デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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休息の時間は終わる…





第三話:魔の手

 

 

 

フラクシナス

 

「いやー、司令や士道くん達はバカンスを楽しんでいますねー。」

 

神無月がそう呟く。

今現在、神無月達は士道達のいる南の島の上空にて士道達の楽しんでいる様子を見ながら仕事をしていた。

 

「副司令、手を動かしてください。」

 

椎崎が神無月にそう言う。

 

「ははは…

いやー、それにしても私、キツイ事や苦しい事は大好きですし、いつでもそうあって欲しいのですが…

こういうのは好きになれませんよねー。」

 

「それは誰だってそうですよ。」

 

と、溜め息を漏らす椎崎。

それに同意するかの様に続けて溜め息を漏らすクルー達。

 

「それは…椎崎さん(アナタ)も私と同じドMという───」

 

「それはアンタだけだぁぁ!!!!」

 

「ああん!」

 

キレた椎崎がハリセンで神無月を思いっきり殴る。

 

…何故、彼等が琴里達が遊んでいる中、忙しそうにしているのかというと…

琴里達を目的地に下ろして数分後、ラタトスク本部から以前の事後処理についてのレポートや書類データが転送されたのだ。

その仕事内容から手際の良い令音や司令官の琴里の手を借りたい所であったが、普段から勤勉な2人を休ませたい、士道のケアも兼て連絡を送らず、モニターで様子を見つつ、別の仕事をしていたのだった。

 

「はぁ…

コッチは戦場の中でいつ命を落とすのか分からないというのに…この事後処理の山ったら

───うん?」

 

椎崎は一瞬、モニターにノイズが走っている様に見えた。

 

「今…モニターに異常が見られませんでしたか?」

 

「異常?」

 

中津川が手元の操作盤で確認するも特に異常は見られなかった。

 

「こっちにも特に問題はなさそうだな。」

 

「…すいません、私の見間違いだったかもしれません。」

 

「仕方ないわよ。

忙しい上に仕事の終わりが全然見ないもの。」

 

「そうそう。

それに、もし本当だったら問題ですしね。」

 

「…はい!」

 

助け合いの精神が大事。

 

琴里の語った方針があるからこそ、このフラクシナスでの仕事環境は最善なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギキィ

 

そんな上空のフラクシナス艦に何か妙な金属音が鳴っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…いい湯だったなぁ〜。」

 

「おぅ…まぁ確かにいい湯だったけどぉ…

日本の温泉の方が気持ち良くなかったか?

ほら、或美島って南の島だったけど旅館の風呂は温泉だったろ?

あそこに比べりゃー、ここのはイマイチだっかなぁー。」

 

「夢界、お前って温泉ソムリエだったのか?」

 

士道、夢界、翔が風呂から出てきた。

 

「それにしてもさ…

鳶一の奴、ヤバくないか?

言っちゃあ何だが…

風呂の覗きとか盗撮とかやるのって俺ら男性側がやる事じゃねえの?

しかも、本人は真顔で何の悪びれもない態度だったし…どういう神経してるんだ?」

 

「あぁ…うん…それが普通なんだろうなぁ…」

 

「俺らのクラスでの日常もこんな感じだぞ?」

 

「マジかよ。」

 

「…なんて言うのか、折紙の怪奇な行動に慣れてしまったせいか、特に気にしなくなってしまった自分がいて内心驚いてる。」

 

「あ、俺も見慣れすぎてるのか、『いつもの事ね…』みたいな感想になってきてるわ。」

 

実の話、語られていない事が多いが折紙が士道に対して異常な変態的行動は多々起こしている。

例として、体育の授業後に脱いだシャツが無かったり、飲み終えた缶やペットボトルを要求して来たりなどなど…

 

「…俺もいずれそんな印象になってくんだろうな。

あー、にしても覗かれたりするなら四糸乃ちゃん達であって欲しかったぜ…」

 

「いい子の四糸乃がそんな事するわけないだろ!?」

 

「だよなぁ…なら、琴里ちゃんか真那ちゃんなら…」

 

「ウチの可愛い妹達も穢すなっ!」

 

「痛っ!

…っ、おい士道!

お前ばかりズリぃじゃねぇか!

あんなに女の子ばかり囲まれてヨォ…っ!

…成熟したババア(年増)共はどうだって良いが、四糸乃ちゃんから好意的に思われてるなんて、ズリぃよ!

てか、妹の琴里ちゃんや真那ちゃんからも普段から強く密着されるとか何なんだよ!

全国の独り身、男兄弟しかいない奴等に謝れや!」

 

「…何で謝らないといけないんだよ。」

 

「そうだろ!?

そもそもあんなに可愛い妹が2人もいるだなんて、何処のラノベ主人公だゴラァ!!

一人くらい恵んでくれよ!

お兄たま───ぐべらぁ!?」

 

暴走する翔に士道は珍しくブチギレ雰囲気で翔に制裁をかます。

 

「おい、お兄たまって何だゴラ…

お前みたいな邪にありに溢れた犯罪者(ロリコン野郎)にウチの可愛い琴里と真那()をやる訳ないだろうが…っ!

琴里も真那も四糸乃もお前にやる訳ないだろうが…っ!

しかも何だよ、年増って…令音さん達の事を指してるいるのか?

だとしたら手を出すぞ…っ!」

 

ギャグ漫画の様な拳の連続拳…オラオララッシュを翔にお見舞いしながら語る。

 

「いや士道…もうとっくに手が出てるんだわ…

しかも何それ…それってアニメや漫画だけじゃなかったんだ、本当に出来るんだ!?」

 

夢界がツッコミを入れる。

しかし、士道達は止まらない。

 

「ぐべっ! ぶぉ! だぶら!

…っ、お、お前…少しは加減しろよ…

地味に痛ぇんだよ!」

 

「痛くて当然だ。

令音さん達が年増な訳ないだろうが!

分かれ、ロリコン!」

 

「ぐべら!

…俺は何も悪くない!

ロリから卒業した奴等はなぁ!

全員、女としてはもうサヨナラなんだよ!

それに…『天使』の四糸乃ちゃん

『女神』である琴里ちゃん

『女王』の真那ちゃん

と、麗しく素敵な彼女らに強い欲情(想い)を抱かない訳がないだろう!」

 

「令音さん達は今が輝かしいんだよ!

琴里達については…別に間違いじゃないな、うん。」

 

「あぁ…うん。

…お前も大概だな、士道。

流石はシスコン。」

 

士道と翔があれこれしている所に夢界がツッコミを入れると、2人は夢界に振り向く。

 

「シスコンは悪くないだろ。」

 

「そうだぞ、シスコンは正しいまである。」

(※尚、妹系ロリ限定である。)

 

「何でそこで意気投合するんだよ…」

 

夢界が溜め息を吐くと、女子風呂の方から見覚えのある者達が現れる。

 

「シドー!」

 

「ククク、我が妖艶の美体に痺れるがよいぞ。

士道。」

 

「誘惑。夕弦達の浴衣姿に酔い痺れて下さい。

士道。」

 

「だーりん!

私の浴衣姿はどうですかぁ?」

 

「ふふ。浴衣姿の士道くんも様になってるね。」

 

十香、耶倶矢、夕弦、美九、士織達が士道に対して語りかける。

 

「…うん。

皆んな、凄く似合ってる。」

 

士道は若干、髪を濡らしている十香達を見て頬を赤らめる。

今の彼女達はそれぞれの色ぽっさを出していたのだ。

 

「…あーあ、さっきまでの威勢は何処に行ったのやらねー。

本当、全く賑やかな奴だぜ。」

 

「そうそう。」

 

「…それにしても、今更だがここって浴衣なんだな。

一応、ここって日本寄りではあるけど、土地的には海外寄りだから浴衣なんて無いものだと思ったぜ。」

 

「まぁ、温泉って外国受け良いからな。

少しでも日本の気分も味わえる様に工夫しているんだろうさ。」

 

「成程な。」

 

夢界と翔は士道達のピンクの雰囲気に現実逃避のやり取りをしていた。

 

「たくっ、鳶一折紙。

アナタ良い加減にしなさいよね。

私達以外、お客がいなかったから良かったけど、他の人がいたらどうしてくれてるのよ。」

 

「その場合、士道以外の部分は削除しておく。」

 

「いや、撮影の事じゃなくて…」

 

「夢界藍と天宮翔太の部分は既に削除してあるから問題ない。」

 

「確かにその2人は要らないけど。」

 

「あの琴里ちゃん、話が俺らにモロ聞こえてる。」

 

琴里と折紙が出てきて来た。

 

「あら、アナタ達居たのね。」

 

「居たよ?」

 

「そう。」

 

「…え? それだけ?」

 

「琴里たんの浴衣キタァァァ!!!」

 

「…もういいや。」

 

最近はツッコミ苦労人キャラになりつつある夢界くんであった。

 

《いやー、助かったよん。》

 

「す、すみません令音さん。

手伝って、くれて…ありがとう、ございます。」

 

「大変ですね、四糸乃さん。」

 

「…構わないよ。」

 

最後に四糸乃によしのん、真那、そして令音が出てきた。

 

「…」

 

もう何度も見慣れているだろう、令音の風呂上がりの姿。

だが、この中でも唯一の大人で更に大人の色気を放出している令音の姿に何度も反応する士道であった。

 

「…?

大丈夫かい、シン。

まぁ、風呂でも大変だったからね。

仕方ないか。」

 

そう言いながら、令音の浴衣姿に見惚れて固まっている士道を抱きしめる。

 

「よしよし。」

 

「!?」

 

いつもの『スキンシップ』を行い、士道は正気に戻るのであった。

そして、それを見た乙女達は反応する。

 

「むぅぅぅ!

令音よ、シドーを渡すのだ!」

 

「それは私の特権、今直ぐ渡して。」

 

「…僕の士道くんを渡してくれますか、令音さん。

士道くん、僕が令音さんよりも長くそれをしてあげるから…コッチ来て。」

 

「あぁん、本当ですか士織さん!

じゃあ、お願いしま───んぶぅ!」

 

十香と折紙が途中から抵抗し始め、士織は襲い掛かろうとする美九にもう容赦なく顔を雑に片手で制する。

 

「…あの…令、音さん?」

 

「…よしよし。」

 

…美九の一件から、令音は士道に対する態度・行動が更にエスカレートしつつある。

その理由は…恐らく、士道が一度『死』を迎えた事を知っているからだろう。

 

「ちょっと令音!

アンタだけズルいわよ!」

 

「我等が所有物を赤子の様に扱うとは…

我が眷属にして共犯者を返上せよ!」

 

「略奪。士道は夕弦のです!」

 

「わ、私も負けません!」

 

そこから更に琴里達も令音から士道を奪い取ろうと争奪戦が幕を開ける。

 

「はぁ…互いに苦労するな、天宮。

見てるのも何だから、部屋に戻ろうぜ。」

 

「うぉぉぉぉ!

癒し天使、四糸乃ちゃんの浴衣ァァァ!!!」

 

「…えぇ、俺1人がオチ?」

 

「大変ですねー。」

 

そんな夢界に真那がしれっと言葉を漏らした。

 

「…あれ?

真那ちゃんは参加しないの?」

 

「…いえ、まぁ。

本音としては参加してーのはしてーのですが…」

 

真那は何処か真剣な顔つきになっていた。

 

「どうしたん?」

 

「…可笑しくねーですか?

時期から考えても来客数が少なかったとはいえ、他にもお客さんは居たはずなのに…

今では風呂もエントランスも人気は少ねー気がするのは気のせいでしょうか?」

 

真那がそう言うと、夢界はエントランスの周りを見渡す。

そう、真那が言っている通り人が全く居なかったのだ。

まるで、時刻が深夜近くといっているのかというレベル。

 

「…そうだねー。

人数が少ないからなのかなー?」

 

目を細めながら、夢界はスマホをポケットから取り出し、弄り始めた。

 

「夢界さん?」

 

真那が夢界の態度の変わりに勘付いたのか、問い出すも、周りが静かなエントランスで賑やかでいる士道達の元にホテルの従業員が駆け寄る。

 

「皆様、お風呂はどうでしたカ?

さサ、ディナーも用意されていますのでレストランルームへどうゾ。」

 

何処か見た事のある…昼間の従業員がお出迎えをする。

 

「あ、どうも。」

 

士道が返事を返すと同時に皆の姿勢が正しくなる。

…いくら士道くんLOVEな物達も最低限のマナーというのか…そういったのを守る理性はあった。

 

「───」

 

「…!?」

 

「?」

 

授業員が案内の為に姿勢を振り返ろうとすると、彼女が一瞬、ニヤリとしていたのが見えた。

何か含みのある感じがし、真那はそれを見逃さず、士道も疑問を抱くのであった。

 

「では、ご案内します。」

 

ホテルの従業員は誘導して行くように歩いて行く。

それにより、十香を筆頭に皆が着いて行く様に歩いて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…予定通リ、このまま彼等をレストランに誘導しまス。』

 

「ああ。

彼等が食事し始めたら、実行したまえ。」

 

『了解しましタ。

アナタの意のままニ…教授。』

 

連絡先の女性はそう言って通信を切る。

 

「…」

 

教授…マリス・エンワードは静かに息を吐く。

 

精霊達(彼女達)がこの地にいると聞いた時は正直耳を疑ったが…

これはこれで好都合。

私の研究…いや、ウェストコットへの手土産が出来た事に喜ぶべきなのだろうね。」

 

マリスはクククと笑う。

 

「ついでに後ろ盾の者達…

ラタトスク機関と思わしき艦にも()()()をしておいた。

これでいつでも『()()()()』も実行出来る…

何とも私にとって都合の良すぎる展開だ、罠なのではないかとすさら思えてしまう。」

 

そう呟くと操作盤を動かし、モニターにレストランに向かう者達を映し出す。

その中に意外な人物がいた事に眉をピクリと動かす。

 

「アレは確か…

そう、()()()()()()()()()を足止めした“鳶一折紙”か。

何故、彼女がここに…

それも、敵対関係にある者達に付いている?

…スパイ活動でもしているのか?」

 

「そんな事どうでも良くなーい?」

 

考え込むマリスに…娘のダイナが駆け寄る。

 

「ダイナか。」

 

「今はさっさとアイツら全員をとっ捕まえてさぁ

───『()()()()()』を進める事を優先すべきでしょ?」

 

「…フ、それもそうだね。」

 

ダイナの言う『私らの計画』

…それは一体何なのだろうか。

 

モニターに映る十香達(精霊達)を見て嫌な笑みを浮かべる2人。

 

 

 

 

 

十香達(精霊達)に魔の手が襲い掛かろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コチラです。

どうぞ、ごゆりと食事を堪能して下さい。」

 

ホテルの従業員がテーブルにへと誘導し、頭を下げてレストランから退出する。

 

「シドー!

いつもシドーが夕飯を作ってくれるから、今日は私が持ってくるぞ!」

 

「夜刀神十香が持ってくるのは全てカロリーの高い物、私が持って来る。」

 

「何だと!?」

 

この場でも相変わらず士道の事で睨み合う2人であった。

 

「…えーと、2人で持ってきてくれるか?」

 

士道は頬を掻きながから十香と折紙にそう告げる。

 

「…むぅ、シドーがそう言うのなら…」

 

「…士道の頼みなら仕方ない。」

 

2人は渋々と士道の頼みを聞き移動する。

その間、2人は睨み合ったり、言い争ったりし始めてた。

 

「…令音さん、2人の中間役をお願い出来ませんか?」

 

「…ん、了解した。」

 

士道が令音の耳打ちをして令音は十香と折紙の元へと向かった。

 

「さ、皆んなもそれぞれ食べたい物を取りに行きましょう。」

 

パンパンと手を叩いて合図をする琴里。

それにより、皆が席を立って動き始める。

耶倶矢と夕弦は2人で早食い対決の為、凄まじいスピードで料理を取りに行く。

美九はよしのんが装着されており、取りずらい四糸乃の手伝いをしていた。

 

(…皆んなは特に違和感を感じてない様子だな。

…俺はさっきから妙な違和感というのか、嫌な予感がしてならないのだが…

ん? 真那…何をしているんだ?)

 

士道は一人、料理の方に行かずに窓から外の様子を伺っている真那に視線を向ける。

すると、真那は何かに気付いたのか、レストランから出て行く。

 

「…真那?」

 

士道は席から立ち上がり、真那を追って行く。

 

「…士道くん?」

 

士織はお盆を持ち何を食べようか悩んでいる所で、士道がレストランを出ていく様子を見てお盆を置いて士道に着いて行く。

 

「何だ何だ?」

 

翔もその様子に気づいて士織と共に着いて行った。

 

「…」

 

夢界はさっきまでの緩やかな感じが一切ない、真剣な顔つきでレストラン全体の様子を見ながら、士道達を見て何かをし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「真那!」

 

レストランを出て、ホテルからも出た真那を追いかけていた。

真那は何か探している様子で見渡すと、途端にしゃがみ込み、何かを警戒している様子だった。

 

「どうしたんだ。」

 

「…兄様、アレを。」

 

真那は夜の中、更に暗い所にへと指を差した。

そこは士道達の角度では見づらいものの、何かが動いているのか見て取れた。

 

「どうしたの?

士道くん、真那ちゃん。」

 

「急に出ていくから気になるじゃねぇか。」

 

「いや、真那が突然何か見つけた様でな。」

 

「何か?

…あ、確かに妙な動きをしてるのがあるね。」

 

「妙な動き?

…確かに何か動いているな。」

 

「…ちょっと、俺が見て来る。」

 

そう言って士道は足音を立てずに動いていない物へとまるで暗殺者の様に気づかれない様に動いて行く。

 

(…明らかに不自然だな。

まるで人間じゃない様な動きをしているが

───!?)

 

士道は少しづつ近づいて行き、妙な動きをしている物を見て驚愕する。

そう、その正体は───

 

「これは、バンダースナッチ!?」

 

正体は倒れて身動き取れないでいたバンダースナッチだった。

更に驚く事に、()()()()()()()半壊させられた状態だった。

 

「大丈夫ですか、兄様?」

 

真那達も出来るだけ音を立てずにコチラにへと寄って来ていた。

 

「3人共、コイツを見てくれ。」

 

「ん? 何だ?

───お、おい! コイツは!?」

 

「バンダースナッチ…ッ!」

 

「どうしてこんな所に!?」

 

真那達も士道同様に驚愕の表情をする。

 

「…嫌な予感がしていたが…まさか!?」

 

「て、DEM()がこんな所にいるってのかよ!?」

 

「そんな!?

まさか、私達の動向を見張っていたって事!?」

 

士道達は慌て始める。

 

「た、確か鳶一の奴ってASTっていう別の組織だけど、夜刀神達(アイツら)の敵なんだよな?」

 

「…確かに、こんな所に来たのって変な話だよね…っ!」

 

翔と士織は折紙を疑い始めた。

…まぁ、ある意味仕方のない事であろう。

 

「…えっと…確かに変と言えばそうなんだけど…

違う様な…気がする。」

 

「はい…真那もそんな気がします。

鳶一一曹なら色々と可笑しい所があっても仕方ねーとは思いますが…」

 

折紙の事について語っている中、士道はホテルを見て焦り出す。

 

「…不味い、皆んなはこの事を知らない!

早く戻らないと!!」

 

士道は血相変えて走り出した。

 

「「「!!!」」」

 

3人も士道に付いていく様に走って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

走って行く。

 

士道の心臓が嫌な音を出しているかの様に鳴っていた。

 

(皆んな…っ!)

 

無事でいて欲しいとしか考えられない。

希望を抱いてホテルへ戻り、レストランへと駆け込むも…

 

「!? 皆んな…っ!!」

 

希望は砕かれ、レストランには誰も居なかった。

 

「クソッ!」

 

士道は憎らしげにして壁を叩く。

 

「士道くん! 皆んなは!?」

 

士織達も駆けつけ、レストランを覗くも誰もいない事により、血相を変える。

 

「畜生!

完全に悪い流れになっちまってるじゃねぇか!」

 

士道と翔がレストランに入ろうとするも───

 

「待って、2人とも!」

 

士織が制止する。

レストラン内の妙な空気に士織は真っ先に気づいた。

 

「…微かに変な匂いがする。

きっと、催眠ガスだね。」

 

「くっ…!」

 

「…飯に手をつけた瞬間だろうな。

ナイフやフォークに箸が食器の上に乗ったり、落ちたりしてやがる!」

 

「完全にやられちまいましたね。

妙に静かで不気味だと思ったわけですよ…っ!」

 

四人…『ペルソナ組み』はそれぞれ悔しそうにしていた。

 

「…待てよ。

時間はそんなに経っていない。

なら、まだ近くに居るはずだ!」

 

士道がそう言うと、3人はその言葉に納得する。

 

「…何か手掛かり。

手掛かりがないか…」

 

士道はキョロキョロと全体を見渡す。

すると、夢界の椅子の下に何かがある事に気がつく。

 

「アレは!」

 

士道は口と鼻を抑えて、素早く中に入ってそれを拾い、レストランを出る。

 

「コレは…!」

 

士道が手にしたモノに士道達は驚く。

 

「これって、夢界くんの携帯?」

 

そう、夢界が持っていた携帯(スマホ)である。

 

「…そういえば、夢界さん。

私が違和感に気づくと、何か意味ありげにスマホを弄ってやがりましたが…」

 

「…もしかすると!」

 

士道は携帯(スマホ)の電源を点けると、表示された画面では───

 

「発信機のアプリか!」

 

「コレを辿れば、皆んなの居場所が分かるね!」

 

「うっし!

…あ、フラクシナスに連絡を入れねぇと!」

 

翔がそう気づいて、士道の丸メガネを通して連絡をいれるも…

 

「……駄目だ、連絡がつかない。」

 

「マジかよ

て事は、俺達だけで動かないといけないわけか!」

 

「みたいだね。」

 

「兄様!」

 

3人が士道を見つめる。

 

「あぁ、ここで立ち止まっている訳にはいかない!」

 

士道は画面に表示されているマップを見て、動き出す!

 

「行くぞ!」

 

「「「うん!/はいです!/おう!」」」

 

士織、真那、翔はメガネを取り出して装着する。

士道の丸メガネがキラリと光る!

 

「「「「ペルソナ!!!!」」」」

 

四人それぞれが、各々の『炎』に包まれて怪盗服にへと変わっていく!

 

そして、四つの『炎』から姿を現す!

 

翔は黄色い手袋に赤いマフラーが特徴のライダースーツを纏い、髑髏のマスクを付けた『(キッド)』に!

 

真那は黒いレディースの手袋に頭に王冠が特徴のゴスロリ服を纏い、黒のドミノマスクを付けた『真那(ドリス)』に!

 

士織は鮮やかな真紅の手袋に袖のフリルが特徴の黒のタキシード風のジャケットを纏い、漆黒のドミノマスクを付けた『士織(デオン)』に!

 

士道は赤い手袋にタキシード風のロングコートを纏い、白黒のドミノマスクを付けた『士道(ルパン)』にへと変貌を遂げた!

 

「待ってろよ…皆んな!」

 

士道達は十香達奪還にへと走り出した。

 

 

 







さて、士織編中間地点にへとやって来ました。
無事、十香達を救えるのだろうか…っ!?


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