デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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さぁ、次章へ向けてのお話です。割と重要な内容にしています。

※『琴里の誕生日』は削除する事を決めました。ストーリーにあまり関わりのない話は各章に1話目安にしていこうと努力します。





幕間2:波乱の前兆

 

ガチャ

 

とある高層ビルの大部屋にて、扉を開けて入る音が響く。

 

「やぁ、遅くなってしまってすまない。ウェストコット。」

 

「あぁ、よく来てくれたね。マリス。」

 

「…」

 

仲が良いように挨拶するマリス・エンワード、それに手を挙げて応じるウェストコット、そして、現れたマリスに無言で顕現装置(リアライザ)を起動させ殺意を向けるエレン。

 

「おや、これは執行部長殿。随分と手荒い歓迎をされますな。」

 

敵意は無いと証言するかのように両手を上げるマリス。

 

「…アナタには山ほど言いたい事があります。後ほどよろしいですね?」

 

「あぁ、前の件は大変申し訳ないと思っていますよ。事情もこれから語りますので、どうか。」

 

「…」

 

マリスの落ち着いた態度にエレンは更に苛立ち始める。

 

「エレン。」

 

「…分かっています。」

 

ウェストコットに止められ、大人しくなるエレン。マリスは苦もなくウェスコットの前の椅子に座る。そして、ウェストコットは話し始める。

 

「さて、今回キミに来てもらったのは他でもない。次の段階に進めるためだ。」

 

「話は聞いている。--いよいよ精霊を『反転』させるのだろう?」

 

「あぁ、準備は既に整っている。後は『タイミング』だ。」

 

「ふむ…それで、どうするのかな?新たに捕虜しているとは聞いていないし。

--()()は別の実験中だと聞いているが?」

 

「うん、彼女には別の計画のためにその身を挺してもらっている。だからこその()()()()()さ。」

 

「…?…あぁ、そういう事か。となると誰を使うんだい?」

 

「この子だ。」

 

そう言ってウェストコットは『ある女の子』の写真を机の上に置く。

 

「そうか。確かに彼女なら良い成果を出してくれるだろう。それで、そのタイミングとは?」

 

ウェストコットはエレンに顔を向ける。エレンはタブレット端末を取り出し、あるページサイトを提示する。

 

「ほう?『天央祭』?」

 

「そう、我々と彼らとのセレモニーに持ってこいな舞台じゃないか。」

 

フフフと笑い始めるウェストコット。

 

「そうだね。」

 

と苦笑するマリス。すると--扉の方から聞きなれない声が室内を響き渡る。

 

「--アッハハハ!私もその祭に行きたい!」

 

声のする方に3人は向けると、そこにはドアを背にした女の子がいた。

 

「おや、見学は終わったのかい?『ダイナ』。」

 

マリスは闇色が特徴の髪をしたその女の子を『ダイナ』と呼ぶ。

 

「その子は?」

 

「あぁ、私の娘だよ。」

 

「…!?」

 

「ほう。」

 

マリスの娘、ダイナはマリスに抱きつきながらウェストコット達に顔を向ける。

 

「お父様の娘のダイナだよー。よろしく社長さん、エレン(笑)。」

 

「あぁ、よろしく。」

 

「何故、私に(笑)をつけるのですか!?」

 

ウェストコットには『社長さん』と経緯を示しているようだが、エレンには下で見ているようだ。

 

「…っ、子供はお家に帰っていなさい。ここは遊ぶ場所ではありません。」

 

エレンが躾けるように言うも、ダイナは「アハハ!」と笑って一掃する。

 

「な、何ですか?」

 

「人の力量が測れない時点で--下で見られても仕方ないよな?」

 

ダイナはエレンに向けて、殺気を飛ばす。

 

「!?」

 

エレンは再び顕現装置を起動させ、構える。今度は、身の危険を察知しての行動だった。

 

「アッハハ、一応『世界最強の魔術師』を名乗ることはあるんだな。ま、私に比べりゃ雑魚同然だけど。」

 

とてつもないプレッシャーをかけながら、エレンを見下すダイナ。そんなやり取りを見てウェストコットは愉快そうにしながらも、ダイナを評価し始める。

 

「エレンにここまで警戒させるとはね…やはりただの娘、という訳ではないんだね?」

 

「あぁ、とはいえダイナ…キミはまだ『調整中』なんだ、あまり執行部長を怒らせてはいけないよ?」

 

「はーい。」

 

父に言われて、渋々黙り込むダイナ。

 

「さて…目的は理解した。次に問いたい事があるのだが。」

 

「何だね?」

 

「『ルパン』の正体が分かったとの事だが…写真はないのかい?」

 

「すまない、アクシデントがあったようでね…カメラが壊れたそうだ。」

 

ウェストコットがそう言うと、エレンはバツが悪そうにする。

 

「アッハハ、ダッセェ。」

 

「…っ!」

 

ダイナに馬鹿にされて、エレンはプルプルと震えだす。

 

「それに…彼の正体は直接この目で見ておきたくてね。その際にキミにも分かるようにしておく、それで良いかな?」

 

「了解した。」

 

そう言って出させていた飲み物を啜ると、マリスは悪い笑みをし始める。

 

「データを元に例の…シャドウを取り込ませたアンプルが完成した。コレのデータを取りたいため、告げた通り魔術師(ウィザード)に投与させて構わないかな?」

 

「あぁ、キミの傑作は素晴らしいものばかりだったからね。多少の犠牲は厭わないさ。だから期待しているよ。」

 

マリスに負けない悪い笑みをして応じるウェストコット。

 

士道達に待ち受ける運命は如何に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらあら、こんな所でも出現しますのね?」

 

何処か、夜闇の道端で暗い空間の中、狂三の周りに出現するシャドウの群れ。

 

「きひひ、纏めて吹き飛ばして差し上げますわ!」

 

狂三はシャドウの群れを銃で弾丸の雨のように撃ち蹴散らす。

 

それにより、シャドウの群れの大半(9割)が消滅する。

 

残ったシャドウに向けて銃を向けると、謎の攻撃が狂三に襲う。

 

「っ!?」

 

驚くも、瞬時に躱す狂三。その攻撃はシャドウに被弾し、無惨に消滅して暗い空間が晴れ夜道に戻る。

 

「一体何者ですの?」

 

狂三が斬撃を放ったらしき方へと視線を向ける。すると、カツンカツンと足音を立てて歩み寄って来る。

 

「…」

 

足跡からして分かる通り、その人物は女性だった。

 

フリルで飾られた可愛いらしいドレス

 

ウエストをきつく締め上げるコルセット

 

編み上げられた革のブーツ

 

頭部のカチューシャに小さな王冠

 

そして、フリルで飾られた日傘を携え

 

いわゆる、ゴシック・ロリータの装いにシンプルなドミノマスクを付けていた。

 

狂三はその姿を見て、『彼』を過らせる。

 

「あらあら、随分と可愛らしいお方ですけれど…どなたですの?」

 

警戒を向けながらも、狂三は問いかけると女性は口を開く。

 

「--」

 

「!?」

 

狂三はその声と口調を聞いて、瞼と口を大きく開き始める。

 

「まさか、アナタ--」

 

言いかけた所で、狂三に目掛けて攻撃…否、斬撃が放たれる。

 

「きひ…随分と変わられましたのねっ!」

 

狂三は斬撃を空中へ退避しながら銃で応戦する。そして、女性は放たれた弾丸を容易に切り伏せる。

 

「やりますわね…」

 

狂三が着地すると--

 

「…っ!?」

 

今度は先程とは違い、“紫の炎”による斬撃が狂三を襲う。

 

ズドォォォォォンッ!!

 

着弾して爆発する。

 

大きなクレーターが出来、紫の爆炎が発生する。

 

スタッ スタッ スタッ

 

近くに歩み寄り、狂三の様子を伺うも、そこには狂三はいなかった。着弾する前に逃げた様だ。

 

逃げた事を知り、舌打ちをしながら変身を解く。

 

「チッ、逃げやがりましたか。」

 

独特な言葉を吐いて炎を消して、その場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッ!」

 

ザシュッ! ブォォォォォンッ!

 

切り裂く音と風が巻き起こる音が交互に生じる。

 

「ハァッ!」

 

「ーーー!」

 

奇声を上げて消滅するシャドウ。

 

普通の人間なら抗うことも、抵抗することも出来ないシャドウを『特殊災害指定生命体(精霊)』以外に殲滅する者がいる。

 

それは、『ペルソナ使い』である。

 

「ふぅ…シャドウの鎮圧終了。」

 

空気が正常になって、息を吐く人物、彼女は『デオン』。

 

五河士道達の修学旅行にて、1人戦う彼の元に馳せ参じて戦った人物である。

 

彼女は、変身を解いて普段の姿に戻る。

 

美しい青の長い髪にクローバーのヘアピンを付けた少女であった。

 

「近いうち内に戻る予定だったのに…結局、お父さんの仕事のせいで延びちゃったじゃん。あーあ、夏休みに士道くんとお出かけしたりとかしたかったなー。」

 

そんな事を呟きながら、帰宅していく少女。

 

「でも、『明日』にいよいよ彼のいる所に帰れる。フフッ。」

 

その少女は、誰が見ても幸福な顔でいた。待ち焦がれていた(士道)に会えるのを心の底から喜んでいた。

 

「けど、お父さん達とは一緒に暮らせないんだもんなー。士道くんと仲良くしていこうって考えていたのに…」

 

そうすれば、彼と将来を結べられる。『精霊』と呼ばれる彼女達には申し訳ない…いや、彼への好意は誰にも負けない。誰よりも彼を想っている。だから--

 

ヴーヴー

 

携帯の着信音である。彼女は、携帯を手に取り連絡が入った内容を見る。

 

「…うん、言われなくても覚悟は出来ている。」

 

そこに書かれていた内容は、これから起こるだろう戦いに向けての事だった。

 

「士道くんが、戦う運命にあるのなら、僕も戦う。どんな時でもキミの側にいるからね?」

 

空を見上げてそう呟く。それは、想いを馳せる健気な乙女であった。

 

「…ん?」

 

後の方に記述されていた内容に首を傾げる。そこには、ある人物と出会って仲良くなって欲しいとの事だった。

 

「誰だろう?」

 

そんな、疑問を抱きながらも明日へ向けて歩むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ここだね。」

 

イギリスから日本へ、そして、天宮市へと足を運び、新しい住居へと何やらを済ませ、以前指示された場所へと移動した。

 

「誰だろう?合わせたい人って…」

 

髪を触りながら、緊張を示しているかのようにしていた。

 

…因みにその理由の一つはというと、周りからの視線によるものだった。

 

目立たない用にサングラスと帽子をしていたが、美しい青髪に、モデルの様なスタイルに、近くを歩く男性達からの視線に落ち着いていられなかった。

 

そうしている間に、待ち合わせている人物がやって来たようだ。

 

待ち合わせた場所に、中学生らしき少女が現れる。同じ青い髪色にポニーテイル、左目の下の泣き黒子が特徴の少女だった。

 

少女は、コチラを疑うようにしながらも語りかける。

 

「あのぉ…失礼ですが、『デオン』という方はご存知ねーでしょうか?」

 

「あ…はい、『デオン』です。」

 

少女の変わった喋り方に少し戸惑いながらも返答する。

 

「あぁ、良かったです。私がその『--』です。以後、お見知り置きを。」

 

丁寧に挨拶してくれる--という少女。よく見るとかなり可愛い子だった。

 

「(可愛い。それに、何処か彼に似ている気がする。)」

 

頬を少し赤らめた『デオン』は「ゴホンッ。」と咳払いし、冷静になって挨拶をする。

 

「私は、---です。よろしくお願いします。」

 

サングラスを少し取って挨拶する。すると--

 

「え?」

 

彼女はその容姿を見て、唖然とした表情になる。

 

「--に似ていやがります。」

 

「え?--?」

 

2人の初対面はこの様な出来事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、2人は…上手くいっている様だな。」

 

夢界は手元の携帯を見ながら、1人呟く。

 

その後から、2人は意気投合し、シャドウを殲滅していき、順調に実力を身につけている。

 

やはり、彼女に合わせたのは正解だろう。彼女は、DEMによって魔力処理…いや、肉体改造をされた事により精霊と戦える術を身につけてしまっている。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という訳でもあるわけだが…今はこの事について触れる必要はない。

 

…ともかく、彼女から実践の経験を教わる事で、いかな状況でも戦う手段(手数)を増やさせる事に成功している。現に『デオン』は、以前よりも戦闘センスに磨きがかかっている。

 

これなら、今の五河士道に肩を並べる程の実力を得るのにそう時間はかからないだろうと夢界は踏んでいる。

 

逆に、彼女は『デオン』からペルソナの力の扱いを教わっている。『デオン』は彼女に比べて力の『能力』に気づいていなかった。故に、『能力』について教わった彼女は爆発的に力を増した。

 

昨日、彼女は人から『時間』を回収していた所、シャドウの群れが出現し、撃退していた時崎狂三(ナイトメア)に遭遇し、覚えた『能力』を使い難なく狂三を撤退させるまで追い詰めたのだ。

 

「全く、彼女の才能には驚きを隠せない。『力の真名』の通り、()を彷彿させるよ。」

 

夢界はある『湖の騎士』を連想していた。

 

彼は、これまで見てきた者達による剣の才能においては、一番と言っても良いくらいの実力を誇っていた。

 

何せ、『湖の騎士』が忠義を尽くしていた()よりも剣の腕は優れ、尊敬されていたくらいだったからだ。

 

「ふふ、これならこの先の戦いでは大いに活躍するだろう。いやー、感心するねー。逆に怖いくらいさ。」

 

「ハッハッハー。」と笑いながら中継されている映像を見る。

 

そこに映っている人物は、この一ヶ月、女の子に慣れる『訓練』と併合しながら『特訓』をしており、過酷な夏休みを送っていた。長期休暇とは何なのかって疑うくらいな内容だった。

 

女の子をデレさせる手段や、デートに誘うことについては以前よりかは成長していた。

 

だが、女体を使ったアプローチに対する耐性は十香や夕弦、そして令音からと訓練のために触れ合わせたが、あまり効果は出てなかった。ピュアというか、ウブというか…いや、むっつりだろう。

体つきがいい子にはとことん弱い事が分かってしまった。色々と特訓したが結果は…まぁ、やらないよりかはマシだろうという感じだった。

(因みに、この訓練だけは琴里からの制裁が多かった。)

 

特訓においては、士道もまたセンスが良いのか急成長を遂げていた。

 

自身のペルソナの『能力』について気がついたり、自分に合った戦法や技を身につけて開花させていった。

 

士道自身の戦闘訓練については、問題なく順調といっていい成果だった。

 

士道の影響により、精霊達も士道の特訓に付き合っていた。

 

ラタトスクの方針からすれば、精霊の身の安全を保証させる為、戦わなくても良いように行動している訳だから、精霊(十香達)からの要望を聞いた時は琴里達は頭を抱えた。

 

しかし、十香達は引かなかった。自分達のために必死に頑張っている士道の助けになりたいという彼女達の意思は強く、琴里達も何も言えない状態だった。それどころか、琴里も合間見て参加していた。

 

そのお陰で士道と十香達との間に強い絆が深まり、士道の力が十香達にもわたり、シャドウに対する有効な手段を得た。

(厳密には、限定霊装から完全霊装へと変わるくらいの変化である。)

 

課題も進めながら日常を送っていたため、大変な夏休みを過ごした士道達。

 

特に士道は、訓練と特訓に加えて、十香達の機嫌が損なわないように料理も手を抜かずに毎日行い、デートにも行ったりした。そんな生活をしていたためか、1人ゆっくりする時間は少なかった。これほど大変な日常を送ってても大丈夫なのか心配するくらいハードだった。

 

だが、そのくらいしないとこれから先は()()()()()すら困難であろう。

 

「さぁ、士道。運命は刻一刻と迫ってきている。用心しろよ?

--アイザック・レイ・ペラム・ウェストコット。奴はこの世界にとって…いや、お前にとって最大にして最悪の敵だ。決して奴のペースに呑まれるなよ?じゃないと--」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は、奴に負ける。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー--

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…うん?」

 

寝心地が悪い事に気がついて、士道は瞳を開ける。天井は、士道の部屋のものとは違っていた。つまりここはあの檻の中。

 

「…久しぶりな気がするな。」

 

体を起こして、いつもの扉の所へと向かう。

 

「ご機嫌よう、随分と頑張っていますね。」

 

と微笑で挨拶するラヴァンツァ。

 

「あぁ…だが、まだまだな気もするけどな。」

 

「しかし、着実にアナタは強くなっています。ペルソナの『能力』に自力で気づき、加えて精霊の力を扱えるようになった。アナタは大きな一歩を踏み出せています。」

 

「…ありがとう。」

 

ラヴェンツァは士道を評価するように語り、士道は素直に礼を言う。

 

「…」

 

うんうんとその様子を見て頷くイゴール。

 

すると、士道は思っていた事を告げ始める。

 

「だが、ペソルナの…アルセーヌの『能力』については、お前達は知っていたんじゃないか?知っていたら、もう少し早く教えてくれても良かったんじゃないか?」

 

特訓の中、士道の力について夢界や琴里達と話し合っている中、士道に協力しているラヴェンツァ達は知っていたんじゃないかという議題が上がっていた。

 

「…確かに、我々はペルソナの力については、アナタ方よりかは把握していますが。」

 

ラヴェンツァは何て答えたらいいかって顔をする。それを察して、イゴールは口を開く。

 

「アナタの力、『アルセーヌ』は我々にとっても記録(データ)がないのです。」

 

「…え?」

 

イゴールの発言に士道は驚く。

 

「そもそも、この世界で発現したペルソナは我々の領分を超えているのです。だから、確証のない発言は出来なかったのです。」

 

「…そうだったのか。」

 

イゴールが嘘をついていない事を察知して士道は理解した。

 

「恐らく、『精霊』という存在がこの世界において、大きな変革をもたらしているのだと推測しています。その一つの例として、顕現装置と呼ばれる代物がそうです。」

 

「…」

 

顕現装置(リアライザ)については、以前に琴里から聞いた事がある。

元来、この技術は科学が進歩した故に生まれたものでもなければ、偶然によって生まれたものではなく、精霊の力をモデルに作られたのだと。

 

冷静に考えれば空想を現実に変えたり、絵空事を実現する人智を越えた技術が普通ではないと分かる。しかし、気掛かりなのは--

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

士道はそう呟く。それに同意するかのように、ラヴェンツァ達も首を縦に振る。

 

「はい、我々はその疑問の答えが--」

 

イゴールが何かを言おうとした所で、視界が霞んでいく。

 

「…時間ですね。」

 

「…」

 

「最後に…私達はアナタの味方です。ラタトスク機関の者達とは思惑は違えど、アナタの手助けをする点においては共通です。それを忘れないで。」

 

ラヴェンツァは真剣な瞳で士道を捉える。

 

「それと、アナタ以外にペルソナの力を覚醒させた者が現れましたが、お気をつけて。誰が味方で誰が敵なのか、混雑して大変であるのは承知ですが…自分だけは見失わないで下さい。」

 

それだけを告げると、士道は現実へと消えていった。

 

 

 





さぁ、次回から第7章が始まります。美九編は色んな意味で熱くなると思いますので、ご期待下さい。

それと、美九のお話が終わった後にキャラ設定【オリジナル】を記述するつもりです。『夢界藍』やその他のキャラやオリジナルの要素について書くつもりです。

後、狂三の事件簿買って読んでたら未来視の事について書かれてて、まさかって思ったら、あったんですね【五の弾】が未来視の弾で存在したんですね、知らなかった…
ニワカですいません。もう少し、考えて調べておくべきでした。ただ、このまま進行していきたいとは思っています。

さ、前置きが長くなりましたが、次章に向けていきましょう。

予告です、どうぞ。






























「あらー?」

舞台で一人謳う少女は何を求めているのか。

祭りの大舞台にて火花散らす中、動き出す者達。

彼女の支配の歌は固く結ばれた絆さえ魅了する。

第7章 美九編
暴走する歌:リリィ

--そんな…みんなぁ


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