デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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士織編 第五話(90話)読んでいただきありがとうございます。
まず、最初に───

スギスギ様
評価ありがとうございます。
お陰様でこの作品の執筆のモチベが更に上がりました。

これまで評価してくださった方々も改めてこの場をお借りして返事させていただきます。
ありがとうございます。

そして、これからも『デート・ア・ペルソナ』をよろしくお願いします。





第五話:難解な敵

 

 

 

ガラガラ…

 

士道(ルパン)〉達がいた倉庫は彼の凄まじい衝撃によって、半崩壊状態になっていた。

幸いな事にガラガラと小さな音のみしていてるだけで、殆どは『破軍歌姫(ガブリエル)』の音の障壁によって塞がれた。

 

「や…やったか?」

 

瓦礫から立ち上がる〈翔太(キッド)〉。

 

「どう…なんですかね?」

 

「…多分、これだけの力なら倒せてる筈。

それより…士道くんは!?」

 

真那(ドリス)〉と〈士織(デオン)〉も立ち上がり、3人は敵の事を警戒しつつ士道の身を案じる。

 

「…っ、ゴホッ!」

 

瓦礫から立ち上がる〈士道(ルパン)〉。

それを見た3人は駆け寄る。

 

「士道くん!」

 

「兄様!」

 

「たくっ、心配かけやがって!」

 

「悪い…それより、3人は大丈夫か?」

 

「うん。」

 

「です!」

 

「おう!」

 

「そうか…なら、良かった。

…所で、敵は…?」

 

そう言うと〈士道(ルパン)〉は後ろを振り向く。

そこには周りに比べて大きめの瓦礫の山となっており、

士道(ルパン)〉達は恐る恐るその瓦礫の山を除いていく。

 

すると、そこには体中から緑と黒の色が混ざった血が流す獣の化物(デンドロ・キラム)が倒れていた。

 

「…生きてる…のか?」

 

「どう…だろう?」

 

「……あの時から覚悟はしていたが…

また俺は…人を殺めたのか…」

 

士道(ルパン)〉…いや、五河士道はマスク(仮面)越しからでも分かるくらい表情を暗くして告げた。

 

『あの時』…それは、以前のDEMインダストリーとの戦いの事である。

『シャドウ』と融合した魔術師(ウィザード)

黒魔術師(シャドウ・ウィザード)』を倒すと、彼等は『シャドウ』の様な断末魔を上げて消滅した。

 

…十香を救出する為に堪え、色々と起きた為に忘れてしまっていたが、士道達が人を殺めてしまった事には変わりようが───

 

ポンッ!

 

士道の肩を叩く翔。

 

「落ち着けよ。別にお前が殺めた訳じゃねぇよ。」

 

「…翔。」

 

「思い出せよ。

夢界がその事についてフォローしてくれただろ?」

 

 

 

 

 

『そうそう…お前らに言っときたい事がある。

ていうか、主に士道な。』

 

学校のお昼に夢界が士道達を集めて話始める。

 

『なんだよ?』

 

『DEMとの戦った時…『黒魔術師』達を倒すと、奴等は消滅しただろう?

それで、人を殺めたと思ってるんじゃないかって()()()してるかと思ってると思ってな。』

 

『『!?』』

 

『…』

 

士道と翔は思い出して驚愕し、士織は顔を曇らせる。

 

『んー、その反応はゴタゴタした事があって、忘れてた感じだな。

それならそれで好都合だ。』

 

『…好都合? そんな訳が───』

 

『落ち着けって。

うん、結論から言うとだ。

()()()()()()()()()()()()。』

 

『『え?』』

 

『それって…どういう事だ?』

 

『俺達は間違いなく───』

 

『そう思うのも間違いじゃない。

けど、彼等は『黒魔術師』となった時点で『人間』としては終わっている。

()()()()()()()。』

 

『それって、死体すら残らずに消滅する事に関係してるのか?』

 

『あぁ、その通りだ。

彼等は『人間』を辞め、『シャドウ』という『悪意』になれ果てたんだ。

悔やむ必要はない。』

 

『そうは言うが───』

 

『それにだ。

倒さない限り、彼等はお前達を殺すまでアイザック・ウェストコット達の命令に従う絶対奴隷だ。

それは可哀想だろう?

…それに、弔ってやるってのが、ある意味彼等にとっての救い…

敬意ってやつだと思うぜ。』

 

 

 

 

 

「…」

 

「士道くん。」

 

今度は士織が士道の手を優しく握る。

 

「士織?」

 

「キミは優しいから、私達が大丈夫だと言っても完全には納得いかないと思う。

けど、キミだけじゃないよ。

私…僕達も一緒。

それを忘れないで。」

 

士織は両手で士道にそう告げる。

その時、士織の手が少し震えていた事に士道は気がついた。

 

「…うん。分かった。」

 

「…うん!」

 

「そうですよ、兄様。」

 

今度は真那が語る。

 

「兄様は一人じゃねーです。

例え、周りが何を言おうと真那が常に味方でいやがりますから!」

 

「真那…」

 

「そうだぜ、俺も仲間だ。」

 

「翔…」

 

「だから顔を上げろよ、お兄様。」

 

「勝手に弟になってんじゃねぇ!」

 

「あべしっ!」

 

士道によって制裁を受ける翔。

彼が士道を元気つける為に言ったのか…

それとも…本気なのかは本人しか分からない。

 

「ハハ…天宮さんは困った所が目立って反応に困る時がありますねぇ…

───!?」

 

真那は途中、倒れてる獣の化物(デンドロ・キラム)が消滅するのを目撃する。

 

「デンドロ…アナタに関しては五月蝿い印象でしかねーですが…

ジェシカの時といい、命を弄ばれていい筈がねぇんです…っ!」

 

真那は拳を握りしめる。

それを見た士道達も気を引き締める。

 

敵はどんな手段も使う連中だ。

ここで時間をかけては囚われてる十香達(お姫様達)の身が危ない。

 

「早く行こう…っ!」

 

士道…〈士道(ルパン)〉は前に進むためにデンドロがいた方、階段が見える場所へ駆け出す。

 

「ですね!」

 

「おう!」

 

真那(ドリス)〉と〈翔太(キッド)〉も呼応する。

 

「うん!」

 

士織(デオン)〉も続こうとするも───

 

「…」

 

落ちているレイピアを拾い上げると、脳裏に先程の戦闘を思い出す。

 

『黒いアンプル』を使用した相手とはいえ、自分の力が敵に及ばなかった事を思い出す。

己が化身(シュヴァリエ)』を使用すればパワー負けしなかっただろうが…

それでも…自分自身の力が及ばなかった事に悔しさを抱く。

 

「…僕も、力を示さないと。

漸く…一緒にいられるから。

もう…士道くんから離れない為にも…っ!」

 

士織(デオン)〉…士織は自分に言い聞かせて〈士道(ルパン)〉達の後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

先程の戦闘、やり取りを見ていた人影が静かに見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───」

 

「───」

 

「…」

 

士道(ルパン)〉達は音を殺し、気配を断ち、慎重に行動しながら進んでいた。

 

「…にしても、〈士道(ルパン)〉の動き…

漫画やアニメ見たいな動きをするよなぁ…

俺、出来る限り音立てない様に早く動いているけど、アイツみたいに動けないぞ?」

 

「だって士道くんだもん。

心強いし、頼りになるよね。」

 

翔太(キッド)〉と〈士織(デオン)〉は小声で会話しながら、先陣し合図を送ってくれる〈士道(ルパン)〉の後をつけて行く。

 

「そりゃ、真那の兄様ですので!」

 

ふふん!っと〈真那(ドリス)〉も2人同様に付いていきながら自慢する様に語っていた。

 

「ちくしょう…〈真那(ドリス)〉ちゃんから褒められて羨ましい…っ!

俺も…練習しておくか?」

 

本当に悔しそうに〈翔太(キッド)〉は呟いた。

…因みにどうでもいい補足だが、〈翔太(キッド)〉がどれだけ特訓しても〈士道(ルパン)〉に近づけても彼レベルまでには届かない。

 

「次はあの扉かな?」

 

士道(ルパン)〉は再び大きめの扉を指差して3人に告げる。

 

「だような。」

 

「さっきと似た様な扉だしね。」

 

「次はどんな場所だろうな。」

 

「…さっきみたいな大広間だろうけど、倉庫って事はないのかな?」

 

「どうなんでしょうね。」

 

「あぁ…こんな時に時崎がいればどうにかなったのかねぇ?」

 

「「え?」」

 

「…」

 

士道(ルパン)〉と〈士織(デオン)〉は突然の発言にきょとんとした顔になり。

 

真那(ドリス)〉は静かに嫌さそうな顔をしていた。

 

「何で…そこで狂三が?」

 

「いや…あの時、俺達がお前と誘宵と夜刀神の所へ向かう途中、凄まじい黒い光があったろう?

まぁ、正確にはアレはお前が放った攻撃だったけど…

俺達は力で拮抗しようとした途中で、時崎の奴が現れて、無駄に力を消費せずに近道を教えてくれたんだよ。」

 

「狂三…が?」

 

「…あぁ。確かにそうだったね。

あの時、咄嗟に言われて困惑したけど、真剣に語る彼女の説得に私と琴里ちゃんが渋々承諾したんだよね。

…真那ちゃんは嫌そうな顔をしていたけどね…」

 

「…正直、〈ナイトメア〉の言う事なんて聞きたくありませんでしたが…あの時は一刻も早く兄様の所へと向かう事が先決でしたしね。

不本意ですが、渋々『ヴァナルガンド』の防御領域で衝撃を防ぎ、静まったタイミングで直ぐ向かった訳ですよ。」

 

「…そうだったのか。」

 

「そ、だからアイツなら敵の懐でも安易に行けるんじゃないかってな?

オマケに能力も能力で便利で強い訳だし、分身を前に行かせてそれを活かせたいけばもっと効率的に救出に行けるんじゃないかって思った訳さ。」

 

翔太(キッド)〉はそう語った。

 

(狂三…そういえば、あの後から会っていないな。

無事だろうか…)

 

士道は狂三の事を考えていた。

 

「(士道くん…狂三さんの事を考えている…

僕が…僕がもっと頼りにならなきゃ…っ!)」

 

士織は心の中で自分を戒めた。

 

「ともかく進みましょう。」

 

真那(ドリス)〉がそう告げて、〈士道(ルパン)〉達は扉を開け進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今度は…倉庫とは違う広い部屋みたいですね。」

 

真那(ドリス)〉がそう呟く。

 

そう、〈士道(ルパン)〉達が入った部屋は広いが先の時とは打って変わり、長い廊下となっていた。

 

「だが、先とは違って見張りもない。

このまま次の所へ───」

 

「そうは行かないよ。」

 

翔太(キッド)〉の言葉に遮る様に謎の女性の声がそう言い放つ。

その者は正面の扉からカツンカツンと〈士道(ルパン)〉達の前に立ちはだかる。

容姿はモジャモジャの様なアフロヘアーに大きめのリングのイヤリングをつけた特徴強い女性だった。

 

「誰だお前は?」

 

「兄様。

この印象強い女は『アイリス・ヘプバーン』。

…さっきのデンドロの事を考えれば、かなり厄介かもしれねーです。」

 

「そうなのか。」

 

「性格は最悪の最悪。

数多の男を誘惑しては取っ替えてるクソビッチですよ。」

 

真那(ドリス)〉がそう語る。

 

「はっ! ガキのアンタに言われたくないねぇ。」

 

アイリスはそう言うと、武器である顕現装置を起動させ、バラ鞭を構える。

 

「おまけにSM(そっち系)の趣味もあんのかよ。」

 

翔太(キッド)〉が呆れながら愚痴を漏らす。

 

「…変ですね。」

 

いかにも戦闘が始まるってタイミングで〈真那(ドリス)〉が眉間を寄せる。

 

「どうかしたの?」

 

「いえ、この女…私の覚えでは()()()の筈です。

てっきり、部下の構成員を利用して戦うと思ってやがりましたが、その気配すら───」

 

「はっ! 甘いねぇ!

こんな連中にやられてミスミス侵入を許すデンドロは使えない大馬鹿者だねぇ!」

 

ぎひぃ! ぎひひぃ!

 

アイリスは鞭を床にバシン!と強く叩くと扉から4体の巨大な肉壁の様な生物が現れた。

 

「な、なんだコイツら!?」

 

「人間…じゃないな。」

 

「人間さ。いや、()が抜けてたねぇ。」

 

「何ですって!?」

 

アイリスの言葉に〈士道(ルパン)〉達は驚愕する。

 

「コイツらは『シャドウ』を投与した魔術師達の成れ果てた姿さ!

度重な研究の末に不適合品の『失敗作』を掛け合わせて生まれたのがこの子達。

───『死茎隊』だよ!!」

 

「「「「!?」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…手足が動かせないとは難儀なもんだねぇ。」

 

「「…」」

 

「ま、クールで美人のお二人様と同じ檻に入れられているからマシなのかな?」

 

夢界、令音、折紙の3人は独房の檻の中で手足を拘束された状態で座っていた。

 

「…檻に入る事が望みならば、キミはこのままいるといい。」

 

「それは勘弁してよー。

所でぇ…折紙ちゃんは何してるの?」

 

「錠が外れないか、手足の関節を外しながら行なっている。

けれど、この錠は外れない。

それはつまり、これは只の錠ではなく顕現装置が使われている特殊な錠である事。」

 

「分かりやすい解説ありがとー。

後、無言のまま簡単に手足の関節を外すの何か怖いから、取り敢えずやめない?」

 

「…このまま、大人しく従うって事?」

 

「いやいや、士道達が助けに来るまで待つって事だよ。」

 

夢界がそう言うと2人はさっきまで全く視線を合わせなかったのに同時に目を向ける。

 

「あ、漸くまともに相手してくれたねー。

───率直に言うとさ、いざっと時の為に発信機が俺のベルトに付いているのよ。

んで、その発信機を辿れるスマホを眠らさせる寸前に落としておいたんよ。

多分、士道達なら気づくだろうから気長に待とうぜ。」 

 

「…キミは気づいたのかい?

我々が誘拐される事に。」

 

「いんや、気づいていたらもっと他の手段を取っていたよ。

もしかしたらって事を考えて最低限の事をしたまでさ。」

 

「…そうか。」

 

令音はそう納得して独房の外の方へと視線を向ける。

その際、呑気に鼻歌を歌っている夢界や士道が助けに来てくれる事を想定して何やらブツブツと呟いている折紙を無視してただ1人、士道の身を案じる。

 

「…シン。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、やっちまいな!」

 

アイリスが4体の『死茎隊』に鞭で叩きつける。

 

げひゃああ!! げっひいぃ!!

 

痛がっているのか、奇妙な声を上げて〈士道(ルパン)〉達へと襲いかかる!

 

「うおっと!」

 

「っ!」

 

士道(ルパン)〉達は攻撃を躱す。

 

「あの図体の割に結構早いな!」

 

「一撃でも喰らったら不味いね。」

 

「なら、素早く斬るだけです!」

 

真那(ドリス)〉が剣を抜き、斬りかかる。

…が、剣は『死茎隊』の筋肉を貫けず軽く刺さる程度だった。

 

ぎしゃあぁ!!

 

「…こんの!」

 

真那(ドリス)〉は反撃を躱し、今度は『紫の炎』を灯した攻撃をする。

 

「それが精霊の力や顕現装置とは異なる力かい?

けど、無駄だね!」

 

アイリスが告げた通り、『炎』を灯した攻撃もさっきよりかはダメージは入っただろうが、大したダメージにはならなかった。

 

「くっ!」

 

「〈真那(ドリス)〉、下がれ!」

 

「今度は男性人が切り込むぜ!」

 

士道(ルパン)〉と〈翔太(キッド)〉が仕掛ける。

士道(ルパン)〉はナイフに『黒い炎』を灯した攻撃をし、〈翔太(キッド)〉は鉄パイプに『黄の炎』を灯した打撃をする。

 

「っち、俺達の攻撃も大したダメージになってない…っ!」

 

「どんな肉体構造になってんだコイツらっ!」

 

「当然さね。

コイツらの身体スペックは既に『精霊』と同等なんだよ。

それにアタイの鞭も効いてるんだ、当たり前だね!」

 

「なら…」

 

士道(ルパン)〉達が苦渋な顔をする中、アイリスは余裕な態度をしている所に〈士織(デオン)〉が宙に跳び、〈士道(ルパン)〉の相手をしている『死茎隊』へ狙いを定めて『桃の炎』を灯したレイピアで素早く放つ。

 

「『花剣の一閃(フルール・ショット)』!」

 

士織(デオン)〉の技が『死茎隊』の首を貫くも、衝撃を筋肉で吸収し、別の所へと流した。

 

「何よこれ!?」

 

「どうなってるんだ!?」

 

「言ったろう?

コイツらは『精霊』と同等の力を持ってるってね!

只の人間のアンタらなんか相手にならないんだよ!」

 

ぎいぃぃ!!

 

アイリスが再び別の『死茎隊』に鞭を叩くと、奇声を上げて体当たりをかます。

 

「ぐあっ!」

 

「ぐはっ!」

 

「ああぁっ!」

 

士道(ルパン)〉達は後方へと吹き飛び倒れる。

 

「兄様! 皆さん!」

 

「アンタもだよ!」

 

ぎゃああぁ!!

 

「があぁっ!」

 

アイリスと『死茎隊』の同時攻撃を受けて〈真那(ドリス)〉も強く吹き飛ぶ。

 

「真那っ! ───うぐっ!」

 

士道は強く吹き飛ばされる真那を受け止めようとするも止めきれずに飛ばされて壁に当たる。

 

「…くぅっ!」

 

「…兄、様!」

 

真那は慌てて士道を案ずる。

 

「この野郎…っ!」

 

「よくも2人を…士道くんをやったわね…っ!」

 

士織(デオン)〉は立ち上がり、怒りを露わにする。

 

「来て、『シュヴァリエ』!!」

 

士織(デオン)〉は『花騎士シュヴァリエ』を出現させる。

 

「それぎ報告にあった『天使』に匹敵する力かい?

どんなものか…盾になりな!」

 

アイリスは『死茎隊』の一体を自身の前に立たせ、防御状態にさせる。

 

「そんなので勝ったつもりにならないで!

───『シュヴァリエ』!」

 

『シュヴァリエ』に指示を送り、盾から剣を抜き、桃風の竜巻を発生させて斬り込む!

 

ぎいぃぃぃぃっっ!!??

 

盾となった『死茎隊』はその攻撃に耐えきれずに後方へと勢いよく吹き飛んだ。

 

「ちっ…思ってたより厄介だねぇ。」

 

「これなら行ける!

畳み掛けて! シュヴァ───」

 

「おおっと、そうは行かないよ!」

 

アイリスは懐から『黒いアンプル』を取り出してそれをバラ鞭に装填し、『死茎隊』へと叩きつけた。

 

ぎぃぃ…ゴアァァァァッ!!!

 

さらに奇妙な奇声を上げる『死茎隊』。

 

3メートルある巨体が更に一回り大きくなり

 

全身が真っ黒に染まり

 

腕が膨張してハンマーの様な拳となり

 

その姿形はまるでゴリラの『怪人』

 

『死茎隊』は悪臭を放ちながら涎を垂らす、『怪人の化物』へと変貌を遂げてしまった。

 

ゴォアアアアァァッッ!!

 

あまりの変貌に隣にいた『死茎隊』の2体も思わず離れる。

 

「クソったれ…アイツも持ってたのかよ!」

 

「見る限り、とんでもない馬鹿力を持ったそうだな…っ!」

 

「気をつけてください! 〈士織(デオン)〉!」

 

「問題ないよ。僕は負けない…っ!」

 

「その威勢はどこまで持つかねぇ。

さぁ、やっちまいな!」

 

ゴォアアアアァァッッ!!

 

『死茎隊』…いや、『怪人の化物』は拳をバズーカの様に放った。

 

「!? 『シュヴァリエ』!」

 

『シュヴァリエ』が再び剣で攻撃し返そうとするも───

 

「ぐうぅぅぅあああぁぁぁっっ!!」

 

パワーに負けて『シュヴァリエ』は消え、〈士織(デオン)〉は吹き飛び、壁に叩きつけられた。

 

「〈士織(デオォォォン)〉ッッ!!」

 

士道(ルパン)〉は直様起き上がって〈士織(デオン)〉を壁から離して抱きしめる。

 

「〈士織(デオン)〉! 大丈夫か!?

しっかりしてくれ!!」

 

「………ぅぅ、大…丈夫。」

 

意識が飛ばされそうになった痛みを耐えながら、何とか返事をする。

 

「はっ! ザマァないね!」

 

アイリスはそんな〈士織(デオン)〉を見て嘲笑う。

 

「このぉっ!」

 

真那(ドリス)〉が『紫の炎』を強く灯して特攻する。

 

ぎぃやあぁぁぁ!!

 

通常の『死茎隊』がそれを阻もうとするが───

 

「『ランスロット』!!」

 

それを〈真那(ドリス)〉は素早く『剣聖ランスロット』を出現させ、同時に攻撃して四つに斬り裂いた。

 

ぎゃ、あ…

 

「ちっ…1体やられたか…

まぁ、まだ2体もいるからねぇ。

それももう1体は『強化体』。

1体倒すのに苦戦してるアンタら鼠共も、直様アタイのモルモットにしてやるよ!」

 

アイリスが豪語すると、『死茎隊』の2体が〈真那(ドリス)〉へ襲い掛かろうとする。

 

「くっ…!」

 

『ランスロット』を前に防御の態勢を取ろうとすると───

 

「『アルセーヌ』!!」

 

「『セイテンタイセイ』!!」

 

背後から飛び出した『ペルソナ』が『死茎隊』を吹き飛ばした。

 

「兄様! 〈翔太(キッド)〉さん!」

 

「これ以上、俺の大切な仲間を傷つけはしないっ!」

 

「やられたらやり返させて貰うぜ!」

 

「…はっ! それが何だい?

それで勝ったつもりとはやはりガキはガキだね!!」

 

今度は『怪人の化物』が襲い掛かる!

 

「くらえ、『無閃(セロ)』!」

 

士織(デオン)〉を抱き寄せた状態で〈士道(ルパン)〉は懐から『銃』を出現させて青黒い光線を放った。

 

ゴオォ…

 

『怪人の化物』は顔に直撃し、一瞬怯むも直ぐに体勢を戻す。

 

「くっ…!」

 

「それでおしまいかぁい?」

 

「厄介だなっ!」

 

「…どうする?

士織(デオン)〉は負傷して戦えねぇ。

このまま『ペルソナ』でゴリ押せて勝てるかも正直怪しい。

デンドロの奴と比べて段違いで強いぞ…!?」

 

翔太(キッド)〉は『セイテンタイセイ』の光を操る光球や棒を酷使して『怪人の化物』を抑えてはいるが、それも力の消耗が激しくなる一方である。

 

「分かっている…けど、あの化物を倒すには十香の『鏖殺公(サンダルフォン)』クラスの破壊力のある一撃が必要不可欠。

けど、それをやれば間違いなく俺達の居場所がバレて十香達を連れて逃げられる可能性がある…どうすば…っ?」

 

考えれば考えるだけ、コチラの状況は悪化する。

士織(デオン)〉は受けた衝撃が強かったためか今は戦闘不能状態。

早いところ〈翔太(キッド)〉の力を利用して少しでも痛みを和らげたい。

 

「…そういえば、真那の『ペルソナ』の能力。

『紫毒』という毒の様に蓄積させる力があるんだよな?

もし、それを───」

 

士道(ルパン)〉はそれを用いて一つの勝算方法に辿り着く。

しかしそれは…あまりにも非道というか酷いやり方だった。

 

「けど…それ以外思いつかない…」

 

「何か閃いたみたいだな。」

 

「…恐ろしい手段だけどな。」

 

「無いよりかはマシだろ。」

 

翔太(キッド)〉が肩を持って士道の気を落ち着かせる。

 

「そうですよ兄様。」

 

今度は〈真那(ドリス)〉が駆け寄り、士道の手を握る。

 

「何をしたって真那は兄様の味方です。」

 

「…真那。」

 

真那から勇気づけられ…〈士道(ルパン)〉は決断する。

 

「あの化物を倒す手段がある。」

 

士道(ルパン)〉は2人にその手段を話した。

 

 

 







・ここでもちょっとしたキャラ紹介

『アイリス・ヘプバーン』
《プレゼン》
・家庭教師ヒットマンREBORNから登場した人物。
・戦闘レベル『1』(もっというと本人は戦えない)
・戦闘ではバラ鞭を使用して生き物を使役して戦う。
・真那が語った通りビッチで、体を使って誘惑して男を利用してきた。
・DEMインダストリーに在籍した理由は顕現装置の技術を利用して金儲けするために研究員として配属し、マリス・エンワードを狙っている。

・『死茎隊』
《プレゼン》
・コチラも家庭教師ヒットマンREBORNから登場した人物(?)
・戦闘レベル『4』
・『魔術師(ウィザード)』に『緑のアンプル』を投与させ不適合の者達を無理矢理合成させた凶悪兵器。
・無論、これを生み出したのはマリス・エンワードで、本人は『失敗作』だと語る。
・命令もまともに聞かず、ただ殺戮をする兵器に成り下がり処分を検討する中、アイリスがこれまで奪ってきた研究成果を利用し、『顕現装置(バラ鞭)』と適合させた装置を埋め込めて使役させる事に成功させた。


・…分かりにくいと思うので、ここで補足します。
所々で『士道』だったり『〈士道(ルパン)〉』だったりと、区別してない所が目立つ所が多々ありますが、敢えてそうしてる感じです。
ミスでは有りません。
※尚、普通に間違えてたりするで、その場合は申し訳ないと思います。


・それから…この話の執筆中にデアラⅤ始まりしたね。
Ⅴが終わるまでに何処までいけるんでしょう?
予定では今月中に『士織編』が終わって番外編まで行って、次章まで行くつもりでしたが…リアルが…仕事が忙しくて中々進まない…

そして最後に…EDがエモい。
仕事中だったけど、Xで見たらもう…涙腺が…ヤバイって。


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