デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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久しぶりにあの漫画のやり方を表現してみた。やっぱ楽しい。

後半戦が楽しみで仕方ない。頑張ります。

話を早めるために色々とカットしたり急進行したけど…大丈夫かな。

9,000文字超えました。近い内に10,000文字に到達するかな。



第三話:双子の精霊

 

「フッ、ほざきよる。我に勝つだと?いい加減に認めたらどうだ?真なる『八舞』に相応しいのはこの我であると。」

 

「否定。『八舞』に相応しいのは耶倶矢ではなく、夕弦です。」

 

「無駄な足掻きよ。我が未来視(さきよみ)の魔眼にはとうに見ておるのだ。次の一撃で、我が颶風を司りし漆黒の魔槍(シュトゥルム・ランツェ)に穿たれし汝の姿がな!」

 

「指摘。耶倶矢の魔眼は当たった例しがありません。」

 

カッコいいポーズを取りながら言う『耶倶矢』。

落ち着きながら指摘をする無表情の『夕弦』。

 

「「…」」

 

士道達は沈黙しながらも彼女らの名前を覚えた。

 

そして、耶倶矢が言ったことを否定し続ける夕弦。次第に耶倶矢は子供の様に駄々こね始める。

 

「う、うっさいし!当たった事あるし!馬鹿にすんなし!」

 

「要求。いつ、どこで、何時何分何秒でしょう?」

 

「えぇ!?…えと…それは…ほら…その。」

 

「嘲笑。魔眼とは(笑)」

 

「わ、笑うなぁぁ!!」

 

プークスクスと口に手を当てて笑う夕弦。そして、笑われて可愛く怒る耶倶矢。2人の漫才をを見ている士道は黙って見ていた。

 

「シドー。」

 

十香が士道の袖を引っ張りながら問う。

 

「ん?」

 

「あやつらは此処で何をしているのだ?この前テレビで見たマンザイ?というやつか?」

 

「そうとしか思えないよな。」

 

士道がそう答えると、ようやく士道達の気配に気づく。

 

「…っ。人間だと?」

 

「驚嘆。驚きを禁じ得ません。」

 

「…どうも。」

 

士道は手を軽く上げて挨拶をする、が。

 

「離れていろ人間。我らの神聖なる決闘を邪魔するでないわ!」

 

「警告。この場にいると怪我をします。」

 

2人は士道にそう言うと、周囲に暴風を起こして戦闘体制に入る。

 

「くく、そろそろ教えてやろう。どっちが『八舞』に相応しいかをな!」

 

「同意。それを身をもって理解させてあげます。」

 

2人は風を纏ってぶつかり合う。

 

ガギンッ! ギシンッ!

 

空中で2人がまた争い始めてしまった。

 

士道達が再び風に堪える中、士道のメガネに反応が出る。相手は令音からだった。

 

士道はインカムを素早く取り出して耳につける。

 

「令音さん!」

 

『…シン!…良かった、一体何処にいるんだい?』

 

「それが…ぐっ!」

 

士道が令音と連絡を取る中、風は強くなっていく一向。

 

「漆黒に沈め!はぁぁッ!」

 

「突進。えいやー。」

 

勢いよく叫びながら突撃する耶倶矢と覇気のない声でも変わらない威力で攻撃する夕弦。

 

(どうにかしないと!)

 

士道がそう思っていると--次第に空気が重くなり始めた。

 

「こ、これはっ!?」

 

嗚呼、嫌になる程分かる。この感覚は--

 

「し、シドー。」

 

十香が士道にくっつく。

 

ドクドク…ドクトク…

ジュクジュ…ジュクトク…

 

周囲にシャドウが出現し始める。

 

『……シン?……回線の調子が……」

 

回線が切れ始める中、士道は令音に現状を手短めに話す。

 

「すみません、令音さん。--シャドウが現れた。」

 

『…っ!』

 

驚くような反応をすると、回線が切れる。

 

「十香、行けそうか?」

 

士道が十香に問う。

 

「うむ。」

 

十香は鏖殺公(サンダルフォン)を出現させて、構える。

 

「よし。」

 

キラーンッ!

 

士道のメガネが光る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのタイミングで空の耶倶矢と夕弦は下の異変に気づく。

 

「っ! アレは何度も我らの決闘に横槍をしてきた、紛いなる悪霊(ミッセン・ゴースト)!」

 

「疑問。その名は初めて聞きました。」

 

夕弦が指摘するも、突っかかる事なく2人は士道を見る。

 

「む?先ほどの人間は何をしているのだ?」

 

「同意。側にいた方は剣を持っていますが。」

 

その瞬間、士道が黒い炎に包まれる。

 

「な、何あれ!?」

 

「驚愕。先程の人間が黒い炎に焼かれています。」

 

耶倶矢と夕弦はその光景を見つめる。

 

そして、怪盗服を纏った士道が姿を現す。

 

「おおー!!」

 

「驚嘆。これは。」

 

2人は共に目を輝かせて見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞ、十香。」

 

「うむ!」

 

士道と十香は出現したシャドウに攻撃を仕掛ける。

 

「ぜぇや!」

 

士道は勢いよく跳び、黒の咆哮(ブラック・ロアー)を放つ。

 

「ーー!!」

 

シャドウに被弾して断末魔を上げる。

 

「はぁ!」

 

十香も霊力を封印されていながらも難なくシャドウを薙ぎ払い蹴散らす。

 

士道達にやられていくのを見て、残ったシャドウが合体しようと集まろうとするもそれを見逃さない士道。

 

「くらえ。」

 

冷静に次は、黒の籠爪(ブラック・アームズ)で大きく振り、切り裂く。

 

「ーー!!!!」

 

先程よりも多くのシャドウを消滅させる。

そして、十香が士道の側までやって来る。どうやら十香の方は片付けた様だ。

 

「よし、これで最後だ。2人で行くぞ。」

 

「うむ!」

 

十香が嬉しそうに応えると、士道はナイフを出現させて十香に指示を出す。

 

「十香、合わせる。」

 

士道の言葉にコクリと頷き、十香はシャドウに突っ込み、シャドウを薙ぎ払う。

十香の背後に回ったシャドウが攻撃をしようとするが、士道が素早く切り払う。

そして、最後に十香と士道の同時に切り込んでシャドウは全て消滅する。

 

空気の重みがなくなる。

 

「フッ。」

 

コートが風により靡く中、士道は赤い手袋をはめ直す。これが士道の戦闘を終えた勝利のポーズというやつである。

 

「やったぞ。シドー!」

 

十香がハイタッチを求めて駆け寄る…が、十香は足を捻らせて転倒してしまう。

 

「!? 十香!?」

 

士道は戦闘状態を解き、夏服状態に戻って倒れている十香に駆け寄ると。

 

「……きゅう。」

 

十香の目はグルグルと回り、そのまま気絶してしまう。

 

「待ってろ十香、今すぐホテルまで走って--」

 

士道は気絶した十香に語り掛けながらおんぶをするとガシッと、士道の両肩を持つ人物が現れる。先程の耶倶矢と夕弦である。

 

「な、何?」

 

士道が疑問を問いかけるも、2人は目をキラキラと輝かせながら圧をかけて来る。

 

「人間っ!先程の黒い格好と炎みたいなのは一体何なのだ!我に教えるが良い!」

 

「同意。耶倶矢よりも夕弦にご教授をお願いします。」

 

「いやぁ…その…」

 

士道はどう答えればいいのか困惑する。

 

その中、耶倶矢は夕弦に文句を言う。

 

「ちょっと、夕弦!アンタは控えてなさいよ!」

 

「反論。それは耶倶矢にお返しします。」

 

「「…!!」」

 

目で火花を散らす2人。すると突然、耶倶矢はある事を思いつく。

 

「ククク…夕弦よ、我から一つ提案がある。」

 

「質問。何でしょう。」

 

「夕弦よ、我らはあらゆる勝負をしてきた。それこそ、もう思い当たる種目が無いくらいな。」

 

耶倶矢は士道を見ながら続ける。

 

「だが、勝敗を決するにはもってこい手段がある。」

 

「疑問。それは何でしょう?」

 

そして、耶倶矢は士道を指差してながら勢いよく宣言する。

 

「どちらが先にこの男を落とせるか--『魅力』を使った勝負だ!」

 

「…へ?」

 

士道はポカンとした表情をする。

 

「この勝負でそこな男を落とせれば、先程の事も独り占めだ。どうだ?それに勝った方が真の『八舞』とも証明できる、異論はないな?」

 

「了承。耶倶矢よりも夕弦の方が魅力である事を証明させてあげます。」

 

耶倶矢は夕弦の承諾を得て笑みを浮かべる。

 

「うむ--そこな人間!名は何とする?」

 

「え…い、五河士道。」

 

「そうか…では士道!貴様に名誉を与える。我と夕弦、どちらかが真の『八舞』を決める権限をな!」

 

「…」

 

士道は言葉を失ってしまう。突然現れた精霊に…勝負の裁定を下す権限まで与えられてしまった。

 

士道はインカムを再起動させる。そして、直ぐ令音から反応が来た。

 

『…シン!無事かい?今、キミと十香のある場所へ向かう。どの辺りにいるんだい?』

 

令音は心配しながら居場所を聞くが…士道は令音の問いに答える前に小声で告げる。

 

「…大変な事になりました。」

 

『…?』

 

士道は令音に事情を説明する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は流れて…今現在、士道はホテルのロビーにある高級感ある椅子に座りながら、メガネを曇らせていた。

その理由は--

 

「さぁ我を選ぶが良い、士道。」

 

「否定。耶倶矢よりも夕弦を選んでください、士道。」

 

「…」

 

耶倶矢と夕弦は士道に密着している。そして、2人の誘惑に耐えながら士道はただ沈黙していた。

 

あの後の出来事はこうだ。まず、士道は十香を背負い、両腕には耶倶矢と夕弦が逃がさないようにくっついていた。士道は2人に霊装を解除して、十香の時の様に来禅高校の夏服の姿に変えてもらう様に説得し、ホテルの近くまでその完全密着状態で向かい、通信して事情を聞いていた令音と合流する。

 

次に、令音は担任のタマちゃんに事情を説明するために士道達から離れた。因みに令音は終始士道に対して普段と変わらない表情でありつつも、冷たいオーラを放っており、士道はガタガタと震えながら令音の指示に従っていた。

 

十香は十香の班、3トリオと一緒の部屋へと運ばれた。双子の2人は転校生であると夢界が情報を流していたのである。

 

そして、今に至る。

 

「おい五河の野郎、いつの間に転校生といやらしい仲になってんだよ!しかも2人ともめっちゃ可愛い…!」

 

「十香ちゃんや鳶一さんと朝からイチャついて、今度は違う女の子とイチャイチャとか…っ!そろそろ息の根止めようぜ。」

 

男子達が士道へ嫉妬と殺意を込めた会話と視線を送る。

 

「うっわ、五河くん。」

 

「十香ちゃんという可愛い子がいながら他の女の子にも手を出すとか。」

 

「マジで引くわー。」

 

3トリオを筆頭にヒソヒソと士道達を見ていた。因みに、最後のはとてつもなく冷たくドン引きした声だった。

 

そして、この場において最も注目を浴びているこの男、五河士道はただただ、メガネを曇らせて微動だにしなかった。周りからは女癖の悪い男、女の敵だと見られる中、平然と余裕を見せていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この男、ただひたすらに助けを求めていた。

 

(誰か助けてぇー!!!)

 

士道はメガネを曇らせているが、それだけでなく、若干鼻の下が伸びつつありながら、頬を赤くしており、体はビクビクと振るわせ、目をグルグルと回していた!

 

忘れがちかも知れませんが…この男はムッツリである。

 

双子からの協力な体を使ったアプローチに必死に耐えていた!

 

夕弦の大きい胸を使った魅惑の攻撃に体をビクビクとさせていた。夕弦は令音に迫るほどの大きなバストをしており、大人の様な体つきで、年上を彷彿させるやり方で士道を刺激する。

 

一方で、耶倶矢は体つきこそ夕弦には劣っているが、負けていなかった!士道の胸あたりを指で突っついたり撫でたりし、敏感な士道を誘惑し女王の様な仕草で刺激していた。

 

(こ、こんなのに屈する…俺じゃ無いもん!)

 

キャラが壊れながらも、体は正直だった。2人の可愛い容姿に強力なアプローチに無意識に鼻の下が伸び、頬を赤くさせ、ビクビクと感じていた。

 

因みに周りからは全くその様には見えず、余裕な姿をしている様に見えている謎の現象が起きていた。恐らく、士道に対する怒りの感情にその様に見えているのであろう。

 

そんな中、士道は周りを見る。

 

(…クラスの奴らから途轍もない殺気と軽蔑の視線を感じる…十香は寝ていて…いや、起きてても助けてくれないな…うん、そんな気がする。折紙に至っては……っ!? 凄いオーラを放ってるし…そうだ!夢界!お前なら俺を助けて--)

 

士道は夢界に視線を向けるも夢界は「てへぺろ」っと男なのに可愛く舌を出してウィンクしていた。

 

(無理♡)

 

(お前、俺の親友だろ!?相棒だろ!?助けてくれよ!)

 

士道が目でそう告げても夢界は我関せずを貫き、口笛吹きながら背を向ける。

 

(クソッ!こんな時に助けてくれないなんて…っ!ん?今、ドアが開いた?)

 

音のする方へ顔を向けると令音がタマちゃんとの会話を終えて出てきた。

士道は令音に助け舟のコールを向けるが、令音は先程の冷たいオーラだけでなく、いつもと変わらない表情でありながら、何処か怒っているような嫉妬の目線を送っていた。

 

(えぇ〜!?令音さん!俺何かしましたか!?……あ、いや、この状態に関しては…えっと、そのぉ…)

 

怯える子犬の様な有り様の士道であった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は更に進み、士道は露天風呂に一人浸かっていた。

夕方、風呂に入る時間が許されている中、他の生徒達は明日何をするのか、豪華な部屋に満喫しており、士道一人であった。しかし、士道はこのことについて一切動じて無かった。寧ろ、落ち着いていた。

 

「…ハァ〜、生き返る。」

 

士道は言葉通り息を吹き返すような行動をする。

 

メガネを直しながら思い返す。

 

あれから、士道は令音のお陰で解放されたのである。理由は部屋分けのためである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…耶倶矢に夕弦、君達は私について来てくれ。』

 

タマちゃんが生徒達に部屋のキーを渡して行く中で、令音は双子と喋っていた。

 

『フ、我らに指図をするでないわ、人間。邪魔たてするのであれば容赦はせぬぞ。』

 

『質問。アナタは一体?』

 

『…学校の先生さ。』

 

令音はそう告げると、士道にコチラに来る様に手招きをする。それを見た士道が近づくと、令音は士道を強く抱き寄せて、自分は士道の理解者であると分からせるような示しを見せた。

 

『『…!?』』

 

『!?』

 

双子は微動だにしなかった(実際はキャパシティオーバーで反応が悪かっただけ)士道を容易にあしらう令音に驚愕する。当の本人の士道は顔を赤らめて動揺していた。

 

『…このように私は彼の事を理解している。私の言う事を聞けばキミ達にとって悪くない情報を得る事が出来る。』

 

『『…』』

 

双子は令音の言葉を聞いて、互いに目を合わせていた。

 

『…私としてはどちらか片方でも構わないが。』

 

その言葉に双子は悔しそうにするも、令音の言う通りに従う事に決めた。

そして、士道はと言うと。

 

『…あ、あぁ…あう…』

 

若干幼稚化…というより令音の行動と先程の出来事を思い返し、再びキャパシティオーバーを起こしていた。

 

『…あぁ、すまないシン。』

 

軽く撫でて士道を優しく離す。士道は顔を赤くして呆然としていた。

 

やり取りを見ていた生徒達が士道を指差して言う。

 

『タマちゃん、アイツで良いですよ。』

 

『この場にいる全員の敵なんで。』

 

内容は、小部屋の鍵についてだった。

どうも、一つの部屋に2人分しかおいておらず、一人だけの個室状態になってしまうためタマちゃんは困っていた。全員、一人だけボッチになる事に誰が行くのか、誰を差し出すのか戸惑っていた所、美人教師の令音に抱き寄せられる所を目撃し、全員が一致団結して士道を指名した。

 

『え、えっと…い、五河くん頼めますか?』

 

タマちゃんが困り、涙目になりながらも士道に問う。

 

『え?えっと、大丈夫です。』

 

『ごめんなさい、五河くん。』

 

『いえ…こういうのには()()()()()()()。』

 

その言葉に反応する令音、折紙、夢界であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

それから士道は1人個室の部屋へと向かい荷物を置き、風呂に浸かりたかった為浴場へと向かったのだ。

 

「それにしても…アイツらが『八舞』というのに拘っているのは何のためだ?そもそも『八舞』って何だ?」

 

誰もいないと思い、1人呟く。

 

「ふん、そう言えばまだ言っていなかったな。『八舞』とは我らが元々1人の精霊だった事だ。」

 

「解説。夕弦達は幾度の現界を経て、2人へと別れてしまったのです。」

 

「へぇ。」

 

耶倶矢と夕弦の話を聞いて『八舞』について理解する。

 

…って。

 

「なっ…っ!?」

 

2人がタオルを巻いた状態で堂々といる。いやそんな事よりもだ。

 

「何で男子風呂にいるんだ!?」

 

士道は慌てて距離を取ろうとするも、双子はグイグイと近づいて来る。

 

「お、驚いたであろう?こ、これで士道、貴様は既に我の虜になったであろう?」

 

そう言って耶倶矢は士道の腕に体を寄せる。

 

「嘲笑。耶倶矢に虜にさせるモノが備わってないと思います。」

 

夕弦も負けまいと士道の腕に体を寄せる。

 

「…っ!」

 

士道はメガネを曇らせて必死に堪える。

 

この光景を他の連中…主に男子に見られれば士道は即殺させれるだろう…が、しばらく経っても2人は士道に密着し睨み合っているだけであった。

 

「フッ、せめてもの温情だ。先に貴様から士道を誘惑する事を許す。」

 

「否定。不要です。寧ろハンデが必要なのは耶倶矢の方です。」

 

「分からぬ奴よの。我が手を下した瞬間に士道の目は我に釘付けぞ。」

 

「懐疑。本当は何をすれば良いのか分からないのではないですか?」

 

「そ、そんな訳ないし! 超エロッエロだし! あんたなんか考えもしないようなオトナのテクニックをいっーぱい持ってるんだから!」

 

「疑念。では、見せてください。」

 

夕弦の挑発に乗り、耶倶矢から行動する。

 

「…う、うふーん。」

 

耶倶矢は定番である、お色気のグラビアポーズを取る。

 

「…え、ええっと。」

 

「プークスクス…」

 

士道は反応に困り、夕弦はあざ笑う。

 

「何よ2人して!」

 

「嘲笑。流石耶倶矢の色香(笑)は違います。」

 

「な、何ですって!? っ、アンタだって実は何して良いのかわっかんないでしょ!」

 

「…っ。否定。そんな事はありません。」

 

「じゃあやってみなさいよ!」

 

「了承。いいでしょう。」

 

今度は夕弦が士道へと仕掛ける。

 

「悩殺。…ちゅ。」

 

…投げキッスであった。

 

「あ、うん。」

 

耶倶矢とやっている事は変わらなかったため、反応に困ってしまった。

 

「きゃははははは! なんだそれ、なーんだそれ!それで悩殺してるつもりなの?」

 

「憮然。耶倶矢には言われたくありません。」

 

「はん、お互い様でしょーが!」

 

「否定。そもそも耶倶矢の幼児体型では、誘惑にすらなっていません。」

 

「だ、誰が幼児体型よ! 誘惑になってないのはアンタも大して変わんないでしょうがっ!」

 

「反論。数字の上では僅差でも、揉み心地が違います。」

 

「ぐぬぬぬっ…士道!貴様は我のスレンダーな方が良いに決まっていような!?」

 

「否定。士道は夕弦の大人びた体の方が良いに決まっています。ですよね、士道?」

 

「…」

 

不味い。このタイミングで俺に吹っ掛けられた…しかも、内容が内容だ。下手なことを言ってしまうのは避けたい!

 

士道は必死に突破口を考えると、一つ根本的な疑問を抱いていた事を思い出した。それは--

 

「な、なぁ…そ、そもそも何で『八舞』になるために戦っているんだ?」

 

何とか誤魔化す士道。しかし、これは聞いていない事だっため、2人に問いかける。

 

「先程も言ったが、我らは元々1人の精霊。突然、我らが分断された時は驚いた、が。」

 

「説明。夕弦達は戻る方法を分かっていました。」

 

「方法?」

 

「補足。()()()()()というのが正しいでしょう。夕弦達は自分達の事を理解していたのです。」

 

「理解?」

 

「肯定。夕弦達はいずれ『八舞』に戻ります。」

 

「戻る?」

 

「然り…だが、どちらが本来の『八舞』の人格なのか、そこだけ我らでも分からないのだ。」

 

分からない?…っ。もしかして--

 

「分からないから、決闘しているのか?」

 

「左様、本来の『八舞』の人格は既に失われておる。故に、新たな『八舞』になるのは我か夕弦のいずれかとなっている。それ故に我らは永きに渡る決闘をしておるのだ。」

 

(それで、戦っていたわけか。)

 

士道は2人が拘っていた事を理解する。2人は元に戻る時に、どっちが『八舞』になるのかを決めるために決闘していたのだ。

 

だが、ふとある疑問が生まれる。

 

「もし…負けた方はどうなる?」

 

士道の問いに答える。

 

「当然、消え失せる。」

 

「!?」

 

「くくく、感謝してあるぞ。お主のお陰で漸く白黒ハッキリできる。」

 

「肯定。これが最後の勝負で異論ありません。」

 

そして、2人は士道に問い詰める。

 

「さぁ、これで分かったであろう?ならば、どっちが良いのか答えるのだ、士道よ!」

 

「肯定。さぁ夕弦を選んで下さい、士道。」

 

(げ、振り出しに戻ってしまった。)

 

「さぁ。」

 

「復唱。さぁ。」

 

「…」

 

2人が近づいて来る。タオルで巻かれているも見える谷間や、女の子のいい香り、風呂場という場所からか、士道はドクン!ドクン!と心臓を強く鼓動ささる。

 

(っ…ど、どうすればっ!?)

 

そう思っていると--

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりゃーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞き覚えのある声と共に、露天風呂へと直行し、水しぶきが発生する。

 

「ふぅ…」

 

美しい夜色の長髪を揺らし、美しい曲線でなぞられたボディが顕になる。

そう、その人物は--

 

「--十香?」

 

「--シドー?」

 

ポンッ!

 

実際にはそんな音は鳴っていないが、キョトンとしていた士道と十香。次第に2人は正気に戻り。

 

「きゃーーーー!!!!」

 

十香は悲鳴を上げて。

 

「…っ!!!」

 

顔を真っ赤にしていた。

否、我慢していた理性が崩れ落ち顔を真っ赤にしていた。双子が風呂に入って来た時は奇跡か、タオルを巻いていたためか、何とか理性を保って耐えていたが、タオルを巻かずに生まれたての姿の十香を見てしまい、我慢が切れてしまった。

 

十香は直様、胸と下腹部を隠す。

 

「な、ななな、シドー!?何故ここにいる!?」

 

「と、十香こそ!ここ、男湯だぞ!?」

 

「な、何を言っておる!皆に聞いた通り()()()()の方に入ったぞ!」

 

「!?」

 

士道は驚愕する。言うまでの無い事だったが、士道が入った時は()()()()だった。つまり--

 

「お前らまさか!?」

 

「うむ、我らが入る前に暖簾を変えておいた。」

 

「補足。つまり今は女湯になってます。」

 

「我らが男湯に入る訳なかろう。」

 

双子よ説明に士道は苦悩する。

 

(何てこった!は、早くここから--ん?寝ていた十香が入ってきたって事は--)

 

ガラガラ

 

嫌な予感が的中する。他の女子達が入ろうとして来る。

 

「広ーい!海すぐそこじゃーん!」

 

「あ、転入生さん、もう入ってたんだ。」

 

「マジ引くわー!…アレ? 鳶一さんお風呂に入らないの?」

 

「--私には、やらねばならない事がある」

 

「そ、そう…頑張って」 

 

折紙は何処へと移動する。

 

な ん て こ っ た い

 

士道が岩場に体を隠すと、十香が寄ってくる。

 

「と、十香?」

 

「…シドーが悪い訳ではなかろう?だから、早く逃げろ。」

 

何と十香ちゃんは士道を許した。以前、十香のお風呂を覗いてしまった時は蹴り飛ばされてしまったが…絆が芽生えたのだろう。

 

「…!?恩にきる。十香、何とか皆んなの気を逸らしてくれ!()()()()()()()。」

 

「? うむ、分かった。」

 

士道は小声で十香に伝える。十香はコクリと頷き、皆の注意を引くため空へと指を向ける。

 

「そ、空に大きなきな粉パンがー!--!?」

 

十香が空に指を刺すと皆も空へと顔を向ける。すると、天は士道を味方にしたのか十香を味方にしたのか、パンのような形をした雲があった。

 

「好奇!」

 

士道は気配を殺し、逃げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、折紙は1人男湯を覗きに向かった。

いや普通逆だろって思うだろうが、折紙だから仕方ない。調べたルートで男湯を覗けるスポットに赴き行動に移す。すると--

 

[…]

 

どうやら男達も女湯を覗きに来たようだ。見覚えのある殿町を筆頭に来た様だが、同じことをしていた折紙を見て戦慄する。

 

「お、お邪魔しました…」

 

男達はその場を後にする。折紙はその後も動揺せず、士道がいないか探し始める。

 

 

 





実は八舞姉妹の会話って超ムズイ。耶倶矢の厨二用語これで良いのか不安になるし、夕弦は感情をしめす二熟語がこれで合っているのか分からんくなる。

因みにどうでも良い話、自分は小中の修学旅行がトラウマである。思い出す度に恥ずかしくなってしかたない。



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