デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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琴里編中間あたりまで来たかな?





第四話:自身

 

 

 

士道のデート権を巡る戦いは村雨令音の勝利で決着がついた

折紙は悔しい気持ちを抑えながら、AST本部へと足を運ぶ。

 

「…バストアップについてもっと研究すべき。

士道を振り向かせるには何としてでも…っ!」

 

夜刀神十香にデート権を取られなかったのは幸いだが、自分も取得できなかった

この悔しい感情を少しでも抑えるためにも訓練を積もうと考えたのだ

それは…以前ナイトメア、時崎狂三との一件で現れた炎の精霊をこの手で始末をつけるために

 

その様な事を考えていたら、隊長の日下部が手を上げて折紙に語る。

 

「折紙? 退院したのね…どうしたの?」

 

「何でもない。」

 

部下の悔しそうな表情を読んでか心配するも、折紙は問題ないと答える。

 

そんな話をしていると折紙は周りの見慣れないモノを運ぶ、運搬員達に目を向ける。

 

「一体何をしているの?」

 

「上からのお達しでね、真那宛に贈られたモノよ。

DW-029討滅兵装

ーー通称、ホワイト・リコリス。」

 

日下部がそう言うと、運搬車両が通っていく

その車両に乗っていたのは白い装甲が特徴の兵器だった。

 

大型レイザーブレード二本、50.5cm魔力砲二門

 

機銃やミサイルなどの武装を格納した大容量ウェポンコンテナを8基装備されている。

 

「AST一個中隊の火力を一個人にぶち込んだような頭のおかしいユニットよ。」

 

日下部の説明に折紙は思った。

 

ーーこれがあればイフリートをこの手で…っ!

 

「これがあればイフリートを倒すことはできる?」

 

「は?イフリート?

…てかアンタじゃ無理よ。

さっきも言ったけど、これは真那宛に贈られた実験機なのよ。

理論上では、精霊を倒せる見込みだけど…真那があの容体ではねぇ…それに、DEMの魔術師(ウィザード)でさえフル稼働に30分しか耐えられなかった代物よ。

そのウィザードがどうなったかわ…知らない方がいいわね。」

 

日下部が折紙にそう説明する。

 

「ともかく、アンタの技術、権利においてこのホワイト・リコリスを使用する事は出来ないわよ。

と言うより折紙は何でイフリートのことを知ってるのよ?」

 

日下部が驚く。

 

「それはどいう事?」

 

「どうもこうも…昨日のアンタの学校で起きたナイトメアとの一件に、火災が起きたでしょ?

映像に映っていた精霊がイフリートであると判断されたわ。」

 

日下部の言葉に折紙は強く反応する。

 

「その映像を見せてほしい。」

 

「え? あぁ、良いわよ。」

 

2人は移動する。

 

 

 

 

 

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「はぁ…大変だった。」

 

士道はフラクシナスの休息所にてジュースを飲みながら、鼻血を出した後の事を思い出す。

 

あの後、士道は大量の鼻血で意識を失いかけていた。

何とか十香達に水着を買わせる事には成功したが、士道自身の課題は増えていく一方だった。

フラクシナスへ戻った時にはもう士道の意識はなかった、士道は直ちに顕現装置を用いた治療を施さられた。

 

折紙は倒れた士道を看病しようとしたが、勝者の令音が看病しようと名乗りあげた際、静かに手を引いたそうだ。

その様子に令音達は驚いたが、どこか執念を燃やしていた。

 

「ハハハ、私は楽しく解説させていただきましたよ。」

 

「アンタは四糸乃以外に辛辣だっただけでしょ…」

 

半眼で神無月を睨む。

 

「当然でしょう!

ロリこそ至高! 貧乳こそ正義!」

 

力強く拳を握りしめる神無月だった。

 

「はぁ…しかし、こうもエロいのに弱かったのか俺は…」

 

「と言うより、十香達が攻めに攻めてトドメに君好みのスタイルの良い、村雨解析官の女体にキャパシティーオーバーを引き起こしてしまったというところでしょう。」

 

事実にぐうの音も出せなかった士道であった。

 

「しかし、一度経験をしたのです。

次は大丈夫かと思いますよ。」

 

「だと良いんですがねぇ…」

 

2人が駄弁っている中に

 

「よ! 盛り上がっているね〜」

 

夢界が現れた。

 

「…何だよ、バカにしに来たのか?」

 

「うん? …いやー面白かったよ色々と、士道がぶっ倒れたあげく最後には親指グゥは定番だったけど、見れて面白かった。」

 

ケラケラと喋り出す。

 

「くぅ…」

 

「ま、でもそれよりもだ…神無月さん、例の件は?」

 

今度は神無月の方を見る。

 

「はい、既に準備はできてます。」

 

「準備…? あぁっ!」

 

士道は何の事か理解した。

 

「あぁーー5年前の天宮市を襲った、火災の記録映像だ。」

 

 

 

 

 

士道達3人はある部屋にて記録映像を見る。そこに映しされていたのはまさしく5年前の火災だった。

 

「よく持っていましたね? この映像。」

 

「ラタトスクが全て秘密裏に買収していたそうだ。」

 

「…」

 

ラタトスクって本当に何なんだ?

そう思わずにいられない士道であった。

 

「あ、ここです。」

 

神無月が口にすると、映し出されていたのはーー

 

「俺と琴里…」

 

そう映っていたのは5年前の士道と琴里だった。

 

「…画質が荒いな。」

 

「仕方がないでしょう。

何せこの当時は火災が大きく、上空のヘリも危なかったそうですから。」

 

「…まぁ確かにーーあ、停めて欲しい!」

 

士道は5年前の自分達の場を見て違和感に気づいた。

 

「どうした?」

 

士道は琴里の方を指差す。

 

「琴里ちゃんがどうしたんだよ?」

 

「いや、その横にいるーー“彼女”は?」

 

「士道くん、横にいる彼女とはどう言うことです?

幼い司令しか映っていませんが?」

 

「…え? いやだって横にいるノイズの様な…え?」

 

自分が言っている事の矛盾に気づいた。

ノイズの様なボヤけた何かに士道は先ほど、“彼女”はと言ったのだ。

 

「…」

 

士道が深刻な顔をして顰める中、夢界は士道を見ていた。

 

 

 

 

 

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「これよ。」

 

日下部は折紙に映像を見せる。

そこに映し出されていたのはノイズの激しい映像だった。

周りは炎に包まれ更に見づらかった。

 

「…」

 

しかし、彼女はその映像を瞬きせずに見続ける。

そしてーー

 

「…っ!」

 

「そう、この少女がイフリートよ。」

 

そこに映し出されていたのはーー

 

「五河…琴里。」

 

そう、士道の事を詳しく知るために調べていた際、知った人物

彼女は五河琴里。

士道の妹だった。

 

「何か言った?」

 

日下部は小声が聞こえたように感じた。

 

 

 

 

 

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「はぁ…」

 

士道は自室のベットに横たわる。

あの後も士道は夢界と神無月と話し合ったが、2人にはそもそもノイズの様なモノすら見えなかったようだ。

 

「どうしてだ?」

 

そんな事を考えていたら疲れてしまったせいか、いつの間にか眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

「…うーん、ここは。」

 

ガシャッ

 

この音であの場所だと気がついた

士道は体を起こし、視線のする方へ動く。

 

「悩んでいる所申し訳ありません。

怪盗さん。」

 

ラヴェンツァが語る。

 

「…いや、構わない。」

 

「ありがとうございます。

まずは時崎狂三…ナイトメアの一件、お疲れ様でした。」

 

「お疲れ様…か。」

 

狂三は救えなかった…いや、敗北したようなモノだけどな。

 

「いえ、彼女はプリンセスやハーミットと違い、救いを求めておらず、明確な目的を抱いている。」

 

…やはり、そうか。

 

「アナタも勘付いてはいた筈、しかし我々は彼女の目的を知るすべはありません。

何とか乗り越えられた。

それだけでも大きな一歩だと思います。」

 

ラヴェンツァはそう言って俺を慰めてくれた。

 

「それでも…」

 

士道は言いかけたが、ラヴェンツァはそれを止める。

 

「いいえ、それで良いのです。

アナタはようやく己の武器とペルソナの力をまともに使え始めてきたのです。

問題はここからです。」

 

あ、そうだ。

 

「武器。ナイフと銃をありがとう。

キミが助けてくれなかったらどうなっていたやら。」

 

士道はそう言いながら頭を掻く。

しかし、ラヴェンツァは淡々と語る。

 

「助けた…いえ、何のことでしょう?

武器はアナタ自身の力で切り開いたのです。」

 

そう言うと、彼女は持っていた大きな本を広げ顔を隠す。

 

「…え?」

 

「フフフ。」

 

戸惑う士道に、ラヴェンツァの意図に第三者のイゴールはほくそ笑む。

 

「仲が良いのは結構です。」

 

イゴールはニコニコとしながら本心を告げた。

しかし

 

「次に待ち受けている試練はアナタの妹君。

彼女自身もまた簡単にはいかなさそうです。」

 

そう言うと、机の上に水晶のようなモノを出し光り始めた。

 

「彼女とアナタは仲が良い様で、そうではないようです。」

 

「何…?」

 

イゴールの言葉に士道は目を細め、怒りを込める。

 

「アナタ達はそれぞれ何かを隠しながら接している。

それはまるで仮面をつけた状態で会話をしているかの様に…

我々の事を隠してくださっている事には感謝しておりますが…

アナタ自身の事を彼女に告げても良いのではないですか?」

 

水晶に士道と琴里がピエロの様な仮面をつけた状態で笑っているように見せる。

 

「俺自身?」

 

どう言う事だ?

俺は何も…

そんな俺を本を畳んだラヴェンツァが見て語る。

 

「…まだ、アナタ自身も気づいていないのですね。」

 

彼女は少し同情するかのように寂しげな顔をする。

 

「どういう事だ?」

 

「いえ、これはアナタ自身が答えを見つけ出さなければなりません。」

 

強く彼女は告げる。

 

「俺自身の隠している事…」

 

士道は悩むも答えが見つからない。

 

「…時間がありませんが、アナタならきっと見つけられる筈です。」

 

ラヴェンツァは士道を見て告げる。

 

「最後に、ナイトメアと交戦したあの怪物について。

ーーアレは“シャドウ・トークン”。

シャドウが強力な集合体となったモノ。

アレに取り憑かれたら精霊であろうと抗えない。

お気をつけください。」

 

「なっ!? それはどういうーー」

 

士道は問いかけるも、ラヴェンツァが言った通り時間になってしまい、夢は覚める。

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

「おい!」

 

勢いよく起きる士道。

しかし、既にベルベットルーム(夢)から覚めてしまっていた。

 

「…」

 

士道は頭を抱える。

琴里に隠している事、シャドウ・トークンと呼ばれる怪物の事、そしてーー

 

「何より今の琴里を救わないと。」

 

士道は気持ちを切り替える。

 

 

 

 

 

時刻は9時半。

 

今日は琴里とのデートの日だ。

まぁ厳密に言うと十香達も含まれているからデートと言えないだろうけどな。

 

『おはよう、シン。準備はできているかな?』

 

耳につけているインカムから令音さん声が聞こえた。

 

「おはようございます、令音さん。

はい、準備万全です。」

 

『…それは何よりだ。』

 

令音さんはそう言うと、いつもと変わらない筈なのに何処か、少し悲しげな声をする。

 

『昨日はすまない。キミを困らせるつもりはなかったのだが…』

 

「いえ、寧ろ楽しかったです。

ありがとうございました。」

 

昨日の事を思い出して、士道はメガネをキランっと光らせて答える

彼の心拍数が変化したのか、令音は少し戸惑った声をする。

 

『…そうかい? キミがそう言うなら、私自身も気が晴れるよ。』

 

そう言うと令音さんは「んんっ!」と気持ちを切り替えて士道に告げる。

 

『さて、これからキミは琴里達とプールに行ってもらう。

くれぐれも他の女の子に見惚れられない様…注意したまえ。』

 

「は、はい。」

 

令音に忠告され身を引き締める士道。

しかし、士道は最後の「注意したまえ」と言う言葉に少し違和感を感じた

それはまるで、自分の男を他の女に気を取られない様、釘を刺すようなモノだった。

 

「おーす。」

 

すると近くから声が聞こえた。

その人物を見て士道は気分を変える。

 

「何でお前までいるんだよ?」

 

そう夢界藍だった。

 

「いやー、俺もどうかと思ったけど、昨日の一件で令音ちゃんがキミに任せると言われちゃってなー。

まぁ要するに、裏方バックアップだよ。」

 

『昨日の様に、私がキミを困らせるわけにはいかないからね。

これがベストだと判断させてもらった。』

 

令音はそう告げる。

しかしそれは、本来なら彼女がバックアップとして来る予定だったと言っているかの様だった。

 

「…」

 

クソっ!

何で昨日鼻血だしてしまったんだ! 俺!

令音さんの水着姿が!

 

士道は心底悔しそうに心の中で後悔する。

そんな士道を見て肩をポンと叩く。それは同情している者の行動だった。

 

「あぁ分かる。分かるよ、士道。

令音ちゃんの水着を再度拝んで、かつ一緒に遊びたかったよな。」

 

うんうん。

と頭も振るっていた。

 

「え、あ、それは。」

 

カミングアウトされてしまったのか士道は戸惑う。

そのためか心臓をドクンッ!と強く反応してしまう。

 

『…そうなのかい?』

 

「え! あ、それは、そのぉ…」

 

士道は答えを失う。

返す言葉が出てこなくて困惑する。

 

『…まぁ、どこかの機会でキミの要望に応えるとしよう。』

 

そう言われて、士道は元気を取り戻す。

 

「わっかりやす笑」

 

「おい笑うな、しかもお前のせいだし!」

 

「えー? 俺のせいなのー?」

 

ギャーギャーと顔を少し赤らめ文句を言う士道と、面白がる夢界。

この2人のやりとりはどう見ても仲の良い親友同士の会話だった

その様子を見て、普段見られない士道の姿に微笑ましさを感じるフラクシナスのクルー達だが、時間は過ぎていく。

 

『お楽しみの所、すみません士道くん。

それに夢界くんーー時間です。』

 

インカムからの神無月の言葉に士道達は真剣な顔つきになる。

ついでに神無月に言われてしまったためか、思わず「ハッ!」とするクルー達も真剣になる。

 

「じゃ、俺はここで。」

 

夢界は先にプールの方へ向かう。

 

『シン、琴里がまもなくそちらに到着する。

気を引き締め、彼女のフォローも忘れずにね。』

 

令音がそう言うと、士道に向けて声をかける人物がいた。

 

「士道。」

 

それは琴里だった。

彼女は普段と何も変わらない筈なのだか、服装やお化粧をしている様な、まるで恋人と会うような格好をしていた。

 

「お、おう。琴里。

そのぉ…おめかししてくれたんだな。」

 

士道は琴里の普段とは違う事に気づいてか、頬をかきながら問いかける。そしてその士道の問いに珍しく、ぷいっとそっぽをむき、頬を赤らめる琴里であった。

 

「ん、まぁね。」

 

すると、インカムから神無月の声が聞こえてきた。

 

『良いですよ士道くん。

さすがは稀代のプレイボーイです。

そのまま行きましょう。』

 

「誰が…プレイボーイだ…」

 

インカムからの声に小声で困惑する士道。

しかし、それを見逃さない琴里だった。

 

「…あぁ。神無月からの指示だったのね。

それとも令音かしら?」

 

不機嫌なオーラを出し始める琴里ちゃん。

まぁ当然の反応だろう。

 

「な訳あるか。本心だよ。

ちょっと五月蝿いやつから余計な事を吹き込んでくるモノだからつい反応しちゃっただけだよ。」

 

「ん…そうなんだ。」

 

士道の昔ような反応に琴里は少し戸惑う。

普段紳士に振る舞っている士道も好きだが、彼女としては昔の士道の方が好印象なので、今の士道の反応に思わず嬉しいと思う琴里だった。

 

因みにこの後、神無月はクルー達によって制裁を受ける。

 

「…でも褒められるのは悪い気がしないわね。」

 

モジモジとする琴里。

普段見られない反応に士道は可愛いと思い始める。

 

「おー! シドーいたぞ!」

 

「士道さん…おはようございます。」

 

《グッドモーニング!》

 

…2人だけの空間に士道は十香達が来ることを忘れていた。

 

「あぁ、おはよーーっ!?」

 

士道は横にいる琴里の変化に驚愕する。

今の琴里ちゃんは怒りのボルテージをあげ、「ゴゴゴゴゴ!!!!」と見えない筈のものが見えていた。

 

『…しまった。逆効果になってしまった。

つい…その…何だ…頑張って欲しい、シン。』

 

令音さんはこの日初めて普段のクールさが見られず困惑していた。そのためか、つい士道に責任を投げてしまった。

 

な、何ですとー!?

 

琴里は理解したのか危ないオーラを殺して、いつも通りに2人に接する。

 

「思い切った行動するのね、士道?」

 

ニコっとするが、士道はその笑顔が怖かった。

汗をアニメの様に大量に流すも言い訳をする。

 

「えーっと、アレだよ…最初は琴里だけで行く様にプランされていたけど、そのぉ…

十香達だけ置いてけぼりにすると、不機嫌になっちゃうといけないかなーって思って…はい言いました。」

 

何とか言い訳をしてみる。

とりあえず、後で令音さんの手柄を取った部分は謝ろう!

 

「…へぇー。」

 

琴里の対応は、ダメな彼氏の言い訳をするのを聞く反応だった。

琴里は士道を無視して十香達と会話する。

 

「2人共ちゃんと水着は持っているのかしら?」

 

「うむ! シドーが昨日買ってくれたのだ!」

 

「はい…私も持ってます。」

 

2人の反応に琴里はどこか、表情を悪くする。

 

「へぇ…優しいのね、士道?」

 

またニコッと返す琴里。

もう色々と怖い。

 

「い、いやー…提案していくれたのは令音さんで…俺の我儘に対応してくれてさ…」

 

「…ふーん。」

 

「…」

 

汗水が滝の様に流れる士道。

もう既に死の一歩手前の状況である。

 

「さ、行きましょ、行きましょう。」

 

琴里は士道を無視してオーシャンパークへと向かう。

 

「うむ!」

 

「はい…」

 

十香の無邪気な笑みと四糸乃の控えめだが楽しみな顔だけが、士道の傷口を癒していた。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

「何とか向かいましたね…」

 

椎崎がホッとしながら溢す。

 

「そうねー…この後士道くんの安否が心配だけど…」

 

箕輪が士道の生死を心配していた。

 

「私はその仕打ちを受けたいものです〜。」

 

くねくねしながら、頬を赤らめ、変態顔しながら神無月は言う。

その表情はハッキリ言ってアウト。

 

すると、周りのクルー達はギロッとした視線を送る。

 

「大体! 副司令が士道くんに変な事を言いかけた所から悪いのでは!?」

 

指をさしながら中津川は言う。

 

「そうそう! きっとそうよ!」

 

「反省してください!」

 

箕輪と椎崎が中津川の意見に同意しながら神無月に文句を言う。

他の男性2人もうんうんとしていた。

 

「おや、私のせいなんですか〜?

いいじゃないですか、プレイボーイ。」

 

本人は全く悪気はない。

おそらく今の彼の頭は本来のプレイボーイの意味を履き違えて違う意味に捉えているのだろう。

ドMの方向に。

 

ギャーギャー騒めく中、1人映像を見ながら村雨解析官は考え事をしていた。

 

「…シン。」

 

彼女の頭の中では、心配と不安で混雑していた。

 

何故、キミは私の悪い所までを背負ってしまうんだい?

 

士道は令音に悪い印象をつけない様、自分の決めた様に語っていた。

それが彼女にとって不安で仕方なかった。

今回のプランは完全に令音の失敗だった。

実は、彼女が十香達を同席させた理由は不機嫌にならないためではなかった。

その目的は狂三のように、1人の女性にデレデレする彼を見たくなかったからである。

他の女性が一緒なら…それも身近な彼女達ならば大丈夫だろうと勝手に意味も無しに思い込んでしまったのである。

 

私は、“何を焦っているのだろう?”

 

焦る必要なんてない。

ーー全て上手くいけば、“士道”は消えるだけなのだ。

そう、その通りだ。

 

しかし、その気持ちでいると胸が苦しくなっていた。

自分の変化に令音は士道の現状を心配し、自分の変化に混雑していた。

 

 

 







一旦、キャラ設定【味方】を内容を大幅に変更したいなと考えてます。内容はこのシリーズに登場するデアラには出ないキャラを書いた方が良いかなと判断しました。

何やかんや令音の視点が多くなってしまう。
それだけ僕が令音さんというキャラが好きなんだって思ってしまった。

それと、士道が琴里に隠している事は…隠し事ではないのです。
じゃぁ、隠している事じゃないじゃんと思うかもしれませんが、自分の知恵ではこう表現しかできませんでした。
答えは後々判明します。


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