今回はかなり早めに出せることが出来ました(その代わりに内容の質が…)
睡魔と戦いながら書いたので変な間違い方してたら容赦なく行って下さい(笑)
では今話をお楽しみ下さい〜
大淀と時雨達が出撃してから数十分が経った。
推進機により加速していくのが分かる。最大出力でも速くて二十分。水雷戦隊が敵の主力と戦闘に入れば間違いなくこちら側が不利なのは確かだ。
どうにかして通信機を届けにいかねばならない。
「後どれくらいで合流出来る?」
「予定では後十五分かと思われます」
「しかし天候が悪化してきており...誤差が出るとかと...」
「とにかく時間通りに間に合わせるしかない」
「いち早くこの状況を打破しなければ明日はない」
そう、間違いなく明日はないだろう。
この国を明日を守るのは人ではない。人に取って代わるのは彼女達艦娘だ。それに人は縋るだけの役立たずに過ぎない。しかし、人は艦娘への差別の目をやめない。さもそれが当然の様に思っている奴等がどれほどいるか。
蹴落とし、嘲笑い、堕落して行くのが我々人類に課せられた罪過として一生付き纏ってくる。平然と生きてるだけでどれだけの犠牲の上に立っているのか、それを忘れるのが人と言う生き物だ。
「彼女達に私は重荷を背負わせてしまった...」
「我々の身命を賭けて戦っている」
「...」
「多少でも彼女達の手助けになるように我々も全力を尽くそう」
「ハープーン及び
「了解しました!」
「ハープーン及び12SSM発射!」
そう中沼中尉が言うとハープーンを数十発、12SMMを数発発射した。これで鎮守府に残してあったほぼ全ての対艦ミサイルを使い果たした事になる。
「ハープーン及び12SSM全弾命中まで約8分になります」
「これで水雷戦隊の支援になる筈だ」
「必ず命中させてやれ!」
「やってやりましょう!」
「よし、その意気だ」
しかし、水雷戦隊に近づく敵艦隊が厄介だ。運良く水雷戦隊を撤退させたとしても奴等が侵攻の手を止めるかどうかは分からない。そのまま侵攻されればこの鎮守府、いやこの国自体が跡形もなく消え去るだろう。
有効打を与えるにしても旧式の対艦ミサイルが敵の重巡級、戦艦級に損害を与えるか分からない。それに救出部隊が到着するまで水雷戦隊が持ち堪えられるかどうか。
敵の陽動部隊で魚雷はほぼ使い果たしている。駆逐、軽巡共に主砲だけでの重巡級、戦艦級を撃沈するにも難しい。
どうすればこの苦境から脱せられるのか。
「提督」
「水雷戦隊が敵の主力と戦闘を開始しました!」
「水雷戦隊回避行動に入っています」
「敵の主力艦隊と陽動部隊が合流!」
「敵部隊が再度分離」
「損害の大きいヲ級二隻を連れ、イ級後期二隻とホ級一隻が下がりました」
「もう一度敵艦隊の概要を教えてくれ」
「了解しました!」
「敵小型艦四、大型艦五」
「小型艦がイ級後期二、チ級elite二」
「大型艦がリ級elite二隻と通常が一、ル級elite二、ネ級が一となっています」
「イ級とホ級が引いてもこちらの数的不利は変わらないか...」
「――そうみたいですね...」
小型艦が三隻抜けた所で敵の主力が残っている。奴等がこのまま侵攻してくるのは確実だろう。
救出部隊が到着すれば戦況を変えられる筈だ。この戦闘の鍵を握るのはあの二人。
俺は神にでも縋るかのように懇願しているのかもしれない。祈りの姿勢で手を握り締めるかのように私は願う。
嗚呼、戦場の女神...いや勝利の女神よ、我らに勝利を与え給えと言うように。
神に縋るなどという考えは昔に捨てた。なんせ神は俺の家族を奪い仲間を奪った。もし神がいるのであれば心底人の不幸を道楽としている糞野郎なのだろう。神が目の前にいるなら切り刻んで豚の餌にでもしてやりたい程だ。
俺はそんな神に屈辱にも頭を垂れるしかない。そうするしか無いのだ。神に祈りを捧げる物乞い達も我々も同じだ。結果的には縋ることしか出来なくなる。それが実現不可能になるほど縋る対象は上がっていき、最終辿り着くのは神などの抽象的ものに変わっていく。
考えれば考える程、脳裏に浮かぶ雑念に押し潰される。時間は過ぎ去り次の段階へと進んで行く。
「水雷戦隊への攻撃が始まりました!」
「攻撃で三日月、朝潮が被弾」
「幸いにも小破の様です...」
「救出部隊はまだか!?」
「――約十分程で合流する予定です」
「救出部隊、推進剤が切れました!」
「速力低下していきます」
「推進機を投棄、格納した艤装を展開しろ」
「了解!」
「推進機投棄、艤装展開します」
「展開に成功」
「救出部隊、最大戦速で水雷戦隊との合流を図っています」
「頼んだぞ...」
「水雷戦隊も応戦しているようです」
「砲撃でイ級一隻を中破」
「しかし敵の弾幕が激しく回避するだけでやっとの様です...」
「水雷戦隊速力低下」
「敵との距離が縮まっています」
「対艦ミサイルはまだか!?」
「間もなく――到着」
「ハープーン及び12SSM全弾命中コースです!」
「命中まで三...二...一」
「12SSM命中」
「続いてハープーンも命中していきます!」
「よし!よくやった!」
「この期に応じて水雷戦隊も砲戦による攻撃を行なっております!」
「戦果はどうだ?」
「確認します」
「確認出来ました」
「イ級一隻、リ級一隻撃沈確実です!」
「イ級一隻が中破、チ級一隻少破、リ級一隻中破」
「しかしネ級及びル級に殆ど効果がありません!」
「敵ネ級及びル級損害軽微」
「やはり駄目か...」
リ級までは十分な有効打を与えられた。だがネ級ル級共に損害軽微に留まっている。これでは水雷戦隊の被害が増える一方だ。
「敵主力からの砲撃再開しました!」
「水雷戦隊被弾多数あり...」
「霞、三日月が中破!朝潮が大破しました!!」
「水雷戦隊も応戦してはいますが...」
「イ級一隻を撃沈に留めています」
「ル級、ネ級に損害なし...」
「...」
等々大破する者が現れてしまった。対艦ミサイルを数十発撃っただけでは奴等を壊滅させることは出来なかった。三○発、いや五○発あればネ級も容易くやれた筈だ。過去を嘆いても何も変わらない。だが、水雷戦隊を我々で守れる事が出来なかった。もう残すのは救出部隊だけだ...
「これ以上は水雷戦隊が持たないと思われます...」
「救出部隊の到着――」
「待って下さい!」
俺の話を遮るように彼が言う。
「一隻が水雷戦隊を離れて行きます!」
「誰だ!?」
「――軽巡洋艦川内です」
「あのバッ――とにかく救出部隊との合流を急げ!」
「間もなく合流出来ます」
「合流に成功!」
「よくやった」
「暗号文はいい、音声通信を開いてくれ!」
「り、了解しました」
「通信開きます」
「こちらは提督だ」
「大淀です」
「提督...」
「嗚呼、分かっている」
「川内を止めてくれ」
「誰一人失わず帰らせると約束した」
「分かりました私は怪我の手当をします」
「すいませんが時雨さん、川内さんをお願いします」
「仕方ないね――分かったよ」
雑音混じりではあるが時雨の声も聞こえる。どうやら大淀の指示に従っているようだ。
「屑...司令官」
「やっと持ってきたようね...」
そう言葉に出すのは霞だ。
敵の攻撃によるものなのか息を荒らげているのが通信越しでもわかる。彼女は息が絶え絶えになりながらも俺に伝えようとしている。
「川内さん助ける気...なの?」
「そうだ、君達を必ず生きて帰すと約束した」
「屑司令官...川内さんがどれだけの思いをして行ったか...分かって言っているの?」
「川内さんは私達を逃がす為に自ら囮を買って出てくれたのよ」
「その気持ちを...貴方は無下にするつもり?」
「誰一人欠けさせず帰らせるのが私の役目だ」
「ば、馬鹿なの!?こんな状況で全員助けるなんて無理に決まってるでしょ!」
「最後までは希望は捨てない」
「希望をって...そんな事するなら」
「君達を死なせたくないからだ」
「...何なのよ」
「ほんとに...」
「提督」
「そろそろよろしいでしょうか?」
「嗚呼、すまなかった」
「こちらは手当が済み次第戦闘に戻ります」
「分かった」
「皆を頼むぞ」
「了解です!」
音声通信を終了する。
「提督」
「中沼中尉、川内はどうなっている?」
「ええ、単身で敵艦隊に突入しています」
「現在チ級との砲撃戦になっているようです」
「勝てるのか?」
「数的不利ですが彼女ならいけるかと...」
画面に表示されている彼女の情報モニターを見る。今まで見た中でも十位以内に入るほどの俊敏さを見せている。これが彼女の実力。俺は圧巻されているのか画面を凝視してしまっていた。
チ級との戦闘は有利に立っている。彼女の一撃が入り、一体目のチ級を撃沈させようとしていた。
しかし彼女の動きが止まる。
「――川内は何をやっているのだ!?」
「わ、分かりません!」
「一体何が…」
敵のチ級二隻も何故か攻撃を行わない。お互いが元から戦闘の意思が無かったかの様にその攻撃手を止めた。一体どう言う事なのだろうか。
そんな事を尻目に川内に追いついた時雨が魚雷を発射する。
「時雨が魚雷を発射しました」
「命中まで四...三..二...一」
「命中!」
「リ級一隻を撃沈、ル級を少破させました!」
等々、敵の戦艦級に有効打を与える事に成功した。
「よくやった!!」
「やりましたね!提督」
「こちら側にも勝機が見えてきた」
「砲撃戦が可能の艦で敵の戦艦級及びネ級を狙え!」
俺はそう司令を命ずる。
「送信出来ました!」
「攻撃再開します」
「敵艦に命中弾多数確認」
「しかし、いずれも有効打は薄い様です...」
「攻撃の手を緩めるな!撃沈出来なくとも一定数の損害を与えれば相手も退くだろう」
「こちらもそれに合わせて撤退する」
「了解!」
俺が言った事を中沼中尉が暗号文にして水雷戦隊、救出部隊へと送信してくれている。彼には感謝しなくてはいけない。
「敵艦に命中弾多数」
「ル級一隻中破!」
「敵艦主力艦隊、南南東微南へと舵を切りました」
「こちらも鎮守府に向け舵を切ってくれ」
「了解です!」
「川内の方はどうなっている?」
「川内、チ級二隻共に攻撃をせず一定の距離も保っています」
「川内を艦隊に戻せ」
「今は撤退する事が最優先だ」
「了解、伝えます」
「雪風、時雨が川内へと向かいました」
今回の件、きっちりと川内から聞かなければいけないな。
「チ級二隻も敵艦主力の元へ合流」
「こちらも川内と合流戦隊に合流します」
「これ以上の砲撃戦は無駄だ」
「砲撃戦中止」
「帰投してくれ」
「はい!送信出来ました!」
「艦隊帰投します」
「お疲れ様です!提督」
「嗚呼、ありがとう」
......
お、終わったのか。
等々この苦境から脱する事が出来る。それだけでも非常に嬉しい事だ。それよりも一番の功績は艦娘を誰一人失わなかったことだ。
「日本本土の空襲を守りきれなかった」
「しかし、この水雷戦隊がいなければこれよりも酷い状況になっていたことだろう」
「中沼中尉」
「すまないが私はドックに行くよ」
「了解です」
「整備員に暖かい物と毛布、医療用キットを用意してくれ」
「分かりました、伝えておきます」
俺は帰ってくる彼女達を出迎える為にドックへと向かうことにした。
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数十分後、彼女達が帰投した。全員損傷はしているが五体満足と言った所だ。それだけでも十分だろう。
「皆、よく帰ってきてくれた」
ドックに入り装備を一つ一つ外していく。
装備には黒い煤や砲撃戦によってねじ曲がった装甲、穴が空いた装備類が外されていく。
この中にはもう二度と使えない装備もある。これだけの戦いの跡を残していれば誰でも激戦なのが分かるだろう。
一人ずつ装備を外しドックの外へと出ていく。
最後の一人がドックを出ると全員が整列した。
「ご苦労であった」
「損傷の大きい者を優勢して入渠させてくれ」
「後日また募集を繫ける」
「皆、本当にありがとう」
俺は一礼をさて最後の言葉を告げる
「解散!」
これは小さな勝利に過ぎないのかもしれない。
それでも我々人類と艦娘が共同してこそ行えた作戦であると思っている。
この小さな勝利が我々人類と艦娘の架け橋になってくれると信じて。
俺達はこれから勝ち続ける。
人と艦娘の架け橋の為に。
いや~今話で提督パートは一段落って感じですかね?今回の話、タイトルでネタバレしているのに今気づきました…(´・ω・`)
次の話から艦娘パートになっていきますのでやる気はあります!取り敢えず今日は疲れたので寝ようと思います。誤字修正は都度やっていきますのであったら教えて下さい!
次の話はもう少し早めに出したいです…
もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?
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大丈夫だ、問題ない
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いやです!これ以上艦娘をいじめないで!