デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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スピーディーながら物語は進んでいきます。
このお話も終わりが近づいて来ました。ゲームの凜祢ユートピアのラストの方をやっていくと、心が締め付けられる。凜祢ユートピアは完成されすぎてるって思う。



第五話:楽園

 

「凜祢!」

 

士道の呼び掛けも虚しく、彼女は姿を消した。

 

「くぅ…」

 

士道は悔しそうにする。

 

「士道、嘆いてる場合ではないわ。--アレを見てちょうだい。」

 

琴里がある方向に指を刺す。琴里が指差す方向は以前、士道が狂三と接触し、食べられそうになった時に彼女が助けてくれた場所。新天宮タワーであった。

 

「え?」

 

士道は目を見開いて驚愕する。それは--

 

「何だ?…あの禍々しい塔は?」

 

その塔は、以前の新天宮タワーの面影はなく、根っこのような木々に絡められており、てっぺんは禍々しい赤い光が放っていた。

 

「恐らく、あの塔がこの結界の要でしょうね。そして、あそこに凜祢おねーちゃん…ルーラーがいる場所よ。」

 

「…」

 

やはりそうか

 

士道は以前、狂三が言っていた事を思い出す。

 

『そうですの。だとしたら、あそこにこの結界の黒幕が--』

 

「…何はともあれ、あそこに行かないとな。」

 

士道は決意を固めて塔を見る。

 

「ええ。--行きましょう。」

 

士道達は塔の場所へ走って向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「…いよいよだな。」

 

士道達を見ていた者…夢界がそう呟く。

 

「士道、あの塔でこの結界の真意を知るだろう。そして、彼女の目的を知ってお前はどうする?」

 

この男はある者によってこの結界の経緯を知り、彼女の目的も理解している。

 

「彼女は…凜祢ちゃんは“お前の過去”を知ってしまった。それ故に、お前の為にこの結界内に閉じ込めたまま--自らの創造主にさえ、歯向かおうとしている。」

 

夢界の言う意味とは

 

「今回はお前にとって…とても辛い戦いになるだろう。俺は見守ることしか出来ねぇけど…」

 

夢界はそう呟くと、結界…楽園内から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「着いたな。」

 

士道達は新天宮タワーの近辺に辿り着く。

 

「近くに見る分、さらに禍々しさを感じるな。」

 

「ええ、ラスボス戦前って感じね。」

 

この上に凜祢が…

 

「行こう。」

 

士道が前に進もうとした途端に--

 

「待ちなさい士道!」

 

琴里が制止する。

 

「…どうした?」

 

「一応確認したいけど…士道、あなた“ペルソナ”は使える?」

 

琴里の問いに十香と四糸乃も気になったのか士道の方に顔を向ける。そして士道はと言うと--

 

「--ペルソナ?何だそれは?」

 

「!?」

 

士道の返答に琴里は驚愕な顔を浮かべる。

 

「…そう、どうやら士道の方は私達よりも強く影響を受けているみたいね。でも、士道のためを思ったらどうしてその記憶を奪っているの…?」

 

琴里は1人で腕を組みながら考えてた。

 

「琴里?」

 

「士道。今から『ペルソナ』って強く叫んでみて、ついでに黒いコートにマスク…怪盗を思わせるような格好をイメージしてね。」

 

琴里が急に訳わからない事を言い始めた。

 

「こんな時間がない時にそんな事を言っている場合か?」

 

「…重要な事よ、早くやってみて頂戴。」

 

真剣に言っていたせいか、琴里はややキレ気味だった。

 

「わ、わかった。--ペルソナ!」

 

両手を気合いを入れるポーズを取ってやってみたものの、何も起きなかった。

 

「…えっと、真剣にやったんだけど…」

 

「わかっているわよ…」

 

琴里が再び考え事をし始めてしまった。

 

「琴里よ、一体どうしたのだ?」

 

十香が琴里に問う。

 

「十香、あなたは士道がこのような事態の時、どういった姿になっていたか覚えてる?」

 

「む?それは黒い格好をしたシドーだろう?それがどうかしたのか?」

 

十香がそう答える。

 

「どうやらね、士道はその姿にならないどころか、その力について忘れてしまってるみたいなの。」

 

「何と!」

 

琴里の言葉に十香は驚き、士道に問う。

 

「シドーよ、何故変身しないのだ?」

 

「え?何の事を言っているんだ?十香。」

 

「むう?」

 

会話が成り立たない。というより士道は何のことなのかわからない顔をしていた。

 

「あの…もしかして…」

 

四糸乃が挙手する。

 

「四糸乃?」

 

「あの…えっと…メガネが無いのに、関係があるのでは、ないでしょうか?」

 

四糸乃がそう告げる。そして、その意見に同意するように琴里は頷きながら答える。

 

「えぇ。私もそんな予感がするわ…いえ、多分そうなのでしょうね。あえて、聞かなかったけど…士道、メガネはどうしたの?」

 

「…実はわからないんだ。」

 

士道は静かに答える。

 

「メガネが無いことに気がついたのに、一体何処に行ったのか、そもそも何処で手に入ったのか、どういった役割があるのかも分からない…思い出せないんだ。」

 

士道は思い出せない事に悔しそうに語る。それは、みんなが思い出せているのに自分が一番に思い出せていない事に腹を立てていた。

 

「…そう。」

 

琴里は士道の事を理解し、告げる。

 

「でも、やる事は変わらないわ。彼女を説得するのよ。大丈夫、士道なら力がなくても出来るはずよ。うん、おにーちゃんならきっと出来るわ。」

 

琴里は元気づけるように士道の手を握って言う。

 

「琴里。」

 

「うむ!そうだぞ、シドー!」

 

十香は琴里と士道の手を一緒に握る。

 

「シドーになら出来る。私もいるぞ!」

 

「十香。」

 

「はい、士道さんなら、きっと出来ます!」

 

《いざとなったらよしのん達がいるから大丈夫だよー!》

 

四糸乃とよしのんも合わせて手を握る。

 

「みんな。」

 

みんなの力(優しさ)を感じる。--あぁ、これなら大丈夫だ。

 

士道は強い決意を固める。

 

「行こう。--凜祢の所へ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

士道達が新天宮タワー前まで来ると、そこに謎の天使の様な存在が複数体いた。

 

「何だあれは!?」

 

士道達は立ち止まり、士道はそう告げる。

 

「どうやら、そう簡単には入れさせてくれないみたいね。」

 

琴里はそう言いながら大斧を出現させ構える。

 

「そのようだな。」

 

十香も鏖殺公(サンダルフォン)を顕現させ構える。

 

「--。」

 

ブォン!

 

謎の天使は士道達に目掛けて攻撃を放つ。

 

「フッ!」

 

それを十香は斬撃で薙ぎ払う。

 

「この程度なら相手にならないな。」

 

そう言って十香は先陣を切って天使の群れへ突撃する。

 

「フッ!フ!ハァ!」

 

十香は難なく天使達を葬る。

 

「どうやら大したことのなさそうな連中ね。このまま突き抜けるわよ。」

 

琴里がそう言い士道達が進もうとすると--上から大量の天使の群れが襲いかかる。

 

「何!?」

 

「…!」

 

《この数は不味いんじゃない!?》

 

よしのんの言う通り先程の群れの何倍の天使が上からぞろぞろとやって来る。

 

「--くっ!」

 

「十香!?」

 

十香が数の多さから全てに対処できず一体の攻撃を受ける。

 

「大丈夫だ。だが、この数では…」

 

「確かに不味いわね。」

 

士道達はいつの間にか包囲されてしまった。

 

「一体一体では大した事はないが、これだけの数となるとな…」

 

「えぇ…絶対絶命のピンチってやつかしらね…」

 

十香と琴里が冷や汗をかきながらそう告げる。だが、確かにこのままでは凜祢のいる塔に辿り着く前にこの天使にやられてしまう。

 

「クソ…どうすれば…っ!」

 

そんな士道のピンチの時に--

 

 

 

 

 

「あらあら、見ていられませんわね。」

 

 

 

 

 

聞き覚えのある声が聞こえた。その声と共に声の出した人物と全く同じ姿をした女性が天使達を襲い掛かる。

 

「きひひひひ!」「さぁさぁ」「たわいないですこと」

 

「これは--狂三!?」

 

そうこの現象を一度士道達は体験している。そしてその現象を引き起こせる人物こそ時崎狂三である。

 

「随分と困ったご様子ですわね。士道さん?」

 

本物の狂三が士道へ近づきながら優雅に裾を持ち上げながら挨拶する。

 

「時崎狂三、一体どういう風の吹き回しなわけ?」

 

琴里が天使達を祓いながら、警戒心を向けて問う。

 

「あらあら、せっかく手助けをして差し上げているのにその言い方は傷つきますわね。」

 

クスクスと笑いながら答える狂三。

 

「士道を狙うアンタが私達を手助けをするって事にコッチは困惑してるのよ!」

 

琴里の警戒心を向けながら問うのは当然である。何故なら狂三は隙があれば士道を手にかけようとして来たのである。そして、この状況は彼女の方に分があるというのに助けに来てくれているのだ。

 

「えぇまぁ…今回はこの事態を起こしている精霊に興味がありましての事ですわ。ですのでこちら側に協力しているのですが--それとも、士道さんを手にかけてよろしいのですの?」

 

「--っ!!」

 

狂三の言葉に琴里達は天使達を強く一掃しつつ狂三に対して警戒心を更に上げる。

 

「あらあら。」

 

この状況で敵意を向けられても余裕にしていた。

 

「…」

 

士道は琴里達に守られながらも狂三を見ていた

狂三はこの前、士道の前に現れこの異常について触れながらも、1人でいた士道を手にかけようとしていた。紛れもなく今の彼女はその時の彼女と全く変わりはない

そんな彼女と変わらない様に見えるが、士道は--先程の『今回はこの事態を起こしている精霊に興味がありましての事』と言っていた事を思い出す。そしてそう告げたのが本心であると、そして本当なら危機を利用して士道を狙う事も出来る中、士道達を手助けしてくれた今の彼女を見て信用できると強く感じた。

 

「…信じて良いんだな。」

 

士道はそう告げる。

 

「士道!?」

 

琴里が驚き、十香達も驚いていた。

 

「ええ。」

 

狂三は優雅にそう答える。そして、士道はその答えを信じる事にした。

 

「頼む。」

 

士道がそう答えると、気のせいだろうか狂三達は勢いを増しながら天使達を葬る。

 

「嗚呼もう仕方ないわね。」

 

琴里は頭をかきながらも士道の意思を尊重する。

 

「士道。ここは私達に任せて、あなたは上に向かいなさい。」

 

「琴里。」

 

「ただし、無茶は絶対にしない事。今のあなたはペルソナの力も使えない。そして、私の霊力における恩恵もない。この意味は分かるわね。」

 

そう今の士道はただの人間。ペルソナの力も琴里の恩恵…炎による蘇生も今の士道にはない。つまり、無茶をすれば命の保証がない。

 

「ああ、分かった。」

 

士道は理解した上でそう答える。

 

「なら、行きなさい。私達も直ぐ追いつくわ。ただし、中に天使がいたら真っ先に逃げなさい。いいわね。」

 

琴里の意見にこくりと頷き、士道は塔に向けて走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホント、士道には困ったものね。」

 

琴里は士道が塔の中へ入るのを見送りそう呟く。

 

「…まぁけれど、お陰で助かったわ。」

 

琴里は状況を見ながら言う。十香や四糸乃は士道を信じて狂三との共闘を受諾し天使の群れに攻撃をしていた。天使達は一つの個体としては、精霊である琴里達にとっては相手にならない。しかし--

 

「くぅ…」

 

「…っ!」

 

目の前の敵を瞬時に倒しても、隙を狙って攻撃を受けてしまう。現に十香達は一撃一撃は大した事がなくても、攻撃を受けた数によって体力や力を消費しつつある。だが--

 

「きひひひひ!」「私達の敵ではありませんわ!」「堕ちろ!」

 

狂三の天使--刻々帝(ザフキエル)

その力は時を操る能力。狂三はその能力を使い、自身の過去を再現し、かつ分身体を大量に生み出してこの状況を多いにひっくり返す事ができる。そのお陰で窮地を脱し、士道をルーラーの元へ行かせる事が出来たのだ。

だが--十香達や狂三を含め分身体が敵を倒しても次々と敵は空からやって来る。

 

「…流石に多すぎますわね。」

 

士道を圧倒していた狂三もキリのない敵を見て惹き気味だった。

 

「えぇ…今回の精霊は能力もしかり、影響規模がデカすぎる。これほどの精霊がいるとは正直、先が思いやられるわね。」

 

琴里も力では圧倒してもいた戦いが終わるか分からない状況に弱音を吐いてしまう。

 

「あらあら、以前わたくしを相手に偉く強気でいたお方がもう弱音ですの?琴里さん?」

 

狂三が少し煽るように琴里に言う。

 

「アンタだってさっき弱音を吐いていたじゃない。でも…流石にキリが無さすぎよ。」

 

「ええ、これほどの力を持つ精霊。さぞ、わたくしの悲願達成に大いに近づけかもしれませんわね。そして--」

 

「…?狂三、アンタ一体何を企んでいるのよ。」

 

「いいえ、何も企んでいませんわよ。」

 

そう返しながら狂三は敵を次々と蹴散らす。

 

「…」

 

しかし、琴里は聞き漏らさなかった。そう、確かに彼女は言ったのだ『悲願』と。やはり彼女は大きな野望を持って士道に近づいてきたのだと。

 

「…気になるけど、今はそれどころじゃないわね!--灼爛殲鬼(カマエル)!」

 

気合いを入れ直して、大斧に渾身の炎を発火させて敵を殲滅する。

 

「そろそろこちらも全力で行くぞ!--鏖殺公(サンダルフォン)!」

 

十香も琴里に合わせて、剣を強く握り力を上げて敵を殲滅していく。

 

《四糸乃、琴里ちゃん達にばかり任せてばかりじゃいないよねー!》

 

「…うん!--氷結傀儡(ザドキエル)!」

 

四糸乃も霊力を上げて周りの敵を瞬時に凍らせる。

 

「あらあら、皆さん張り切っていますこと。」

 

狂三は淡々とそう告げる。

 

「それだけ、士道さんの事を信頼していますのね。」

 

そう呟くと狂三の前に多くの敵がやってくる。

 

「あらあら、もしかしてわたくし、甘く見られていますの?だとしたら心外ですわね。--刻々帝(ザフキエル)!」

 

狂三も天使を再び発現させ、目の前の敵を殲滅していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ここは!?」

 

塔の扉を開くと、その場所は普通とは違う世界だった。まるでファンタジーの様な景色に中央には美しい螺旋階段が遥か高くの場所まで伸びていた。

 

「…とにかく凜祢の所に行かないと。」

 

士道は螺旋階段へと足を運び、登っていく。すると脳裏に体験した事のないイメージが流れてくる。

 

「--っ!?」

 

その流れてくるイメージは十香と結ばれた未来、四糸乃と結ばれた未来、琴里と結ばれた未来、狂三と結ばれた未来、そして凜祢との未来。これまで士道と出会った精霊達との“もしかしたらの未来だった”。

 

「…これは?」

 

士道がそう呟くと頭に声が聞こえてくる。

 

--この楽園(エデン)にいればアナタは幸せになれる。何も不満を抱かずにいればアナタは幸福でいられる。よく考えて。

 

その言葉を受けて士道は足を止める。

 

「…楽園(エデン)。凜祢、一体お前は俺達に何がしたいんだ?何のために…俺はただ訳を知りたいだけなんだ。--何を焦っているんだ?」

 

そう士道は凜祢が公園で本性を見せた時に妙な違和感を感じていた。それは、本性を知られてなのか焦っているかの様な感じだった。

 

「俺達が凜祢のいう、この楽園(エデン)にいる事で何が達成されるんだ?」

 

士道は疑問に思いながらも進む事を選んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

士道は長い階段を登り切り、最上階へ辿り着く。

 

「凜祢。」

 

目の前にいる少女に語りかける。彼女は来禅高校の制服を着ていた。

 

「来たね、士道。」

 

凜祢は笑顔で迎え入れる。

 

「凜祢…さっきの頭に流れたイメージは何だ?そもそもどうして俺達を楽園(ここ)に留めたいんだ?」

 

士道が問うと凜祢は静かに告げる。

 

「士道に見せたのはね、この楽園(エデン)にいれば士道やみんなが得られる幸せな未来だよ。」

 

「幸せな未来?」

 

「そう。士道がもう戦わなくてもいい世界、傷つかない世界、幸福なだけの世界が得られるんだよ。」

 

「…」

 

士道はスケールのデカい事に言葉を失う。凜祢は嘘をついていないと分かるからだ。

 

「私はね…ずっと見てきたの。士道がこれまで大変だったこと、士道が傷つく所を…そして知ってしまったの、士道が過去にどんな仕打ちを受けたのか、どんな思いをしていたのかを…」

 

凜祢は涙目になってそう告げる。

 

「凜祢…?」

 

凛祢は祈るように手を重ねて、光が彼女を包み込まれ、霊装を纏った姿を現す。

 

「だからお願い!この楽園(エデン)を、私を信じて受け入れて!」

 

凜祢は手を士道に向けて突き出す。

 

「無に帰す者(パラダイス・ロスト)」

 

士道の足元から太い木の根が伸び上がる。そして、木の根が士道に目掛けて素早く襲いかかる。

 

「ぐぅ…っ!?」

 

当然なす術なく士道は攻撃を受け昏倒する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「はぁ!」

 

「…っ!」

 

「せや!」

 

「フッ!」

 

十香、四糸乃、琴里、狂三が天使の力で、残った敵を全て殲滅する。

 

「もう援軍は無さそうね。」

 

琴里が周りと空を見上げて、そう呟く。

 

「うむ。琴里、士道の元へ急ぐぞ!」

 

「ええ。」

 

十香の言葉に琴里が賛同すると--

 

「…っ!?ま、待ってください!」

 

四糸乃が突然、塔が妙な光を放つのを確認する。

 

「--っ!何!?」

 

琴里が叫ぶと、刹那。

地面から太い木の根が素早く伸び上がり、琴里達を襲いかかる。

 

「今度は何!?」

 

琴里は空中へ退避しながら木の根の攻撃を避ける。しかし--

 

「きゃあ!?」

 

《ゔっぎゅ!?》

 

四糸乃とよしのんが木の根に捕まり、悲鳴をあげると瞬時に昏倒する。

 

「四糸乃!?」

 

琴里が四糸乃を助けようとすると。

 

「ぐぅっ!?」

 

今度は十香が攻撃を受け昏倒してしまう。

 

「十香まで--…ぁっ!?」

 

十香の方を気にすると背後からの攻撃をくらい琴里も昏倒する。

 

「…っ!この木の根、異常な程素早いですわね!」

 

狂三は何とか襲いかかる木の根を回避し続ける。だが…

 

「くぅ…」

 

どんどん地面から木の根が伸び上がり数に耐えきれず、攻撃を受けてしまい、昏倒する。

 

精霊達は謎の木の根による奇襲にやられてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「--道、士道--士道!」

 

「はっ!?」

 

ガバッと起き上がる。すると横から心配な目をする凜祢の顔が目に入った。

 

「…凜祢?」

 

士道は恐る恐る凜祢の名を呼ぶ。

 

「うん、私だよ。士道が相変わらずお寝坊さんだから、起こしに来ちゃった。」

 

「…あー、ごめん。」

 

「ううん、良いの。さ、着替えて行こ!デートに!」

 

そう言うと凜祢は着替えの邪魔にならない様部屋から出てドアの前に待つ。

 

「…」

 

士道は違和感を覚えながら着替えていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「士道!早く早く!」

 

凜祢は普段とは違う無邪気な少女のように微笑みながら士道の手を引っ張りながら駆けていく。

 

「あはは…うん、楽しいな。」

 

「でしょ?普段はお勉強とか将来とか考えながら生活してるからこうやってハメを外さないと!士道とお出かけが私の楽しみなんだから。」

 

凜祢は笑顔で士道に接する。

 

 

 

 

 

「士道、今日こそ負けないからねぇ。」

 

凜祢とゲーセンで勝負をしたり

 

「どっちが高得点出せるかな?」

 

凜祢とボーリングをしたり

 

「士道、それ!」

 

凜祢とプールで遊んだりした。

 

「こらやったなー、それ!」

 

 

 

 

 

外は既に夕方。大いに遊び尽くした士道達はお気に入りの展望台で天宮市を眺めていた。

 

「ねぇ、士道?」

 

「ん?」

 

「私ね、士道といる時が凄く幸せ。」

 

凜祢は髪をなびかせながらそう告げる。

 

「っ!」

 

その光景に心がキュンとし始めてしまう。

 

「士道と何でも無い一日が凄く楽しい。明日も、明後日も、来週も、来月も、来年も。この時間が永遠に続いて欲しいって思える。」

 

凜祢は真っ直ぐ太陽を見ながらそう告げる。

 

--っ!?

 

凜祢の言葉に士道の心が揺れる。

 

…永遠、永遠か

 

「ね?士道もそう思うでしょ?」

 

凜祢が優しく微笑みながら告げる。

 

「…」

 

俺は…おれは…オレは…

 

 

……

 

 

 

………

 

 

 

 

 

「俺は--そう思えない。」

 

士道は声を振るわせ、拳を強く握りしめながら、凜祢の言葉を否定する。

 





ちょっと早いけど、凜祢のお話が終わったら追憶編2、幕間は必ずやろうと考えてます。後、番外編も一つ加えようと思います。
そして凛祢編を終えると次章は双子編アニメ2期分に入ります。2期分からは話数のタイトルが変わります。(ニ熟語にするのがキツくなりましたが本音です。)





これは全く関係ないない話、FGO8周年イベントも終わりましたねー。
いやー、キャストリアの水着はテンション上がりました。更に、8周年記念サーヴァントがまさかのトネリコで水着モルガンであるなんて…こんなの引くしかないじゃない!(因みに4万いれて宝具3にしました。後悔していいぜ。)
いやー、夏休みイベント楽しみ楽しみ。あー、ボーナスがFGO運営に吸い取られていくぅー⤴︎⤴︎
後、モルガンって何か令音さんに似てません?キャラが。だから俺令音さんとモルガンが好きなキャラなんだなって思いました。
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