デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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琴里編後半かな?

今更だけど士道の設定ややこしくしたの失敗だと思う。
なぜこうなったんでしょう。
簡潔にしなかった自分が悪いんです、はい。
設定盛り盛りにしすぎてしまったのを反省しています。

それにしても関係ない話、地獄楽の佐切めっちゃ可愛いよね。
可愛いよね。
CVも花守ゆみりさんで良いし、出してみたいなぁ…出したいなぁ…





第六話:悪夢

 

 

 

ガタガタガタ

 

「…」

 

琴里は絶賛汗だくになっている。

その訳は--

 

「そろそろだぞ琴里! 楽しみだな!」

 

士道は今までにないくらい穏やかになっている。

 

「…士道なんかキャラが変わって--」

 

ゴオオオオオンッッッッッ!!!!!

 

それは勢い良く下へ落下する!

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

「おおぉぉ!!!」

 

少女はウォータースライダーの時よりも涙目になっていた。

その姿は…そう、まさしく何処にでもいる女子中学生の悲鳴だった。

 

片や隣で普段冷静で落ち着いている青少年もまた何処にでもいる高校生男子のように叫び楽しんでいる。

 

 

 

 

 

「よし、今度はアレに乗ろう!」

 

「…ちょっと待ってよ、士道。」

 

「こら、琴里! 兄に呼び捨てはないだろ?

いつも通りお兄ちゃんと呼べ!」

 

「え?

そんなキャラでもないでしょ、しど…お兄ちゃん。」

 

戸惑うもちゃんとお兄ちゃんの言う事を聞く、何処にでもいる妹。

 

 

 

 

 

「…ねぇ…勢いよく乗っちゃったけど、コレ…」

 

「楽しみだな。俺、今凄くワクワクしている!」

 

「…へ、へぇ。そうなの…」

 

「お、そろそろみたいだな。

よし、行くぞ!」

 

「行くぞって、お兄ちゃんの指示で動くわけじゃ

--わぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」

 

またもや悲鳴をあげる。

普段では見られない光景だ。

 

 

 

 

 

「…ねぇお兄ちゃん?

本当にどうしちゃったの?」

 

「ん?

あぁ、せっかくの遊園地なんだ、楽しまないと損だろ?」

 

「…だってぇ」

 

琴里は士道の半袖の裾を強く握りしめながらオロオロとする。

今、士道達がいる場所なお化け屋敷。

琴里はお化けが苦手だったのだ。

 

「どうした? もしかして怖いのか?」

 

「そ、そんなわけ--」

 

「ほら」

 

そう言って士道は琴里の手を優しく握る。

 

「〜〜〜!!!」

 

琴里は顔を赤くし、これまでにない乙女の顔になる。

 

「大丈夫。俺がついてるから、怖くない。」

 

「…うん。」

 

士道達はお化け屋敷を進んでいく。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

「士道くん、なんか変わりましたね。」

 

椎崎はそう呟く。

 

「だよな、中々やるじゃん。」

 

夢界も顎に手をやりニヤニヤとしていた。

 

「むぅ…」

 

「…っ!」

 

十香と四糸乃は羨ましそうに見ていた。

 

「…そうだね。見ていて微笑ましい光景だ。」

 

令音は感心しながら士道達を見守っていた。

その表情はまるで子供達を見守る母のような眼差しで。

 

…しかし、この良い雰囲気を台無しにする男が1人。

 

「士道くん! そこは怖がって司令に抱き締める所でしょうにー!

司令の小柄でしなやかなお体を堪能できるチャンスだというのにー!」

 

「んもー!」と文句を言う神無月(ド変態)。

そんな彼を見て、クルーの女性2人は呟く。

 

「士道くん、インカムを解析官に渡して正解でしたね。」

 

椎崎の意見に箕輪がこくりと頷く。

 

このまま何事もなく霊力を封印して欲しいと願う。

しかし、現実はそう上手くいく事は--

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

夕方。

 

周りに人が帰る中、士道達はベンチに座っていた。

 

「あー、楽しかったな。

遊園地を甘くみていたな、最後に行ったのはいつ頃だったかな?」

 

楽しかったため、瞳を閉じて満足そうに語る士道。

隣で士道に振り回された琴里は不服そうな表情で答える。

 

「5年前よ。」

 

「そうかー。よく覚えていたな。」

 

「…当然じゃない。

楽しかったんだもん。」

 

恥ずかしそうにする琴里。

しかしその声はどこか寂しそうにして--

それを察知して、士道は琴里の背後から手を回し琴里を抱き寄せる。

 

「にょわ!?」

 

あまりにも大胆な行動に琴里は真っ赤にしてすっ飛んだ声をあげる。

幸いにもというべきか、周りに人はいなかった。

 

「し、ししし士道?」

 

「--悪かったな。」

 

「へ?」

 

琴里は士道の顔を見る。

士道は真剣な眼差しで語る。

 

「…思い出したんだ。

あの頃の俺は--あまり笑っていなかったってさ。」

 

士道は思い出す。

これまでの自分を…

親に捨てられ、落ち込んで、それを引きずって全然笑っていた事なんてなかった。

 

「けど、デートをして思ったんだ。

こうやって羽目を外して遊んだりするの楽しいよなって。」

 

「…う、うん。」

 

「だからさ琴里、その…俺達はちゃんと向き合わないとダメなんじゃないかと思うんだ。」

 

イゴールの言っていた事…

それは、互いに何かあった時は話し合ったりするのが大切だという、“当たり前の事が出来ていなかった”のだ。

 

俺は琴里をじっと見る。

 

「琴里。」

 

「は、はい。」

 

琴里は何かを期待するような顔をして返事をする。

 

「…」

 

士道は琴里を見つめながら思い出す。

5年前、あの火災は突然起きた。

士道は琴里に何か用があって探していた。

探し回る中、あの火災は発生した…そして、琴里が泣いていた。

 

…やっぱり妙だ。

琴里が折紙の両親を殺したとは全く思えない。

辻褄が合わない気がする。

だから、ちゃんと向き合うためにも聞こう。

 

「お前に聞きたい事がある。」

 

「キ、キスだなんて、こんな場所で…っ!

…え?」

 

「ん?」

 

2人の間に妙な空白が生まれる。

 

「えっと、琴里?」

 

「な、何よ! 聞きたい事って!」

 

琴里がうぎゃーとしながら士道の要望に答えようとする。

 

「…あぁ。

5年前、琴里は--」

 

士道が言いかけた途端、士道の周りに緑色の何かに展開される。

 

「!?」

 

咄嗟に士道は琴里を庇おうとするが、緑色の何かに阻害され倒れる。

そして--

 

ドガーンッッ!!

 

琴里の座るところに爆発が発生する。

煙が晴れると琴里はいなかった。

 

「琴里…琴里ぃーー!!!」

 

琴里の名を叫ぶ士道。

そして、上空から視線を感じ取り反応する。

そこにいたのは--

 

「--折紙。」

 

そう折紙だった。

しかし、今の彼女の姿はこれまでに見た事のない兵器を纏っていた。

 

「士道、ここは危険。今直ぐ、離れて。」

 

[うわぁぁぁぁーーーーっっっっ!!!!]

 

周りの人達がその場から逃げるために走っていく。

空に謎の兵器を纏った折紙を見向きもせず、ただ逃げていく

そして、士道は拳を握りしめ、上空の折紙を見る。

 

「折紙…お前、今何をしたのかわかっているのか!?」

 

「五河琴里を殺した。」

 

士道の怒りの問いに、冷静に冷たく答える折紙。

 

「殺した…ね。随分とお手軽に言ってくれるじゃない。」

 

声のする方へ士道は顔を向ける。

そこにいたのは手のひらを突き出していた琴里だった。

 

「鳶一折紙。アナタはまだ賢明な人だと思っていたけど。」

 

「…私を知っている?」

 

「さぁ…少なくても警報も鳴らさずに民間人のいる中、ミサイルをぶっ放すクレイジーな女なんて知らないわね。」

 

「…っ!」

 

琴里の言葉に目つきを鋭くし、銃弾の雨を琴里に浴びさせようとする。

しかし琴里は引かず、炎の防壁で守り、静かに口を開く。

 

「--『神威霊装・五番(エロヒム・ギボール)』!」

 

その言葉に琴里の体に変化が起きる。

炎が琴里を包み服を燃やし、霊装へ変化し纏う。

 

「灼爛殲鬼(カマエル)!!」

 

琴里は大斧を出現させ構える。

霊装を纏い、武器を構えた琴里の姿を見て、折紙は怒りを露わにする。

 

「…っ! イフリートッ!!」

 

折紙はホワイト・リコリスをフル活用して琴里を襲う。

 

ドッガァーーンッ!!!

 

ミサイルなどを酷使し周りなどお構いなしにイフリートとなった琴里を攻撃する。

 

「ぐぅっ…ぐわぁっ!」

 

士道の方には幸い当たらなかったものの爆風により士道は吹っ飛び倒れる。

 

「2人を…折紙を止めなきゃ!」

 

士道は体を起こす。

 

「ペルソナッ!」

 

士道もその名を口にし、姿を変える。

怪盗を纏いルパンとなった士道は空中で戦う2人を見る。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

フラクシナス

 

「まずい事になったな。」

 

船内の大型モニターから士道達の現状を把握する。

 

「ドラマチックな展開からバイオレンスの展開になった以上こっちもただ見ている訳にはいかねぇよな。」

 

「…当然さ。」

 

夢界の言葉に解析官の令音が反応する。

 

「まずは速やかに他のASTの姿を確認してください。

それに例のシャドウも出現していないか探知してください。」

 

冷静に指示をする副司令の神無月。

先程までモニター越しから気が狂ったような言動が一瞬でなくなる。

 

「夢界! 私達も士道達を助けに行きたいぞ!」

 

「わ、私も…です。」

 

《このまま見ていられないよねー。》

 

今の士道達を見て黙って見ていられない精霊2人。

 

「ま、そう来るよな。」

 

そう言って夢界は十香にインカムを渡す。

 

「そいつを士道に渡してあげな。

こっちの指示も聞こえる様に。

それから十香ちゃん達のも。」

 

そう言って十香達の分も渡す。

 

「…十香達も現場に行かせるのかい?」

 

令音が意見をする。

 

「黙って見ているのが無理な話でしょ。

それに、士道1人の方が危険だと思う。」

 

夢界の言葉に令音も黙り込む。

 

「それじゃまぁ、令音ちゃんの言い分も分かるから念の為聞くけど、2人とも危険な所に行かせちゃうけど、大丈夫そう?」

 

夢界がわかったように聞く。

十香達は自信に満ちた表情で、服と霊装を合わせた格好(半精霊化)に変身し告げる。

 

「うむ。士道を助けたい。」

 

「私も…です。」

 

「よぉし! んじゃ、転送しちゃおう!」

 

そう言うとケータイ…スマホを取り出し操作する。

すると、十香達はワープしたかの様に消える。

 

「いつの間にフラクシナスのシステムに同調させたんですか?」

 

「俺ハッカーだよ? これくらいは朝飯前。

なぁに、何でもかんでもハッキングはしてないよ。

ただ非常事態に合わせて少しな。」

 

緊急時なため、神無月はこれ以上は問わなかった。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

「随分と行儀の悪い武器を使うわね。」

 

空中で折紙と交戦する琴里は折紙の見慣れない兵器を見て言う。

そんな余裕にしている琴里を見て、折紙は眉間に皺を寄せて仕掛ける。

 

「随意領域(テリトリー)展開

--座標固定!」

 

琴里の周りに緑の球状の領域が形成される。

そして、すかさずミサイルの雨をそのドームにぶち当てる。

 

「はぁ…はぁ…」

 

息を荒くする折紙。

当然である。

ホワイト・リコリスはDEMの魔術師を30分しか耐えられなかった…

否、実際は耐えられなかったどころかその魔術師は廃人となってしまったのだ。

その欠陥品を折紙はイフリートを殺す。

その信念だけで動かしているのだ。

 

「…やってくれるわね。」

 

煙から晴れると、無傷の琴里が姿を現す。

しかし、ガードしていた裾はボロボロになっていた。

 

「新型かしら…っ!」

 

突如、琴里に異変が生じる。

精霊化により薬が切れ頭痛が襲う。

 

「…っ!」

 

そんな琴里を見て折紙は威勢を取り戻し再度攻撃を行う。

 

「随意領域(テリトリー)展開

--主砲(ブラスターク)!」

 

再び随意領域を展開し、緑の球状領域が琴里を包む。

今度はミサイルではなく主砲から緑の特大ビームを放つ。

 

「…っ!」

 

琴里は先程より数段上の攻撃が襲ってくると覚悟すると--

 

 

 

 

 

「させるかぁぁー!!!」

 

 

 

 

琴里を庇うように士道はアルセーヌを顕現させ守る体制に入る。

士道は黒炎を最大にナイフに纏うように発火させ振り下ろし、アルセーヌは大翼でガードする体制になり、折紙の放つ主砲を防ぐ。

 

「ぐぅっ…うぅ…あ…ぁ…く…うぅ。」

 

出力の高い砲撃を耐えているも、精霊ではない士道には相当応えた。

 

「…っ! 士道!?」

 

士道が盾になっていると気づいた折紙は咄嗟にビームを止める。

 

「ぐぁっ…」

 

「ぁ…お兄…ちゃん…」

 

士道が落下する中、琴里は随意領域を破壊して士道の体を支えるようにして地上に降りる。

折紙も同じタイミングで地上に着地する。

 

「士道、邪魔をしないで!」

 

「そんな訳にいくか…っ!」

 

折紙の問いに士道は痛みに耐えながら拒否する。

 

「士道には教えたはず…

私は、私の両親を奪った精霊を…

イフリートを殺すためにASTに所属した!

彼女を殺す事が私の存在理由!」

 

折紙の言葉に、何よりその目に士道は少し前の事を思い出す。

 

 

 

 

 

『慣れていやがりますから。』

 

 

 

 

 

あの時の、濁った目をした真那と今の折紙が重なって見えた。

 

「駄目だ。」

 

士道は直様その言葉を告げる。

 

「お前まで、そんな風になっちゃ駄目だ!

俺はそんな折紙を見たくない!」

 

「…」

 

「お前の両親を奪ったのは

--きっと違う人物だ。」

 

「…っ!? 違う!!

お父さんとお母さんを奪ったのは、“あの日、上空から放った”イフリートのせい!」

 

折紙は動揺する。

 

「なら、尚更違う!

あの火災は間違いなく、琴里が起こしてしまったのだろう…

けど、あの場には俺と琴里と“彼女”しかいなかった!

琴里がお前の両親を殺してなんかいない!」

 

昨日、神無月が見せた映像に映っていたノイズのようなモノ。

それは間違いなく女性であると士道は直感的だが確信していた。

 

「し、どう?」

 

士道の語る言葉に琴里は驚く。

しかし…

 

「認めない。士道が言っている事はイフリートを庇うためのもの。

…邪魔をするなら--」

 

折紙は主砲を士道と琴里に向ける。

 

「くぅ…」

 

ダメなのか…っ!

彼女を止めることは出来ないのか…っ!

 

士道が頬に汗をかき、万事休すかと思いきや--

 

 

 

 

 

「シドー!」

 

「士道さん!」

 

 

 

 

 

主砲に斬りかかる十香が、士道達の前に守護するように四糸乃が現れた。

 

「十香! 四糸乃!」

 

「無事だな、2人とも。」

 

「良かったです。」

 

《間一髪だったねー》

 

3人?は士道の身を安否する。

何故ならその内の一体、喋っていたのは兎だった。

 

《あれ? なんか失礼な事を言われた気がするなぁ》

 

「何をいっているんだ?」

 

突如コントのようなくだりになるが、瞬時に現実に戻る。

 

「アナタ達に構っている暇はない!」

 

折紙は上空へと飛び、ミサイルの雨を降らす。

 

「士道! 琴里を連れて逃げろ!」

 

「だが、十香達が!」

 

「士道さん…大丈夫です。

私達が、食い止めます。」

 

《何とか食い止めるよー!》

 

「だけど…っ!」

 

 

 

 

 

「心配いらないわよ、士道。」

 

 

 

 

 

ゆらりと立ち上がる琴里。

しかし、琴里は普通ではなかった。

狂三と戦った時と同じ赤紫色の炎を体から放出し、武器を構える。

 

「私とお兄ちゃんの邪魔をする者は誰であろうと許さないっ!」

 

狂気に取り憑かれた表情になり、上空で戦う十香と折紙の所へ向かう。

 

「琴里!?」

 

そんな士道の声も届かなかった。

 

ギイィィィィンンッッッ!!!

 

琴里の斧が折紙のホワイト・リコリスを壊そうと攻撃する。

 

「な、琴里! 下がっておれ、ここは私と四糸乃が--」

 

「アンタは邪魔。」

 

「ぐぅ…」

 

琴里は十香を吹き飛ばし折紙へ再び攻撃し始める。

 

「十香!」

 

士道は体勢を直して、十香はお姫様抱っこのようにキャッチする。

 

「し、シドー。」

 

「大丈夫か?」

 

「うむ、しかし、琴里が…」

 

十香は琴里を見る。

 

「あぁ…アレは。」

 

遠ざかっていく琴里と折紙を見る。

 

 

 

 

 

「ほら! ほら! どうしたの!?

あれだけほざいといて、この程度?」

 

ギィィンッ! ギィィンッ! ギィィンッ!

 

斧を振り下げながら、狂気に呑まれた琴里は告げる。

 

「く、くう…やっぱりアナタが--」

 

「はぁ? 知らないわよ、アナタの両親の事なんて。

士道も言っていたでしょ?

それに私はあの時、気が動転してて身動き取れていなかったもの。」

 

「…!?」

 

折紙は驚愕する。

 

「(イフリートがやっていない…!?

だとしたら誰が…!?)」

 

「それより、よくも私の士道を傷つけてくれたわね!?

士道の事も信用できず、殺そうとして、よくもまぁ!」

 

士道を傷つき、主砲を向けた事により、自分の制御ができずに狂気に呑まれてしまったのだ。

そして、防御領域にヒビが入り--

 

パリーンッッ!!

 

破壊されてしまった。

 

「…っ!? しまった!?」

 

「これでおしまい!!」

 

「ああ!!」

 

機体と共に地上に落下する。

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

「司令!」

 

神無月が咄嗟に驚くも。

 

「あぁ…あの冷たい視線の司令。

はぁ…はぁ…私に攻めてもらいたいものです…」

 

この状況でも神無月は神無月(変態)だった。

 

「良い加減にしてください! 副司令!

今はそれどころではないです!」

 

「そうです! 司令の数値がドンドン下がっていきます!」

 

モニターに表示されている琴里の精神状態が見る見る下がっている。

その数値は既に赤線(レッドゾーン)に突入していた。

 

「…」

 

夢界はモニターを見つつ、スマホに集中していた。

 

「夢界藍、何をしている?」

 

令音が不自然な夢界を見ていう。

 

「妙なんだよ。」

 

「…妙?」

 

「あぁ…こっちではシャドウの方を検知しているんだけど…全く姿が見えない。」

 

夢界の言葉にクルー達も反応する。

 

「十香ちゃんや四糸乃ちゃんに狂三ちゃんの時も現れた。

なのに今回は一向に現れない。

妙すぎるだろう。」

 

「た、確かにあの変な物体の姿が全く現れませんね。」

 

中津川も同意する。

 

「アイツらの存在も目的も未だ何もかもわからないけど、少なくとも精霊達が暴れている時は必ず現れている。

なのに、未だにその姿を表さない

…やはり、妙としか思えない。」

 

「…確かに一理ある。」

 

令音も夢界の意見に同意した。

 

「…嫌な予感がするな。」

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

士道達は折紙の機体が落ちた場所に向かっている。

 

『士道聞こえるか?』

 

インカムを十香に渡され耳につけた途端に夢界の声が入る。

 

「あぁ。」

 

『急ぎながらで良い、聞いてくれ。

まず、モニターから見て折紙ちゃんはあの機体を壊され地に伏している。』

 

「…っ!? 折紙は無事なのか!?」

 

『…あぁ。何とかな、煙に紛れて折紙ちゃんはその場を離れて近くの建物に隠れてる。

で、琴里ちゃんは機体を完全に破壊しつつキョロキョロしている。

おそらく、折紙ちゃんを狙ってる。』

 

「なら、急いで向かわないと!」

 

『なぁ士道…妙じゃないか?』

 

「妙?」

 

『シャドウの姿が全く見られない。』

 

夢界の言葉に士道は少し動揺する。

 

『俺が密か作ったシャドウ感知システムを使っても、全く反応がない。

姿もモニターを見ても見られない。

妙だとは思わないか?』

 

「…」

 

夢界の言葉に戸惑うも。

 

「今は琴里優先だ。」

 

そして、間も無く士道達は琴里のいるところへ辿り着く。

 

「琴里!」

 

琴里を見かけて呼ぶ。

 

「あら、士道? 大丈夫?

安心して、私達の敵は皆んな焼き殺すから。」

 

言動からわかる。

今の琴里は危険だ。

斧の形を変え大砲の状態にし、建物を壊していた。

 

「待て、その必要はない。

今からお前の霊力を封印--」

 

士道が言いかけた所で

 

『シン! シャドウの反応が急に出現した!

キミ達の周りにいる!』

 

令音の声に驚くも、目の前の光景に目を奪われる。

 

「な、何? 何なのこれ?」

 

琴里の周りに突如出現したシャドウ。

琴里を囲み逃げられないようしていた。

 

「なら上に--」

 

琴里が空に飛ぶも。

シャドウ達が円状になり、琴里に向けて触手のような何かで琴里を拘束する。

 

「な、何?」

 

「琴里を離せ!」

 

銃を取り出し、士道の攻撃と合わせて十香達も仕掛けるが、シャドウ達は邪魔はさせないと抗う。

 

「クソ、この、邪魔だ!」

 

「っ! このままでは琴里が!」

 

「琴里さん…っ! 士道さん琴里さんが!?」

 

四糸乃の声に琴里の方を見る。

すると、いつの間にか狂三の時と同じ禍々しい怪物

--シャドウ・トークンへと姿を変え琴里を--

 

「お兄ちゃん…!」

 

 

 

 

 

琴里はシャドウに取り込まれてしまった。

 

 

 







琴里ちゃんが吸収されてしまいました。
さぁどうする士道くん。
今のキミに琴里ちゃんを助けられるかい?


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