デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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はい…軽いまとめと夏休みの内容を開示する回みたいなものです。
…正直、説明下手であると自覚してます。はい、すみません。





番外編5:方針

 

修学旅行から帰ってきた日から翌日。士道達はフラクシナスへと足を運んでいた。

 

「我ら颶風の御子、ここに降臨である!」

 

耶倶矢がカッコイイポーズをとって語る。

 

「解説。八舞姉妹です。お邪魔します。」

 

それを夕弦が分かりやすく翻訳する。

 

「ちょっ!夕弦、せっかくカッコつけてるのになんか台無しじゃん!」

 

「反論。そんな事をしなくても、耶倶矢はカッコイイですし、可愛いです。」

 

「へ!?…そ、そう?にゃふふ…可愛いのはどっちかというと夕弦の方だしー。」

 

「否定。耶倶矢の方が可愛いです。」

 

「も、もう、ゆーづーるー。」

 

「反撃。かーぐーやー。」

 

[…]

 

2人がイチャイチャと百合百合をしている所を、船内にいる者達は黙って見ていた。

 

「百合って、実際に目にすると、どう反応すればいいんだろうな?」

 

夢界が呟く。

 

「まぁ…その、いつも通りでいいんじゃないか?」

 

それに士道は反応する。

 

「そういうもんか。」

 

「だと思う。」

 

士道はそう言って、お土産をクルー達一人一人に配っていく。

 

「どうぞ。」

 

「ありがとう、士道くん。」

 

「ありがとうございます、士道くん。」

 

とクルー達は返事をして受け取る。

 

「マメだな。」

 

「いつも世話になっているからな。このくらいはしないと。」

 

「それは、確かに。」

 

次に士道は暖かいお茶を入れ始める。

 

「お、それ旅行先で買ったお茶か?」

 

「あぁ、良い味だったし、買ってみたんだ。」

 

士道は夢界にお茶を渡し、皆にお茶を渡していく。

 

「どうぞ。」

 

「ありがとうございます、士道くん。」

 

「令音さんも、どうぞ。」

 

「…ん、ありがとう。シン。」

 

士道から受け取って皆、お茶を飲み始める。

 

「おお、良い味だ。」

 

「良いセンスしてるわね、士道くん。」

 

とクルー達から好印象を受ける。

 

「良かったです。」

 

すると、士道はある席を見て呟く。

 

「…琴里は、まだ帰ってきてないんですね。」

 

そこは、琴里の座る司令席である。

琴里は、士道が修学旅行から帰宅しても、家にいなかったのである。ラタトスク本部から招集を受けているのは知っていたが、帰ってきてるものだと思っていたため、少し寂しく感じたのである。

 

「何だ?琴里ちゃんがいないと寂しいのか?」

 

「そりゃ、寂しいだろ。いつも当たり前のようにいるわけなんだし。」

 

むっとした顔で夢界を睨む士道。

 

「悪い悪い。」

 

と、茶化す夢界。

 

「それより…耶倶矢ちゃんは、ここを見てどうよ。中々、秘密組織って感じで良いよな!…まぁ、まんま秘密組織であるけどさ。」

 

夢界が耶倶矢に意見を求める。

 

「くくく、我が属するには、ちと漆黒が足りぬが、まぁ良しとしよう。」

 

と言いつつも、目をキランキランに輝かせていた。

 

「楽しそうだな。」

 

「そうだな。」

 

それを見て、ほくそ笑む士道達であった。

 

周りを見渡す耶倶矢に夕弦。そんな中、夕弦は士道に問いかける。

 

「疑問。ある程度の事は聞いていますが、士道は一体どのような事をなさっていますか?」

 

「ええと、俺は…」

 

士道がどう説明しようか困っていると

 

「--士道はね、世界を救うため、精霊を救うために現場で交渉する事をしているわ。」

 

と、説明しながらやって来る者が現れる。

 

[司令、お疲れ様です。]

 

クルー達が立ち上がり、敬礼する。

 

「…おかえり、琴里。」

 

「ええ、皆んな今帰ったわ。」

 

琴里は皆に微笑んで返すと、士道の方へと向ける。

 

「おかえり、琴里。」

 

「ええ、ただいま士道。」

 

と、士道と琴里は互いに見合って挨拶する。その様子を見て姉妹は夢界に問いかける。

 

「…ねぇ、あの子って何?他の人達から敬礼されているし、士道とどういった仲なの?」

 

「あぁ、まずあの子はこのフラクシナスの司令官で、士道の妹の1人だよ。」

 

「え!?士道の妹?…にしては、その…あまり似てないわね。」

 

耶倶矢と夕弦は互いに見合う。

 

「士道と琴里ちゃんは、血の繋がりがないからなぁ。似てないのはしょうがないさ。ま、もう1人妹ちゃんがいるわけなんだが、その子は今行方不明になっているって訳でな?」

 

と、事情を説明する。すると、琴里は耶倶矢と夕弦を見る。

 

「色々と大変だったみたいね。令音から報告を受けているわ。」

 

「あぁ…まぁ、でも、俺は特に大した事は出来てないよ。多くは、令音さんが色々としてくれくれたから。」

 

「あら、そうなの?」

 

と、琴里は令音に視線を移す。

 

「…いや、私はあくまで、教師として、クルーの1人として、責務を全うしたたげさ。

…シン、彼女達を救ったのは、紛れもなくキミだ。それに、私もキミがいなければ、この場にいなかったかもしれないからね。あまり、自分を過小評価は良くないよ。」

 

と、令音は琴里に説明し、士道の頭を撫で始め、士道は顔を若干赤らめる。

それによって妙に仲が進展している様子を見たクルー(箕輪と椎崎)は女子トークをし始め、琴里をそれを見て若干不機嫌そうにしていた。

 

それを見ていた神無月が琴里に近づく。

 

「どうしたんですか〜、司令。不機嫌しては良くないですよ〜」

 

神無月はワザと琴里を煽る。当然、琴里はそれに対してお仕置きをかます。

 

「ふんっ!」

 

琴里は神無月の指を曲がらな程度に曲げる。

 

「あぁぁ〜〜!!!!」

 

神無月はお仕置き…というよりご褒美を受けて、喜びの絶叫をあげる。

 

[…]

 

その様子を見て、クルー達は複雑な顔になって残念がる。

彼らは、神無月の力量を間近で理解した。なのに…中身、いや本質は残念で残念すぎることに頭を抱える。

そして、夢界は1人でケラケラと笑っている。

 

「「…??」」

 

当然、新参者の耶倶矢と夕弦は困惑する。それを見かけた琴里が咳払いをして切り替えて、姉妹に話しかける。

 

「悪いわね、置いてけぼりにしちゃって。ようこそ、フラクシナスに。歓迎するわ。」

 

そう言われて、ハッ!とした耶倶矢は瞬時にカッコつける姿勢になる。

 

「フッ!我等は颶風の巫女たる八舞姉妹である!」

 

「挨拶。よろしくお願いします。」

 

夕弦は礼儀正しく挨拶をする。

 

「ええ、よろしく。」

 

琴里は耶倶矢の挨拶に、特に困惑せずに受け入れる。

 

「驚嘆。耶倶矢の独特な挨拶に驚きはしないのですか?」

 

「ん?…ええ、特に気してないわ。同類もいるわけだしね。」

 

と、琴里は士道を見る。

 

「え?」

 

因みに士道はそれに対してキョトンとした表情になる。

 

「あぁ、確かに。」

 

夢界はうんうんと頷く。

 

「?」

 

「自覚のない士道は置いといて、2人にフラクシナスについて話さないとね。それと、2人の経緯について教えてもらうわよ。」

 

琴里の指示の元、令音、夢界、神無月達は話し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そう、事情は全て把握したわ。」

 

琴里は静かにそう告げる。

 

因みに、この場に定期検査を受けていた十香と四糸乃もこの場に加わる。

 

「まずはご苦労だったわね、皆んな。よく生き残ったわ。」

 

状況が状況だったために琴里は最初にその言葉を口にする。琴里にとってもフラクシナスのクルー達は既にかけがえのない人達に認定されている。だから、窮地を脱した事に安堵の顔を浮かべていた。

 

「令音も士道をサポートしてくれてありがと。頼りになるわ。」

 

中でも令音は姉妹のように仲が良いため、個人に向けて礼を言う。

 

「…礼には及ばない。私は、自分の責務をこなしただけさ、一番頑張ったのはシンだよ。」

 

令音は礼を受け取りつつも、士道が頑張ったと推奨する。

 

「そう。」

 

令音の性格などは長い付き合いで理解している。なので、深追いはしないでいた。

 

「四糸乃も助かったわ、ありがとう。」

 

それを聞いた四糸乃は顔を赤くしていた。クルー達も皆が感謝の言葉を送り、嬉しい気持ちになりつつも、帽子で恥ずかしさを隠していた。

 

そして、士道はしゃがんで四糸乃の頭を撫でる。

 

「四糸乃、よく頑張ったな、凄いよ。」

 

四糸乃は士道を見る。

 

「それに、俺も四糸乃の力のお陰で窮地を乗り越えた。ありがとう。」

 

「……い、いえ。し、士道さんの…お役に立てたのなら。」

 

士道に褒められた事により、四糸乃は嬉しさMAXだった。

 

《そうそう!士道くーん、もっと褒めるんだよー!》

 

「ああ、四糸乃、それによしのん、頑張ったな。」

 

「は、はい!」

 

《イッエース!よしのんも褒めるあたり、ポイント高いよー、士道くん!》

 

四糸乃とよしのんは士道に褒められ、頭を撫でられ、幸福状態になる。

 

そんな中、士道に褒められ、頭を撫でている所をただ見ている隣にいる十香は

 

「…むぅ。」

 

羨ましくて不機嫌状態だった。

 

それに気がついた皆は士道に伝えようとするも、士道は次に十香へと向ける。

 

「十香にも助けられたよ。ありがとう。」

 

士道は十香にも頭を撫でて褒め始める。

 

「…! うむ!」

 

十香は先程の不機嫌が瞬時に無くなり、ご機嫌状態になる。

 

[(士道(士道くん)が言われなくても気がついた!?)]

 

その場にいた精霊組以外の者達が驚愕する。無論、普段クールな令音も驚いていた。

 

「…まぁ、士道も成長しているのね。関心関心…」

 

琴里は士道の成長に対して、嬉しい気持ちに反面、何とも言えない気持ちになるが…何処かで羨ましいという気持ちにもなるが、それは置いといて。

 

次に、夢界に向ける。

 

「まぁ、アンタは…」

 

「♪(どう褒められるか待っている顔)」

 

「別にいいわね。」

 

「酷い!」

 

「話聞いている限り、今回大した事してないじゃない。」

 

「いやぁ…まぁ…でも、怪しいカメラの姉ちゃんを見張ってたぜ!」

 

と、豪語する。だがこの男は、エレンが3トリオに振り回されているのを確認すると、クラスの女の子と遊んでいただけで、見張っていなかったのである。

だが、それを知っている者は誰もいないのである。

 

「はいはい、どうせ、途中で周りの子と遊んでいたんでしょ。」

 

「そ、そんなわけないじゃないか…」

 

…女の勘とは恐ろしいモノである。

 

「…でも、そのエレンって女は厄介ね。おそらく所属しているのは…」

 

琴里が士道に説明すべきか考えていると

 

「DEMインダストリーだな。」

 

「…夢界?」

 

「真那ちゃんの件といい、黙ってばっかは良くないだろ。」

 

夢界は呆れ気味に話す。

 

「…そうね。」

 

琴里は決心して告げる。

 

「士道、DEMインダストリーとはね--」

 

琴里は士道に説明する。表向きは顕現装置(リアライザ)を用いて各国に流通している企業だが、実態は平気で人の命を用いて実験などを起こっている悪徳企業であると。実質、ASTの親玉であると。

 

「…」

 

士道は説明を聞いて深刻な表情を浮かべていた。

 

「つまり、これまで俺らは精霊を巡ってASTやシャドウと戦ってたわけだが、そこにAST側にDEMという厄介な連中と戦わないといけないわけだ。」

 

夢界がそう告げる。

 

「…厄介だな。」

 

士道はエレンとの初戦を思い出す。十香はなす術なく負け、士道は不意打ちによりエレンを倒した訳だが…あのまま戦っていれば間違いなく負けていたと感じていた。

 

「…えぇとさ。」

 

士道達が話し合っている中、耶倶矢が挙手をする。

 

「えっとね…DEMとか分かったけど、『シャドウ』で良いんだよね?この前の黒い物体、アレについて教えて欲しいんだけど…

っ!それと、士道のあの力について知りたいし!」

 

新参者としては、中々濃い内容に理解が追いつかない所があったが、耶倶矢としては士道の力について興味津々だった。

 

「同感。士道の凄い力に夕弦も興味深々です。」

 

2人は元から士道の力に興味深々だった。

 

「あぁ、えっとそれはだな。」

 

士道は『ペルソナ』について説明する。ペルソナは心の力を具現化したモノ。その力はシャドウ相手に有効な力であるという事を。

 

「じゃあ、そのメガネをつければ、あの黒いコートを纏えるってわけ?」

 

「そうだな。」

 

「…くくく、士道よ。我にもその力を貸すが良い。」

 

そう言った耶倶矢はヒョイっとメガネを取ってかける。

 

「後は…どうすれば良いの?」

 

「ペルソナって…力を込める、かな?」

 

「よし…ペルソナッ!」

 

耶倶矢はカッコつけたポーズをとっても…何も変化は無かった。

 

「へ、変化しないし!?」

 

「嘲笑。耶倶矢は1人ポーズを取っただけです。ぷーくすくす。」

 

「ゆ、夕弦ー!!」

 

子供の様に笑う夕弦と駄々をこねるようにプンプンと怒る耶倶矢であった。

 

士道はポロッと落ちたメガネを拾いかけ直す。

 

「やっぱり、あの力は士道だけの力みたいだな。」

 

「…そうみたいだな。」

 

「とりま、やってみ。」

 

「ん?あぁ。--ペルソナ。」

 

その言葉と共に、黒い炎に包まれ士道の姿が変わり、怪盗ルパンへと変貌する。

 

「よっ!大怪盗ルパン様じゃ〜ないですか〜」

 

夢界はおちょくる様に語る。

 

「フッ。」

 

士道はそれを鼻で笑い、ポケットに手を突っ込む。

 

「…今更だけど、その姿になるとお前の性格も変わるのな。」

 

「そうか?」

 

と、普通に会話する。

士道がルパンへと変身しても士道が士道である事には変わりない。ただ、この姿になると、自分のカッコいいと思う理想の姿になれるためか、自信に溢れた性格になる。

 

「いいなぁ…」

 

と、耶倶矢は羨ましそうにしていた。

 

「悪いな、耶倶矢。」

 

「…と、次はシャドウについてか?」

 

夢界はもう一つの質問について切り替え始めた。

 

「これについては、私達も再度確認した方が良いわね。」

 

琴里は腕を組み始めた。

 

「『シャドウ』…心の歪みが現実に現れたモノ。それは、今を生きる人達の負の感情の集合体の様なモノだな。」

 

士道は語り始める。

 

「ヤツらが現れる時は、空気が一変し、重くなる。」

 

「うむ。」

 

「確かに、これまでの決闘で現れる時も何処か変な感じであったな。」

 

十香と耶倶矢は頷く。

 

「シャドウには二つのタイプがある。最初は気が荒かったり、心の歪みを抱えすぎている者達を重点に取り憑いて暴れるタイプや、取り憑かれた人物からエネルギーを奪い、人に成りすまして襲うタイプの二種類だった。」

 

それは、士道がシャドウに出会し、ペルソナの力に目覚めたきっかけでもあった。

 

「だが…ヤツらには学習能力がある。俺を通して、精霊を知ってしまった。」

 

その言葉に全員が真剣な眼差しになる。

 

「精霊を認識してから、人に成りすますタイプから取り憑くあの奇妙なタイプで出現するようになった。」

 

「…なるほど。」

 

夢界は目を細める。

 

「戦っていく中、ヤツらは『シャドウ・トークン』という進化を遂げてしまった。」

 

狂三との戦いでの出来事である。

 

「更にヤツらは…一度精霊を取り込んでしまった。」

 

「…っ。」

 

琴里は袖をギュッと握りしめる。

 

「…きっと、あのせいで強力なモノに寄生する事で力を身につける事を覚えてしまったんだ。俺が不甲斐ないばかりにっ…!」

 

士道は自分の未熟さに静かに拳を握りしめる。

 

「…それは、シンのせいではないさ。」

 

士道の気持ちに気がついて令音が否定する。

 

「そうだぜ、お前のせいじゃない。」

 

夢界もそう言い、皆が頷く。

 

「…あんま、1人で抱え込むなよ。」

 

夢界が士道の肩を組む。

 

「それに、お前にはそれに抗う手段を持っているじゃないか。」

 

その手段は2つ。琴里を救う時に見せた、ナイフを鎧腕に変化させ、シャドウから切り離した事。

もう一つは、そのためにシャドウを追い詰めるために士道の力をパスを通じて精霊達に強化させる事である。

 

「おお、アレだな。あの時は不思議な感覚だった。」

 

「…はい、士道さんの想いが伝わった感じでした。」

 

限定霊装の状態から完全霊装の状態になった事である。

 

「疑問。それはどういったものですか?」

 

夕弦と耶倶矢に説明する。

 

「ほほう。」

 

「理解。では、夕弦達も十香達と同様になれるって事ですか?」

 

「恐らくそうだろうさ。」

 

夢界がそう告げる。

 

「士道の力とリンクすれば、シャドウに対して有効的に戦えるはずさ。」

 

封印される前の状態では、力づくでねじ伏せる形になるが、士道の力が共有出来れば、完全霊装の状態で特攻がついた状態で優位に戦えるようになる。

 

「そのためにも、もっと力を身につけないとな。」

 

士道は手を出し、ギュッと握り締める。

 

「成さないとならない事が多いな。」

 

体力作り、力を身につける、十香達(精霊)との力の共有。課題は多い。

 

「十香ちゃん達に力を分け与える手段も、早い内に身につくと思うぜ。」

 

「?」

 

「お前、十香ちゃん達の『天使』を使っただろ?」

 

そう、士道は十香・四糸乃・琴里の『天使』を顕現させ、窮地を乗り越えた。

 

「なら、恐らく時間の問題の筈さ。」

 

「そうか。でも、力をつける手段が…琴里。」

 

士道が琴里に語りかける。トレーニング場をどうにか用意出来ないかと。

 

「それなら、精霊マンションの地下に作っておくわ。」

 

ラタトスクの謎の力があれば早いうちに済むだろう。

 

「なぁ、琴里。そろそろ、ラタトスクについて教えてくれよ。

…それに、真那についても。」

 

士道は怪盗服から私服へと姿を戻す。

 

「「…」」

 

士道と琴里は見つめ合う

 

[…]

 

それを静観している者達。

 

「…はぁ。」

 

折れたのは琴里だった。

 

「分かったわ。私とおにーちゃんとの仲だしね。」

 

それを聞いて、安堵する士道。令音もそんな2人を見て少し安堵を浮かべる。

 

ラタトスクに関しては、精霊との対話による空間震災害の平和的な解決を目指して結成された秘密組織で、母体である『アスガルド・エレクトロニクス』という会社で知れている。

DEM社以外で、顕現装置を製作できる会社である。

 

「…そうだったか。」

 

顕現装置については、令音さんから聞いていた。魔法に近い技術で、上空にいるこのフラクシナスを隠している事や、AST達が武装として使用している事、建物といったモノを即時修復する事が出来てしまうと。

 

「これで色々と不思議だった事が頷ける。」

 

(とはいえ、まだ気になる事は多いけど…話さなさそうだな。)

 

士道はまだ疑問に思う事があるも、追求はやめた。

 

「真那についてだけど、黙っていた事は謝るわ。事情があって言えなかったのよ。」

 

「分かってる。」

 

士道は琴里の事を理解しているから頷く。

 

「真那は…」

 

「真那は今現在も捜索中よ。けど、ASTやDEMの所にいないのは間違いないわ。」

 

士道も帰ってから捜索しても、影の形も見当たらなかった。

 

「ただ…真那の体はDEMによって異常な程に魔力処理を受けているから、遠くに行けない。それも、狂三との戦いで相当酷い筈なのに…」

 

琴里は顎に手にやり考え始めてしまった。

 

(真那…)

 

士道も真那の顔を浮かべながら、身を案じる。

 

(何処へ行ったんだよ。折角、再会出来たんだ…これから一緒に…)

 

落ち込んでいる士道。それを見て、より複雑な表情になる令音。

 

「ま、今はラタトスクの方々に真那ちゃんを任せるとしようぜ、お前が切羽詰まって探していても見つかるとは限らない。」

 

夢界がそう告げる。

 

「そうね…それに、士道にはやってもらう事がまだあるわ。」

 

パチンッ!

 

琴里が指を鳴らす。すると、クルー達はいつの間に用意したのか、モニターにある内容を写す。

 

『五河士道:特別強化訓練』

 

「……へ?」

 

(エ?ドユコト?)

 

士道の疑問に琴里は説明する。

 

「令音から詳しい事を聞いているわ…士道!アンタ、緊急時とはいえ、この2人に良いように振り回されてた挙句、鼻の下を伸ばしてたそうね。」

 

「え?」

 

琴里は耶倶矢と夕弦の2人を指しながら述べ、士道はキョトンとする。

 

「さっきのやり取りから少しは成長してると思ったけど、女の子に振り回されってどうするのよ!

よくよく思い返せば、狂三の時からそうだったわ。士道は、女の子に密着されると弱いってね!これまでは、何とかなったけれど、ここからはそう上手くは行かないわよ。だから、女の子に慣れてもらうためにこの夏休みに徹底的に訓練するわよ!」

 

琴里がビシッと士道に指摘する。

 

「え…いや、そんな事は…」

 

「…シン、これを見たまえ。」

 

令音はそう言うと、狂三との水族館でのデートに、下着売り場での記録映像を流し始めた。

それにより、士道はこれまでにないくらい赤面し始める。

 

「え!?ちょっ、ちょっと勘弁してくださいよ、令音さん!!

うわ…しかも映ってる俺、キモ。」

 

士道は自分に対しての自己評価が低いのであった。

 

「…それと、コレは修学旅行によるモノだ。」

 

次に映されたのは、耶倶矢と夕弦による魅惑というか、誘惑によるボディタッチで、硬直して鼻の下が伸びており、少し満更でもない様子だった。

 

「--っ!?」

 

士道はそれを見て、アホ面になる。

 

「なっ…っ!コレいつの間に撮ってたし!?」

 

「赤面。恥ずかしいです。」

 

耶倶矢と夕弦も実際の映像を見て、顔を赤面させる。

 

「…へぇ、随分と良い御身分だったのねぇ…しかも、満更でもない顔しちゃって…この変態ムッツリ兄貴。」

 

久しぶりの妹による公開処刑および、罵倒により士道の膝が崩れる。

 

「…」

 

メガネを曇らせ、顔を真っ赤になっていき、恥ずかしさのあまり言葉が発せられないでいた。

 

「これで分かったでしょ?訓練が必要だって。」

 

ここまで証拠があると何も言えまい。

 

…それどころか、四糸乃は誰よりも顔を真っ赤にし、十香はというと--

 

「…シドー。」

 

全身から真っ赤な嫉妬のオーラを放出させており、今にでも飛びかかろうとしていた。

 

「ま、待ってくれ十香!こ、コレは…」

 

「言い訳は無用よ。今の士道には説得力ないもの。」

 

琴里は半目でつまんない顔をして述べり。

 

「…シン、これから、みっちり訓練を受けてもらう。覚悟しておきたまえ。」

 

何故か、令音も士道に対して思う所があるのか圧をかける様に語る。

 

「え…ええぇ!?」

 

「あちゃー、やる事多いなぁ、士道。」

 

夢界はニヤニヤとしており。

 

「シドォォォォォ!!!!」

 

堪忍袋の緒が切れて十香は士道に制裁する様に、飛びかかる。

 

「待って、十香…あ"あ"あ"ぁぁぁーーー!!!!」

 

士道はこれまでに出した事のない悲鳴を上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレから数時間後、フラクシナスにて琴里は静かに語りだす。

 

「…ごめんなさい、おにーちゃん。」

 

琴里は士道に謝罪する。

 

「でも、こんなの言えるわけないわよ…」

 

その訳は…修学旅行での敵艦アルバテルの事である。

 

シャドウに取り込まれ、士道の顕現させた鏖殺公(サンダルフォン)による一閃で完膚なきまで消失した。

 

…だが、ほんの一部分が海にて漂流されており、ラタトスク機関の者達によって調査された。

 

問題は、その一部分である司令室にて無残な現象を目撃してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、人だったであろう肉片の残骸だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論からいうと、それは士道の原因ではない。

 

彼らは、未確認生命体『シャドウ』によって、分解・利用され故人となっていたのだ。

 

だが、責任感の強い士道がこの事実を知れば--

 

「…琴里」

 

深く考えていた琴里に令音が肩を軽く叩き、落ち着かせる。

 

「令音…」

 

「…大丈夫さ、キミの選択は間違ってない。私が…我々全員が保証しよう。」

 

令音の言葉にクルー達は頷く。

 

「ありがとう、皆んな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -----

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イタタタタ…」

 

士道は十香からの制裁を受けた頭などを摩りながら、散歩をしていた。

 

「夏休みは、体を鍛える事のみ考えてたけど、また訓練させられるのか…」

 

士道はどういった事をさせられるか考える。思いついた事は、以前狂三の時にチラッと見えた『マイリトルシドー2』というタイトルを思い出して、地味に面倒だなと思っていた。

 

そんな中、ふとある事を思い出す。

 

それは、耶倶矢と夕弦の元に向かう最中に遭遇したシャドウの群れに苦戦している最中、士道を助けてくれた人物。

 

謎のペルソナ使いの『デオン』。彼女についてだった。

 

修学旅行の時は、士道が気を失ってしまったので会う事は突然なかった。

 

そして、彼女の正体に該当する人物も浮かび上がらなった。

 

「…琴里達にも、説明しとかなくちゃな。」

 

士道が呟いていると、近くの店に目が行く。ガラス越しから店内にある商品を見て、思い出すことがあった。

 

「もう直ぐ、琴里の誕生日だな。」

 

士道は商品を見つめながら、何を贈ろうか考えていた。

 

 

 





初っ端から書いてみて思いました。僕の厨二レベルは小学生レベルでカッコいい技名をつけたがる位で、耶倶矢の厨二言語が話せませんっ!ついでに言うとドイツ語も無理っ!
なので、苦手な方は申し訳ありませんが、自分のレベルについて来てくれるとありがたいですぅ…


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