今回も一万文字書いたわけでこんな時間になった訳ですがやっぱりこの小説を書いている目的って鬱小説が書きたいってのが俺の中であるんですよね。まぁともあれ今日は二話続けて出したいと思います!
一人また一人と仲間が消えて行く。
大切な人達を置いて先に行ってしまう。
そこに残るのは焦燥感と虚しさだけ。
それでも戦わなければいけない。
生き残った仲間の為、未来の為に私達は戦う。その道が辛く、苦しいものでも私達は生きないといけない。
消えて行った仲間の分まで。
あの二人の分まで生きるんだ。
彼がそう決意させてくれくれた。
私の前にいる彼は今まで会ってきた人達とは違う何かがある。分からないけど私の意思がそう言ってる気がするんだ。
「やりましょう!」
私が言うと彼も決心を付いたかの様に閉じた瞳が開く。
「皆、生きて帰ってきてくれ」
「諸君は我々の為に身を挺してこの国を守ってくれている」
「我々は諸君に残酷な仕打ちを何度も犯してしまった」
「許せとは言わない」
「それでも私は諸君に出来る限りの事をする」
「それ故、以後も諸君の顔を見せて欲しい」
彼とならきっと大丈夫。前の過ちはきっと彼が斬り伏せてくれる。
「大丈夫だよ!提督」
「誰も失わせたりしない!」
「皆無事に帰らせると約束する!」
「だから提督は私達の事は気にせず、自分の事に集中して!」
私は提督の為に戦う。
「ああ、ありがとう川内」
「この艦隊は君に託した」
「生きてまたここに戻って来てくれ」
皆を生きて帰す。提督から託された艦隊は守り抜く。
「では、出撃だ!」
『はい!!』
だから私は――
―――――――――――――――――――――――――――
彼と別れて私達は艤装の装備を始めた。
乾ドックに入り、足を固定すると乾ドックの底から水が溢れ出てきた。壁の中からは艤装が出てくる。
私は突っ立っているだけでほぼ全自動で装着が出来る。めんどくさいボルト締めとか魚雷の装填作業とかも全部機械と妖精さんた達がやってくれる。
そうして私が艤装の装着をしているとある娘達が出て来た。
「やっとたたかえるぜ!」
出てきたのは妖精達だ。
「あんさん...やっといくきになったんだな」
「これもていとくさんのおかげなのですな」
「ちがさわぐぜ」
やけに血の気が多い妖精達だけど...久々に妖精達を見たからなのか、それともこの子達がそうなのか。分からないけど戦意が高いのには越したことはないね!
そんな事を思っている内に艤装の装備が完了する。
「艤装の最終点検を行って下さい」
「点検終了次第、電磁式カタパルトによる出撃が行われます」
「周囲にいると非常に危険です、整備員や関係のない方は退避して下さい」
そうアナウンスが流れると私は艤装を動かした。
「艤装最終チェック」
「スクリューの回転数...正常!」
「舵の制御よし!」
「主砲及び魚雷の連結よし!」
「通信機も正常に作動!」
各項目をチェックが終わりドックの扉が開く。
「よーし!」
「みんな準備はいい?」
「朝潮出撃準備完了」
「霞…準備か、完了」
「三日月、出撃用意よし」
「響、行けるよ」
「雪風も準備万端でぇす!」
「よし!みんな行こう!」
「カタパルト充填、発射シーケンスに入ります」
久しぶりの戦い、それも夜戦。あれ以降戦場に行くなんて考えていなかった。また失うのが怖い、死にたくないって言う気持ちは今でも変わらない。それでも私は戦わないといけない。じゃないとあの二人に顔向け出来なくなるから。
「けついはついたか?」
そう話しかけてくるのは気の強い妖精さんだ。
「うん」
「そうか...」
「ここにいるやつらはしぬかくごができている」
「おれらはたたかうためにうまれた」
「だからたたかわなければいけない」
「それがせんそうなんだ」
「だよね、塞ぎ込んでいても何も変わらない」
言っている間でも時は過ぎ去りその時がやっていくる。
「三、二、一」
「旗艦川内!抜錨します!」
その声と同時に固定されていた足が自由になり轟音と共に飛び立った。
抜錨した私達は赤く点滅するトンネルの中に入る。このトンネルは地上の海まで続く海底トンネルと聞いたけど私のいた頃は地上からの出撃だった。私はあの頃に懐かしさを感じてしまった。
慣れない暗闇の中を進み続けると、月明かりに照らされた海が見え始めた。
「やっと外が見え始めて来た」
暗くて狭いトンネルを抜け出すとそこは大海が広がっている。そこは自由で残酷な海、私達の古郷。
「艦隊集結!」
「単縦陣に移行次第敵艦隊に向け舵を取る!」
私を先頭にみんなが集まってくる。次第に陣形の編成が完了し私達は動き始めた。
「全艦両舷全速!目標海域まで向かう!」
『了解!』
鎮守府を後にして数分後、通信機に反応が来る。
「聞こえるか?川内」
雑音が混じってはいるけれど提督の声だと言うのが分かった。
「あーうん!聞こえるよ!」
「大本営と話した」
「支援は見込めそうにない」
通信が始まってから暗そうな話し方だったから予想はしていたけど...やっぱり私達でなんとかしないといけないよね。
「そうだよね...大丈夫!私達で何とかする」
「役に立てず申し訳ない」
「いいんだよ!提督」
「よし、では作戦を説明する」
そして提督から作戦を伝えられる。どうやら水雷戦隊を二つに分けて奇襲をするみたい。そして私の将るは部隊囮部隊。
脳裏に浮かぶのはあの時の記憶...けど今は違う。これは生き帰る為の囮。死にに行く為の作戦じゃない。
「すまない、今はこれしか出来ないんだ」
「大丈夫!大丈夫!」
「後は任せて!」
「こちらからも最大の支援はする」
「わかった!」
「託したぞ」
彼はそう言い残し音声通信を切った。
「どうするんだ?」
妖精さんが言ってくる。
「提督の言われた通りに動くよ」
「彼を信じる」
「...わかった」
「むせんでほかのやつにもしらせる」
「ありがとう妖精さん」
「いいってことよ」
妖精さん達が艦隊無線で他の艦娘達に知らせる。
「はぁ?どういうことよ!」
彼の言葉に噛み付く一人の艦娘。
「提督からの命令だよ」
「囮って...あんたはいい訳?」
私は――
「私は彼に言われた事をする」
「提督と約束したから」
「そ、そう」
「じゃあんた達はどうなのよ?」
彼女は囮部隊になる雪風と響に問い詰めた。
「囮なんて...死ぬかもしれないのよ!」
「...」
「雪風は大丈夫です!」
「...それで響はいいの?」
「私は...」
「うん、大丈夫」
「みんながついているから」
「...後悔しても知らないわよ」
足並みが揃わない艦隊だけど今戦えるのは私達しかいない。
「そんな事を言わずにさっさと分かれるよ!」
「ここにいる戦力で敵に立ち向かわないと!」
「奇襲部隊の方は朝潮に任せるね」
「了解です!川内さん」
「こっちは任せて!」
「それじゃまた後で」
そして私達は分かれた。合流地点までは私達三人だけで戦わないといけない。
目標海域まで進んでいく。暗号文で送られてきた情報だと空母が三隻、重巡が二隻、後は駆逐艦が五隻。
私達三隻で出来るかどうか...
「レーダーに感あり!」
それと同時に送られてくる暗号文。
「『最優先攻撃目標敵空母!』」
暗号文に応じるように司令部に返答する。
「妖精さんお願い」
「よっしゃまかせろ!」
「『了解。我夜戦ニ突入ス』」
「よーし、みんな来るよ!!」
「砲雷撃戦よーい!」
「うでがなるぜぇ!」
「敵弾くるよ!!回避!回避!」
空を切る弾丸が遥か頭上を掠める。しかし敵弾は思わぬ方向へと飛んで行き着弾した。
「みんな大丈夫?」
「...大丈夫」
「雪風も問題ありません!」
「よかった...」
「せんだい!しれいぶからのつうしんや!」
「『砲撃開始、目標ヲ級』」
「よし!」
「こっちも負けれいられないよ!」
「響お願い!」
「了解した」
響の返事の元、海面に一筋の光が差す。
「探照灯問題なし」
「行けるよ」
「目標!敵艦ヲ級」
「全砲門開け!」
「よーい、てぇー!」
そこ声と共に敵のヲ級に向け私達の砲弾が向かっていく。この距離になるとやっぱり着弾までに時差がある。中を舞う砲弾を私達は見守ることしか出来ない。
「着弾、今!」
「めいちゅうしたぞ!」
「よっしゃ!」
「どうやらしょうはだな、あれは」
「初回の攻撃でヲ級を少破なんて運がいいじゃん!」
これならまだ戦える!深海棲艦なんかに負けて堪るもんですか!
「敵の攻撃くるよ」
「了解!全艦回避!」
敵の砲弾がやってくる。先程とは違い私のすぐ真横を掠めていった。少し間違えれば被弾していたかもしれない。本当に危なかった...
「こっちも応戦するよ!」
「目標そのまま」
「次弾装填よし!てぇ!」
「艦隊をお守りします!うてー!」
「撃て」
さっきよりも距離は近い。これならこっちの弾も命中するはず!
「だんちゃーく...今!」
「命中!」
「いっせきばくちんだぜぇ!」
「くうぼもちゅうはだぜ!」
「さすがのかりょくだ」
「よし!このまま次弾――」
水飛沫が隣で立つ、敵からの攻撃だ。
耳鳴りが頭の中に響渡っていくのを感じた。耳鳴りが収まるとやっと周囲の状況に気づける様になった。
「被害報告!」
「大変です!川内さん!」
「響さんが...」
「グッ...」
彼女の持っていた防弾板は貫通され穴が空いている。
「ま、まだやれるさ...」
響が被弾してしまった...それも中破。このままじゃ響が...
「航行に支障はない...まだ戦える」
「響は私の後に!雪風は後衛をお願い!」
「了解!」
近づけばこちらの弾も当たるけど相手の弾も当たる。予想はしてたけど...
「おいあれなんだ?」
「おいてっきだ!」
「てっきたすうせっきん!」
「敵の艦載機!?なんでこんな時に...」
「対空戦闘よーい!」
頭上から多数の艦載機がやってくる。私達は必死に機銃で落とそうとするが夜間の暗闇のせいで狙いが定まらない。
「てっきくるぞー!」
「かいひー!かいひー!」
敵機は私と雪風に向けて急降下してくる。
「もっとだんまくはれ!」
そして奴らは落とす。頭上から鳴る特徴的な音に私は何も出来ずに舵を切る。
特徴的な音はそのまま私の横へと落下する。すると同時に轟音と水圧が私に襲ってくる。水飛沫が高く出来上がっている。先程とは断然にならない耳鳴りと痛みが体中を走る。警報を鳴らすかの様に体中に走る痛み。痛みと耳鳴りを耐え凌ぎ弱まってくるとようやく状況が見えてくる。
「被害報告ッ!」
「雪風被弾はしましたが不発!無傷です!」
「よかった...響は?」
「大丈夫...まだいけるよ」
「とにかく応戦するよ」
「砲撃よーい――」
照準を定める、いやしようとした。しかし上手く目標が定まらない。でもここで撃たないと私達は沈む。撃たないと死んじゃうんだ。
「うてっ!」
だがそんな弾は当たるはずもなく敵を夾叉する。そして応じるように相手の弾がこちらへと向かってくる。
高い水飛沫がまた隣で立つ。相手の方が数でも質でも上なんだって分かる。
「おい!きこえるか?」
「しれいぶからだ」
「いちどさがれとのことだ」
「わかった...」
「艦隊一旦下がるよ」
「了解!」
「…了解」
「どうやらきへいたいのとうじょうのようだ」
その命令後、待ちに待った奇襲部隊が到着したのがわかった。砲撃音と共に敵の艦隊から爆発音が聞こえる。
「こっちもまけていられねぇな!」
「こっちも応戦するよ!」
「魚雷戦よーい!」
「一番から四番発射!」
奇襲部隊の到着により一気に形勢が逆転した。奇襲部隊の攻撃で相手は混乱している。そこに囮部隊と奇襲部隊の魚雷が挿さる。
「おぉ!てきかんにめいちゅう!」
「だいせんかだ!」
「くうぼにちめいてきなそんしょうあり!」
「やった!これで勝てる!」
「奇襲部隊と合流して追撃戦に出るよ!」
「了解!」
魚雷攻撃に成功し相手は逃走を始めている。ここで叩けば大戦果は間違いない!そうして分かれた朝潮達と再度合流する。
「川内さんご無事でなによりです」
「けど響が被弾しちゃった...」
「大丈夫です!この程度なら入渠で直ぐに治ります!」
「それよりも敵艦隊を殲滅しましょう!」
「敵航空機も引いていますし」
「そうだよね!全艦敵艦隊を殲滅する!」
「...なにかかんじる」
装備はかなり損傷を受けたけど目立った損傷はないはず。ならここで深海棲艦を倒して提督の役目に立たないと…
艦隊は敵艦隊を追い続ける。けどなんで来た方向じゃなくてこっちなんだろう?違和感が頭の中を走る。けど何かあれば司令部が教えてくれる筈だし気のせいだよね。
私達はそんな疑問を頭の隅に置き敵を追い続けた。
「ねぇこのまま敵を追い続けたら燃料がなくなるわ」
「ですね、そろそろ帰投した方がいいと思われます」
「じゃこれ以上の深追いはやめよう」
「ではこれより鎮守府に――」
そう言おうとした時だった。
「電探に感あり!」
「敵機?」
「ち、違います」
嫌な予感は的中する、いつ何時でも。
取り敢えず一旦ここで区切ります。
次のやつも出ているので見ていってください!
もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?
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大丈夫だ、問題ない
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いやです!これ以上艦娘をいじめないで!