今回は二話同時投稿って事で勢いで一万文字近く書きました!まぁ前の話の続きなのでこんなどうでもいい前置きは見ずに続きを見て下さい!
「敵艦隊こちらに接近中...」
「戦闘になると思われます...」
「そんな...」
「おい、いまさらになってもうしわけないが...」
妖精さんが言いたげなさそうに言ってくる。
「どうやらつうしんきがこわれているようだ」
「たぶんあのばくげきでだ...」
「...」
戦闘になる、この状態で。私はともかく響は中破状態。それに魚雷はもうない。砲弾も残り僅か。
「やっぱり...見捨てられたのよ」
「ね?言った通りでしょ?」
「私達は
「消耗品はここでご退場って訳」
「まんまとあの提督の口車に乗せられた」
「これが結論でしょ?」
そんな訳...あの提督が見捨てる訳ない!私を助けてくれた。あの時の目は本気だった。通信機が壊れているなら...
「もしかしたら通信をしたくても出来なかったって事も――」
「嘘よ」
「じゃ今まで人間にされてきた事を振り返ってもそれが言えるの?」
「私が馬鹿だった...あの時にあの屑の脳天をぶち抜いとけばよかったんだ!」
「こんな事になるぐらいならっ!」
彼女の拳が空を切る。その拳にどれだけの憎しみ、妬みがあるのかは分からない。けど私にも分かる、よく分かる。だからあの人が見捨てる筈がない。何かの間違えだと思いたい。
「...」
「霞ちゃん...」
「もう何も信用出来ない!」
「なにも...なにも...もう嫌だ」
「こんな世界深海棲艦に滅ぼされればいいんだ!」
「助けなんてない...」
「この世界には救いなんて存在しない!」
「あるのは絶望と憎しみだけ!」
「霞...」
彼女は座り込み、頬を赤くし涙を零している。
「川内さん...」
「このままだと後数分もすればここは戦場と化します」
「この状況だと逃げる事も...」
逃げる事も出来ない、戦っても必ず負ける。ねぇ嘘だよね...提督。貴方ならこんな時にどうするの?提督...
「私は...沈みません!」
「ゆ、雪風どうしたんだい?急に」
「響、安心して!」
「しれぇは絶対に私達を見捨てる筈がない!」
「雪風さん...」
「でもこの状況で助かるには女神に祈っても助かるか分からないのよ」
「大丈夫!きっと!」
「ほら!三日月も元気だして!」
「で、でも」
「大丈夫!」
こんな時でも笑顔を絶やさない彼女。感服しちゃうなぁ。まるで絶望を知らない見たいに笑顔を振りまいてる。提督もこんな時にこうするのかな?
「霞も元気だして!」
「大丈夫!絶対に沈まない」
「...」
「なによ...」
「貴方、どうせ死ぬのが怖くないからそう言ってるんでしょ!」
「私は死ぬのが怖い」
「死にたくない...」
「見るのもなるものいやだ...」
「大丈夫」
そう言い彼女は霞を覆う様に抱きしめる。
「なんのつもり...?」
「信頼です」
「こうして抱きしめればみんな幸せになります」
「何言って...」
「大丈夫...今が辛くても何時か安心して過ごせる日が来る」
雪風は霞を擦る様に頭を撫でる。まるで彼女が女神の様に見えてしまった。
「だからね...あと少し、あと少しだけ耐えれれば自由になれる」
「もう少し頑張ってみよう?」
「貴方は相当のお節介好きね...」
「全くなんでまたこんなもの持たないといけないのか」
彼女は立ち上がり連装砲を手に取る。
「今日の事覚えておきなさいよ!」
「本当にイライラするわ!」
「ほら行きましょ!」
「雪風...」
「安心して下さい!川内さん」
「しれぇは必ず私達を助けてくれます!」
「雪風達を見捨てるようなお方ではありません!」
あの時の記憶が蘇る。どうでもいいと思っていた人生に希望を見出してくれた。提督の為に私は何でもする。貴方がその決心をさせてくれた。なのに私はまた塞ぎ込んでいた。旗艦としてリーダーシップを見せないといけないのに。
けど、それはもう終わり!
「ありがとう!雪風」
「みんな準備はいい?」
「出来るだけ弾を分やって!」
「少しでも多くの敵を撃沈させて港に帰るよ!」
「いっちょやってやりますか」
「やられたらやりかえす!」
「ぶっとばしやるよ!」
「生きて全員で!」
「全艦増速!」
「待ちに待った夜戦の時間だよ!」
―――――――――――――――――――――――――――
全員を生きて帰す、提督との約束。私はそれを守るためにみんなを守らなければいけない。
「全艦砲門開けぇ!」
「目標敵戦艦!」
「うてぇ!」
「まだまだ!」
「次弾装填次第各個で目標へ射撃!」
こんな所で終われないんだ、絶対に。
「敵弾きます!」
「全艦回避に集中!」
死ねない。こんな所で!
「てきかんにめいちゅう!」
「くちくかんちゅうは!」
「よし!」
「次弾装填ッ――」
敵に近づき過ぎたのか次第に敵の弾幕に押され始める。そこら中に水飛沫が立ち上り射撃すらままならない。弾も底を尽きかけてきている。次第に攻勢側から守勢へと追いやられ始め、燃料も無くなってきた。
もうこれ以上は戦っても無駄と言われてもいい状況。それでも...だからそれでも
「撃って!撃って!撃ちまくれ!」
「絶対に助けは来る!」
そんな事を言った時だった。私は敵の戦艦の主砲に狙われ始めた。まるで猟をするかのように奴は当たらないギリギリを楽しんでいた。鹿を狩るようにしか奴は見えていないのかもしれない。
それでも私が生きた証は作ってみせる!私は敵の戦艦にへと舵を切った。
「肉を切らせて骨を断つから!」
「機関最大戦速!」
奴がこちらに向かってきたのが分かったからなのか、それとも狩りに飽きたのか、等々砲を私の体へと向ける。
「川内さん!」
「おい!さがれ!」
「これいじょうはもたないぞ」
「下がって下さい!私達が援護しますからっ!」
「大丈夫だよ...」
「これは私の夜戦」
「この夜戦の主役は私じゃなきゃね!」
ごめん提督...そろそろみたいだ。覚悟は出来ている。
戦艦の照準が止まり装填が終わる。奴の顔には満面の笑みが溢れているように見えた。
せめて最後くらいは一隻やっておきたかったな。私は空を見上げる。綺麗な星空の因るだった。
もし戦争がなければみんなとこれを見れたのかな?星の名前とかは分からないけど夏の大三角とか見てみたかったなぁ...
ん?あれはなんだろう。やけに速い星だなぁ、あんなに速く動く星があるなんて始めて知ったよ。あっもしかして流れ星とかこの短い時間に見れるなんて奇跡だな。
あの流れ星どんどん大きくなってる気がするのは気のせいかな?どんどんこっちに...
その流れ星は私の横を通り過ぎて奴にへと命中した。命中?変だな流れ星が敵に当たるはず...
そして次々に現れる流れ星は敵へと命中していった。そう言えばみんなはどうしてるんだろう?空を見上げるのをやめ私は現実に目をやる。
「川内さん!」
肩を揺さぶっているのは黒くて長い髪...朝潮か。
「しっかりして下さい!」
私は耳鳴りが晴れるかの様に鮮明に音が聞こえ始める。
「見ました?あれ!」
「見たけど...」
「提督です!提督が助けてくれました!」
「私達...見捨てられてなかったんです!」
「ああ...そうだったの」
「やっぱり見捨てられて無かった」
力が抜けて行き次第に頬に伝う一筋の涙。
「そうです!」
「行きましょう!」
「うん!」
「全員砲撃用意!」
「そうてんかんりょう!」
「てぇー!」
「てきかんいっせきげきは!」
勝てる、この勢いなら私達なら!
「朝潮私に――」
朝潮の方へと振り向く。しかし...彼女はさっきまでの勢いは消えていた。
「そんな...」
「朝潮!」
「グッ...せ、せんだい...さん」
駆逐艦が戦艦に撃たれ五体満足であるのは奇跡に近い。
敵は不意の攻撃で焦ってはいたようだが直ぐにその焦りは消え去った。見掛け倒しの攻撃。それでも彼なりのチャンスを与えてくれた。なのに...なんで
「ここまで来たのに...」
速く朝潮を安全な所に...安全な所って?駄目だ何処にもない。なら見捨てろってなんて無理。どうしたら...
「川内さん!」
「雪風...」
「朝潮は雪風が護衛します」
「だから川内さんは下がって下さい!」
「だめ...」
「ここで退けない」
ここで退いてしまえば朝潮と雪風が犠牲になる。ダメ!絶対にそれだけは!
「お願い雪風」
「提督なら次の手を打っているはず」
「助けは必ず来る」
「それまで朝潮...いやみんなをお願い」
「私はやるべき事をする!」
「川内さん」
「大丈夫、絶対にみんなを生きて帰すから!」
「約束だし...」
「まっ、待って」
振り向いちゃ駄目だ。みんなを生きて帰すにはこれしかない。
ごめんね提督...約束は守るよ。けど一つ嘘をついてた。また生きて会うこと。みんなを守るにはこれしかない。提督の作ってくれたチャンス、無駄にはしないよ。
「最大全速!」
「次こそは当てる!」
私は敵に向かい始めた。魚雷はない、油も弾も残り僅か。けど諦めるつもりはない!
「夜戦の魅力を敵に叩きつけてやるんだから!」
「相手はチ級かぁ」
「相手にとって不足はなし!」
「砲戦よーい!」
私はチ級との戦闘に入った。やけに敵のチ級の動きが読める。こいつが次にどう動くのかどんな戦術を取るのか。この二隻のチ級には何か共通点があるように見えた。敵の動きが分かるなら対処も出来る。数少ない砲弾を奴の頭に命中させることに成功した。
私は確実にとどめを刺すべく奴に近づいた。次第に近づくと昔の事を思い出す。三人で始めて勝った演習。三人で食べた昼飯。馬鹿みたいなことをして怒られたあの時。今はもう出来るはずがないのに一つまた一つと思い出してくる。
そして奴の頭部に砲身を向けた。しかし私は撃つことが出来なかった。いや撃てなかったんだ。
だってそいつは
「神通だよね...」
「は、ははは」
こんな映画見たいな話があるとは思えない。だって目の前に神通がいる。忘れようがない。笑った時、泣いた時、怒られた時、最後の時も全て鮮明に覚えている。少し肌が薄くなった気もするけど間違いなく神通だ。
でもなんでここに神通が...?だって神通はあの時に死んだ。あの爆発を生き残れてたとしてじゃなんで深海棲艦に...
私は訳の分からないまま後に下がった。
「なんで深海棲艦なんかに...」
「ねぇ...神通なんでしょ?」
「...」
「ねぇてば!」
「センダイ...ネェ」
「なんであの時に自爆なんて...」
「なんでよりにもよって自爆なんて!」
「...」
「あの後どれだけ待ったと思ってるの!?」
「生きているて信じてたのに...なんで」
もう頭の中がぐちゃぐちゃ。怒ってるのか泣いているのかも分からない。
「深海棲艦なんかになっちゃってさ...」
「もう一人のチ級も那珂何でしょ」
「ネェ...イ、サン」
「なによ」
「謝る気にでもなったつもり?」
「イッショ...ニ」
神通の言葉を聞き通ろうとしたその時、砲撃音と共にある艦娘がやって来た。
「魚雷発射!」
「川内助けにきたよ」
「ここは危ない」
「早く撤退しよう」
ある艦娘が私の前にいる神通を見る。
「このチ級弱ってる内にやらないと」
「ダメ、待って!」
「待ってって相手は深海棲艦だよ?」
「許せないこいつは!」
「お願い撃たないで!」
「どうしてこいつを守るような立場をとるんだい?」
「...」
「とにかくこいつは殺す」
神通に主砲を向けとどめを刺そうとする。
「これで終わり――」
しかしそれは出来なかった。
「ちっル級か」
「とにかくこいつは後だ今は下がろう」
「...」
「深海棲艦が退いていく...」
「川内さん!」
「雪風...」
「大丈夫ですか!?」
「う、うん...」
「よかったぁ」
「これで全員生きて帰れますね!」
分からない。今まで戦ってきた相手は一体何者なんだ?
私が今まで沈めた深海棲艦はどこから...嘘だと信じたい。けれど神通はいた、深海棲艦の中に。
「川内さん?」
「ごめんね、流石に疲れちゃって...」
「生きて帰れるだけマシでしょ」
「本当にここに帰れるなんて...」
「不死鳥の名は伊達ではなかったね」
「みんな生きて帰れる!提督の命令です!」
駄目だ、頭に入って来ない。さっきまでの戦闘がなかったかのように思えてくる。
だって今まで戦ってきたのは――
仲間じゃないか。
こんな時間に見て頂きありがとうございました!
実は今回の制作過程は風邪を引きながら書いていたので超キツかったです。鼻水と戦いながら書き終えたので褒めてくれ!(←褒めなくてよろしい)
まぁ次の話も艦娘が続きます。もう少し鬱要素が足りないので増やしたいです。
もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?
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大丈夫だ、問題ない
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いやです!これ以上艦娘をいじめないで!