フラワーちゃんは素直に犯罪では…???
無事引けたので、チャンミはブライダルウマ娘で参ります。
ほらデジたん、君もウェディングドレス着るんだよ!
「うーん、やっぱり秋はメジロ推し。
いや、めじろ押しだねぇ」
来店してくれるし応援はするけど、別に推しではないな。
それにどちらかと言えばメジロ家は春のイメージだわ。
というのはさておき、秋のG1が次々と行われていた11月。
ダートに至ってはJBCが3つ同日に行われるし、芝ならエリザベス女王杯にジャパンカップにマイルチャンピオンシップ。
エリザベス女王杯では、ドーベルちゃんが昨年に続いて連覇を達成。
例の祭典にドーベルちゃんも行っているのは知っているので、この時期は色々と精神的にも追い込んでいるのか気迫が違った。
年末はデジたんとまた交換会するんだろうなぁ。
ジャパンカップではスペちゃんが凄かったの一言。
凱旋門賞でエルちゃんに勝利したブロワイエに対して『調子に乗るな』とフランス語で言い放ち(その時はわからなかったが、後からそういう意味だとエルちゃんから聞いた)、普段温厚なスペちゃんからは想像出来ない程の威圧を放っていたし、終わってから気が付いたけど、あれは『記録』のためにジャパンカップを回避したキングちゃんへの僅かな怒りもあったんだと思う。
レースでは全員ぶっちぎり、インタビューでキングちゃんに有マで勝負しましょうと挑戦状を叩きつけていたし。
あのインタビューを見てた血気盛んなウマ娘および有マ記念に出走予定の子は、多分走りたくてうずうずしたんじゃないかな。
今年の有マはなかなか面白いことになりそうだ。
マイルチャンピオンシップはエアジハードという子が勝利した。
この子は…残念ながらウチに来たことがない子だけど。
安田記念ではキングちゃんに負けたものの、シニア級のマイラーとしては非常に良い走りをする。
まぁ、もちろんうちのデジたんには及ばないけどね。
「さてと、それじゃ仕込んでいきますか。
あ、パン…まぁ、バケットでいいか」
今日作っていくのはスープカレー。
夏場のキャンプで作っても美味しいが、寒い冬場に食べても美味しいカレー。
むしろカレーが美味しくない時期なんてあるのだろうか、いやない。
スープカレーなのはご飯がなくてパンしかないし、パンにつけて食べると洗い物が楽だから。
先にパンの方がなくなって綺麗に食べ切れるか?
安心してください、パンはおかわり自由です(カレーが残ってる時に限る)。
書き置きしておかないとパンだけでおかわりする子は居るからね、誰とは言わないけど。
ーーー
材料は大体4皿分ほど。
鳥もも肉1枚、玉ねぎ1個、にんじん1本、カレールー(辛口)3かけ、カットトマト200g、コンソメキューブ2個、オリーブオイル大さじ1、おろしにんにく小さじ2分の1、はちみつ大さじ1、塩コショウ適量、水1000cc。
トッピング用でピーマン2個、ナス2本、ジャガイモ1個、茹で卵2個、揚げ物用油適量。
玉ねぎを5ミリ幅、にんじんを乱切りにする。
鳥もも肉を一口よりやや大きめに切り、塩コショウを振って揉み込む。
鍋にオリーブオイルを引き、中火で温めたら、玉ねぎを透明になるくらいまで炒める。
玉ねぎを鍋の奥側に寄せ、開いたところに鳥もも肉を皮を下にして並べる。
玉ねぎは焦げないように時々かき混ぜながら、鳥もも肉は焦げ目がついたらひっくり返す。
鳥もも肉の色が変わったら、おろしにんにく、にんじん、カットトマト、水を入れて強火で沸騰させる。
沸騰してアクが出てきたら取り除き、コンソメキューブを入れて、弱火〜中火にして20分煮る。
煮ている間にトッピングを作っていく。
ジャガイモの皮をむいたら水で洗い、濡れたままの状態でラップに包んで電子レンジ600wで3分加熱する。
加熱が終わったら4等分のくし切りにする。
ピーマンは縦半分に切り、中の種とワタを取り除く。
ナスも縦半分に切り、皮側に格子状の切れ目を入れる。
鍋に3センチほどの揚げ物用油を入れ、200度に温める。
ジャガイモ、ピーマン、ナスはキッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取っておく。
ピーマンは1分、ナスは2分、ジャガイモは軽く焦げ目が付くくらい素揚げにする。
煮込んでいる鍋にはちみつとカレールーを入れ、しっかりと溶かす。
溶けたら皿に入れ、半分に切った茹で卵とトッピング用に揚げた野菜を一緒に盛り付けたら完成だ。
ーーー
「…うん、いいね。
そんなに辛くもないし、ちょうどいいかな」
辛口のカレールーを使うとスパイシーになり、普通のカレーより濃度が低いためそんなに辛くならないとレシピにあったように。
通常のカレーとは異なりサラリとしていて、程よいスパイスの辛味が食欲をそそる。
バケットをちぎって食べる手が止まらないね。
ーカランッ
「いらっしゃい。
空いてる席にどうぞ」
「はうぅ〜こ、ここが…ど、どうも」
「ん?初めて来る子だね。
よかったら俺の前のカウンターにどうだい?」
入ってきたのは、おどおどとした気弱そうなウマ娘。
何処とは言わないけど、猫背も相まって主張がすごいんだけど。
ぐるぐる渦を巻くような紫がかった眼にぴこっと伸びたアホ毛。
はて、見覚えはないけどもしかして。
「改めていらっしゃい。
もしかして君は、メイショウドドウちゃんかな?」
「ふぇ!?ど、どうして私の名前を…?」
「その感じは当たりかな?
まぁ、デジたんから聞いたんだよ。
ちょっと気になる子がいるんだ、ってね」
メイショウドトウちゃん。
なんと彼女、現在クラシック級ではあるものの本格化前でデビューしてしまっていたという。
それでもG1とまではいかずとも重賞には勝利しており、本格化すれば大成するんじゃないかと聞いている。
とは言っても同期がアヤベちゃんにオペラオーちゃん、トップロードちゃんとなかなかに強者揃いだけど。
俺としては、その中でも来年あたりからオペラオーちゃんが化けそうと思ってるし。
……ふむ、でも確かに見る限り化ける可能性もありそうかな。
「聞けば、まだ本格化前なのに重賞に勝利してるんだって?
すごいじゃん」
「そ、そんなことはないです!
私がドジだから、本格化してないことに気がついてなかっただけですし…。
レースに出るならと、精一杯走ってるだけですぅ」
「普通なら、本格化前で精一杯走ったところで勝利どころか入着すら怪しいところだと思うんだけどね。
…ところで注文は決まってるかい?
今日の日替わりメニューは、スープカレーだよ」
「あわわ…えっとぉ…じゃ、じゃあそれをお願いします」
「ん、了解」
バケットを小さなカゴに入れて、スープカレーを木のボウルによそったらトッピングを乗せて差し出す。
「今日の日替わりのスープカレーとパンになります。
パンの方は足りなかったらおかわり出来るから言ってね」
「は、はいぃ!い、いただきましゅ」
「…あ、紙貼ってなかったや。
ちょっと失礼するよ」
書き置きしたのは良いものの、ちょうど味見してたタイミングでの来客だったからまだ入り口に貼っていなかったのを思い出した。
そのため、厨房から出て入り口に紙を貼ろうとして。
ゴッ…パスッ。
異音と共に何かが飛んできて、つい反射的にキャッチした。
ちょっと硬めでカサつくこの感触は…。
「え、バケットじゃん?」
手元にあるのは見慣れたバケット。
何故ゆえ?と思い振り返ってみれば、ドトウちゃんが大変なことになっていた。
バケットはカゴごとひっくり返したかのように床に落ちて散乱しており、カウンターテーブルの上は水入りグラスが倒れ、よく見ればスープカレーもボウルごとひっくりかえっている。
ドトウちゃんは制服が濡れているし、テーブル上のものが吹き飛んだのか涙目だし。
ちょっと見ないうちに大惨事じゃん、何があった?
「ご、ごめんなさいぃ…」
「い、いや気にしないでというか、とりあえずタオル用意するね」
とりあえずキャッチして無事だったバケットは後で俺が食べるとして、厨房に戻りタオルを取り出して渡す。
席の方も別のタオルで拭いた上、盛大にひっくり返ったものはあらためて用意して提供することにした。
見た感じ、ほとんど手をつけていない状態だったこともあるし。
「ごめんだけど、カレーの染み抜きは寮に帰ってからね。
いらないタオルを挟んで染みの上に中性洗剤を垂らして、いらない歯ブラシで優しく叩いてあげて。
そうすれば洗った時に多少は抜けてると思うから」
「ありがとうございます…。
うぅ…ごめんなさい…」
「うーん…とりあえず何があったか聞いてもいいかい?
虫がいて驚いた、とかだったらこっちの不手際ということもあるし」
「そのぉ…バケットを取ろうとしたらカゴに袖が絡まっちゃったみたいで。
気づかず腕を戻したら、バケットが飛んでいっちゃったので取ろうとしたら、テーブルの上を…その…」
「…なるほど、まぁ、事故みたいなものだね。
そう言った事は誰にでも起こるだろうし、気にしないでいいよ」
なお、虫がいての件はエアグルーヴちゃんだったりする。
春先に花壇の世話してたらてんとう虫がついてきちゃったみたいで。
紅茶に入りそうで慌ててひっくり返しちゃったんだよなぁ。
聞けば虫嫌いだけどてんとう虫だけは別で、その後外に逃してあげたんだよね、懐かしい。
それにしてもドトウちゃん、なかなかに不運だね。
たしかに言われてみれば、提供したカゴを見ればほんの少しだけ継ぎ目がほつれていたが、それが袖に引っかかる可能性はほとんどないだろう。
それにたまたま当たったと思うと不憫でしかない。
ライスちゃんの不運体質と似てるのかな?
ーーー
「ごちそうさまでしたぁ」
「ん、お粗末様。
…にしても、ドトウちゃん一回お祓いとか行ってみたらどうかな?」
なんとか無事に完食できたようで一安心する。
話を聞いてみれば結構な頻度でこけたり、カバンに教科書を入れたはずが何故か置き時計が入っていたりするらしい。
ドジだからと言うがそれはドジで済ませていいものなのだろうか?
とりあえず、フクキタルちゃんかカフェちゃんに見てもらった方がいいと思うんだけど。
不可思議なオカルトはあの2人に任せたら大抵なんとかなると思うんだ。
なお、それを突破するマベちゃんのマーベラス空間。
空間展開とか何処の漫画だよ。
「お祓いですかぁ…?
一度近所の神社でやってもらえたんですけど、結局帰りに転んじゃってお札とか水溜りに投げ出しちゃったんですよね…。
そのせいかあんまり変わってなくて、神様が怒ってるんじゃないかなぁって…」
「そ、そうなのか。
その…なんだ、とりあえずその近所の神社の神様に謝罪も込めてお供え物とかしたらいいんじゃないかな…?」
「お供え物…おまんじゅうとかでいいんでしょうか?」
「んー…俺としてはお酒かなと思うけど、学生がそんなもん持ってきたら逆に怒るか。
ま、言っても気持ちだしおまんじゅうでいいんじゃない?」
なんとなく想像するのは、小さな社に串団子を供えると狐が導いてくれる姿。
まぁ、神社だしもしかしてあるかもしれないからね。
あれ、そう考えるともしかして狐の好物の油揚げとかの方がいいのか…?
そういえば冷蔵庫に…あった。
「…そういえば、いなり寿司ならあるんだけど。
お供え物としてもってく?…いや、持ってって」
「えっ…?あ、はいぃ…?いなり寿司…??」
多分、これも何かの導きだろう。
何故か商店街に買い出しに行ったら、商店街の外れにある家のおばあちゃんから貰ったんだよね。
せっかくだし夜ご飯にでも食べようかと思ってたけど。
パックに入ってるしそのまま袋に入れて、ドドウちゃんに渡しておく。
というか、いきなりいなり寿司を渡すって意味がわからないよね。
それでも困惑しながらも受け取ってくれてありがとう。
とりあえずその神社の神様に宜しく頼むよ。
「おまんじゅうは…流石にウチにはないかな。
ま、それは道中で買っていってね」
「はいぃ!これは転んでばら撒かないようにき、気をつけます!」
「気負いすぎて周りの確認を忘れないようにね。
あ、その前に着替えていく事をお勧めするよ」
「あっ、そうでした…。
制服を洗濯機に入れてから行くことにします」
そう言い、会計を済ませて出て行くドトウちゃん。
早速つまづいて転びそうになってるのは見間違いだと思いたい。
「…入り口まで吹っ飛んできたバケットってのはなかなかに新鮮だね。
いや、パンだし生物じゃないけど」
例のキャッチしたバケットは一度オーブンに通し加熱したうえ、おやつ感覚で食す。
ライスちゃんの不運も大概だけど、あの2人がカチ合わせたらどうなるんだろうか?
局所的な台風とか起こるのかな?それとも相殺するのかな?
ちょっとだけ見てみたい気もする。
ーカランッ
「いらっしゃ…?
あれ?…ん?」
鐘の音が鳴り、入り口を見るも誰かが来た訳じゃなく。
不思議に思って入り口に近づいてみれば、外を通り過ぎる影が見えた。
まさか狐?と思ったが黄金色の毛ではなく、茶色と黒が混ざった丸みを帯びたその姿は。
「…タヌキ?」
あまり見えなかったから確信できるほどじゃないが。
まぁ、都心にもいるらしいし可能性はあるだろう。
にしてもタヌキか。
狐もだけどタヌキも変化で人を化かすよな。
まぁ、だからといって何かあるわけじゃないけど。
トレセン学園の方に走って行ったから、もしかしてドトウちゃんの後を追っていったのかな。
いなり寿司取られないといいけど。
本日の営業はまだまだ続く。
私事ではありますが今まで鬱病と診断されて休職していましたが、リハビリを兼ねて出社する事にいたしました。
その関係で、今まで3〜4日で更新できていたところが遅くなるかと思います。
ご理解いただければ幸いです。