デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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狂三編もラストスパート。

そういえば、狂三とのデートで『さぁ、私たちの戦争(デート)を始めましょう。』のセリフ何処にもいれてないや…
もータイトルとかもう一回考え直して変えようかな?





第九話:炎の精霊

 

 

 

今俺たちの現状は、謎のシャドウを含めた怪物、今回の元凶である狂三、ASTとして真那と折紙、そして俺と十香。

 

状況が状況なために戦いずらい。

 

オオオオォォォォッッッッ!!!!

 

咆哮を上げて、怪物とシャドウが一斉に俺たちに襲いかかる。

 

「この!」

 

十香は鏖殺公(サンダルフォン)を振り払いながらシャドウを一斉に薙ぎ払う。

 

「…このっ!」

 

「…時崎狂三を相手にしながら、これらの相手は…っ!」

 

真那は狂三の攻撃を受けており、かなりのダメージを受けながらも飛んでくる火の粉を払うがごとくシャドウを切り刻む。

折紙もまた、不十分なブレードのみの状態で苦戦していた。

 

「ちぃ!」

 

俺もまた狂三との戦いで疲労しながらも、気合いを入れて戦う。

 

狂三が発生させようとしていた空間震を消すために、士道はかなりの体力を使ってしまったのだ。

 

ダンッ! ダンッ! ダンッ!

 

狂三もまた自身を守りながら、シャドウを殲滅していく。

だが。

 

オオオオォォォォッッッッ!!!!

 

怪物は狂三に目掛けて攻撃をしていく。

 

しかし、何故狂三を一方的に狙うんだ?

…きっと悪い意味で狙いがあるはずだ。

 

「…本当に何なのですの?」

 

文句を言いながらも手を止めない。

手を止めてしまったらどうなるのか…

それは目に見ている事だ。

 

「… 【六の弾(ヴァヴ)】。

いえ、ここは。」

 

狂三は1人考えながら、一つの弾を選ぶ。

 

「【七の弾(ザイン)】」

 

彼女は再び、刻々帝(ザフキエル)を使って怪物の行動を止める。

そして、透さず攻撃を行う。

 

ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ!

ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ!

 

銃弾の雨を怪物に浴びさせる。

その光景を見て、全員が怪物を仕留めたと感じさせる。

 

「…手間はかかりましたが、コレでーー」

 

狂三の視線が怪物から俺の方へと向いた途端…

 

 

 

オオオオオオォォォォォッッッッッ!!!!!

 

 

 

先程よりも強い咆哮を上げながら、巨大な手を狂三へと振りかざす。

 

「ーーっ!」

 

咆哮する方角へ、顔を向ける。

 

それを見た瞬間に狂三は銃を盾にし、無意識に目を瞑る。

 

今この場にいる1人を除いて、怪物の巨大な一撃をくらえば死んでしまう。

 

真那は狂三の攻撃を受けて重症に近い状態、折紙は緊急時のレイドスーツのため万全な状態ではない。

 

十香は霊力の多くを封印されているため、精霊であろうとも今の状態では死んでしまう。

 

狂三は…この場にいる多くの者に敵対しているため、誰も助けはしない。それは最悪な精霊(ナイトメア)であるからだ。

 

 

 

 

 

たった1人を除いては。

 

 

 

 

 

狂三はカードする状態で、目を強く瞑っていた。

 

けれど、怪物の手は狂三に当たらなかった。

 

狂三は恐る恐る目を開け、正面を見る。

 

するとーー

 

 

 

 

 

「んぐぅっ…」

 

たった1人の怪盗が精霊を守っていた。

 

そう五河士道だ。

 

「…何を…していますの?士道さん?」

 

狂三は声を震わせながら問う。

 

「…言ったろーー救うって。」

 

士道はフッと笑いながら、狂三に言い返す。

 

「まだ、その様な世迷言を!」

 

「あぁ。好きに言ってろ。

俺は自分の正しいと思った事をしているだけだ。」

 

 

 

士道が狂三を庇う理由は自分が“そうしたい(助けたい)”からである。

 

 

 

彼は琴里に、精霊を救えるのは士道だけだと言われ、士道はその頼みを受け入れた。

 

だが、それは頼まれたからではない。

 

士道が救いたいと強く思ったからである。

 

だから、自分の命を狙うナイトメアであろうとも関係なく助ける。

 

五河士道とはつまりそうゆう奴である。

 

「…」

 

狂三は言葉を失う。

彼は本気だと。

 

「…それに、こんな所で!」

 

士道は自分の事を思い出す。

 

あの日、ペルソナ使いとして目覚め、コイツら(シャドウ)を対処するのは俺にしか出来ない事!

 

十香や四糸乃の悲しい目を見て、助けたい。

救いたい。

『居場所』を作ってやりたい!

と強く思った!

 

それにーー自分には成さなければならない理由があるから。

 

 

 

「やられてたまるかぁー!!!」

 

 

 

士道は強く叫びながら、アルセーヌを顕現させる。

 

〈フハハハハハハ!!!!!!〉

 

アルセーヌは士道の強い思いに応えるように、高笑いを上げ降臨する。

 

周りにいた十香、真那、折紙はアルセーヌを顕現したと同時に発生した風圧に抵抗しながら驚愕する。

 

そして怪物を薙ぎ払い、手に天に掲げ、激しい青い炎を燃やし、爪を立てて、切り刻む。

 

ギィィィィィィッッッッッ!!!!!

 

怪物は悲鳴を上げるように、奇声を上げる。

 

 

 

「おお!

シドーの攻撃が効いているぞ!」

 

十香は士道の攻撃が怪物に効果があって驚き。

 

「士道のあの力は一体何?

…でも、あの怪物に効果があるのは間違いない。」

 

折紙もまた、十香と同じ意見であった。

現状、ASTにはシャドウに関する情報がない。

そもそもその名も詳細も把握していない。

 

「くぅ…コレが報告にあった謎の生命体…

それにしても兄様は、この生命体といい、あの怪物を知っていやがるんですか?…」

 

真那はボロボロな状態でありながらも、兄。

五河士道を見る。

 

 

 

「(兄様、一体その力は何ですか?)」

 

時崎狂三を庇った事に対して不満点を抱きつつも、兄に対して疑問を抱く。

 

今、兄様から現れたのは何?

どうやって現れたのだ?

そして、“何なのだ”?

報告にあった生命体に対しても有効的な力を持っている。

 

更には精霊を保護する事を目的としたラタトスク機関。

彼らは兄のこの力を知っていた?

この力が精霊に対しても抗える手段?

 

この一件を知れば。

上は、“五河士道”を無理矢理にでも連行するかもしれない。

例え、相手が一般人であっても…

 

彼女は少し前の事、琴里のと会話を思い出す。

 

『DEMのような悪徳企業に士道を任さられるわけがないわ!』

 

「(…私は一体どうすれば良いんですか?)」

 

崇宮真那は戦場の中、五河士道の行動を見ながら、今後について迷っていた。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

士道達の教室に周りが倒れている中、1人ケータイで上の状況を見ている者がいた。

 

「フム。ワザと気絶している間に、士道は“武器”を一つ解放したか。」

 

そう、その男はワザと苦しそうに気絶していた。

 

「とはいえだ。それだけじゃ物足りない。」

 

冷静に意見を述べる。

 

「後、最低でももう一つ武器は欲しいかな?

更に欲を言うと…ペルソナの力を“ちゃんと使えるように”しないと今後が心配だ。」

 

目を細めて、心配するように喋る。

 

今の彼の口調は今までふざけていたモノではない。

 

これが本来の彼の口調である。

 

「頑張ってくれたまえ。

キミだけがこの“最悪の結末で終わる物語(バッドエンド)”を変えられるんだ。

ーー五河士道。」

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

怪物は奇声を上げて倒れる。

 

「少しは効いたか?」

 

士道は汗を拭いながら愚痴る。

 

しかし、怪物は周りのシャドウを吸収していき、削られた部分を補い体勢を立て直そうと動く。

 

オオオオオオォォォォォォッッッッッッ!!!!!!

 

「…チィ。」

 

まだ倒れない。

この怪物を完全に倒すにはどうすればいい?

 

残った俺の力でどう倒せばいい?

 

考えろ。考えろ。

頭をフルに使うんだ。

 

このナイフに渾身の全てを注いで刺せばいいか?

 

「ハァ…この!」

 

「どれだけいるの…」

 

「っ…」

 

後ろにいる、十香達も息を切らしながらも戦っていた。

 

みんなの体力も限界に近い。

 

心配をしながらも、士道はある武器に注目する。

 

狂三の武器(銃)である。

 

士道は思った。

ナイフで渾身の一撃をぶつけるより、銃のような武器で渾身の力をぶつけたならコイツを仕留められるんじゃないかと。

 

士道は懐のカードを1枚取り出し、ナイフを発現させたように理想の姿をイメージする。

 

 

 

強大な敵も強力な一撃で撃ち破るモノ。

 

 

 

フワァァ…

 

カードはあの時のように光り輝き、姿を変える。

 

ピィィィーーンン!!!

 

光が収まった時、俺が握っていたのは黒い銃(ハンドガン)だった。

 

士道は握っていた銃の使い方を瞬時に把握する。

 

「コレなら。」

 

士道は勢いよく高く飛び、起き上がった怪物の頭を狙う。

 

グウィーーン!!

 

今度は銃に黒い炎を注ぎ込むように力を込めて放つ!

 

「黒の咆哮弾(ブラック・ショット)!」

 

ドォーンッ!

 

強く重い黒い砲弾が、怪物の頭へと当たる。

 

バァァーーンッッ!!!

 

凄まじい音が屋上全体に鳴り響く。

 

音が鳴り響くと、怪物の姿が大きく崩れ落ちるような姿へと変貌する。

 

誰もが勝利を確信する。

 

「やったぞ! シドー!」

 

十香が喜びの声をあげる。

 

だがーー

 

数で十香達を圧倒していたシャドウの群れが怪物の場所へと一箇所に集まり。最後の抗いを見せる。

奴らは自滅攻撃をしようとそのまま特攻してくる。

 

「んな!」

 

「あんなのが…」

 

「っ…マズ…い。」

 

十香達は驚き、その場から退避しようとするも、折紙は息が完全に上がっており、真那は限界か倒れてしまった。

 

「…」

 

狂三は沈黙し、この場から姿を消した。

 

オオオオオォォォォォッッッッッ!!!??

 

…まだやれる。

 

俺ならやれる!

 

士道は決意を固めて、折紙と真那の前に立ち、怪物相手に真正面から受けて立つ。

 

「シドー!?」

 

「…シドー!」

 

「…兄…様?」

 

3人は士道の後ろ姿を見る。

 

その姿はとてもーー眩しかった。

 

 

 

「アルセーヌッ!」

 

目を大きく開き、根性精神でアルセーヌを顕現させる。

 

アルセーヌは目の前の光景に口を開く。

 

 

<絶望的状況だ。それでも挑むのか?>

 

 

アルセーヌは語る。

普段は俺の声にも思いにも答えないのに。

 

「あぁ。俺はもう失いたくない。」

 

 

<ほう、ならば。

お前が望むなら、この難局を打ち破る力を与えてもいい。>

 

 

「力が欲しい。大切なモノを守る力を…

破滅に抗う力を!」

 

 

<フン。良かろう…>

 

 

アルセーヌは俺の返答を待っていたかのように、高らかに声を上げ応える。

 

 

<我が名は、逢魔の掠奪者『アルセーヌ』!>

 

 

黒き翼を大きく広げ、青い炎を広く燃やす。

 

 

<我は、お前に宿る、反逆者の魂!>

 

 

士道の体にも炎が注がれる。

この感じはまるでーーこの力がようやく自分のモノになった気分だった。

 

 

<我が力はお前のもの!存分に焼き尽くせ!>

 

 

あぁ。

 

思う存分にやらせてもらう。

 

着いてこい。

 

この難局も跳ね除けてやる!

 

俺はアルセーヌの青い炎と俺の黒い炎を同時に燃やし、一つの強力な炎にする。

 

俺のこの炎を見た、怪物は微かに後ろに下がるように見えた。

 

まるで怯えているように、“死”を恐れているように。

 

好都合だ。

 

「ショータイムだ。」

 

ナイフに炎を灯し、再び高く飛翔する。

今度は空から自身を叩きつけるように体当たりをかける。

 

アルセーヌと士道の同時攻撃だ!

 

「くらえ!」

 

<フンッ!>

 

俺はナイフを大きく振りかざし、アルセーヌは凶器の手を振りかけ、クロスさせるように強く斬りふせる!

 

ザザァァァァーーーーンンッッッッ!!!!!!

 

黒と青の炎が怪物を燃やしていく、怪物は分裂しようとするも、炎が逃がさないと語っているかのように、全体に広がり、怪物は今度こそ崩れていく。

 

オォ…オォ…

 

奇声も発せられない程の弱々しい断末魔だった。

 

怪物は死にゆく間際、士道を睨むように視線を向ける。

 

その事に気づいた士道は怪物に向けて、冷たく答える。

 

「失せろ。」

 

士道がそう言うと、今度こそ怪物とシャドウは完全に消滅する。

 

学校全体の空気が元に戻る。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

「状況はどう、令音?」

 

五河琴里はフラクシナスへ向かわず、来禅高校の近くにいた。

理由は、“いざという時”のためである。

 

「…良くないね。

シンが窮地を乗り越え、未知なる敵を相手に乗り越えたのは大変喜ばしいのだが…

まだ、終わっていない。」

 

令音の声は言葉通り、不安な声だった。

 

「シンや十香は怪物達を相手に疲労しきっている。

それも、“彼女”は途中から姿をくらませている…

嫌な予感しかしない。」

 

令音の意見に琴里はーー時が来たかと判断する。

 

「…令音。」

 

彼女は右腕にして親友の名前を言う。

 

「…琴里? …っ! まさか!」

 

令音は琴里の考えを全て理解する。

フラクシナスへ戻らず、学校の近くで様子を見ていた彼女の考えを。

 

「…ええ。予定より早いけれど

ーー“出番”みたい。」

 

彼女はそう告げると、目を瞑り、ある繋がりを自ら断ち切る。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

士道は危機が去ったと思い、安心して一息吐く。

 

そして、身に纏っていた力が解ける。

 

「シドー!」

 

十香が士道の元へ駆け寄ろうと近づく。

 

「あぁ。」

 

士道が安堵の顔を浮かべるとーー

 

 

 

「あらあら。もう終わった気でいますの?」

 

 

 

まだ、終わっていなかった。

 

姿を気配を絶った彼女を完全に忘れていた。

 

士道達は再び、複数の狂三にガッチリと捕縛された。

 

「ぐぅ…」

 

士道は力を出し切ってしまい、真っ先に捕まってしまった。

 

「この!」

 

「…っ!」

 

「かはっ…」

 

十香達も疲労故に油断してしまい、あっさり捕まってしまった。

 

そして、士道の前に狂三が立つ。

 

「先ほどはお見事でしたわ。士道さん。」

 

狂三は額に汗をかき、疲労していたが、このタイミングを待っていたかのように笑う。

 

「きひ…きひひ。

士道さん達が力を使いきるのをお待ちしておりましたわ…

わたくしもここまで手間がかかるとは思いませんでしたの…」

 

彼女は息が上がったように喋る。

 

「ですが、お陰でーーあなたを美味しくいただけますの!」

 

狂三はそう言うと士道の頬に手を伸ばし、ペロリと食すよう動作をする。

 

「う…ぐ……狂三……頼む…やめてくれ。」

 

士道は苦しそうに狂三にお願いをする。

だがしかしーー

 

「きひ、きひひひひ!

ご冗談をよして下さいまし、士道さん。

わたくしはあなたを手にするためにここまで来たのでしてよ?

ーーさぁ、今度こそいただきますわ。」

 

「やめろー!!!」

 

十香が力一杯、抗いながら反発する。

しかし、狂三にその願いは当然叶わない。

 

「う…士道…」

 

折紙もまた十香同様に、士道を助けようとするも、力及ばず狂三の分身体に床へと押さえつけられてしまった。

 

「…」

 

真那も分身体に拘束されていたが、ダメージがでかく気絶していた。

 

「…十香…折紙…真那…皆。」

 

士道の顔は暗くなる。

 

「きひひひひ! きーひひひひひ!!

きひひひひ!!

あーっはははははははは!!!!!!!!!」

 

精霊は悪魔のように嘲笑う。

 

歓喜の時が来た!

 

目的を果たそうと!

 

狂三の笑い声を聞き、もう誰もがもう終わりだ。

っと思っていた瞬間。

 

 

 

 

 

「女性(レディ)がそんなはしたない笑いをするものじゃないわよ。」

 

空から聞き覚えのある声と共に、炎が狂三を襲う。

 

「っ!」

 

狂三は俺から離れる形で回避する。

 

難は逃れたが、俺は声のした空の方に目線を送る。

すると、そこにいたのはーー

 

「ーー琴、里?」

 

空にいたのは、五河琴里。

 

「その姿…」

 

和風の羽衣を身に纏い、頭部には二本の角を生やした姿であり。

 

お姫様のようであり、鬼のようでもあった。

 

「それに…その炎…」

 

琴里の周りの炎に士道は覚えがあった。

 

「何者ですの、あなた?」

 

狂三は銃口を琴里に向けて睨む。

 

「ただの通りすがりの妹よ。」

 

琴里はそう言うと、今度は俺の方をチラッと見る。

 

「“少しの間、返してもらうわよ”、士道。」

 

「…?」

 

琴里は手を出し“天使”の名を呼ぶ。

 

 

 

 

 

「ーー『灼爛殲鬼(カマエル)』!!」

 

 

 

 

 

琴里の呼び声に周りの炎が琴里の手に集中する。

 

そして、琴里が炎を握ると、赤い巨大な斧になった。

 

巨大な斧を狂三に向けて。

 

「ウチの士道を良くもまぁ、散々可愛がってくれたわね。

ーー跪きなさい。お仕置きの時間よ。」

 

士道を散々もて遊んだ挙句、弱った士道を手にしようとする狂三に殺意を向ける。

 

その殺気と言葉に狂三は面白おかしく笑う。

 

「きひひひひ!! お仕置きですの?

…随分、ご自分の力に自信あるようですけど、わたくしの刻々帝(ザフキエル)はーー」

 

「御託はいいから早く来なさい。

この黒豚。」

 

琴里の言葉に狂三は笑いをやめ、狂気の顔つきに変わる。

 

「上等。一瞬で終わらせてさしあげますわ!

【七の弾(ザイン)】!」

 

狂三は停止させる弾丸を放つ。

琴里はそれを薙ぎ払おうとする。

 

「避け…ろ! 琴、里!」

 

たが、士道の声は虚しくも聞こえず、琴里は停止してしまう。

 

「たわいない事。

ーー【一の弾(アレフ)】」

 

狂三は呆れたよう事を言いながら、自身に銃を撃つ。

 

周りにいた数体の分身は消え、狂三の姿も消える。

 

すると、琴里の周りを素早く動く何かがいた。

狂三だ。

 

狂三は素早く動きながらーー銃弾の雨を降らす。

 

ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ!

ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ!

 

「…ぁ…ぁ…」

 

次々と琴里の体を銃弾が貫く。

そして、最後に狂三は琴里の正面を立ち。

 

「それでは、ご機嫌よう。」

 

ダンッ!

 

最後の一撃で、琴里は倒れた。

大量の血を流しながら…

 

「…ぁ。」

 

士道は目の前で、可愛い妹を失った。

 

「きひひひひ!

口ほどにもない、貧弱精霊とはーー」

 

狂三は途中言葉を失う。

それはーー

 

「全く、派手にやってくれるわね。」

 

琴里はひょこっと起き上がった。

よく見れば、撃たれた所から炎が出ており、炎が傷を癒していく。

 

俺はその現象を見て、十香の時を思い出す。

 

「…アレは、あの時の…」

 

重症を負った時に、俺の傷を治すように現れた炎に。

 

「…どうゆう事ですの?」

 

琴里の現象に狂三は目つきを鋭くしていた。

 

しかし、その問いに答える事なく琴里は

 

「コレは礼よ。

焦がせーー灼爛殲鬼(カマエル)!」

 

すると琴里を中心に炎が屋上全体を覆い尽くすように広がり、狂三の分身達を次々と焼き払う。

 

「…っ! わたくし達!?」

 

狂三は驚きながらも、自身も炎に襲われダメージを負う。

 

「…んぐっ。」

 

無論、士道も範囲にいるため苦しそうにしていた。

すると琴里が俺の側まで近づき、炎の影響のない十香の方へ連れて行こうと服を引っ張る。

 

「士道。ここにいたらあなたまで危ないわ、十香達と逃げて頂戴。

ーー今のあなたは簡単に死んじゃうんだから。」

 

「…え?」

 

琴里の言葉に士道は困惑する。

 

 

 

 

 

「ぅ…ぁ…」

 

狂三の分身によって床に押し付けられて気絶しかけてた折紙は異変に気づいて意識を少し戻す。

 

「…っ!」

 

意識が飛びかけている中、周りが炎に侵食されつつあった。

一体何があってこうなったのか。

 

しかし、彼女は“この現象”を知っていた。

ーーそう、それは5年前のあの事件と同じ様な感覚であった。

 

そして、周りを士道の声のする所をみると、そこに“あの精霊”がいた。

 

「…ぁ…見つ…けた…っ!」

 

5年前、折紙の人生を狂わせた事件。

 

両親を奪ったあの火災。

 

鳶一折紙の探していた“両親の仇”

 

意識が遠くなっていく中、士道の隣にいる人物。

 

あのシルエットを知っている。

 

それは、あの時…上空に現れた存在

 

ーーアイツだ

 

殺してやる。

 

私から両親を奪ったように!

 

折紙は誓って、動こうとするも意識を失う。

 

 

 







はい、狂三編はここで終了です。
何か、途切れた感じだけど…

次回は番外編です。


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