生きとし生けるものへ   作:ハクスナ

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どうもHAKUSUNAです。
先週はわいが風邪で寝込んでしまい続きを書けなかったが今日は何とか出来上がりました〜
遅れているのはいつものことなので許してくれ...これからは気をつける...うん!
最近マンネリ化してるのでそろそろ出撃パートに入りたい所かなぁと思ってます。


第八話 夜闇〜提督〜

 

 艦娘を俺は救う。

 

 彼女達がここにいる事によって我々人類は存続している。今や深海棲艦は人間の兵器では太刀打ち出来ない程になった。次第に人類側が押され始め、東南アジアの殆どは深海棲艦の手に落ち、今では欧州までに及んでいる。

 

 この様な絶望的な状態が今の世界だ。しかしそのような状態であったとしても人間が人間を殺している。

 

 協力などしない。

 

 人間は極限状態になると本性を表すとよく言われる。自分が生き残れるのであれば周りなど気にしない。そうする余裕すら与えられないのだ。我々が行ったことが自分の首を絞めるとも知らずに今まで怠惰に生きている。

 

 その結果がこれだ。もし深海棲艦がいないとしてもどのみち人間は自分達で巻いた種で破滅の道に行く事になるのは決まっていた事だ。それが間接的か直接的かの違いなのだろう。

 

 俺はそう頭の中で考える。だが今はこんな事をしている場合では無かったな。俺の前には大淀がいる。彼女は俺が来るまで作戦の整理をしていたようだ。何処まで見ているのかは知らないがこの作戦は艦娘は参加させないつもりだ。彼女達を休ませる間、我々がこの鎮守府を支えなければならない。

 

「大淀、何処までの内容を知っている?」

 

「そうですね、おおよその内容は掴んでいると思います」

 

「よし、ならこの内容に書いてあるように君達艦娘は次の反攻作戦まで休養を与えるようにする」

 

「今回の作戦は非常に重要だ」

 

「この作戦が日本、いや世界を救う最後の希望になる」

 

「そのためにも君達には休んで貰いたい」

 

「しかし、いつまた鎮守府への攻撃が来るか分からない」

 

「そうですね...」

 

 そう、いつ奴らが攻撃してくるかが重要だ。戦局極まれし今、日本は孤独の島と化している。大陸からの支援は見込めない。大陸は深海棲艦によって生まれた幾千の難民によって混乱状態である。避難して来た民族と元から住んでいた民族との間の生活習慣の違いや宗教、思想、主義なども違う人々とが入り交じる事によって民族間の殺し合いにまで発展する。

 

 人はわかり合う前に自分とは意義主張が異なる者を排除しなくてはならないと言う呪いに罹ってしまう。

 

 それは自分達の集団に異端者が現れ、集団が破壊されてしまうという恐怖から来るものなのではないだろうか?その恐怖が狂気に変わり、我々人類が起こしてきた様々な残虐非道の行為をし続けているのだろう。その中に艦娘までもが入り更に人同士の争いも絶えないのだ。それがこの人類の大きな時計の歯車として動き続けている。

 

 俺もその中の歯車の一つだ。戦争を助長させ、国民を戦争の道へと引きずり込む。我々軍人はこの愚かな時計の潤滑剤なのだ。摩擦を減らし、摩耗を防ぎ続ける。これが錆び付き、動かなくなるまでにはどれ程の時間を要するのだろうか?俺にはまだ分からない。

 

 そう思いつつも時は過ぎ、外もすっかり暗闇に包まれている。

 

「外も大分暗くなって来ましたね」

 

「そうだな、君も疲れただろう下っていいぞ?」

 

「いえ、提督が執務をしているにも関わらず下がるなどのような真似をしては...」

 

「大淀、無理をしては行けない、この作戦には君も入っているんだ」

 

「私は大丈夫だ、だから君は休め」

 

「...分かりました」

 

 そう言い、彼女が執務室から出ようとしたその時、何者か執務室の扉を叩く。

 

 一体誰だ?俺は今まであった誰とも違う気配を感じ、妙に思ってしまう。そんな事を思いながらも俺は扉の先にいる何者かをこの部屋へと招き入れなければ行けない。誰かがそう訴えるかのように言ってるとも思えた。

 

「入れ」

 

「夜分遅くに失礼する」

 

 扉から現れたのは艦娘だった。見た目的に戦艦だろうか?長い黒髪にすらりとした体型をした女性だ。

 

「問題ない」

 

「すまないが、君の名前を教えてくれるか?」

 

「そうか、分かった」

 

「私は長門型一番艦、長門だ」

 

 長門か。前世では帝国海軍の象徴として長門、そして姉妹艦の陸奥と一緒に人気を博していたな。今世でも相変わらず海軍の象徴となっている。

 

「君が長門か、ここで会えるとは光栄だ」

 

「それほどの者ではない」

 

 彼女はやはり凛とした立ち振る舞いをしており、海軍の誇りかと言わんばかりだ。そう思っていると、

 

「訥々ですまないが提督、一つ聞きてもいいか?」

 

「ああ、なんだ?」

 

「提督、これからどうする気だ?」

 

 長門は俺を見切ったかのようにそう言い放つ。いや、本当に見切ったのかは分からない。だが彼女には何か決意した表情をしている。

 

「そうだな、まずは鎮守府を立て直すところから始めるつもりだ」

 

「それはどう言う風にだ?」

 

「君達が深海棲艦と対等に戦える様に生活環境を整え、補給線の供給を安定化させるつもりだ」

 

「そうか、だがどうやってこの状況を打破するつもりだ?」

 

「資源が不足している今、補給線を安定化するにも難しいのではないか?」

 

「そうだ、だからこそ私には考えがある」

 

「4日後の夜、ここから離れた所に火力発電所がある」

 

「そこから燃料を取り出し、今後来るであろう深海棲艦の攻撃を防ぎ、その後反攻作戦を開始する」

 

「日本本土を空母する深海棲艦を撃破し、補給の安定化を図るというのが今、私が考えている事だ」

 

 俺がそう言う。そうすると彼女は少しの沈黙の後、こう云う。

 

「提督、確かにそれが出来たとしても燃料の信頼性が問題ではないか?」

 

「そこだ、整備長ともそれについて考えた」

 

「本当に艦娘に使わせて大丈夫なのか、安全性は担保出来るのかを」

 

「しかしそんな事を言っていては今の戦局は変えられない、君達艦娘には無理をさせてしまう事を承知でこの作戦を考えた」

 

「......」

 

「それ以外の案が私には浮かばなかった、内地からの補給が不安定では何れここも落ちてしまう」

 

「君達をこの勝機の薄い戦いに巻き込んでしまって申し訳ない」

 

 俺はそう言って頭を下げる。

 

 俺達の傲慢によって生まれた隙を付かれここまで追いやられた人類。その驕りによって艦娘の戦う機会を奪って来た人類は艦娘から恨まれても当然である。しかし彼女達は愚かな人類に反乱を起こさない。我々の考えとは根本的に違うのかもしれない。

 

「私は提督に着いていくつもりだ」

 

「この国が助かる残り少ない希望が提督、貴方にあると感じる」

 

「確証は無いが何かそう思えるんだ」

 

 そう長門は云う。彼女は確信を持った目でそう訴えるかのようだった。俺がこの国の希望か。滅亡寸前のこの国で勝てる見込みも殆どない。それでも彼女達は勝てると信じている。

 

「私が言いたいのはそれだけだ」

 

「そうか、ありがとう」

 

「君達が信じてくれるなら相応の事をしなくてはならないな」

 

「私はそれに応えれる様に努力すると約束するよ」

 

 そう言っているといつの間にか消灯の時間となっていることに気づく。かなり時間が経っていたらしい。

 

「すまないなもう消灯の時間のようだ」

 

「大淀もすまないな話に付き合わせしまって」

 

「長門も夜遅くに来させてしまってしまったな...」

 

「いえ、私は...」

 

「こちらも夜遅くに来てしまった、私にも非がある」

 

「夜も遅い、そろそろ休みなさい」 

 

「お言葉に甘えて休ませてもらおう、それでは失礼する」

 

 長門はそう云い執務室を後にした。

 

「それでは私もこれで失礼します」

 

 大淀も長門と共に執務室退出する。

 

 

 

 さて、ここにいるのは俺と君一人だ。

 

「そこにいるのだろう?出てきなさい」

 

 隠れていたであろう何処から現れる小さな生命体。その小さく愛らしい姿を表したのはそう、妖精だ。

 

 妖精は艦娘と同時に現れた。妖精らは艦娘の装備を操り艦娘達の補助を生業としている。砲術や索敵、航空機の運用など彼らは艦娘が出来ない細かい動作のサポーターとしての役割や装備の点検、整備などを行う妖精など様々な種類が存在している。

 

 しかし妖精が見えるのは一握りの人間に限るらしい。妖精が見えるかどうかはほぼ運によって決まる。妖精が選ぶこともあるらしいのだが、まだ確実な証拠が出ていない。更にどのようにして妖精が生まれるのかが解明されておらず、深海棲艦同様謎な部分が多い。

 

 俺は運良く妖精が見える素質があったらしく人員が不足してる今、階級が低くとも提督になれる者が俺を含めて多数いる。だがその半分は殉職している。

 

 原因は深海棲艦による攻撃だ。奴らは的確に司令官を狙い、中枢を叩くような攻撃を何度も行っている。それによって侵攻当初から務める士官級の軍人は100人にも満たないほどになっているとも言われる。

 

 おっと、妖精がいるのに考え事に耽ってしまったな。

 

 俺が妖精の方を見る。妖精は不機嫌そうにしている。

 

「よんだくせにむしするな〜」

 

「この、ていとくようせいづかいがわるい〜」

 

 妖精はそうぶつぶつと嫌味を言いまくってくる。俺が黙っているから何を言っても大丈夫だとでも思っているのだろうか?

 

「私が黙っているからなんでも言って言い訳じゃないぞ」

 

「ひぃ〜こわ〜い」

 

 そんな事を言ってる妖精を見ていると、一人、いや二人と新たに妖精が集まってくる。

 

「これがあたらしい、しれいかんさん?」

 

「うわ~このひとめが、わるいひとのめしてる〜」

 

「やくざ!やくざ!」

 

「ヤクザではない、それに言い過ぎだぞ」

 

 こいつら俺を何だと思っているんだ?俺が初めてあった時の妖精も確かこうだったな。妖精はいつもこうなのだろうか?

 

「それよりも君達、一体何処からやってきたんだ?」

 

「一人は分かる、ここでずっと盗み聞きをしていたからな」

 

「ひっど〜いやっぱ、このしれいかんきらい」

 

「それよりもそこの二人は何処から来た?」

 

「ながとさんに、くっついてきた〜」

 

「ながとさんどんかんで、ぜんぜんきづかなかった〜」

 

「ながとさんたまに、おっちょこちょいだからね~」

 

 こいつら、本人が居ないから大丈夫と言わんばかりに陰口叩きやがる。いつもこんなのだろうな。俺はそう確信を持ってしまった。

 

 こんな奴らの面倒はごめんだ。そう思い俺は一目散に執務室の電気を切って、就寝の支度をする。

 

「うわっ!まっくら〜」

 

「なにもみえませ〜ん」

 

「やっぱりしれいかん、やくざ!」

 

 俺は何も聞いていない。そう何も聞いていない。そう言い聞かせる。

 

 寝室に入り俺は寝巻きに着替える。さて今日は、早く寝よう。悪夢よりもこいつらの方が面倒だ。

 

 

 布団を深く被り俺は暗闇の世界へと引きずり込まれる。

 

 

 さぁ今日はどんな悪夢が待っているのだろうか?

 

 

 

 地獄のような日々で休まる所は何処にもない。

 

 

 

 あの頃の温もりはもう二度と訪れないだろう。

 

 

 

 幸せは続かない。

 

 

 

 幸せの先は死だ。

 

 

 

 この世界に永遠は存在しない。

 

 

 

 俺の身も何れは朽ち果て深海棲艦の養分になるのかもしれない。

 

 

 

 それだけが気掛かりだ。

 

 

 

 

 




いつも読んでくれてる方々には感謝しかありません。たまに読み返す事がありますがやっぱ自分でも分かるぐらいに文が幼稚なのでやっぱ文豪には勝てないなって思っています。
後またテスト週間に入りましたので来週は上げれないと思います。テストが終われば直ぐに取り掛かりたいと思ってます。(主はこう言いますが必ずサボるので信じないほうが良いです)

もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?

  • 大丈夫だ、問題ない
  • いやです!これ以上艦娘をいじめないで!
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