デート・ア・ペルソナ   作:黒ソニア

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ヨウツベの影響か今更ながら、各章のイメージソングを考えてます。
それと、REBORNをモチーフしているのが多くなったのか、皆が死ぬ気の炎(大空の7属性)を灯せたらどんな属性になるか妄想してる。

デアラVに連なって投稿がんばるぞい!
…にしても、OPの映像ヤバくない?
歌と合わせて…なんか…涙が溢れそうになりました…





第六話:救出

 

 

 

士道(ルパン)〉が話すと、2人は内容が内容なために少し驚愕した反応を示した。

 

「…おおう。

聞いといて何だが、結構厳つい手段を考えるな。」

 

「ですね…しかし、それしかなさそうなのも事実です。

よく思いついてくれました。

流石は兄様です。」

 

真那(ドリス)〉はアイリスを…

そして、『怪人の化物』を見て気合いを入れる。

 

「すぅ…やりましょう。」

 

「おっけい。」

 

「…俺が動きを封じる。

翔太(キッド)〉! 強引なやり方でも構わない、奴をそのまま押さえてくれ!」

 

「うっし! 任せろ!」

 

翔太(キッド)〉が返事をして『怪人の化物』を抑え続ける。

その隙に〈士道(ルパン)〉は『青の炎』を手元に集約する。

 

「行くぞ! 『時雨の波紋(ブルー・ノヴァ)』ッ!」

 

声と共に『セイテンタイセイ』は離れる。

『青の炎』の結晶を放ち、『怪人の化物』を呑み込むように様に包み、動きを完全に停止させた。

 

「な、何だい!?

お前! 一体何をしたんだい!?」

 

アイリスの言葉に耳もくれずに〈真那(ドリス)〉は『怪人の化物』の元へと飛び込み『炎』を灯した剣を思いっきり突き刺した。

 

グ、ググゥゥ…

 

「は…はっ! そんなのでやられる訳が───」

 

「はあぁぁぁぁぁ!!!!」

 

『紫の炎』を強く発火させて複数の剣が化物を更に突き刺す。

そこに『ランスロット』の『紫毒』の力が加わって『紫毒の炎』と化した。

それにより、凄まじい紫の閃光が室内を覆う。

 

グウゥゥ…グゴガァァァァァッッ!!!

 

『怪人の化物』は悲鳴を上げ、肉体が徐々に『炎』によって焼かれて溶けてく様に浄化されていく。

 

「馬鹿な!?」

 

アイリスはその現象を見て戦慄する。

 

「…っ!!

お前達、何をしているんだい!!

さっさとあのガキをぶっ殺しな!!」

 

アイリスは壁に叩きつけられた『死茎隊』を鞭で叩き起こし、〈真那(ドリス)〉を仕留める様に命令する。

 

「そうは───」

 

「───させるかよ!」

 

士道(ルパン)〉と〈翔太(キッド)〉がいつの間にか『死茎隊』の元へと近づいたおり、〈真那(ドリス)〉の邪魔はさせまいと相手取る。

 

「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」

 

士道(ルパン)〉はナイフを『鎧腕』へと変換させて『黒い炎』を灯し、強い黒い閃光を放出させる。

負けずと〈翔太(キッド)〉も拳に『黄の炎』を最大限に灯す!

 

「『黒の閃光(ブラック・アッシュ)』ッ!!」

 

「『太陽の剛拳(サンシャイン・バスター)』ッ!!」

 

2人の強力な拳による一撃が『死茎隊』の頭から撃ち落とすように放たれた!

 

ぎいぃぃぃぃ!!??

 

ぎしゃぁぁぁ!!??

 

2体の『死茎隊』が悲鳴を上げ、それぞれの『炎』に包まれて潰れた。

 

「はあっ!!」

 

真那(ドリス)〉が気合を入れた声で『紫の炎』を強めて『怪人の化物』を焼き尽くす!

 

ゴォォォォォォ…!!!???

 

そして、徐々に徐々に声は掠れていき…次第に『炎』に呑まれて化物は消滅した。

 

「な、何だって…?

一体…何が起こったんだい…?

アタイの…アタイの実験台共は…?

さっきまで、アタイが有利だったじゃないか…?」

 

アイリスは震えた声で〈士道(ルパン)〉達を見ては怯え始め、逃げようとする。

 

「逃すか!」

 

真那(ドリス)〉が『炎』から飛び出してアイリスを襲う。

アイリスは怒号の声に咄嗟で振り向くと、そこには凄まじい勢いで〈真那(ドリス)〉が迫り、その殺気に呑まれ───

 

「がうっ!?」

 

真那(ドリス)〉の強力な肘打ちによって壁に叩きつけられ、鈍い音を立ててアイリスの意識は闇へと堕ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やりましたね。」

 

「だな。」

 

「よし、コイツはコレでいいだろう。」

 

士道(ルパン)〉は気絶しているアイリスを『黒の鞭(ブラック・ウィップ)』で完全拘束した。

 

「なら次は〈士織(デオン)〉の方だな。」

 

「ああ。」

 

横たわる〈士織(デオン)〉に〈士道(ルパン)〉が『琴里の炎』を〈翔太(キッド)〉は『黄の炎』で治癒する。

 

「……コホッ!」

 

数分経って、〈士織(デオン)〉が目を覚ました。

 

「……コホ、コホコホッ!

皆んな…大丈夫?」

 

「あぁ。何とかな。」

 

「兄様の作戦が上手く行ったお陰ですよ!」

 

「…あまり、褒められたもんじゃないけどな。」

 

「そういうのは良いって…」

 

「…?」

 

気絶していた〈士織(デオン)〉は理解できなかったが…

どうやら、士道の考えであの状況・相手を倒したらしい。

 

「…ごめんね。

僕、役に立たなかった。

それどころか…負けちゃった…」

 

士織(デオン)〉は落ち込みながらそう告げる。

 

「いや、〈士織(デオン)〉は何も悪くない。

寧ろ、相手が悪かったんだ。」

 

「だよな。このBBA…というよりも、このバケモン共が厄介すぎたんだ。」

 

「です。コイツがわりーので〈士織(デオン)〉は気にしねーでください。」

 

「…はは。」

 

完全に気絶していないアイリスを死体蹴りの如く蹴り続ける〈真那(ドリス)〉を見て苦笑いをする〈士織(デオン)〉。

 

「…でも、僕の『シュヴァリエ(ペルソナ)』でも敵わなかった…

僕は…皆んなの足を引っ張っちゃってる…っ!」

 

士織(デオン)〉は悔しそうに唇を噛み、拳を握りしめた。

 

「…士織。」

 

そんな彼女に士道は彼女に視線を合わせる様に膝をつき話し始める。

 

「士織…何処か無理をしていないか?」

 

「無理?」

 

「うん。何処か無理をしてるっていうか…

必死になりすぎてるっていうのか…

一人で戦っていないかな?って思うんだ。」

 

「それは…違うよ?」

 

士織は否定する。

しかし───

 

「…ううん。きっとそうなんだよ。」

 

「え?」

 

士道は否定する。

 

「もし…間違ってたら申し訳ないけど…

その…士織は俺達の為に…

いや、多分だけど、俺の為に無茶をしているんじゃないかって思うんだ。」

 

「そ、それは……」

 

士織は更に否定しようとするも、真っ直ぐに自分を見てくれる士道を見て、バツが悪そうに話し始めた。

 

「うん。そうだよ。

だって、僕は士道くんのお陰で今があるんだから。

あの時、キミが手を差し伸べてくれた。

『希望』をくれた。

なのにキミは…【破滅の運命】なんて恐ろしい宿命を背負ってしまってる。

僕は…僕はそんな士道くんのために何かしてあげたい!

だって、僕にとって士道くんは───」

 

「士織。」

 

熱くなっている士織に士道は優しく頬を撫でる。

 

「俺の為に一生懸命に動いてくれるのは嬉しい。

それは本当だ。

けど、そのせいで士織が傷つくのが俺にとってとても辛い事だ。」

 

「…」

 

「だから…改めて言うよ。

俺と()()に戦って欲しい。」

 

「…へ?」

 

士織は間の抜けた声を出す。

 

「だって、ちゃんとお願いをしてなかっただろう?

…だから、これからは共に歩んで欲しい。

そうすれば、もう一人で無茶は出来ないからな。」

 

士道は小さく微笑みながらそう告げる。

 

「……士道くん。」

 

「おーおー。コレが噂の口説きですかー。

こんな時でもプレイボーイくんとはやりますねー。」

 

「しかも厄介な事に素でやってるみたいなんですよ…

真那も直で見る事になるとは思いませんでした…」

 

…2人のラブコメを外野から見ていた翔と真那はやれやれとした感じのアピールをする。

 

「…さ、さぁ、早く行こう。

急がないと琴里達の身に何が起こるか分からない。」

 

「そうだ!!

琴里ちゃんと四糸乃ちゃんを攫った変態はこの紳士な俺が成敗し!!

そして救うんだあぁぁぁ!!!」

 

そう叫ぶと〈翔太(キッド)〉は扉を蹴り壊して勝手に進み始めてしまった。

…ここまで戦闘以外では音を立てないように動いていたのがパーである。

 

「おい! 待て〈翔太(キッド)〉!」

 

「はぁ…やれやれです。」

 

士道(ルパン)〉と〈真那(ドリス)〉が頭を抱える。

 

「…ふふ。」

 

咄嗟に〈士織(デオン)〉はクスッと笑う。

 

「どうした、〈士織(デオン)〉?」

 

「ううん。なんか元気が出たなって。」

 

士織(デオン)〉の言葉に疑問を抱くも、暴走する〈翔太(キッド)〉を追いかける〈士道(ルパン)〉達だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暴走する〈翔太(キッド)〉を直ぐ様抑えて〈士道(ルパン)〉達は前に進んで行く。

 

「…結構進んだんじゃないか?」

 

「確かに。潜入してから時間経ってるし、そろそろ琴里ちゃん達の元まで近づいているかもね。」

 

「ですね。それと、見張りや研究員らしき人影は…

いませんね。

コチラとしては好都合ですが、それはそれで腑抜けてるんですかね。」

 

真那(ドリス)〉がそう言葉を漏らす。

確かにここまで人と接触するのが無いのは変な話である。

デンドロやアイリスとの戦闘前までは人の姿を見かけたが、今では人が全くいないのである。

 

「…罠かもしれない。

けど、それでも進むしかない。

引き続き、俺が先導するから着いてきてくれ。」

 

「「「了解。」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…〈士道(ルパン)〉達が進んで行く道中の部屋にはそれなりの研究員達や警備部隊が本来はいた。

しかし、その者達全員が衰弱する様に倒れていた。

 

コトコトコト…

 

早足で尚且つ音を立てない様に進んで行く音がする。

しかし、誰もそれに反応しない。

何故なら───

 

「きっひひひひ…」

 

奇妙な笑い声を発する者の足元から赤黒い影が延びていた。

 

「流石に違和感は感じますわよね。

とはいえ、皆さんのお陰でスムーズにわたくしが動けますもの…

コレくらいのサービスくらいはしませんと。」

 

赤と黒の特徴のドレスを着た美しい女性がそう呟く。

 

「きひ。それにわたくしの『時間』も回復出来ますもの。

Win-Winな関係ですわよね。

…ただ、わたくしの知りたかった情報は一切無いことが気がかりですけれど。」

 

女性は最後に残念そうに呟いた。

 

「まぁいいでしょう。

それより、そろそろ種明かしを兼ねて御挨拶と行きましょう。

ふふ。」

 

女性は自身の影の中にへと潜る様に姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

士道(ルパン)〉達はひたすら進んで行く。

その道中───

 

ピキンッ!

 

「!?」

 

体に衝撃が走る。

この現象は過去にもあった。

修学旅行で令音がバンダースナッチに襲われそうなった所を叫ぶ折紙の場面。

十香がエレンに攫われる場面。

エレンとの戦いの途中で美九がエレンに危機が及ぶ場面。

…っと様々な所で起きた現象であり、『黒い炎』同様に不明な力だ。

 

(またコレ…でも、コレが来るって時は───)

 

そして、脳裏にビジョンが流れ込む。

 

 

 

 

 

『私の士道がまだ来ない…

夢界藍、いつになったら士道は来るの?』

 

『いやー…コレばかりは俺に言われても…』

 

『…本当にシン達に分かるようにしているんだろうね?』

 

『士道! はよ助けに来ておくれー!』

 

 

 

 

 

「…今のは?」

 

「どうしたの?

何処か痛む所でもあるの?」

 

突然〈士道(ルパン)〉が立ち止まり、〈士織(デオン)〉が心配して顔を近づけていた。

 

「…あ、いや、そんな事はない。」

 

「…お前もダメージが入ってるしな。

今の内に回復しておくか?」

 

翔太(キッド)〉が掌に『黄の炎』を発現させて問う。

 

「いや…それより、この通路の…あそこ。」

 

士道(ルパン)〉は一層に硬い金属で出来ている扉を指差す。

 

「んん? 確かに気になるっちゃあ気になるな。」

 

「兄様、何か感じてるのですか?」

 

皆が首を傾げる中、〈士道(ルパン)〉はその扉まで歩み寄る。

 

「…」

 

その扉に触れて聞き耳を立てるように耳をすませる。

すると、中から聞き覚えのある声がする。

 

「私の士道がまだ来ない…

夢界藍、いつになったら士道は来るの?」

 

それは…大人しめな感じもするも、気が強い女性の声。

 

「いやー…コレばかりは俺に言われても…」

 

それは…ちゃらんぽらんとしつつも、頼りになる男の声。

 

「…本当にシン達に分かるようにしているんだろうね?」

 

それは…どんな時でも心配しつつ見守り、そして優しく抱き締めてくれる魅力的な女性の声。

 

「士道! はよ助けに来ておくれー!」

 

最後は情けない声だったが…間違いない。

 

「ああ。今助ける。」

 

士道(ルパン)〉はそう告げて、両手を構え、『黒の籠爪(ブラック・アームズ)』で扉を切り刻んで破壊した。

 

「待たせたな。」

 

士道(ルパン)〉は優しく微笑んだ。

 

「おお! しど───ぐえ!?」

 

「士道、救いに来てくれるのを待っていた。

早くここから私をハネムーンへと連れ出して。」

 

夢界を吹き飛ばし、折紙が強くアピールをする。

 

「うん…その、いきなり檻に顔や体を近づけて痛くないのか?

後、情けないがそいつも優しくしてあげて欲しい。」

 

「そう。じゃあ、ハネムーンに───」

 

「それはないですから。」

 

折紙の世迷言に士織が笑顔…圧をかけて跳ね除ける。

それ故に折紙と士織は目と目で火花を散らし睨み合う。

折紙の下には目をグルグルと回してピヨピヨと雛が鳴いていた。

 

「はは…」

 

そして…士道は最後に令音を見て再び優しく微笑む。

令音も士道を見て同じく小さく微笑む。

 

「遅くなりました。

怪我はありませんか? 令音さん。」

 

「ん。問題ないよ。

…助けに来てくれてありがとう、シン。」

 

「当然ですよ。」

 

士道と令音の会話にロマンスの様な雰囲気が流れ始める───が。

 

「「ちょっと待った。」」

 

士織と折紙が割って入る。

 

「士道くん? そのロマンスは僕と繰り広げろうね?」

 

「雨宮士織ではなく、私とやるべき。」

 

再び火花を散らし合う2人。

 

「…やれやれ、2人共。

シンを困らせてはいけないよ。」

 

そこに令音がやや怒気が含んだ様な声で告げた。

 

「「「…」」」

 

2人から3人での睨み合いへと勃発した。

 

「…えっと。」

 

士道は何とか声かけて阻止しようとするも、3人の圧に屈してしまう。

 

「…とりま助けてようぜ。」

 

「ですね。」

 

外野にいた〈翔太(キッド)〉と〈真那(ドリス)〉がそう告げて手を動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…助かったぜ、皆んな。」

 

起きた夢界が改めてそう語る。

 

「おう。

とはいえ…いたのは3人だけで、琴里ちゃん達

───『精霊』組みはいないか。」

 

翔太(キッド)〉が目を細める。

 

そう、この場に収容されていたのは令音・折紙・夢界の3人だけだった。

 

「うん───ん?」

 

士道(ルパン)〉が頷くも、ある視線を感じて其方に目が行く。

そこにいたのは…四糸乃の大切なヒーローの1人『よしのん』だった。

 

「…」

 

特に意味もなくその『よしのん』を手にはめた。

 

《いやー、仲間外れは良くないよねー?

ねぇ、士道くーん?》

 

「よ、よしのん!?」

 

皆がよしのんを見て驚愕する。

それも当然だ。

『よしのん』とは四糸乃のもう一つの人格と呼べるものがパペットを通して───

 

《うーん? な・に・か、変な事でもあるのぉ?》

 

「え? いや、えっと…べ、別に何も問題ない…よ?」

 

士道は慌ててよしのんにそう告げた。

 

《ならいいんだよー、もう、士道くんってばお茶目さん!》

 

「…四糸乃ちゃんのパペット、『よしのん』ってただのパペットじゃ無かったのか?」

 

《おんやー? そこの天宮のお兄さーん?

よしのんの事を何て言ったのかなぁー?》

 

「え? いや───」

 

「何でも無いよ、よしのん!

ただ…今まで四糸乃と一緒の時しか喋らなかったから…ね?」

 

士道は頬に汗を流しながらそう告げる。

皆も(若干一名興味がない折紙を除く)奇妙な出来事に頬に汗が流れた。

 

その回答によしのんは───

 

《そう言えばそうだねー、何でかなぁー?》

 

よしのんも首を傾げる様なポーズをとった。

 

「…もしかして、四糸乃の霊力による影響か?」

 

「ああ、そういう事か。」

 

「…不思議な現象もあるものだね。」

 

士道の発言に夢界と令音は頷いた。

 

《むむ? むむむ?》

 

突如、よしのんが何かを感じとった様子を見せる。

 

「どうした、よしのん?」

 

《それがね? 今、四糸乃の…ううん、さっきから四糸乃の気配を感じるんだよ!》

 

[ !? ]

 

よしのんの言葉に皆が驚く。

 

「何処だ、よしのん!」

 

「教えてくれ!

四糸乃ちゃん達は俺が必ず救う!」

 

《ううんとねぇ…多分こっち!》

 

よしのんは〈士道(ルパン)〉達の通ってない道を示した。

 

「よし! 直ぐに向か───」

 

「ちょっと待って!」

 

士織(デオン)〉が止める。

 

「どうしたんだよ!」

 

「四糸乃さん達も大事だけど、それより令音先生達を安全な所へ避難させないと!」

 

そう、令音や夢界は非戦闘員。

折紙はASTに所属する者だが、今現在戦う手段たる顕現装置(リアライザ)を有していない。

無論、無しでもそこいらの人間相手なら折紙は負ける事はないが、ここではそれが通らない。

 

「そう…だな。」

 

「どうする?

引き返すのも厳しい。となると…」

 

士道(ルパン)〉達が険しい顔をしていると手をパンッ!と叩く夢界。

 

「お前らで話し合ってると時間がかかるから、敢えてここは仕切らせてもらうぜ。」

 

「…キミが仕切るのかい?」

 

「本当なら琴里ちゃんの意見のもと工夫していきたい所だが…

その琴里ちゃんは誘拐され、頼みの綱のフラクシナスも現状連絡を取れない。

となると、ここは悪知恵が効く俺が仕切るって事よ。」

 

「…悪知恵が効くかどうかは知らないが、多分お前が適任だと思う。

話してくれ。」

 

士道(ルパン)〉がそう言い、皆は頷く。

 

「サンキュ。

…まず、話してる間に返してもらった端末でこの施設の内部構造を手にした。」

 

「嘘!?」

 

「ホント。

…んで、丁度この先に大広間がある。

恐らくこの施設で唯一の移動手段の場所だろう。

そこで、二手に分かれるぞ。

救出組と脱出組だ。」

 

コクリと皆は頷く。

 

「救出組は〈士道(ルパン)〉と〈士織(デオン)〉…そしてよしのん。

脱出組は〈真那(ドリス)〉と〈翔太(キッド)〉だ。

当然、俺ら囚われた組は救出組な。」

 

「…納得はいかないけれど、今は従う。

士道の迷惑にはなりたくない。」

 

「助かる…出来れば、この後の事も内緒にして欲しい。」

 

士道(ルパン)〉がそう言うと、折紙は何かを要求するような顔をする。

 

「えぇと…」

 

「見返りが欲しいんだろ?

その方がお願いする側としても納得がいく。

んで、折紙ちゃんは何が欲しいの?」

 

夢界が問うと、折紙はとんでもない爆弾を放つ。

 

「士道の童貞。」

 

「いい!?」

 

折紙の発言に士織と令音は怒りのオーラを解き放った。

…因みに真那は2人程とはいかないが、何処か面白くない反応をする。

 

「…えっとぉ、それだと女性陣としては面白くないので…

士道が履いていた下着で手を打つとは?」

 

「交渉成立。私は親切な人達に保護された。」

 

折紙はそれで納得をした。

 

「「…」」

 

「き、緊急時なもんで許して下さい。

寧ろこれで済んだ事に喜びましょうよ、お二人さん…」

 

「…あの、俺の意見は聞かないの?」

 

「あーあー、聞こえませんー。」

 

夢界は耳を塞いだ。

 

「なぁ、俺も意見があるんだけど…

何で俺が脱出組なんだよ。

琴里ちゃんと四糸乃ちゃんを救うのは俺の役目だろ!?」

 

「そう言うなって…

別にお前の役目じゃねぇだろ。

脱出だって重要な役目だろって。

真那(ドリス)〉だって理解してくれてるだろ?」

 

「私としては皆さんをフラクシナスへ送った後、直ぐに兄様達の増援として行きますのでご心配なく。」

 

それが〈真那(ドリス)〉の黙って理解した意味であった。

 

「…まぁ、それはそれでありだな。」

 

「…ったく、しゃーねーな。

琴里ちゃん達を頼むぞ。」

 

「…フ、お前に言われるまでもない。」

 

士道(ルパン)〉がクールに対応する。

この状態の彼ならどんな事が起きたって───

 

プー!プー!プー!プー!プー!

 

赤いサイレンが鳴り響く。

 

「まさか、気づかれたのか!?」

 

「ちょっと浮かれ過ぎたみたい…っ!」

 

「急ごう!」

 

士道(ルパン)〉達は急いで行動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時はほんの少し遡る。

 

「そろそろ良いかな?

私の質問に素直に答えて欲しい。

キミ達『ラタトスク機関』はキミを含め、精霊を求めるのかね?

士道(ルパン)〉がキミ達を守る者とほざいた事に我らが執行部長殿は大層気に入らなかった様でね。」

 

「…」

 

琴里は静かに目の前にいるマリス・エンワードを睨む様に腕を組みながら見ていた。

 

「…フン、質問する側ならもう少し上品に聞いて欲しいものね。

求めるだなんて…彼が語った通り、私達をアンタ達の様な危険な連中から守る為に行動しているのよ。」

 

琴里はそう言い返した。

 

「ほほう。

そうだとしたら、こうもミスミスとキミ達を誘拐される様では戯言にしか聞こえないものだよ。」

 

「…っ!」

 

嘲笑う様に見下すマリスに琴里は浴衣の袖を握りしめる。

その様子をただ見ているしかない十香達だった。

 

「なーんだ、まだやってなかったのー?」

 

ふざけた口調でマリスに歩み寄る者が現れるのは闇色の髪をした女の子だった。

 

「ダイナ。今は情報を聞くことが先決だ。

焦る事はないだろう。」

 

「ふーん。」

 

そんなやりとりをしていると…美九が反応してしまう。

 

『きゃぁぁ! 可愛い子じゃないですか!

お名前は? 仲良くするためにここを開けて───』

 

「あん? 話しかけてくるんじゃねぇぞ!」

 

『ひう!?』

 

凄まじい殺気と怒号に美九は怯える。

 

「…ったく、簡単に捕まった雑魚精霊に用はねーんだよ。

さっさと、実験台になりがれよ!」

 

『うぅ…顔は可愛いのに怖い子ですぅ…』

 

珍しく美九はそのダイナと呼ばれる子に恐怖を抱いた。

 

「はっ…まぁいいや、他のツレいただろう?

ソイツらを痛ぶったらコイツらはどういった反応をするんだろうな?

アッハハ!」

 

「…!? 辞めなさい!!」

 

強く叩くも…ガラスは硬く、手を痛めるのであった。

 

「(分かっていたけど、この中だと霊力どころか『精霊』としての超人離れの力が全く働かない…

四糸乃が泣いても氷は発生しないし…

他の皆んなも同じ様な状況。

一体、何を用いているのよ?

こんな物があるなら、これこらの『精霊』に対しても使われるに決まってる…

想定以上に厄介な連中になって来たわね、DEM…ッ!

けど、今はそれよりも…っ!!)」

 

琴里は何も出来ない囚われの自分に嫌気をさした。

そんな表情を見て笑うマリスとダイナに殺意を抱くのであった。

 

「さて……ん?」

 

幽閉されている筈の牢に()()()()()()が判明する。

 

「何が起きている?

───奴は〈ルパン〉!?」

 

別のカメラにて〈士道(ルパン)〉達と令音達の姿があった。

 

『シドー!』

 

『士道、さん!』

 

『士道!』

 

『歓喜。士道。』

 

『だーりん!』

 

「おにーちゃん…!」

 

琴里達は嬉しそうに目元に涙を浮かべていた。

 

「あーらら。逃げられてるよ。」

 

「…いつの間にか来ていたのか。」

 

マリスは目元を若干ひくつかせるも、ダイナに命令を下す。

 

「ダイナ、今直ぐ向かいなさい。

丁重に…挨拶をしてあげるんだ。」

 

「…はぁーい、お父様。」

 

ダイナは暗闇へと足を運んだ。

 

「親子だったとはね…まぁいいわ。

観念する事ね、彼等が来た以上アンタ達は終わりよ。」

 

ニヤリと琴里はしてやったと笑うも…

 

「フンッ、キミ達は自分の身を案じた方が良い。」

 

マリスはそう言って琴里達を閉じ込めているカプセルに繋がっている機械を起動させた。

 

 

 







士織編も大詰め。
…欲を言えば、今月中に士織編を完結し番外編まで描いて次章に行きたかったです。
でも、気持ちを切り替えて5月中までに完結させて次章のストーリーに進み、アニメの終わりと共に2期分は完結させたい…っ!



【おまけ】

おまけエピソード:ドリスの由来

フラクシナス

琴里
「そう言えば、真那。
アンタのコードネームの由来って何よ?」

真那
「へ? その事でしたら兄様がつけてくれました!」

琴里
「え? アンタ身分を隠して…夢界ね。」

幻影夢界
「ピース!」

琴里
「…それで、士道は何で〈ドリス〉って付けたのよ?」

真那
「何でも、『女性仮面騎士といえば…このフルルドリス(遊戯王)ってモンスターカッコいいなー。』から『ドリス』を取ったみてーですが…
どんなキャラなんですかね?」

真那と琴里はスマホを介して調べる。

そこに移されたのはフルルドリスのカッコいいイラスト。
そして…中の女性がお姉さん風の胸の膨らみのあるキャラだと知る。

琴里
「…」

琴里はいつの間にか姿を消して…五河邸にてソファの上で雑誌を読んでいる士道の所へ行き───

『ゴフッ!?』

モニターにて士道が琴里に蹴り飛ばされていた。

真那
「…はぁ、兄様は真那にこの様な容姿を求めてるって事なのでしょうか?」

真那は自分の体を見て、頑張って成長しようと決意した。
真那もまた士道大好き『ブラコン』なのであるのだ。


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