あけおめです。どうも黒ソニアです。
今年も頑張って投稿していきたいと思ってますので、よろしくお願いします。
それでは、続きをどうぞ。
(何だ…アレは…?)
「その輝きを示せ、ロンゴミニアドッ!」
エレンがその槍の真名を叫ぶと、『聖槍:ロンゴミニアド』は光輝き、本来の姿を表した。
(ヤバい…アレが何なのか分からないが、ヤバい事だけは理解できる…っ!)
「さぁ、終わらせましょう。」
エレンがそう呟くと、姿が消える。
刹那、一瞬にして
神々しい光を放つ槍の攻撃を辛うじて躱すも、避けた場所は光に呑まれ、一瞬にして無へと化した。
(何だ…あの光は!?
(なら、これで確実に倒す!)
エレンと
(行くぞっ!)
だが───
「フッ!」
エレンはそのままの体勢で槍を片手で操り容易に受け止めた。
「何!?」
「この槍の前では、ちょこざいな手段など通用しません。」
エレンがそう言うと、神々しい輝きが
「がぁっ!」
(な、何だ…この攻撃…凄まじい痛みが…何より、動きが見えなかった…)
エレンから目を離さないように必死に睨む。
『黒の絶霧』は聖槍の輝きにより無に返し、先程言っていた通り、視界を奪っての闇撃ちは効かないと理解させられた。
「クソッ…」
「…ならっ!」
再度アルセーヌを顕現させる。
鎌の様な手に『蒼炎』を発生させ、エレンに向けて叩きつける!
「蒼炎の波動(インフェルノ)ッ!」
荒れ狂う『蒼炎』がエレンを襲う。
「フッ!」
アルセーヌ(ペルソナ)の大技をエレンはロンゴミニアドから発する神々しい光で打ち消した。
「な…にっ…!?」
圧倒的な力を目にして
「…ゴホッ!」
体がフラッとなり、咳き込む。
ここまで来るのに多くの魔術師(ウィザード)達との戦闘、エレンとの戦闘で限界が迫っていた。
視界が霞み始め、体はフラフラとなりつつあり、意識も飛びかけ始めていた。
その
「そろそろ、限界の様ですね。なら、これで───」
エレンがそう呟くと、視線を感じて背後のウェストコットへと目を向けた。
何やらエレンに指示を送っていた。
それに焦る
(今度は高速移動(アクセル)で一気に決めるっ!)
すると───
ピキンッ!
体に衝撃が走り、脳裏にビジョンが流れ込む。
『…っ!?』
何かに怯える美九。
『…』
そして、美九に向けて槍を振ろうとするエレンの姿だった。
(今のは!?)
咄嗟に美九の方へと視線を移す。
美九はその視線に気付いたのか、
(さっきのは…まさか!?)
それは
美九の方へと矛先を向けたのだ。
「…!?」
「へぇ!?」
美九は
「…っ!?」
咄嗟の事で思考が回る前に───
「ぐはぁ…っ!!」
「…っ!!」
美九は
「…っ、ガハッッ!!」
エレンはその様子を見て納得いった顔をする。
「(成程…アイク、アナタはこうなる事を読んで指示を出したのですね。)」
エレンは戦いにおいて水を差す真似は好まないが、ウェストコットの命令の方が重視なため、迷わず命令に従った。
「…ぅ…が…ぁ。」
聖槍に貫かれた事により、凄まじい痛みと衝撃が体を襲う。
渾身の『炎』を放っていたナイフは手元から離れ、床へと落ち、突き刺さった。
「…」
「ゔゔ…あ"あ"ぁぁっっ!!」
エレンは目を細めて、引き抜こうとする
「シドォォォォォッッ!!!」
「…」
その十香の顔を…
「……おっと、いけないいけない。」
ウェストコットは咄嗟に目的を間違えないために、正気に戻り、十香へと顔を向ける。
「ん〜、良いね。実に良い反応だ。
これなら『反転』するのも目前だろう。
後、もう一押し…何かないかな?
───そうだ。」
ウェストコットは懐からスイッチを取り出し、十香へ向けてボタンを押し、十香の拘束を解除する。
「シドォォォォッッ!!!」
十香は突然、拘束が離され事により
「ぅ…ぅ…ぐっ…」
「抗いますね。」
エレンが淡々と呟くと、後ろの方から大声と何かを必死に叩く音が聞こえた。
「アイク…危ないので、プリンセスを解放するのは…」
「エレン。
エレンの小言を聞かずに次の指示を送る。
エレンは十香がウェストコットに眼中なく
槍にある装置を取り付ける。
すると、槍からシャドウのオーラが吹き出す。
神々しい光を放つ『聖槍』から禍々しい光を放つ『魔槍』へと豹変した。
『魔槍』へと変わり、エレンが槍に力(魔力)を加えると禍々しい光が荒ぶり、
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!」
体から血がポタポタと落ち始める。
後ろにいる美九は悶える
「シドォォォォォォォォッッッッッッ!!!!!」
悶え、暴れ出す
だが、壊れない。
「鏖殺公(サンダルフォン)ッッ!!!!」
吠えながら鏖殺公を顕現させ、壊そうと振り回す。
…だが、ガラスは全く壊れない。
「無駄だよ。さっきも言ったが、そのガラスは対精霊用特殊ガラス。
精霊の『天使』でも壊すのは不可能だよ。」
ウェストコットがそう呟くと、十香がウェストコットを睨み、斬りかかろうとする。
「おや? 私に構って良いのかい?
早く、彼を助けようと必死になった方が良いよ。」
ウェストコットは全く恐れずに淡々とそう語った。
自分は『天使』による攻撃を受ければ人溜まりもないというのにだ。
ウェスコットが指を刺すと、十香の背後にダンッ!と音が響く。
振り向くと、
大量の血がガラスに付着し広まる。
「ぅ…がぁ…ぁ…ぁぁ…」
「シドー! シドー!! シドォォォッ!!!」
「十…香ぁ…」
「…」
エレンはぎゅうっと更に力を込める。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!」
血は辺り一帯に飛び散り、その血の量から誰からどう見ても、彼の死が目前だと悟る。
「………ぁ。」
目、鼻、口、腹、腕、脚と体の至る所から血が流れる。
彼の下には血溜まりが出来るほど、血が流れていた。
そして、意識が完全に途絶え血溜まりに倒れた。
「シ…シド…ォ…」
床に倒れた士道を見る十香。
士道が倒れた事により、無気力となり、床に膝を落とす。
「ハハハ…意外と呆気ない終わりだったね。」
ウェストコットが歩み、倒れる士道と無気力で戦慄している十香を見て、冷たい笑みを浮かべる。
「だが…まだ足りないなぁ。」
「…!?」
「そうだな…エレン、次は彼の頭を潰そうか。」
ウェストコットはエレンにそう伝える。
「やめろ…」
視界がぐわんとし始める。
エレンはウェストコットの命に従って、魔槍を倒れてる士道にへと向ける。
「やめろ…」
世界が暗くなり、
「さらばです。五河士道。」
エレンは士道の頭部へと魔槍を振りかざす。
魔槍が頭部へと当たりかける寸前
世界は真っ黒に染まる。
◇◇◇
フラクシナス
「……シン。」
令音は手を素早く動かしていた。
「(嫌な予感がする。
やはり、
震えが止まらない。汗が止まらない。
…まるで…
普段の彼女とは思えない様子だった。
その様子をチラチラとクルー達は見ていた。
「…大丈夫ですか? 村雨解析官。」
神無月が震える令音の肩を叩いた。
「…すまない。迷惑をかけたね。」
「いえ、仕方のない事でしょう。
ディーヴァの暴走により四糸乃さん、耶倶矢さん、夕弦さんは支配下にされ、十香さんはDEMに連れ去られ、士道くん達は救出のために敵本陣へ乗り込んでいますからね。」
神無月はモニターに映る画面の一つ一つを見ながらそう呟いた。
「そして、司令は我々のために命懸けで戦っておられます。」
モニターの一つに、フラクシナスの上で機械生命体とバンダースナッチの群れを一人で対処している。
神無月がフォローしているお陰か、数はかなり減り、後もう一息という所だった。
「…あぁ。」
「ですが…やはり、一番の心配は士道くんですね。」
『士道』にピクリと令音は反応する。
「我々が不甲斐ないばかり…彼を一人にさせ、責務を負わせてしまった。
大人として、情けないと深く反省するばかりです。」
[(コクリと頷く)]
神無月の言葉にクルー達は頷いた。
今回の一件は、フラクシナスのクルー達においてかなりの負い目を感じていた。
「…あぁ。」
「かろうじて、小型カメラを飛ばせていますが…
確認出来るのは皆さんの状況の把握くらいで、援護しようにも我々も攻撃を受けています。
…何より、潜入している士道くん達の様子を把握できないのが辛いですね。
無事だといいのですが。」
DEMからの謎の妨害電波により、第一社屋の内部の様子を確認出来ずにいるのだ。
「…すまないね。皆や琴里の方がシンの事を心配しているのにね。」
「いえ、そんな事はないでしょう。
村雨解析官が司令に負けないくらい、士道くんの事をとても大切に思っているのは理解しています。
ですので、そのような嘘をつかずに心配してあげてください。」
神無月の気配りの言葉に皆が頷いた。
「そうか…すまないね。」
令音がそう呟くと、椎崎が反応する。
「インカムの接続を確認しました! 表示します!」
そうして椎崎がモニターに表示すると
「!? こ、この数値は!?」
「数値は…5!?」
画面に表示されているのは士道の生命数値。
一桁は死の間際であるのを示す数値である。
「そんな!?」
「士道くんに一体何が及んでいるんだ!?」
「直ぐに魔力装填して下さい!
ミストルティン及び顕現装置(リアライザ)からの攻撃を開始します!」
神無月が血相変えてそう告げる。
彼がここまでの反応するのは余程の緊急時である。
「シンッ!!」
ドンッ!と力強く叩いて驚愕する令音。
「(やはり、今直ぐにでも───)」
『ちょっと、令音! 神無月!』
令音が内心で考えていると、艦内に琴里の声が響く。
「司令! 実は士道くんが───」
『私の…霊力が逆流しているわ…ねぇ、士道は…おにーちゃんは大丈夫なの!? ねぇ!?』
画面に琴里の姿が映る。
そこに映っていたのは限定霊装ではなく完全霊装の姿をした琴里の姿だった。
『おにーちゃんの力じゃないわ!
この頭が燃える感じ…私の霊力が完全に戻り始めてる…』
琴里が破壊衝動に耐えながらそう呟いていた。
その様子に令音やクルー達が嫌な汗を掻き始めると───
霊力観測機に異常な数値が検出された。
◇◇◇
世界が───目に映るものがぐらりと捩れ始める。
「(何だ…頭が…感覚が…何を考えてるのか…何を感じてるのか…)」
自分が何かに塗りつぶれる、入れ替わる様な感覚に襲われる。
「…、…、…」
意識が朦朧とする中、自分は
それはとても大切で…あったような
自分よりも…大事なような
とても、とても…
…
……
………
何だ?
この気持ちは何だ?
自分は何だ?
…分からない。
ただ分かる事は…これは、
大切な───を壊されるような感覚
全てが憎く感じる…これは、
長く眠っていた───が目覚める
手元の『天使』が別のものへと変わる。
今、自分が感じてるのは
嗚呼、実に…実に嘆かわしい、憎たらしい。
この様な不快な気持ちを抱くのは
不愉快。
不愉快不愉快。
不愉快不愉快不愉快不愉快だ!!!
◇◇◇
DEMインダストリー第一社屋のシステムルーム
「…」
夢界は士道の能力(隠蔽工作)によって、身を隠しながらハッキングをしていた。
「…よし、開いた。スキャン開始。」
手元のスマホを弄りながら分析・解析していく。
「…ふむ。やはり、アイザック・ウェストコットは密かにシャドウを回収をしていたのか。
通りで、魔術師(ウィザード)達にシャドウを取り込ませたり、武器に異様なシャドウの反応があったのか。」
夢界は眉間を寄せ、目を細めながら情報を確認していた。
「……?」
その中で、ある情報に目を向ける。
「…なんてことだ。」
目元に手を当てて、嘆く様に呟く。
「
だから、フラクシナスのシステムや俺の独自のプログラムでも、この特殊な通信妨害の電波にやられていた訳か…」
夢界は納得した顔をする。
彼は原因を考えていた。
フラクシナスのシステムはともかく、自分のシステムがDEMのシステムに劣っていたのか。
その原因が、
それが分かれば、後は幾つか察しはつく。
「…その手に特化した能力って訳か。
ならその『天使』は───」
言いかけた所でビルが揺れる。
「…流石に強くなったとはいえ、今の士道では
画面に士道とエレンの戦いが表示される。
すると、エレンが神々しい光を放つ槍を士道に向けるのが目に写る。
「…っ!?
夢界はその槍を見てこれまでにない反応をしていた。
「何と言うことか…まさか
渋い顔になってそう呟く。
「あの槍が出た以上は士道でも敵わない!
直ぐにでも───」
次に映し出されたのは士道が聖槍に貫かれ、悲鳴を上げる中、ある物を取り付けて、聖槍が禍々しい魔槍へと変貌を遂げた所だった。
「何だ…聖槍が…黒く…っ、まさか!?
ロンゴミニアドにシャドウの力を合わせたのか!?」
そして、士道が倒れ込んだ。
「…くっ、士道。」
それを見て、夢界は拳を握り締める。
「…してやられた。
このままでは───十香ちゃん!!」
時は既に遅し。十香の精神状態がマイナスにへと陥る。
「こいつは…」
夢界は冷や汗を掻きながらそれを口にする。
「精霊の『
◇◇◇
「はぁ!」
「おらぁ!」
次々と多くの魔術師やバンダースナッチを倒していくデオン達。
「我が旋風にひれ伏せ!」
「迎撃。えいやー!」
「…凍って!」
《ほいやー!》
正気に戻った耶倶矢達も魔術師やバンダースナッチ達が襲いかかる為、とりあえず一致団結していた。
そして、敵の数が減っていく中、精霊組に変化が生じる。
メイド服を媒体に限定霊装を纏っていたが、霊力が逆流していき、完全霊装の姿へと変わっていく。
「へ? 何で私達の霊力がどんどん溢れかえって来るの?」
「疑問。夕弦達の霊力は士道に封印されているはずです。」
「で…でも…この感じは、士道さんに封印される前の…」
《だよねー、それってつまり…》
耶倶矢達が疑問を抱くと、士道のいるビルから凄まじい爆発が生じる。
「な、何!?」
「一体、何の爆発だ!?
───って、それより何だ、あの可愛らしい格好は!
天使はどんな格好したって目の保養だぜ!」
「今そんな事を気になる事!?
士道くんの身を心配してよ!!」
完全霊装の四糸乃の姿に
(※因みに耶倶矢と夕弦の際どい霊装には一切眼中になく、そもそも視界に入ってすら無かった。)
その
「…士道くん。」
デオンはただ、不安げな顔で崩壊するビルを見ていた。
◇◇◇
「フハハハハハハ!!!」
ウェストコットが高笑いを上げる。
目の前では凄まじい闇のオーラを解き放ち、ビルを破壊していく。
「アイク!」
障壁だったガラスは既に破壊されていたため、エレンは破壊する手間がなく直ぐにウェストコットの前に立つ。
「見たまえエレン! これが我々が求めていたものだ!」
手を広げ、ウェストコットは嬉々として語り始める。
「これが…『反転』。」
天井は完全に破壊され、気味の悪い空が露わになる。
そのまま天に向けて闇の柱が放出されていく。
その闇の柱に反応し、空が割れていく
割れた空に『穴』が生まれる
その『穴』から放出された邪気は気味の悪い空を広まり、闇の世界へと変えていく。
そして、闇の柱から人影が見え始める。
人影は剣を持って柱を切り裂き、姿を現す。
その姿を見たウェストコットは高らかに告げる。
「さぁ、『王国』が反転した! 控えろ、人類!」
姿を現した十香はこれまでに見たことのない黒を象徴する漆黒の鎧だった。
「…」
姿が黒くなり、圧倒的なプレッシャーを放つ十香は無言で辺り一帯を見下ろす。
「フ、フフフフ…」
沈黙の中、ウェストコットは笑い続ける。
「素晴らしい。これが完全な『反転体』!
遂に我々は精霊を反転させる事に成功した!」
そして、『穴』が出来た空を見上げる。
「そして…おお、これが、反転した事により生まれた結果か。
私でも肌で感じる…この凄まじい悪意に満ち溢れた世界っ!」
ウェストコットは興奮しながら、踊る様にぐるぐると回り始めた。
「完未確認生命体…『シャドウ』。
精霊とは違う意味でこの世界では無かったもの。
何らかの要因でこの世界に出現した、人間の負のエネルギーから生まれる不純物の様なものだろう。
そして、これまでのデータからその正体、目的、構造を理解していった。」
ウェストコットは一人呟き始めた。
「
だが、我々には意図的にシャドウを顕現させるには手段が足りなかった。
未知なるシャドウをこの世界に更に生み出すのにはどうするべきか…考えに考え…一つの推測を見出した。
───精霊の『反転』化。」
ウェストコットは黒くなった十香を見て告げる。
「精霊の『反転』はその負のエネルギーそのもの!
故に、どの様な結果になるか、心躍らせながら待っていた甲斐があった!」
不気味な闇が天宮市を制圧していき、徐々にその先へと伸びていく。
「さて、エレン。次の仕事だ。
『反転』したプリンセスを捕らえるんだ。」
「お任せを。」
エレンが黒く染まった…『反転』した十香へと奇襲する。
ガキンッ!
二つの真っ黒な力がぶつかり合う。
凄まじい火花が飛び散り、辺りの壁が衝撃崩れていく。
「…やりますね。」
「…」
『反転』した十香はゆらりと手を動かし、エレンに手を向ける。
「不快だ。消えろ。」
刹那、冷たい言葉と共にエレンに向けて高出力の黒い霊力を放った。
・はい、士道vsエレンとの戦いはエレンの勝者となりました。
士道が負けたのは狂三戦に引き続き、これで2回目ですね。
…実はエレンとの戦いで負ける事は事前から決めていました。
この『デート・ア・ペルソナ』はどっかで語ったから忘れましたが、ゲームでいうハードモードですので、原作士道くんとは違い戦えても容易に負けてしまう訳です。はい。
・そして、いよいよ『反転』十香、いや魔王十香と呼ぶべきか。
この作品でも登場しました。エレンとの戦いではどうなるのか…次回をお楽しみに。