指定生命体、通称:精霊。
精霊(彼女達)によって発生する空間震は、多くの人間を不安にさせる。
シャドウにとってこれほど都合の良い事はない。
悪意は一つの意思を持っている。
“-----、ーー、ーーーーーー”
-----
士道の言葉に狂三は警戒心を高めて武器を取る。
「…何ですの?」
「お前の過去に何があった?
その眼は狂気と同時にーー」
ダンッ!
狂三が撃った。撃った先は士道の後ろにある手すり。
彼女は少し息を切らして怒りを向ける。
「人の心に土足で踏み込まないでくださいましっ!!」
その声は怒りと同時に怖がっていた。
彼女が士道の前に現れた理由、1人抱える“野望”だった。
何より“何かに囚われている”自分(士道)と同じに見えたからである。
そして士道は改めて決意する。
「あぁ。これで覚悟は決まった。」
士道の言葉と決意に呼応して全身が黒い炎に包まれる。
「ペルソナ!」
タキシード風の黒いロングコートを纏い、赤い手袋をはめ、黒い炎を灯す。
「俺は大怪盗ルパン。キミの心を奪わせて貰おうか。」
ニヒルに笑う。
俺の姿を見て狂三は抵抗するように笑う。
「きひ、きひひひひ!
できるものでしたら…やってみてくださいまし!」
タンッ! タンッ!
士道は黒い炎を爪のように纏い、狂三は歩兵銃を叩きつけるように、ぶつけ合う!
キイィィィィィィンンンン!!!!!
バチバチと火花が飛び散る。
互いに拮抗する中、士道は狂三を真っ直ぐに見る。
キミを救ってみせる。
-----
学校の屋上に力と力の衝突に反応してシャドウ達が屋上に目掛けて動き出す。
屋上での狂三の長台詞、四宮かぐやを連想してみたけれどどうでしょう?すんげー長くなったけどこんな感じじゃないですかね?
後、個人的に原作では真那が1人残ってしまった感があるなぁ…
って思ったので、できる限りスポットを当てていきたい。
戦闘開始!
…うん。
本当に始まった所で一旦ここまで。
ここからどう展開していくのか。
四糸乃編では中々上手く描けなかったけど、狂三編から気合いを入れていきたい。