イジス 俺の名は   作:RYUxxx

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vol8 最上晃

「わ、わ、わかりました。ででで出ます」

 

 

どう出る信也

 

 

家に戻り可奈から話を聞いた俺は、スマホを開いて確認した

 

この屋敷は私の物だった

 

しかし各所にカメラが設置してあり監視されている

 

俺の妻可奈が仕掛けた物だ

 

全ては俺が産まれる前から決められてたシナリオだった

 

俺はシナリオの配役の一人

 

最上晃それが俺の配役

 

俺は俺の愛した人をことごとく失っていった

 

ことごとく殺されていった

 

渡来人の祖先は、海賊とされ奴隷になる事で帰化を許された

 

奴隷の我が一族は生まれながらに決められている

 

知らない主の為に生きて、主に尽くし、主の為に全てを捧げて。己の命も捧げる奴隷

 

主が誰かなどと、知ることも許されない末端の奴隷の俺、そして先祖達

 

 

 

明治以降から飾られている、先祖達の写真を眺める俺

 

 

 

中学から愛していた愛子・・・隠していた愛子と俺の間に生まれた信也までも、我が一族の系譜、奴隷の道に引きずり込まれてた

 

信也が我が家に来て4日後の日曜、俺は信也に配役を伝え、意味なく信也の顔を殴り、

手紙を渡した

 

最低の親子の対面だった・・・

 

しかし最高の手だった・・・多分・・・

 

意味不明の俺の暴力に、予め用意しておいた台詞、可奈を上手く騙せたはずだ

 

 

しかし信也は・・・

 

 

わからない

 

信也が何を思い、行動してるのか・・・

 

 

 

誰も信じるな

 

 

 

父から信じられない話を聞いた俺は、動揺と混乱していた

 

「聞いているのか!信也!」

 

突然胸ぐらを掴まされ、殴られた

そして父が胸ぐらから手を離した時、父の手に握られていた紙切れが俺の服の中に入った

 

「これ・・」

 

「いいか、これからはお前は最上だ!最上信也として恥じなく生きて、主様の為に死ぬのだ!わかったな信也!」

 

俺の言葉を抑えぎり父は、怒声をあげて俺の両腕を掴んだ

 

「行くぞ可奈、信也!その汚らしい服を捨てて風呂に入り、身を清めろ!」

 

そう言って父は可奈と部屋を出ていった

 

 

誰も信じるな

 

 

父が伝えたかった言葉

 

全てを知った俺は・・・

 

 

可奈・・・

 

 

俺は奴隷

 

生まれながらに顔も名前も知らない主の為に生き、全てを捧げ死ぬ運命・・・

 

 

 

わからない・・・未だに何もわからない

 

奴隷?冗談じゃない!

そんな物この現代日本にいる訳ない

奴隷がこんな立派な屋敷に住んで、多くの使用人を住まわせるなんて・・・冗談だろ?

奴隷でこんないい生活出来る父の言う主様はどんだけだよ?

 

 

誰も信じるな

 

 

俺は・・・騙されているのか?

 

風呂から出て可奈が何か言おうとする度に、お前は黙ってろと可奈の言葉を遮っていた父

 

俺は可奈を信じるなという事だと思った

 

思った

 

そう思っていた

 

 

だが俺は絆されて行く

 

 

時間だ

 

父が居ない時間、否応なしに可奈と接する事になる

 

屋敷の案内、転校の手続き、服の買い物、食事時間

可奈と接する時間は、夏休みだったこともあり自然と多い

当然俺に友達はいない

新しいスマホを渡され、その時数少ない知り合いの連絡先も断たれた

 

いつしか俺に、いや可奈を・・・

 

 

 

俺は引きこもった・・・

 

俺は、俺だ

 

奴隷?

 

主様?

 

運命?

 

 

冗談じゃない!

 

 

誰も信じるな

 

 

誰にも会わなければ、誰も信じる事はないだろ?

 

違う?

 

そうだろ?

 

これでいい?

 

これが答えなんだ

 

 

そして俺は関係ない世界で生きる

 

俺の世界で俺の好きなように生きる

 

俺は今、マスターとピョン吉さんのいる。HHワールドで生きている

 

充実した毎日

主様とやらがわざわざ用意してくれたであろう豪邸で、俺は何不自由なく満喫した奴隷の日常を送っている

 

 

 

 

「わ、わ、わかりました。ででで出ます」

 

 

現実は・・・

 

現実の可奈は土下座したまま震えていた・・・

 

顔を上げた可奈は笑っていた・・・涙を浮かべて、笑っていた・・・

 

 

 

 

 

 

この物語はフィクションであり、私個人のまおりゅう同人小説です。

無許可で書いて、無許可で配信しています。

訴えられたら即アウトの著作権侵害作品です

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