これはこの作品での士道と琴里の過去の物語。
分かりにくいかもしれませんが、幼少期ということで幼い頃の会話はひらがなにしてます。
琴里が5歳の頃。
「琴里。今日から僕たちの新しい家族になる『士道』だよ。」
そう告げるのは五河竜雄。
ある日、五河夫婦はある男の子を家に招き入れた。
「…」
琴里は警戒心を出していた。
その相手の子はとても怖かったのである。
「ことちゃん。そう怯えないの、ね?」
ウィンクして娘に説得するのは五河遥子。
「…」
そして、竜雄と一緒にいる無口で暗い子が士道である。
五河琴里と士道の初めての対面は良くなかった。
「琴里? 士道に睨みついちゃダメだよ?」
そう言って不機嫌な琴里に言う。
「…でもぉ。」
父である竜雄に言われて幼い琴里は、隅で体操座りをしている士道を指さす。
「あのこ、こわい。」
この頃の琴里は当然、何も知らない子供であるため当たり前の反応をする。
「しーくんはね、一人っ子だったの。
だから、ことちゃんがしーくん…おにーちゃんに優しくしてあげてね?」
母である遥子は琴里を撫でながら言う。
「…」
隅で下を向いて浮かない顔をする士道。
「大丈夫。士道はいい子だよ。」
そう言って竜雄は士道の元へ行く。
「士道もこっちにおいで、遠慮する事はないよ。」
竜雄は優しく手を差し伸べる。
そう言われて士道は手を怯えながら軽く取り琴里達の所へ行く。
あれから一週間が経った。
しかし、琴里と士道の中は良くない。
士道は五河家に来てからも、まるで自分はよそ者の様に遠慮がちで、琴里は無口な士道を怖がり自分から話しかける事はなかった。
「士道、家には慣れたかい?」
「…」
士道は未だ新しい父と母相手でも口を閉ざしたままだった。
「ねむい。」
時刻は21時。琴里は擦りながら母がお風呂から出るのを待っていた。
待っているうちにふとリビングから話声が聞こえた。
父の声、そして話し相手は当然士道であった。
琴里はチラッと隠れながら話を聞いていた。
「士道、大丈夫。
僕たちは士道を見捨てたりなんかしないよ。」
「?」
すてる?
あのこはすてられたの?
「…うん。」
「!」
この時、初めて琴里は士道の声を聞いた。
どんな時でも父と母が話しかけてもうんともすんとも答えなかった士道が初めて言葉を返したのだ。
「あんなこえなんだ。」
小さな声でそう呟く琴里だった。
そして、更に数週間が経った。
この日は外で近所の子達と公園で遊ぶ約束だった。
遊んだいるうちに一人の子が琴里に問いかける。
「ねー、ことりちゃーん。」
「んー? なーにー?」
「このまえ、ことりちゃんちにいたこはだれー?」
その言葉に他の子も反応する。
「えーとねー…おにいちゃんだよー。」
「えー!? ことりちゃん、おにいちゃんいたのー?」
「うん。まえにうちにきたのー。
すてられたみたい。」
悪気はなかった。
仕方の無い事だ。
5歳の幼い琴里にはそれがどれだけ悲しい事なのか、それが原因でこの後にどうなるのか。
わからなくて当然だ。
だが、琴里のこの言葉で士道の生活に変化が起きる。
あれから更に数日。
琴里は公園へ歩いていると、公園から男の子達の声が聞こえた。
「やーい、すてご! すてご!」
「すてられっこ! きもちわりー!」
「きみわりー!」
子供ながら悪口を言ってるのはわかる。
琴里は誰が虐められてるか見ると--蹲っていたのは士道だった。
「…! …! …!」
蹴られながら抵抗できずに蹲っていた。
「…え?」
琴里はこの時、近所の子に教えたことにより士道が虐められたと知った。
「…」
玄関のドアが開く音がして、遥子は玄関へ赴く。
「しーくんおそか…しーくん!?
どうしたの!? その怪我!?」
遥子は慌てて士道を抱きしめる。
「…!」
琴里は自分のせいだと思い、表情を暗くする。
しかし、士道は
「…ころんだ。」
嘘をついた。
「転んでそんな怪我をするわけないでしょ!?
本当の事を言っても良いのよ!?」
「…ころんで、わらわれただけ。
だいじょうぶ。」
「…」
琴里は自分のせいだとバレていないと安堵してしまった。
それから数日、士道は外へ出かける度にボロボロになって帰ってきて、遥子と竜雄はひどく心配していた。
そして、ある日のこと。
琴里は公園でまた士道が虐められたのを目撃する。
琴里は虐める男の子が怖くて助けに行けなかった。
士道が虐められていると知った日もそうだった。
「すてご、すてご!」
「いっつも、きもちわるいよなー!」
相変わらず汚い言葉を吐きながら近所の子供達は士道を虐める。
しかし、その内の1人がとある事を告げる。
「きいだぜ!
おまえ、おやにすてられたんだってな!
おまえみたいなキモいやつにはおにあいだぜ!」
「…おやに?」
この時、琴里は理解する。
すてられた、みすてられた、すてご、すてられっこと言われている意味を理解する。
『すてご! すてご!』
そう言われながら蹴られる。
痛かった。
でも、本当の事だから士道は逆らえかった。
反抗して怪我させたら、拾ったくれた今の父と母にまた捨てられるんじゃないかと思い、我慢した。
「ごめんなさい。」
ずっと思っていたことだ。
物心がついた頃からその気持ちだった。
何故捨てられたのかわからない。
わかるのは自分のせいだということだ。
自分が何かをしたせいで、捨てられたのだと。
だから、捨てられないように我慢しなくちゃと。でも…
「…どこにいるの?」
自分を産んだ人を…本当ならお母さんと言う所だが、何故か違うという、矛盾した考えをしていた。
それがどういう意味なのか…士道にはわからない。
家に入れば虐められないとはわかっている。
でも、自分は誰かを探していた。
親に当たる人物を。
理由を求めて、何より探さなくてはならないと使命感を感じて。
今日も探しているうちに公園に近づいていた。
正直、嫌だった。
近づいたら、また虐められていると--しかし、公園から士道を虐めた子達が誰かを虐めていた。
自分ではないのに誰だろう?と恐る恐る覗くと。
「あ、いた! あいつだ!」
琴里は公園のブランコで遊んでいると、士道を虐めていた男子達が琴里に近づく。
「…な、なに?」
「おまえもすてごだろ!」
そう言って琴里へ蹴る。
「いたい!」
「やーい、すてご!」
「ほんとうはおまえもすてごだろ!」
「ちがう!」
蹴られて琴里は泣き叫ぶ。
しかし、誰も助けに来ない。
士道(彼)も来ない。
当然だ、虐められると知っててくるわけがないと。
何より見捨てた自分が今度は虐められている。
当然の報いだと。
しかし、痛い思いをして琴里は助けを求める。
「いたい! いたい! たすけて!」
こんな事を言っても誰も助けなんて来ない。
そう思う琴里。
しかし、ヒーローは女の子を助けるものだ。
「やめろ!」
琴里の前に士道が助けに入る。
琴里の瞳に士道(ヒーロー)が映る。
「あ? すてごじゃん!
そいつもすてごだろ?」
「ちがう、このこはすてごじゃない。
すてごは、ぼくだ。」
「は! すてごのいうことなんて、しんじるかよ!」
そう言って士道へ暴行をし始める。
しかし、士道は琴里に被害が及ばないように抗う。
「な! なんだ!」
「こいつ、けっこうつよい。」
男の子達は士道の必死の抵抗に驚く。
「--」
琴里はこの日初めて、士道を意識し始める。
「…だいじょうぶ?」
士道は怯える琴里に優しく手を差し伸べる。
「…うん。」
琴里は静かに士道の手を取る。
士道は必死に抵抗して男の子達を追い払った。
そして、士道は琴里をおんぶして家に帰る。
「…どうして?」
おぶってもらっている琴里は士道に問いかける。
「…ん?」
「わたし…のせいでいじめられたんだよ?」
琴里の告白に士道は--
「…そうなんだ。」
少し驚いただけだった。
後は特に気してなかった。
「おこらないの?」
「うん。」
「ど、どうして?」
原因は士道の事を近所の子に告げてしまったために士道はいじめられた。
琴里は元凶が自分にあるというのに士道は怒らないのだ。
「…かぞくだから。」
「え?」
「ぼくをうけいれてくれた、かぞくだから。
キミがきずつくのがみたくないから。」
「--!」
「キミはこうなるって、しっていたら、『すてられた』っていわないでしょ?」
「うん。」
「だから、おこらない。
かぞくが、きずつくのいやだ。」
士道は身寄りのない自分を受け入れた五河家に感謝しているのだ。
「…」
士道の優しさに琴里は顔を赤くする。
この時から琴里は士道のことが好きになったのだ。
「ありがとう。おにーちゃん。」
この一件後、琴里は士道を家族として大切な人となった。
士道自身は、特に変わったことはなかったが、琴里にとっては士道の事は、好きな人(大切な人)となった。
しかし、士道の虐めは無くならなかった。
寧ろ悪化していた。
士道は学校へ行くようになった。
士道は琴里より3つ上の8歳。
小学校へ行く年齢のため、天宮小学校へ転入した。
そこにいたのは、公園で士道と琴里を虐めていた男子達がいた。
それから4年後、琴里が9歳になる8月3日。
夏休みというわけで琴里は家にいた。
本来なら士道や遥子に竜雄が年々祝ってくれたが、琴里が起きた時は家に1人いた。
電話により、遥子や竜雄は仕事のため家に帰れないと連絡を受けた。
そして、士道は家にいなかった。
琴里は少し待っても士道が帰ってこないことに寂しさを感じたか、外へ出かけた。
「おにーちゃん、どこへ行ったの?」
琴里はそう呟きながら、探し歩く。
そして、士道らしき人影を発見する。
「あ! おにーちゃ--」
琴里は士道の元へ近づこうとすると、隣に見知らぬ女の子がいた。
後ろの姿しか見えなかったが、士道と同じ青髪で髪が長い女の子だった。
何より--士道の横顔を見た瞬間に口に咥えていた、チュッパチャプスがポロっと落としてしまった。
「--」
何を言っていたかはわからなかったが、普段あまり笑わず、暗めな士道が微笑んでいたのだ。
それを見た瞬間に琴里は士道に見捨てられたと感じてしまった。
琴里は独りぼっちになってしまった。
公園でブランコに乗り、涙を必死に堪えながら最悪な誕生日だと呪っていた。
その中でも、自分を何より貶していた。
「私が弱いから…私が可愛くないから…我儘だから…弱いから…だから、皆んな皆んな…どこかへ行っちゃうんだ…おにーちゃん。」
そんな事を呟いていた。
そうしていると--
『何か』が現れた。
--ねぇ、強くなりたい?
『何か』は話を聞いていたのかそう告げる。
琴里はノイズのかかった『何か』を見て、怯え逃げようとする。
--その、おにーちゃんに見てもらえるかもよ。
その一言で、琴里は乗せられてしまう。
大好きな士道(おにーちゃん)が自分を見てくれるから、いてくれるならと。
「…強くなりたい。」
琴里がそう言うと、『何か』はほくそ笑む。
手のひらを差し出しそこから“赤い結晶”が現れ、それを琴里へ渡す。
渡された琴里はそれを両手で受け取ると--全身に異変が起きる。
「え? --!? あ、熱い!?」
全身が焼かれるようになり、頭痛が襲う。
そして、琴里の姿にも変化が生じる。
周りに炎が発生し、変わった和服に姿が変わる。
「頭痛い…! 何…これ?」
琴里が苦悩しながら『何か』に問うと。
--うん。
思っていた通り、適合したね。
『何か』は淡々と感想を述べる。
まるで、悪気を一切思っていないかのように。
「やだ…熱い…止めて…!
こんなの…嫌…いらない…」
そう告げても、頭痛と炎は治らなかった。
次第に炎は強くなり、周りに広がっていく。
そう--これが突然天宮市を襲った、天宮大火災。
「う…うぅ…」
琴里は泣く。
父と母は仕事で来れず、兄には見捨てられ、『何か』により頭痛が襲い、周りは燃えている。
誰も助けは来ない。
わかっている、わかっているが、琴里は大泣きしながら助けを乞う。
「うぅ…うぅ…助けて…助けて、おにーちゃん!」
こんな火災の中心に誰も来ない。
こんな不幸な女に誰も助けは来ない。
こんな弱い私に救ってくれる人なんて--
「琴里ー!!!」
いたのだ。
例え、この火災を起こしてしまっても、弱くても、不幸な女でも助けに来てくれる、救ってくれるヒーローがいるのだ。
そう、その人物こそ。
「ぅ…ぁ…あぁ…おにぃーちゃん…?
おにーちゃん!」
五河士道。
こんな状況でも琴里を心配して、家にいなかった琴里を探していたのだ。
そして、琴里の声を聞き、その声のする所へ駆け寄る。
「琴里! 良かった! 心配したんだ!」
士道がそう言いながら近づく。
しかし、琴里は--
「おにーちゃん、来ちゃダメー!」
制御できない炎が士道を襲う。
「…!」
気づいた時には遅かった。
士道はなす術なく炎を受けてしまい、倒れ込んでしまう。
「おにい…ちゃん?」
倒れた士道に近づき、触る。
しかし、士道は動かなかった。
全身が焼かれ、息を辛うじてしているだけの状態。
誰がどう見ても重症だった。
「おにーちゃん!
おにーちゃん!! おにーちゃん!!!」
何度揺らしても反応がない。
琴里は理解してしまう。
自分が大好きな兄をこの手で--
琴里が絶望しかける中、『何か』は語りかかける。
--彼を助けたい?
琴里を変えてしまった『何か』は、士道を見てから少し沈黙をしていたが、口を開く。
「私に何をしたの!?
…要らない…こんな力要らない!
おにーちゃんを傷つけるこんな力なんて…っ!」
--…でもこのままだと、彼死んじゃうよ。
少し、間が空くも『何か』は静かに告げる。
「おにーちゃんを助けて!」
琴里は救いを求める。
『何か』はそれを聞いて、優しく答える。
--うん、良いよ。
『何か』は琴里に指示をする。
--キミがキスをすると、彼は助かるよ。
「… ? キス?」
キスの意味を理解しているも、倒れてる士道を助けるため、琴里は瞬時に士道にキスをする。
すると、倒れていた士道に異変が起きる。
士道の体が再び燃える。
しかし、直ぐに士道の体が再生するように治っていく。
「…おにーちゃん?」
ぴくり
その声に反応してゆっくりと士道は体を動かす。
「…琴里?」
士道はさっきと変わらずに体を動かす。
士道が動いたことにより琴里は涙を沢山流す。
士道は琴里の涙を拭いながら、優しく接する。
「…ごめん、お兄ちゃん。
琴里を泣かしちゃったな。」
「おにーちゃん!」
琴里は士道に抱きつく。
そして、士道は優しく頭を撫でる。
「大丈夫だ。俺がいるから。」
「うん。うん!」
琴里は再び、涙を流す。
それを察知してか、優しく離して涙を再び拭う。
「…そうだ、こんな状況だけど…はい、プレゼント!」
「え?」
士道は持っていた袋から『黒いリボン』を取り出して、琴里に渡す。
「これは俺の好きな色だけど…琴里がこれで強い子だ!って自信を持てるようにさ、選んだんだ。」
士道はちゃんと見ていた。
琴里を見ていたのだ。
「…うん!」
琴里は嬉しそうにリボンを強く抱きしめる。
「うん。笑っていた方がいいぞ、琴里。」
士道はそう言って頭を撫でる。
「さて、ここから早く--」
士道は横にいた『何か』にようやく気がついた。
「--へ?」
それを見て士道は強く驚いた。
一体それにどんな意味が込められているのか。
--良かった。
キミは“変わらず”とても優しいね。
安心したよ。
その『何か』は心底安心していた。
--大丈夫。キミたちに危害は加えないよ。
寧ろ、最高の結果を残してくれた。
感謝しきれないよ。
「何を…言っているの?」
士道はそう反応する。
--でも、ごめんね?
キミたちには私の事を忘れてもらうよ。
『何か』はそう言って士道達に手を伸ばそうとする。
「待って! キミは! キミは!」
そう言って士道もその『何か』に手を伸ばす。
それはまるで--
しかし、『何か』の行動が早く、士道達の意識は途切れてしまう。
「…? ここは?」
琴里は目を覚まして、そう告げる。
すると--
「ことちゃん!? 気がついた!?」
そこにいたのは母の遥子だった。
「…お母さん。」
琴里は涙を浮かべる遥子と隣にいた竜雄を見て、安堵した。
そして、自分は愛されているのだと。
「おにーちゃんは?」
士道の事を問うと2人は隣に目を配る。
その行為に琴里は横に顔を向ける。
そこには寝ている士道がいた。
「大丈夫だよ。
“運良く2人とも無傷”だったんだ。
これほど幸運はないよ。」
そう告げる竜雄。
それに同意する遥子。
2人が再び安堵していると--
「五河夫妻。」
謎の男性達が琴里を見て何やら話し始めた。
そこから琴里はラタトスクへと連れていかれた。
そこで自身について聞かされ、精霊の事を知ることになる。
それから数年、琴里と士道との生活は変わっていないようで、大きく変わっていた。
琴里はラタトスクの人間として、可愛い妹を演じつつも、士道を監視するように生活をしていた。
そして、士道が中学3年生の冬に突然、雰囲気が変わった。
最初は戸惑い、上層部に掛け合わせた所、男の子にはそういう時期があるのだと告げられ、それについても調べ理解した琴里はその内、恥ずかしくて素に戻るだろうと思っていた。
しかし、士道のその変化は普通の厨二病ではなく、精霊とは違う“特別な力”に目覚めていたのだとは知らず。
そして、それからあの春の出来事に進む。
「反応観測。高規模の空間震。」
「反応からして間違いなく、精霊かと思われます。」
「AST部隊を補足しました。
空間震現地に向かってます。」
船内で5人の男女クルーが発言する。
彼らは琴里の部下。
ラタトスク機関より選抜された個性が強いものの優秀なクルーだ。
全員が琴里を慕い、琴里も彼らを頼りにしている。
「おや、意外と早いですね。」
5人とは違い、後ろにて冷静に意見を述べる金髪男性。
神無月恭平。
彼は以前まではオカマバーで働いていたようだが、その前はASTの隊長をしていた履歴があり、スカウトされた。
そして、彼は琴里を見て運命のご主人様と出会うことになった。
そこからは、琴里に強い忠誠を誓い、己が全てを貢ぐほどである。
「…まあ、当然といえば当然だろう…」
眠たげにしている女性もまた冷静に意見をする。
村雨令音。
彼女は琴里の親友だ。
令音は空間震についてのレポートをラタトスクが回収しスカウトされた。彼女とは数年前に知り合い、親交を深めて親友と呼べるまでの仲となる。琴里が困っている時は、彼女に助けを乞うほど、まるで姉妹のように。
「…」
中央にて足を組み、チュッパチャプスを口にくわえる女の子。
五河琴里。
フラクシナス司令官。
5年前に回収された記録から精霊であるものの、人間と変わらない数値が検出され調べた所、士道にその力が封印されていると判明し、彼女は精霊についてを知り、自分の様な女の子を救うためにラタトスクに所属する。
そして--
映像にてある青少年が映る。
五河士道。
琴里の義兄であり、琴里の初恋の人。
世界で一番に愛している人物。
彼についてはまだ琴里は知らない事が多いが、それでも、彼のためなら何だって頑張る。
「さぁ、いよいよ私達の出番よ。」
士道と精霊との出会い、これによって琴里達の物語が始まる。
さて、次は八舞…ではなく、士道達にとって忘れてはいけないはずの人物。彼女は幼馴染のはずの女の子。
「士道--起きて、朝ごはんが冷めちゃうよ。」
起こしに来るのは幼馴染の女の子。
その日常は毎日が充実していた、まさに楽園。
彼女の存在が士道を大きく変えてしまう。
第五章 凜祢編
祈りの夢:ユートピア
--好きだよ、士道。