デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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すみません、重大なミスを犯してました。
「凛祢」ではなく「凜祢」だったんですね。
この投稿した後に直してきます。

後すみません、またタイトル変えます。
ホントすみません。





第三話:始動

 

 

 

「ふう…何とか間に合った…」

 

士道は少し息を切らしながらそう呟く。

すると、隣の席の十香が反応する。

 

「シドー、今日はギリギリであったな。」

 

「あぁ…ちょっと時間を見てなかったせいで、急いで来る羽目になってしまった。」

 

頭をかきながら士道はそう告げる。

 

「うむ、それは気をつけねばな。

…凜祢とは共に来なかったのか?」

 

十香が凜祢の席を見て言う。

そこには凜祢がいなかったのである。

 

「…あれ? 先に行くって、言っていた気がしたはずなんだが…」

 

士道は不安になる。

すると、そこに殿町が士道に声をかける。

 

「お? 五河、今日は凜祢ちゃんと共に登校していないのか?

ハッ! もしかしてフラれたのか?

だとしたら、それは残念なことだなぁ!」

 

殿町は和やかにそう告げる。

殿町の声が聞こえた者はガッツポーズをしていた。

 

「…嬉しそうにするなよ、それにしてもどうしたんだろ?

日直かと思ってたんだが…」

 

「そうじゃないなぁー、俺が日直だし。」

 

士道の言葉に夢界がこっちへ来ながら、そう告げる。

 

「そっか、だとしたら余計に心配だ。

もう直ぐ予鈴が鳴る頃なのに…」

 

「だよなぁ…ところで五河…今更だが、お前って普段そうだったっけ?」

 

殿町が突然、意味のわからない事を言い始めた。

 

「…?」

 

「いや、なんか、こう…メガネかけてなかったか?

お前。」

 

「…メガネ? …っ!?」

 

殿町のその一言で、士道の中で何かに気づいた感覚を得る。

 

「? どうした?」

 

「…いや、何でもない。」

 

士道がそう言うと、殿町は用が済んだのか席に戻る。

 

「まぁ、確かに殿町の言った通り、なーんか違和感あるよなー。」

 

「…違和感。」

 

「お前に対してもそうだし、その周りにも言えそうな気がする。」

 

「…周り。」

 

士道が考えていると

 

キーンコーンカーンコーン

 

予鈴が鳴り響く

 

「おっと、先に戻らねぇと…それにしても凜祢ちゃん来ないな。」

 

そう言って夢界は席に戻る。

 

「うむ、確かに凜祢がいないな。

何かあったのだろうか?」

 

「…そうだな。」

 

ホームルームの時間になり、タマちゃんと令音さんが教室に入り、出席を確認し始める。

すると、ガラガラと教室のドアが開く。

 

「す、すみません、少し遅れてしまいました。」

 

凜祢だった。

 

「園神さん、遅刻ですよ?

…どうかなさいました?」

 

相手がしっかり者の凜祢のため、タマちゃんも経緯を問う。

 

「すみません、先生。

学校へ向かっていたら、体調を悪くしてしまいました。」

 

凜祢が申し訳なさそうにそう告げる。

すると、タマちゃんを含めクラス全員が心配する。

 

「だ、大丈夫ですか!?

しっかり者の園神さんが体調を崩すとなると心配です。

な、何かあったら、すぐ保健室へ行ってくださいね!」

 

タマちゃがそう告げる。

 

士道は凜袮に大丈夫か?の意味を込めた手を挙げると、凜祢はそれを察して手をあげ返す。

確認をとると、深く考える。

 

…違和感か。

 

「あぁ、良かった。

園神さん無事そうで。」

 

「ねぇ、でも心配だよねー。」

 

「もし、誰かの原因ならソイツは地獄に落ちろ!」

 

いつもの3トリオが意見する。

最後の1人の子は明らかに誰かさんを疑ってそうだが…

というより決めつけているのか、士道をチラチラっと睨んでいた。

それに気づいて、表情を悪くする士道。

 

…周りか。

 

しかし、いつもの表情に変えクラス内を見ながら、自分の日常での人物を思い返す。

すると、ある人物が印象強く覚える。

その人物は--

 

「あはは、皆んな大袈裟だよ…」

 

嬉しそうにしつつも困っているような表情をする凜祢であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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キーンコーンカーンコーン

 

今日一日の授業が終える。

士道は十香と共に凜袮の元に行こうとすると

 

「園神さん!

今日一日大丈夫だった?」

 

「う、うん。大丈夫だよ。」

 

「うーん、何かまだ元気になっていない感じがするのよねー。」

 

「よし! ここは私達が人肌脱ぐわよー。」

 

「おー。」

 

「え、え?」

 

3トリオが凜祢を囲って何処かへ行こうとする。

 

あぁ、こうなってしまったから今日は俺と十香で帰るしかないな。

 

士道がそう思うと、3トリオの眼鏡っ娘。

士道に対して一番キツイ子が、十香に寄り手を握る。

 

「む? どうしたのだ?」

 

「十香ちゃんも行こ行こ。」

 

「うむ、それは構わないが…シドー。」

 

十香が士道に顔を向けると、眼鏡っ娘は阻害する。

 

「十香ちゃん、今からは女の子同士の時間よ。

それに…五河士道が原因かもしれないからねぇ…」

 

そう言って士道を睨む。

 

「…」

 

士道は眼鏡っ娘の睨みに怯んで、手で何もしませんよアピールをする。

それを確認し、十香は連れて行かれた。

 

「…」

 

1人になったか…けど、今はそれが良いかな?

 

士道は1人、教室を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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士道は歩きながら、ある事を呟く。

 

「凜祢を…疑いたくない…」

 

凜祢は毎日、朝の弱い士道を起こしに来てくれている。

彼女の優しさを理解している。

そんな彼女を疑いたくないが…

何か…違和感を感じる。

 

「…」

 

士道は悩む。

大切な…幼馴染の凜祢を疑っている。

でも、凜祢を見ていると、以前までとても安心するような感じがするはずなのに…今の俺は凜袮に強く警戒心を抱いている。

 

「…っ。」

 

考えれば考えるほど、凜祢に失礼な感情が湧き上がってくる。

しかし、それは間違いではないと告げてくる自分もいる。

士道は考えすぎて、人当たりのない場所で強く壁に当たっていた。

 

「クソッ! 俺は--」

 

そんな、士道を見て近づいて歩んでくる者がいた。

 

「--あらあら、士道さん?

お一人で大丈夫ですの?」

 

声のする方へ咄嗟に向ける。

そこには--

 

「え? …く、狂三?」

 

士道の表示を見て、狂三は何やら勘付いたかのようにする。

 

「あらあら…どうなされましたの?

見ている限り、何かお困りのようですけれど。」

 

この狂三との出会いが歯車を大きく狂わせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「…んー、やっぱり違和感を感じる。」

 

今日の中学も終わり、琴里はいつも通り家に帰宅する。

 

「普通に何も間違っていない事なんだけどなぁー。」

 

制服のままソファに横たわる。

 

「んー、なんか今の自分に対してもそう。

いつも通りの私なのに…

いつもと違う自分がいて、それもまた自分でもあるって気がして…

今はその自分でいなきゃいけないって感じがする…」

 

琴里は瞳を閉じて考える。

すると、ある景色が脳裏に浮かんだ。

そこは見た事の無いはずなのに、見た事のある場所。

そこに見知らぬ人物達のはずなのに、自分に笑顔で接してくれ、自分も知っているはずの彼らに笑って接している。

その光景を。

 

「…っ!? い、今のって…」

 

琴里は目を覚まして、素早く体を起こす。

 

「…私は、彼らを知っている?

…でも、だとしたら何で、忘れているの?」

 

琴里は再び考え込むも、ふと、鏡に視線を送る。

なぜかそれが気になって、手を伸ばして自分の姿を見る。その写っている自分は何も変な所はない。

自分の目、自分の口、自分の赤い髪、それをいつも大事にしている“白いリボン”で…

 

「…別にどこも変な所はない。

けど、何か大切なモノ…

このリボンも大事だけど…でも…あれ?」

 

一瞬脳裏に誰かから渡されたモノが映り込む。

 

「…っ!?」

 

何かに気がついたのか、琴里は自分の部屋に向けて走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ど、どうして狂三が、ここに?」

 

そう、彼女は時崎狂三。

少し前まで、士道達の通う学校。

来禅高校に通っていた。

しかし、少し前に彼女と士道は一悶着があって--

 

「--狂三は俺達と喧嘩して、体を崩していて、今は自宅で休みをとっているはず…あれ?」

 

士道の認識している事実と今の彼女を見て、根本的に違うと分かってしまった。

 

「…どういうことだ?」

 

士道は顔を暗くしてそう溢す。

すると、狂三は目を細めて語る。

 

「…あらあら、わたくしとはその様な状況になっていましたの…」

 

「…?」

 

狂三の言葉に士道は困惑する。

一体、何がどうなっているのだと。

 

「ねえ、士道さん。」

 

突如、狂三は真剣な表情になって言う。

 

「単刀直入にお聞きしますけど--メガネはどうなされましたの?」

 

「…メガネ?」

 

士道は目元に手を動かし、何か違和感を感じ取った。

 

「…あれ? 何でだ?

メガネなんてかけた覚えがないはずなのに…

なのに言われて無いって感じる…これは一体…」

 

士道が困惑していると狂三は溜息を吐きながら語る。

 

「どうやら士道さん含め、皆さんは随分と“黒幕”の手のひらで踊っていますのね。」

 

狂三は何かを知っているようにそう告げる。

 

黒幕?

 

「なぁ…狂三…これは…この違和感は一体何なんだ?」

 

士道は深刻な表情で狂三に請う。

しかし、狂三は誤魔化すように告げる。

 

「さぁ…わたくしも昨夜、ここに入って理解し始めたばかりですの。」

 

昨夜?

 

「…」

 

さっきから俺の知っている狂三とは違う印象を植え付けられる感じがする…

しかし、彼女の言ってる事は何一つ間違っていないと感が告げる。

間違っている認識をしているは…自分だと。

 

「そうそう、士道さん?」

 

悩む士道に狂三は次の問いをかける。

 

「…?」

 

「あの、新しい“塔”について何かご存知ですの?」

 

狂三は今朝のニュースで気になった新天宮タワーを指差す。

 

「…聞いた話だと、最近建設された“新天宮タワー”らしいけど…」

 

今日の学校で、士道は夢界や殿町に新天宮タワーについて聞いていた。

あれはここ最近建築された記念タワーらしい。

それを聞いてから何の記念かを問いただしても、新しい記念ばかりしか言わなかった。

 

「そうですの。だとしたら、あそこにこの結界の黒幕が--」

 

この結界?

あの塔に黒幕?

 

「それにしても士道さん、聞いた話と仰いましたけど…もしかして、士道さんもこの

--“異常事態”にお気づきになられてますのね?」

 

--っ!

異常か、そう言われればそう感じるな。

 

「…あぁ。」

 

「なるほど。」

 

狂三は士道の様子や会話をして、士道の現状やこの異常事態の内容を把握する。

 

「士道さんは、この異常に気づいておられた…いいえ違いますわね。

異常については先程わたくしが言ったことで気づき始めた。

という所ですわね。」

 

目を細める狂三。

 

「しかし、ご自分のかけていたメガネの事や、わたくしの事も間違った認識をしていた事は気づいていなかったと。」

 

「ふむ。」と顎に手を当てながら、1人冷静に分析する狂三。

分かってはいたが、彼女はかなりの智将タイプであるようだ。

 

「…ん?」

 

まただ、また何か違和感を感じた。

虫も殺せない狂三を彼女とは思えない表現をした。

だが、今のこの認識が--

 

「…やはり、今の自分がおかしいのか。」

 

「ふふ…ええ、そうですわよ。」

 

突如、雰囲気が変わり狂三は告げる。

 

「だって、士道さんは--わたくしが一体、どのような存在か今はご存じないでしょう?」

 

刹那。空気も変わり、嫌な感覚が襲う。

 

 

 

ドクンッ!

 

 

 

急に心臓が強く鼓動する。

まるで、蛇に追い詰められた蛙のような気分になる。

 

「…ぁ…ぁぁ。」

 

士道は言葉と共に突如、雰囲気を変えた狂三に怯え倒れてしまう。

この感覚は以前にも--

 

「えぇえぇ、これはこれで好奇ですわね。」

 

狂三は舌を舐める。

まるでこれから極上な獲物を食そうとするように。

 

「さてさて--っ!?」

 

士道がズルズルと倒れながら後ろへ下がる中、狂三は突然にして避けるように飛び去る。

 

「…ぇ?」

 

士道が次に目にしたのは…

 

 

 

 

 

顔をヴェールに包まれた謎の女性だった。

その姿は女神のように神々しいローブを纏い、聖母のようなオーラを放ち、顔が隠れていても美人であると分かるような存在だった。

 

 

 

 

 

「…え?」

 

士道の放つその疑問は一体どの意味があるのだろう。

 

「大丈夫。」

 

それは、彼女の存在を知っているのか。

 

「アナタは何も知らなくてもいい、アナタは理解しなくてもいい、アナタは私の寵愛を受けるだけでいい。」

 

それは--彼女の正体に気付いたのか。

 

「--」

 

士道は言葉が出る前に意識が途絶える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「…っ、油断しましたわね。」

 

狂三は士道のいた所から離れた場所まで移動する。

 

「しかし、わたくしも甘くなってしまいましたわね…

折角のチャンスを棒に振るなんて…」

 

狂三が士道に近づいた本来の目的。

それは士道を食べ、30年前へ遡り、『始原の精霊』をこの手で--

 

「…まぁ、チャンスはまだありますわ。

それより…恐らく先程のが、この結界の黒幕。

精霊の仕業ですわね。」

 

狂三を一瞬で吹き飛ばす程の力。

本来なら吹き飛ばさずに倒す事が出来たはずなのにしなかった。

その訳は…

 

「…士道さんのためですわね。」

 

この結界…楽園の真実に士道が辿り着く時、彼は一体何を思うのか。

 

「…」

 

狂三は瞳を閉じて彼の事を考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「う…ううん?」

 

士道は目を覚ます。

立ち上がるとそこは--

 

「…家?」

 

そう、五河家のソファで寝ていたのである。

 

「あれ? 何で俺はここに…いや、さっきまで俺は…」

 

思い出そうとするも、何をしていたのか思い出せないでいた。

 

「--士道?」

 

声のする方へ顔を向ける。

そこには--凜祢が心配した顔で立っていた。

 

「凜祢? …俺は一体?」

 

士道がそう言うと、凜祢は一瞬安堵したかのような顔になるが、瞬時にいつもの微笑んだ顔になる。

 

「覚えてないの?

士道は学校が終わると、疲れたように帰ってたんだよ?」

 

「そ、そうだったけか?」

 

「うん。そうだよ。」

 

凜袮がいつもと変わらない様子になり、士道は「そうか。」と納得してしまい、キッチンまで歩もうとする。

 

「なら、時間も時間だし、夕飯の準備をしよう。」

 

「あ、なら私がやるよ。

士道は休んでて良いよ。」

 

凜祢がそう言うも士道は納得いかなかった。

 

「いや、凜祢ばかり頼るわけにはいかないよ。」

 

「ううん、良いの。士道は休んでて。」

 

こうなった凜祢は固いんだよなぁ…なら。

 

「なら、凜祢一緒に作ろう。」

 

「え?」

 

予想外だったのか、凜祢は呆気を取られた表情になる。

 

「いや…か?」

 

士道が少し寂しい感情になる。

すると、凜祢は勢いよく顔を横に振る。

 

「そんな事ないよ。

ううん…嬉しい意味でビックリしちゃった。」

 

凜祢は微笑みながら士道の手を取る。

 

「それじゃあ、一緒に作ろ!」

 

「ああ!」

 

2人はキッチンへ赴く。

 

 

 

 

「士道、醤油を取って。」

 

「おう。」

 

この2人での料理の時間は幸せだった

 

「あ、士道。それちょっと味付け濃ゆくならない?」

 

「あぁ、実は琴里は味濃ゆめなのが良いんだ。」

 

ただ楽しく、何も辛い事もなく

 

「ふふ、流石だね士道。

琴里ちゃんの好みを熟知してるなんて。」

 

「流石に長い間、一緒に住んでいるのは伊達じゃないさ。」

 

…正に夢のような一時だった。

 

 

 

 

 

「おおー! 今日のカレーは最高だったぞ!」

 

「…っ!」

 

《あまりの美味しさに四糸乃が興奮し始めたよー!》

 

「…うん!

今日のカレーはこれまでで一番の味付け!」

 

皆んなも笑顔一杯だった。

あぁ…こんなに気持ちのいい瞬間はそう味わえないだろう。

凄く嬉しかった。

 

「「…」」

 

士道と凜祢は無言で見つめ合い。

 

パンッ!

 

ハイタッチをする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ねぇ、おにーちゃん。」

 

「ん?」

 

時刻は夜22時

凜祢達は既に家に帰り、リビングで琴里が風呂上がりの士道を呼び止める。

 

「どうした?」

 

タオルで髪を拭きながら士道は話を聞くために椅子に座る。

 

 

 

「何か違和感を感じない?」

 

 

 

「え?」

 

琴里の普段みない顔つき、声音に驚き士道は素っ頓狂な声をあげる。

しかし、どこか覚えのある事で平常心を保つ。

 

「…琴里?」

 

士道の反応を見て、琴里も一瞬驚くも『やはり』とした顔になる。

 

「…士道も少しずつだけど、この違和感に気づいていたのね。」

 

「…それは…琴里もか。」

 

2人は互いを見る。

 

「士道これ。」

 

琴里は自分の髪を…止めているリボンを指差す。

その訳は

 

「黒いリボン…それは--」

 

それは、士道が5年前に琴里の誕生日にプレゼントしたリボン。

別にどの色のリボンをつけていても可愛い琴里には変わりがないが…

そのリボンの事を士道は最近のある出来事で理解していたのだ。

 

瞬間、士道の脳裏に5年前の火災や数日前の出来事が蘇る。

 

「それは…5年前の、あの火災の日にプレゼントしたもの。」

 

「ええ、そうよ。じゃあ、“この私”の意味はわかる?」

 

キリッとした顔になって士道を見る。

それを見て士道は再び脳裏に…琴里がその黒いリボンをつけていた所やそこにいたクルー達、そして、琴里達の存在を思い出す。

 

「琴里!」

 

バンッ!

と勢いよく机を叩き琴里を見る。

 

「士道も完全に思い出したわね。」

 

琴里は頷き、話し出す。

 

「私は今日、士道を見送ってから違和感を感じ始めたの…

家に帰ってきてからも少しずつ思い出したいの。

気になって、ふと、鏡に写る自分を見ていたら黒いリボンの事を思い出したの。

部屋で見つけた時に全てを思い出したわ。」

 

琴里はあの後の事を告げる。

琴里は自分の部屋で黒いリボンを探していた。

そして、自分は“あの時”、家で白いリボンをつけていて、黒いリボンをクローゼットの中に大事にしまっていたのだ。

それの行為は偶々だったのだが、そのおかげで琴里は全てを思い出したのだ。

 

「…琴里は凄いな。

俺はまだ、完全には思い出せてないのに…」

 

狂三に言われて、違和感が異常、メガネをかけていなかった事。

琴里からは5年前の事、黒いリボン、フラクシナスの事やそこにいるクルー達、そして琴里達--精霊。

これらの事を思い出せたが…

自分のメガネが何時・何処から手に入れたモノか、自分にどんな影響があるのかが思い出せないでいた。

 

「仕方ないわ。恐らく、士道には強く影響を及ぼしている筈よ。」

 

琴里は何かを知っているかのような口ぶりをする。

 

「何か知っているのか?」

 

「士道、あの夜何が起きたか覚えてる?」

 

あの夜?

 

「…いや。」

 

思い出そうとするも、頭にノイズがかかったように思い出せないでいた。

 

「そう…」

 

琴里は少し間を空けて語る。

 

「あの夜、士道は➖➖➖➖の攻撃を庇って受けてね。

十香が暴走したのよ。

それが原因で大規模の空間震が発生しちゃったのよ。

その影響がこの天宮市全体に及んだのよ。

私はその時、フラクシナスへ向かおうとしたけど、そのタイミングまで家にいたのよ。

で、私もギリギリ範囲内に含まれて彼女の目論見通りになったって訳。」

 

俺が、何によって攻撃を受けたのか聞こえなかったけど、大体は分かったが、それよりもだ。

 

「彼女の目論見?」

 

「ええ。」

 

琴里な静かに事実を口にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「園神凜祢。彼女は恐らく精霊よ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っ!?」

 

士道は静かに目を見開いた。

 

「だって、私達に彼女のような幼馴染なんていないわ。

だって、昔この辺に住んでいた子達は皆んな、5年前の火災や空間震などでバラバラになったからね。」

 

士道は息を呑みながら琴里の話を聞く。

 

「なのに、私達は昨日まで彼女を幼馴染で認識していたわ。

私は『おねーちゃん』って親しく呼んでいたしね。

…本当ならどういった経緯でこんな事をしたのか問い詰めたい所だけど…

ここまでの規模の大きい事ができる精霊は強力よ。

間違いなく時崎狂三よりもね。」

 

「…」

 

放課後に出会った狂三と会ったことを思い出す。

そして、狂三に襲われそうになった時に現れた女の子も。

 

「だから迂闊に手は出せないわね。

けど、私たちの行動は変わらないわ。

分かるわね士道?」

 

琴里は指を突きつける。

それは--

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、金曜日。

 

チャンチュン

 

「士道、おはよう起きて。」

 

凜祢がいつも通り起こしに来てくれる。

 

「…おはよう凜祢。」

 

士道は優しく微笑んで挨拶する。

 

 

 

 

 

士道はいつも通り変わらない一日を送る。

そして放課後、凜祢を屋上へ呼び出す。

 

「どうしたの士道? 急にここへ呼び出して。」

 

凜祢はいつもと変わらない笑顔で接する。

 

「凜祢」

 

俺は凜祢に近づく

 

「し、士道?」

 

凜祢は頬を赤らめて士道に問う。

 

「凜祢--明日、俺とデートをしてくれ。」

 

「え?」

 

 

 

 

 

デートしてデレさせる。

 

 

 







…自分、リアルだと語彙力ないんですけど、会話成り立っていますか?
割とノリと勢いでイメージしながら書いているんです…


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