デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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実は、2・3年ダイエットしているんですけど…
ここ最近寒くなったのが原因か体重が凄い増えて萎えとる。
どうも黒ソニアです。





第七話:各々の戦い

 

 

 

士道は美九の正面に立って答える。

 

「俺は大切な『家族(十香)』を救うためにここに来た。

そのためなら、どんな相手だろうと戦う。

無論、四糸乃達を奪ったキミに対しても、な。」

 

士道は上を見上げながら、敵意を向けながら答える。

十香を救う理由を迷わずそのまま答えた後、四糸乃達の事を思い美九にも似た様な目線で美九を睨んだ。

 

「ヒッ…」

 

美九は思わず、少し後退りした。

だが、美九に顔を向けると、士道は目を閉じて語り始める。

 

「だが、俺にキミを罰する権利はない。」

 

「っ! そ、そうですよ! 

だから、皆さんを奪ったって───」

 

「それは違う。」

 

「「…」」

 

2人は睨み合う。そして、美九は語る。

 

「はん、結局は口だけの男です。

アナタも私を陥れた男達と同じ汚い人間なんですよ。」

 

「俺はそんな奴らとは違う。」

 

「どうですか、だって、ここまで助けに来たのだって十香さんが可愛いから来たんでしょう?

他の皆さん達だって、自分の物だから取り返そうと必死になっているんでしょう?」

 

「そんな理由な訳があるか。」

 

「嘘ですね。見え見えな嘘ですよ。」

 

「嘘じゃない!」

 

士道は強く否定する。

 

「皆んなが大切だから!

誰も傷ついて欲しくないから!

一人でもいなくなったら嫌だから!

女の子には笑って欲しい!

幸せになって欲しいから!

辛い思いをしている精霊(みんな)のために、俺は戦うんだ!」

 

美九は強めな声に再び後退りする。

 

「無論、キミにもそうなって欲しいから、俺はキミに近づいたんだ。」

 

「…じゃあ、何ですか。

もし、私が危ない目にあったら十香さん達の様に助けに来るとでも言うんですか?」

 

「あぁ。勿論、助けに行くさ。」

 

士道は躊躇いもなく即答した。

 

「俺はもうキミを知った。

ならどんな状況だって、駆けつけに行くさ。」

 

「…」

 

「それに…俺はキミに()()救われているしな。」

 

「…どう言う意味です?」

 

「小学生の頃、辛い事があった時にキミの元気に歌う姿に救われてるんだ。」

 

「…」

 

「誰よりも輝いていた。

一度しか見てなかったけど…

太陽みたいに輝きながら頑張ってる子もいるんだなって思ったよ。

まさか、それがキミで…苦しい思いをしていたなんて思わなかった。」

 

士道は伝えたかった事を正直に告げ始める。

 

「キミを否定したファンが沢山いたけど、それでもキミのファンでい続けた人もいるとは思うんだ。」

 

「そんなのある訳───」

 

「『いる』。少なくてもここにいる。

キミの『あの歌』、『あの声』に救われ、キミの為に何とかしたいって思ったファンが『ここ』にね。」

 

士道は自分の胸に手を当ててそう告げた。

 

「それと美九、キミは『天使』による声が無ければ、自分に意味がないって思っていないか?」

 

「…!」

 

美九が無意識に士道の前で呟いた事、『───この声がなくなったら、私は…』に対しての違和感について士道は突いた。

 

「そんな事は絶対にない。

キミの本当の『声』は『歌』は、『天使』が無くたって輝いている。」

 

「…」

 

士道の言葉に美九は黙り込む。

そして、美九は士道に問いかける。

 

「…ふん、そこまで言うんでしたら何か責任を取る覚悟は出来ているんですよね?」

 

「あぁ。」

 

「…それはどういう風に?」

 

美九が問いかけると、士道は───

 

「前にも言ったろう。

この戦いが終わって、皆んなを解放してくれたら

───()()()()()()()()って。」

 

士道は以前、狂三の影の中で告げた事を迷いなく答えた。

その言葉に美九は驚愕する。

 

「俺の事を気が済むまで嬲なり、蹴るなり、鈍器で打つなり、キミの気が済むまで好きにしてくれ。」

 

「…フン、そんなの信じられる筈がありません。

どうせそう言って、また私を騙して───」

 

美九は士道の顔を、自分を真っ直ぐ見る目を見て言葉が詰まった。

 

「…本気なんですか?」

 

「あぁ。」

 

そう言って、士道は振り返り、階段へと足を歩める。

美九はそんな士道を見つめながら、後に着いてった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここだな。」

 

士道は一つの扉を見てそう呟く。

その部屋から十香がいる様な感じがしたからだ。

士道は勢いよく扉を叩いた。するとその部屋は薄暗い広めな空間だった。

 

「…?」

 

士道と美九は不審に思いながら部屋に足を運んだ。

すると、部屋に明かりが点く。

 

「うっ!」

 

突然明かりが点いた事に手で目元を塞ぐも、一瞬奥に座っていた夜髪が見えた事により、手を退ける。

するとそこにいたのは───

 

「十香!」

 

そう、士道が助けに来た人物である十香が椅子にすわされており、手足を拘束され眠っていた。

そして、その側には十香を攫った人物、エレン・メイザースの姿があった。

 

「ようこそ、五河士道。意外と早い到着でしたね。」

 

「それはどうも。───十香を離せ。」

 

「フッ…そんな事を聞く様に見えますか?」

 

エレンはCRユニットを起動し、士道とエレンは睨み合う。

美九はエレンを強く警戒し、出方を伺っていた。

緊張感が走る中、握手する音が鳴り響く。

 

「やぁ、待っていたよ。ルパン。」

 

奥からこちらの方へと歩み寄る。

真っ黒なスーツに、死体の様な真っ白すぎる肌に、いかにもいけ好かない様な男だった。

 

「初めましてだ、ルパン…いや五河士道、それにディーヴァ。

私はDEMインダストリー取締役のアイザック・ウェストコットだ。」

 

ウェスコットは十香の横に並んで士道(ルパン)を見る。

 

()()はウェスコットを見て嫌な汗が流れた。

加え、心臓が嫌な音を立てる様な鼓動をしていた。

 

「私も自己紹介をしたんだ。

キミも正体を明かしたまえ、五河士道。」

 

ウェストコットをそう語る。

その様子に士道は胸を押さえながら沈黙していると、エレンが眠っている十香を見ながらブレイドで首辺りへと近づける。

それにより、士道(ルパン)はマスク(仮面)を頭上に上げた。

すると、ウェストコットは士道の素顔を見て、目を大きく開けて口開く。

 

「…キミが? 五河士道?」

 

ウェストコットは口元に手を当てながら呟き始める。

 

「まさか…いや、そんなことは有り得ない。

そんな筈、だが…実際に目の前に…」

 

士道を呆けた顔でまじまじと見つめると、次第にウェスコットは何かを察したかの様に───

 

「クク…ククククク…」

 

何かに耐えるかのように体を震わせる。

そして───

 

「フ、フフフ、フハハハハ!!!」

 

笑い始めた。

 

「そうか、そういう事か!

フッ、フフフ、滑稽じゃないか。

全ては()()()の掌の上で踊らされていた訳かっ!」

 

ウェストコットは事の全てを理解したかの様に高笑いする。

 

「何なんですかー?

頭がおかしいんじゃありません?

男はこれだから…」

 

「いや、男である事は関係がない。

…ただ、何だ? この無償に気に入らない感じは…」

 

美九は頭を抱え、士道はウェスコットに対して俄然不審に感じていた。

 

「フハハハハハ…」

 

「アイク。」

 

「ん? あぁ、すまないね。エレン。」

 

ウェストコットは平常に戻った。

 

「…アンタが何を理解したのかは知らないが、十香を離せ!」

 

士道がナイフの刃をウェスコットに向ける。

すると、エレンが前へ歩み始め、ガラスの障壁が展開され、ウェスコットの前に立つ。

 

「アナタの相手は私です。

アイクには指一本触れさせません。」

 

エレンは士道… 士道(ルパン)へとブレイドの刃を向ける。

 

「だろうな。アンタがいる以上、十香を助ける事は出来ない。」

 

「ええ、その通りです。

しかし、生憎ですが、アナタが私に勝つ事なぞ敵いませんので。」

 

「やってみないと、分からないだろ。」

 

士道(ルパン)とエレンが睨み合う。

士道(ルパン)は後ろの美九に目で下がれと合図する。

それの意味が分かったのか、自分ではエレンには敵わないと理解している美九は後ろへと下がった。

 

「十香…こんな奴を倒して、直ぐに助ける!」

 

「ここで白黒ハッキリつけましょう───来なさい。」

 

士道(ルパン)はエレンへと飛び出す。

 

世界最強の魔術師(ウィザード)と士道(ルパン)の真の戦いが幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ついにエレン(笑)と士道(ルパン)の戦いが始まった。」

 

アイスを食べながら、ダイナは映像に凝視する。

これまでエレンと士道は二度の戦いをしたが、エレンは一度も本気で戦っていない事をダイナは理解していた。

 

「キミはどちらが勝つと思うかな? ダイナ。」

 

マリスはワインをグラスに注ぎながら問う。

 

「んー?」

 

ダイナは大きめのアイスを丸呑みすると、ニィと笑い応える。

 

「そんなの言わなくても分かるんじゃないのー?」

 

「…まぁ、それもそうだね。」

 

マリスは注ぎ終えると、グラスを手に持ち愉快そうに語る。

 

「これまで執行部長殿は自分が最強故に慢心していたが、本気になれば如何に『謎の力』を持っていたとしても、敵わないだろう。」

 

そう言うと、マリスはワインを飲み干す。

次に、もう一つの画面に士道(ルパン)と同じ力を持つ真那(ドリス)とジェシカとの戦いへと視線を移す。

ジェシカが首元に『黒のアンプル』を当てる所が映り、笑みを浮かべる。

 

「ようやく使うか。」

 

「あぁ、例のアンプルだっけ?

確か…『進化』だっけ? どんな風になんの?」

 

「さぁ、それはこれから分かることじゃないか。」

 

マリスは楽しそうに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおらぁぁっ!」

 

空の魔術師達に向けて『黄の炎』を灯した鉄パイプを振り回す。

『黄の炎』が振るう度に『球』となって魔術師達にクリンヒットする。

 

[うわぁぁぁっ!!]

 

魔術師達は『炎の球』をくらい、一人一人墜落していく。

 

「よぅし! これなら、俺1人でも何とかなるなっ!」

 

鉄パイプを肩に乗せながら呟く。

 

「それにしても、何者だったんだろうな?

コイツをくれた奴は?」

 

先程の『妙な白い霧』の事を言っていた。

 

「よく分からん霧だったし、声も知らない男の声だったし…

もう今日は訳が分からんことが多すぎてさっきのがどうでも良くなるな。」

 

そう呟きながらも鉄パイプを振るい、魔術師達を一掃していく。

他の魔術師達が合間に銃弾を放っていくも、勢いをものにしている(キッド)は走りながら回避し、『炎の球』を放った。

そして行くと、増援に来た多くの魔術師達が包囲し、(キッド)に迫る。

 

「こういった場合は、『ペルソナ(コイツ)』だっ!

ぶっ放せ、セイテンタイセイ!」

 

(キッド)のペルソナ、『猿王セイテンタイセイ』を顕現させる。

セイテンタイセイは棒を振り回し、長い光の棒へと変え、包囲している魔術師達を大きく薙ぎ払った。

 

[うわぁぁぁぁっっっ!!!!]

 

魔術師達が空中で光の攻撃で動きが鈍くなる中、一箇所にへと固まり始める。

 

「一斉攻撃、開始!」

 

魔術師の1人がそう号令する。

纏まって攻撃しだすと、(キッド)はそれを待っていたかの様に笑った。

 

「そいつを待ってた!」

 

(キッド)はセイテンタイセイに指示を送る。

セイテンタセイは棒を掲げ、光を大きな球へと形づける。

それは、まさに太陽そのものだった。

そして、(キッド)は高く跳び、鉄パイプを構えて、思いっきり振る!

 

「『究極の太陽(マキシマム・サンシャイン)』ッ!」

 

巨大な太陽の球を魔術師達へと打った。

太陽の球が真っ正面から迫り、魔術師達は驚愕するも、時は遅し、断末魔を上げる事なく、魔術師達は太陽を受けて、墜落して行った。

 

「どんなもんだい…」

 

士道(ルパン)がアルセーヌ共にやった様に、(キッド)も真似てペルソナとの大技を放ち、大きく息を吐いた。

 

「はぁ…にしても、かなり疲れるな…こりゃ。」

 

(キッド)が膝をつきながらそう呟くと、四方からバンダースナッチと魔術師達が飛び上がるのを目撃する。

 

「おいおい…どんだけいるんだよ!?」

 

(キッド)が疲労故に嘆く様に愚痴を吐く。

そして、苦渋な顔をしていると、バンダースナッチや魔術師達に向けて、氷と風が襲いかかった。

 

「…! あれって…っ!」

 

その現象を起こす者達を凝視する。

その中には、(キッド)が天使だと呼ぶ少女、四糸乃の姿があった。

 

「うぉぉぉっ!! ロリ、ロリ!!

天使、天使様が俺の危機を救ってくれたぞぉぉぉ!!」

 

(キッド)はぴょんぴょんと跳ねながら鼻息を荒くしていた。

先程までの疲労がなくなったかの様に四糸乃を見て元気を取り戻した様だ。

 

「おい! 俺の天使に向けて今、攻撃しやがったな!

許さんっ! 許さんぞぉぉぉっ!!」

 

バンダースナッチや魔術師達が四糸乃に攻撃するのを見た(キッド)は四糸乃を救うべく、思いっきり地面を蹴り、建物の上に立ち、四糸乃達の近くへと駆けて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

叫び声と共に『桃の炎』をレイピアへ一点に集中し、『炎』を纏ったレイピアの渾身の一撃を白いロボットの胸部へと放った。

 

「ーーー!!」

 

白いロボットは良いダメージが入ったのか、妙な音を立ててよろめいた。

そして、反撃しようとデオンに向けてサーベルアームが振り下ろされる。

 

「フッ!」

 

振り下ろされるタイミングを測ってジャンプして躱すデオン。

アームの上に着地し、直ぐさま高速で頭部まで走り込み、力一杯『炎』を纏うと、光の速さで攻撃する!

 

「花剣の一閃(フルール・ショット)!」

 

閃光の如く、光の速さと『炎』の突きの合わさった技が白いロボットの頭部を半壊させた。

それ故に、白いロボットは暴走し始める。

体の至るパーツからレーザーを放出したり、ミサイルなどを放ち、周りの被害が及んでいった。

 

「これ以上、被害を出さない様に仕留めなきゃっ!」

 

デオンはそれにより、決意を強く抱く。

 

「舞え、シュヴァリエッ!」

 

もう一人の自分、化身である『花騎士:シュヴァリエ』を顕現させる。

 

「はぁぁぁぁっ!」

 

デオンが叫び、レイピアを天に向けると、シュヴァリエも剣を天に向け、桃色の竜巻を発生させる。

それを剣舞しながら剣に圧縮し、桃色の閃光を放ち、白いロボットへと斬りかかる!

 

「『百合の花咲く剣舞一閃(フルール・ド・オラージュ)』!」

 

シュヴァリエの剣の一閃が、白いロボットを襲う。

攻撃を察知し、盾のアームから防御領域(プロテクト・テリトリー)を展開するも、剣の一閃は領域をも切り裂き、白いロボットを真っ二つにした。

 

「ーーーギィィィィィッッッッッ!!!!!」

 

妙な音から悲鳴の様な金属音を立てて、白いロボットは体のパーツの至る所が爆発し、完全大破し、シャドウの様に塵となって霧散する。

 

「ふぅ。」

 

デオンは一息を吐く。

 

「厄介な相手だったなぁ…」

 

後ろを振り向く。

そこにはもう、『白い人型巨大ロボット』の姿形の面影は無かった。

だが、それによる被害の後は残っていた。

ビームを放った事により焼かれた跡。

サーベルにより切り裂かれた建物の跡。

見て分かる通り、被害甚大だった。

 

「…空間震警報が発令されているから、人がやられた後は見当たらないけど、建物の被害が…いや、顕現装置(リアライザ)で直せるんだっけ?」

 

デオンは詳しい事情を夢界により知らされている。

空間震や、それによる精霊による被害後は顕現装置による魔法に近い高度のテクロノジーにより修復されていると。

 

「他のロボット達もいないし…

早く、真那(ドリス)(キッド)のどちらかに向かわないと…」

 

戦っている最中に見えた黒い柱や大勢の魔術師達やバンダースナッチを目撃したためか、必死だった。

戦いは終わっていない。

黒い柱が発生した付近では未だに戦ってる音が鳴り響き、もう一方では、風や氷、黄色い炎が発生していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何をしやがりましたか!?」

 

真那は振り返り、凄まじい不気味なオーラと風圧に耐えながらいた。

そして、それらが収まると黒い柱から『人影』が見え始める。

 

「あれ…は?」

 

真那がその名を呼ぶと、その『人影』が姿を現す。

それは、()()()()()()()()

人の形をした怪物だった。

 

全長3メートル

 

人ではなくなった細長い腕と爪

 

脚も腕同様に細長くなって生物の様な爪足

 

顔全体を白い仮面に覆われ

 

口元は晒され歯が牙へと変貌していた。

 

「ジェシ…カ?」

 

真那(ドリス)がそう呟くと、シュンっとジェシカ(?)の姿が消える。

真那(ドリス)は驚くも、直ぐに体に激痛が走る。

ジェシカ(?)の蹴りによって姿を視認し、真那(ドリス)は吹き飛ばされ、タンクにへと叩きつけられた。

 

「ぅ…うぐ…」

 

真那(ドリス)は痛みに耐えながら体を起こす。

 

「…プッ、ジェシカ。」

 

血を軽く吐いて、真那(ドリス)はジェシカだった怪物を睨む。

すると、怪物は…『シャドウ・ジェシカ』は高笑いする。

 

「ハ、ハハハハハッ! 

スゴイッ! スゴイワァッ!」

 

ジェシカは人間離れした力に快感を感じていた。

これまで感じていた劣等感が消え、ハイになっていた。

 

「スゴイチカラァ、キモチイイワァ、ココチイイワァ!

コノチカラガアレバ、キョウジュノ、ウェストコットサマノ、ゴキタイニコタエラレルゥッ!

モウダレニモマケナイッ!

マナニモォ…エレンニモォッ!!」

 

ジェシカがこれまで苛立ちを覚えていた人物、目の前にいる『崇宮真那』に下に見られ、『エレン』には良い様にこき使わされ、崇拝するウェスコットから絶大な信頼を受けていた事に嫉妬していた者達よりも強いと錯覚していた。

 

「等々、頭までイカれましたね、ジェシカ。

そんな姿になっても私には敵わねぇので、覚悟しやがれです。」

 

真那(ドリス)はいつの間にか、ジェシカの元まで歩んでいた。

 

「イッテクレルジャナイッ!

ツギデ、オワリニシテヤルッ!」

 

ジェシカは爪に不気味なエネルギーを放出させ、突きのスタイルで真那(ドリス)へと仕掛けた。

真那(ドリス)はその攻撃を冷静に見切り、寸前で回避し、『紫の炎』を剣に灯し、『炎』を燃やす様に荒ぶらせる。

そして、次第に紫色の閃光を放ち、ジェシカを思いっきり斬る!

 

「グガァァァァァッッ!!」

 

悲鳴を上げて、斬られた箇所を押さえるジェシカ。

 

「コイツで終わりにしてやります、ジェシカ。」

 

真那(ドリス)は剣を構え、居合い斬りのスタイルになる。

すると、真那(ドリス)の周りに円状の『紫の炎』が燃える様に囲い、領域が展開される。

そして、瞬時に凄まじい斬撃がジェシカを襲う!

 

「炎戒領域・居合一閃っ!」

 

鈍い斬撃がジェシカの体を大きく斬られ、激痛が走った。

 

「ア"ア"ア"ア"ア"ァァァァァッッッッッ!!!!!」

 

ジェシカは大きな悲鳴を上げて、倒れた。

 

「ウ"ゥゥ…」

 

真那(ドリス)は倒れたジェシカの側まで駆け寄った。

ジェシカは仮面の部分が少し割れ、顔の一部分の所々が露わになっていた。

 

「マ…マ、ナァ…ナン…デ、ワタ…シハ、カテ…ナイ…ノ…」

 

「…」

 

真那(ドリス)はマスクを頭上に上げ、答えた。

 

「それは、実力…もそうですが、私にはずっと探していた人がいましたので。」

 

「…サガシテ、タ、ヒ…ト?」

 

「私の兄様です。」

 

「…イツカ、シドウ。」

 

「…えぇ、そうです。

にしても、等々兄様の名が知られちまいましたか…」

 

真那(ドリス)がそう呟くと、ジェシカはそっぽ向いて答える。

 

「……キヲ…ツケル、コトネ…

ウェスト…コットサマハ、トクニ…

イツカ…シドウニ…ゴシュウシン───」

 

ジェシカが話してる最中に、異変は起きる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、困ったものだ。」

 

マリスは映像を見ながら溜め息を吐いた。

 

「あれだけ手を尽くした傑作をこうもやられてしまうとは…」

 

「仕方ないんじゃーん、所詮ハリボテはハリボテなんだしさぁ。

ムグムグ。」

 

「ハハハ…もう少し、私を労って欲しいものだね。」

 

「ング…てか、そもそもアレらは試作品でしょ?

テストの様なもんだし、気にしなくてもいいじゃーん。」

 

「…まぁ、それもそうなのだがね。」

 

諦めた様に言うが、内心では気に入らない様子だった。

予想外の力を持つ者達が現れ、不愉快な気持ちになっていた。

 

「…あ、それより、例の期待の実験体が負けちまったようだよー?」

 

「ん?」

 

ダイナに言われ、ジェシカの方を見る。

真那(ドリス)に敗北し、会話をしている所だった。

ジェシカが真那(ドリス)に『五河士道』の事について話し始めた所で、マリスは眉を細め、手元の端末を操作する。

 

「やれやれ、本当に困ったものだ。

負けて情報を漏らすなど…

うつつを抜かす恥知らずの愚か者には『お仕置き』が必要の様だね。」

 

ニヤリと笑い、スカーレット・リコリスに搭載させたモノを起動させる。

 

「彼女にスカーレット・リコリスを与えたのは他でもない、『黒いアンプル』を更に同調させ、さらに『進化』させる『()()』だ。

彼女に投与した『黒いアンプル』はまだ未完成。

さぁ、キミには完成させるためにも、()()()()使()()働いてもらうよ。」

 

マリスは『霊薬』と呼んだモノを起動させた。

 

 

 







・今更ながら、『叛逆の時間』ってタイトル今回の方が相応しくね?
って思っちゃいました。
いやー、ホント…センスねぇな…トホホ…

真那(ドリス)やデオンにも必殺技を披露してもらいました!
真那(ドリス)のは分かりやすいよね、そうです。
呪術廻戦のシン陰流を意識したものです。
デオンは…騒動編が終わったらキャラ紹介にて詳細をまとめてみます。
ただ、先に言っちゃうと、技名や技自体はオリジナルです。
じゃあなぜ伏せるかというと…
デオンというキャラにおいてある作品のキャラを意識してるからです。
だから、ここで明かすのは違うかな。

・さぁ、今年も残り僅か…後一話分行けるかな?
行ければ、今年75話と区切りのいい数になるなぁ。


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