生きとし生けるものへ   作:ハクスナ

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こんちわーHAKUSUNAです!
まぁ!今回も一周間遅れてるんですけど色々ありましてね…それはともかく今回は時雨パートになりますね。前半はそこまで暗くないですけど後半少しグロい描写あるので一応注意です(そこまでグロい訳ではないと思うけどな…)



第二十三話 暗雲〜時雨〜前編

 

 青い空。青く滲む空に雲が掠れて行く。

 

 窓から眺めていると次第に小雨が降ってくる。はらりはらりと降ってきた雨は庭木に当たり雫を垂らす。そうしていると雫が反射する。晴れてきたようだ。

 

 しかし止みだした雨はまた降り出した。お日様はまた雲に隠れてしまった。

 

「雨止まないっぽい...」

 

「そうだねぇ」

 

 窓を眺める夕立と白露が退屈そうに言った。

 

「止んだり降ったりするのって何度目だっけ?」

 

「多過ぎて忘れたっぽい...」

 

 今日は非番だけどこの天気じゃ何も出来ない。夕立と白露はそう思うかもしれない。――けど僕は、

 

「僕はいい雨だと思うけど?」

 

「時雨はやっぱ変わってるっぽい!」

 

「降るならぱーっと降って欲しいっぽい!」

 

「そうそう」

 

 白露が頷いていた。

 

 やっぱり意見が食い違う。この二人とは長い付き合いだけど雨に関しては合わないね。

 

 そうした平和な時期を過ごしていた。戦争は終着を見せかけていて世界は日常を取り戻していた。それが続くものだと思っていた。

 

 ある日の事だった。ハワイと日本との連絡船を護衛する任務があった。勿論作戦は成功したよ。けどその日から全てが変わった。今まで力の弱まっていた深海棲艦が急速に戦力を伸ばしていった。何故そうなったのかもわからない。次第にハワイまで敵が侵攻して来た。僕達も必死で戦ったよ、必死にね。でも戦況は悪化していった。増える敵、沈んでいく仲間。いつしかそこは大勢の屍が横たわる所になっていた。

 

 ホノルルの最後の抵抗軍が玉砕し、大勢の仲間の犠牲によってハワイは陥落した。僕達はハワイ所属から横須賀に転属になった。転属の日、白露がこんな事を言ってきた。

 

「時雨〜転属って言われたけどなんかしっくりこないね」

 

「どうして?」

 

「だって〜私達ほとんどハワイで過ごしてたじゃない?」

 

「でも急に、『お前らは横須賀に転属だ!』なんて言われてさ〜」

 

「新しい環境で慣れるか心配なんだよね...」

 

 白露ってこんな事を言う子だったかな?その時はそう思っていた。白露が心配することなんてそうそうなかった。何時も一番を取ろうと頑張る子だし心配事なんてないと思っていた。

 

「白露ってそんなこと言うんだね」

 

 微かな笑みを浮かべて言った。

 

「あんたね〜」

 

 おっかない、おっかない。白露の気持ちが顔に現れていた。やっぱり楽しいよ、二人といると。辛くてもなんとか生きていける。どんな苦境でもこの二人がいれば――

 

 横須賀は地獄だった。最初の時は普通の所だと思っていた。けど違っていた。最悪な方向で白露の心配が的中してしまった。ある日を境にこの鎮守府は壊れて行った。歪み曲がった方へと舵を切り始めてしまった。

 

 無謀な作戦に提督が必要ないと思われた物は全てが排除されて行った。そうだ、あの提督だ。提督が壊れ始めてからここはおかしくなった。理由は分かり切っていた。

 

 昨日隣で寝ていた子が今日には消えている。戦いで消えたのかそれとも――考えたくもなかった。月を跨いでいく事に食事の量も少なくなっていった。以前は味がしたけれど今では味すらないものになってしまった。腹が減ってはなんとやら、戦果も落ちていく。それは白露にも僕にも当てはまっていた。

 

 戦果の落ちていく白露に提督は、

 

「どうしてこんな事も出来ない!?」

 

「馬鹿なのか?お前は!」

 

「――ごめんなさい!」

 

「ごめんで許されるとでも思っているのか!?」

 

「一番、一番って毎回言ってるくせに結果がこれだとお察しだな!まったく...」

 

 提督は罵詈雑言を浴びせた。白露が頑張っているのも知らずに。何時も何時もそう言い聞かせていた。耳が潰れるまで。

 

「白露...」

 

「だ、大丈夫!少し失敗しちゃっただけだから...」

 

「次はもっと戦果を――そうすれば提督も認めてくれるはずだよね!」

 

「う、うん」

 

 言えなかった。あんな奴絶対に認めてなんかくれない。わかってる...けど白露のあの目を見たら。真剣に分厚い本を読み進めている。夕立と僕が寝た後も白露はあの本を読み続けている。寝る時間まで惜しんで――提督に認めてもらう為に。

 

 白露にとって()()は存在意義なんだ。生きる為に必要なもの。それが白露にとっては一番であることだったんだよね。

 

 そんなある日、夕立があるものを持ってきた。夕立の腹が少し張っている。服の中に何か隠しているのかな?それに服も少し濡れている。小窓の鉄格子から見るとどうやら外は雨が降っている。

 

「夕立その中に隠しているのはなんだい?」

 

「貰ってきたっぽい!」

 

 服の中に隠していたものがごろごろと転がる。橙色に輝いた見た目。黄緑色のヘタまである。大きかったり小さかったりするヘンテコな食べ物。

 

「夕立――それ」

 

「みかんっぽい!」

 

「...え?みかん?」

 

 白露がハッとなっている。みかんなんていつぶりだろうか。食べた日のことすら覚えてないぐらいには前になる。

 

「みかんなんて何処で貰ってきたんだい?」

 

「そうだよっ!食べるのって将官とかぐらいだよ!」

 

 僕達がそう言うと夕立が動揺している。

 

「お、お裾分けってやつ?っぽい!」

 

「図星だね」

 

「...ぽい」

 

 一体何処から...もしバレでもしたらどうなるかなんてわかってる。夕立もわかっている筈なのに――なんで?

 

「バレたらまずいよ...今ならまだバレていないと思うから返しに行こう?」

 

「うん、僕もそう思うよ」

 

 僕達が説得するように言う。しかし夕立はみかんの皮を向き始めている。一枚一枚丁寧に皮をめくって行き、中身が見え始めてくる。

 

「食べるっぽい!」

 

「で、でも...」

 

「はい、白露口を開けるっぽい!」

 

「食べたら...」

 

「大丈夫っぽい!まだ倉庫にはみかん沢山あるからバレないっぽい!」

 

 誘惑に負けようとしている白露。みかんの甘酸っぱい匂いが部屋中に広がる。ブロック状の食事では味わえない匂い。体がそれを欲しているのが考えなくてもわかるほどに飢えている。

 

「少しぐらいならいいよね?時雨」

 

「はい!あーんするっぽい」

 

 口を開けてみかんをほおばる。

 

「お、美味しい...」

 

「時雨も食べるっぽいー!」

 

 そう言われてみかんを渡される。白露はみかんを手に取り皮を向き始める。

 

「これ美味しいよ!時雨も食べなって!」

 

「美味しいっぽい〜幸せっぽい!」

 

 夕立も白露も美味そうに食べている。白露はもう二つ目を食べそうな勢いだ。久しぶりの味のする食べ物ってだけでも嬉しい。二人は四個あったうちの三つ全てを食べてしまった。

 

「ごめん〜全部食べちゃった!」

 

「時雨は食べないっぽい?」

 

 夕立が僕の持っているみかんに手を伸ばしてくる。

 

「――いや僕も食べるよ」

 

「そう?残念っぽい」

 

「あ!外晴れて来たよ」

 

 白露が小窓から外を見ている。雨が止んだようだ。

 

「雨はいつか、止むさ」

 

「私気づいたんだ...時雨が雨が好きな理由」

 

「本当かい?」

 

「うん」

 

「雨は何時かきっと止んで晴れるから綺麗なんだ」

 

 白露はそう結論付けた。白露がそう思うならそれも正しい。

 

「雨は綺麗だった?」

 

「――綺麗だったよ」

 

 辛いことはいつまでも続かない。いつかは必ず終わりが来るんだ。だから雨は綺麗で儚い。僕はそれが好きさ。

 

 結局みかんは食べれなかった。その後すぐに出撃命令が下された。艤装を着けていつも通りに出撃。今回は北方から迂回して回る輸送船の護衛。敵と当たることはない...と思う。僕達は輸送船と合流して迂回ルートを辿って行った。

 

「寒いね...」

 

「うん...これはかなり冷えるね」

 

「凍えちゃうっぽい」

 

 北半球に近づいたからか冷え込む。まだ海が青い証拠だけども...やっぱり寒いのは嫌いだ。僕達三人以外にも何人か護衛に着いてるけどみんな寒そうにしている。手が悴み始める。冷たい空気が僕達をすり抜けていく。

 

 輸送船を何とか目標の港まで護衛することが出来た。後は積み荷を積んで帰るだけだ。また帰りは寒い中航行しないといけない。嫌嫌ながらも任務は任務。完遂しないとね。

 

「よーしっ!鎮守府に戻るよ!」

 

「よく白露はこんなに寒いのに元気でいられるね...」

 

「寒いからこそでしょっ!」

 

「変な感じっぽい」

 

 まったく白露は元気過ぎだよ。あんなに夜中、あの本を読んでるのに元気一杯じゃないか。

 

 丁度航路の中間の事だった。さっきまであんなに寒かった海が寒くなくなっている。寧ろ過ごしやすい温度までになっていた。

 

「なんか嫌な雰囲気だね」

 

「そうだね~もしかして敵がいたりして!」

 

「脅かすのはやめて欲しいっぽい」

 

 白露の冗談が本当なのかもしれない。そんなことが脳裏に走る。直感がそう言っている。でも確証がない。

 

 その時だった。白露に向かうあるものを見てしまった。

 

「...ん?魚?」

 

 いや、違う。これは()なんかじゃない。これは――

 

 その瞬間水柱が立つ。一つだけじゃなかった。前にいた仲間の所から水柱が立っていた。私のすぐ近くでも水柱が立つ。そこにいたのは白露だった。

 

「白露!?」

 

 水柱が晴れるまで見えなかった。僕は白露の所まで駆けつけた。

 

「白露!?」

 

「――大丈夫、大丈夫よ」

 

 幸いにも体には当たってはいなかった。しかし魚雷と主砲は使い物にならないだろう。

 

「よかった...動けそう?」

 

「いや、無理そうかな」

 

 そう言って片足を上げる。スクリューが壊れていた。これじゃ動けない。

 

「安心して僕と夕立で曳航するよ」

 

「ごめんねぇ...」

 

「大丈夫っぽい?」

 

 そして夕立も駆けつけてくれた。

 

「いや白露のスクリューが壊れてる」

 

「曳航しないと...」

 

「前にいた他の人達は?」

 

 そう言って前を見る。しかし前には黒煙と炎しかなかった。

 

「嘘でしょ...」

 

「そんな...」

 

 この魚雷――一体何処から?この数ならやっぱり...最悪な状態を予想してしまった。

 

「近くに敵の潜水艦がいる」

 

「え?本当なの時雨?」

 

「この魚雷の数...一隻じゃない、少なくとも三隻はいるよ」

 

 私達は対潜装備を持っていない。最低限対潜装備を持っていたのは前にいた人達だ。

 

「私達、対潜装備なんて持ってないし...」

 

「これ...結構マズいっぽい?」

 

「そうだよ...」

 

 これじゃ輸送船を護衛なんて出来ない。どうすれば...

 

「おい!何をやっている!?」

 

「そんなとこで集まってないでさっさと敵を殺してこい!」

 

 輸送船の甲板にいた乗員に罵られた。でも僕達だけだと何も出来ない。僕達が対潜装備を持っていないことを輸送船の乗員達に伝えた。

 

「はあ?そんなこと知るか!死んでも敵を止めろ!それがお前らの役目だろ?」

 

「こっちは逃げさせてもらう」

 

「お前らが足止めしろ!」

 

 そう言って輸送船が転舵した。しかし僕達から数十メートル離れた時、あの船は爆発した。艦首と艦尾に魚雷が命中したのであろう水柱が上がっていた。破片が飛び散る。遠くから炎に混じって叫び声が聞こえる。甲板だった所から無数の黒い物体が自らの意思で海中へと身を投げている。積み荷を満載にした輸送船は大量の黒煙と海に重油を撒き散らし、真っ二つに割れて最後を迎えた。

 

 その後景を見てしまった白露は嘔吐してしまった。白露はあの飛び込む者を直視してしまったんだ。僕は白露の背中を擦る。

 

「けっ…うおぇっ…」

 

「大丈夫、落ち着いて白露」

 

「沈んじゃった...」

 

 白露を落ち着かせる。もう残ったのは僕達三人だけ。

 

「夕立、早くここから逃げよう」

 

 夕立はこくりと頷いた。

 

「夕立はそっちの方に繋げて、僕はこっちに繋ぐ」

 

「わかったっぽい!」

 

 僕と夕立で白露を牽引して曳航する事にした。運良くその後潜水艦に攻撃されなかった。なんとか曳航はする事は出来たけどいつの間にか空は暗くなり曇っていた。

 

「このままだと雨が降りそう...時雨」

 

「どうしたんだい?急に」

 

「服濡れるの嫌だなあーって」

 

「夕立も同じこと考えていたっぽい」

 

「仕方ないよ...雨は気まぐれなんだから」

 

 なんとかみんなあの時のことを忘れようとしていた。帰りの道も後少し。提督に何を言われるか怖いけど死ぬよりはマシさ。

 

 そんな事を考えている時だった。敵の捜索網を抜けれたと僕達は思っていた。考えが甘かった。敵はそんな程度では許してはくれなかった。暗闇から音がする。微かにだが聞こえる。こっちに向かって来るあるモノが白露に当たるのを。

 

 気づいた時には遅かった。一歩遅れていた。耳鳴りが止まない。視界が歪んで見える。状況把握に時間が掛かった。なんとか耳鳴りが収まる。そうしてやっと鮮明に見えた。いや、見えてしまったんだ。

 

 体を見ると赤い液体がこびり着いていた。もしかして僕等々被弾しちゃったのかな?両方腕がある。両方の足がある。よかった...被弾した訳じゃない。安心した束の間だった。後ろを振り返る。

 

 赤く海が濁っている。赤い液体を辿るとある所から出ているのがわかった。その赤い液体が流れ続ける者は白露だった。

 

「う...そだ」

 

 足が綺麗サッパリ無くなっている。かろうじて残っている片足はあらぬ方向に曲がりくねっている。

 

 音が一瞬にして消え去った。自分の呼吸ですら聞こえない。そもそも呼吸をしているのだろうか?もしかして僕はもう死んで――

 

「...れ!」

 

「しぐれ!!」

 

 薄っすらと聞こえる。呼ばれているんだ。行かないと。

 

「時雨!白露が――白露が...」

 

「早く止血しないと死んじゃう...」

 

「でも白露は――」

 

 そう言った時だった。もう一人声が聞こえた。

 

「どうなっているの...?」

 

 白露だ。まだ白露は生きていたんだ。僕は白露に駆けつける。

 

「時雨...?そこにいるの?」

 

「ああ、ここにいるよ」

 

「ちょっと待ってね」

 

 僕は自分のスカートを破り、白露の足だった所を強く締める。

 

 気休め程度でも止血が出来れば…まだ間に合うはず!

 

「何かあったの?」

 

「ちょっとトラブルがあったんだよ」

 

「時雨!敵の攻撃が来るっぽい!」

 

「わかった」

 

「白露、絶対に下を見てはいけないよ」

 

 白露は疑問そうにしている。今白露に見せてはいけない。こんな姿、一番苦しいのは白露なのに。

 

「武装を分離(パージ)!」

 

 後ろに乗せていた艤装を分離する。これで白露を運ぶ事が出来る。

 

「よーしちゃんと掴まってね」

 

「う、うん」

 

「夕立!」

 

「任せるっぽい!」

 

 僕達は急いで鎮守府に向かった。鎮守府に行けば助かるんだ。

 

「夕立、敵は?」

 

「何隻いるのかわからないっぽい」

 

「とにかく沢山いるっぽい!」

 

「わかった」

 

 走り続けた。何度撃たれようと走り続けた。しかし敵は許してはくれなかった。

 

「夕立?」

 

「ごめん...夕立はここまでっぽい」

 

「何言って...鎮守府までもう少しじゃないか...」

 

「三人全員で帰らないと意味が...」

 

「それは無理っぽい」

 

「ごめんね、時雨」

 

「白露をお願い」

 

「うそ――そんな待って!」

 

「何がおきているの?しぐれ?」

 

「それに私なんで...えっ――足が」

 

 等々白露が見てしまった。もう...どうしたら...ごめん夕立。もうこれしかない。夕立はもう見えなくなってしまった。後は僕と白露。早く行かないと。

 

「ねぇ?なんで足が――」

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙ーーーッ!」

 

「い゙たい゙、い゙たい゙い゙だい゙!!」

 

「しぐれたす...けて――いたいのが...とまらないッ!」

 

 ごめんね白露...何も出来なくて。お願い...後少しの辛抱だから。

 

「しぐれこ、ころしてっ――もうい゙だい゙のはやだッ!」

 

「白露後少しだから...ほら前に鎮守府が見えるでしょ?」

 

「おねがいっ!ころして!あ゙あ゙ーッ!」

 

「ごめんね...ごめん、ごめん」

 

 悲鳴とも言えない叫声が海上に響き渡る。段々とその音も小さくなっていく。

 

「しぐれ...はやくッ...ころして」

 

「もう鎮守府のすぐそこだよ!」

 

「しぐれ...さむいよ」

 

「大丈夫、僕がついてるよ...だから安心して」

 

「だめっ!さむいの...ほんとに」

 

「いだいのとさむいのが――とまらない」

 

「ほらトンネルだ」

 

「ここを通ればすぐだよ」

 

「し...ぐれ」

 

「しにたく......ないよ――」

 

「しにた――く...」

 

「白露?白露!?」

 

「大丈夫だから!死なないよ!絶対」

 

 トンネルを潜ってから少し経つのにまだ光が見えない。早く見えてよ。

 

 光が見える。トンネルの出口が目の前にある白露、もうこれで――

 

「し......ぐれ」

 

「わたしの...ぶんまで.........」

 

「何縁起でもないこと言ってるんだい?」

 

 乾ドックに着いた。明かりが灯されている。艤装をすべて取り外して乾ドックから出る。

 

「だれか!お願いです!助けて下さい!!」

 

「白露を!白露を!」

 

 あれ?僕泣いているの?いつから泣いていたのかわからない。最初からなのか、いつからなのか。

 

 一人の男が近づいてきた。

 

「君達は今朝でた――」

 

「そうです!お願いです!!白露をッ!」

 

「背中に乗せている娘は...もう」

 

「え?」

 

 嘘でしょ?私は白露は下ろす。何を言っているんだ...白露はまだ死んでなんかいない。まだ生きている。だって目が開いているのに。

 

「今来ました!」

 

 その声がする。白い白衣を来た男。良かった助けが――

 

「これは...なんて(むご)い」

 

「白露を助けて下さいっ!お願いです!」

 

 白衣の男は首を横に振る。

 

「もう...この方は――死んでいます」

 

1843.47(ヒトハチヨンサン、ヨンナナ)...死亡確認」

 

 白衣の男は白露の目を閉じさせる。

 

「残念です...助けれずに」

 

「...嘘、だってさっきまで...」

 

「彼女は死にました...もう言えることはありません」

 

 嘘だ。そんなこと…あっていいの?

 

「外、雨は降ってきたらしいです」

 

「もうそういう時期か...」

 

 雨...

 

「これどうするよ」

 

「死体袋持ってきますね」

 

「にしてもコイツ顔まで血だらけだぞ」

 

「エグいな...」

 

 なんで誰も助けてくれないの?

 

 助けてよ...白露を――ねぇなんで私だけ?なんで私だけ生きているの?

 

 白露、夕立?今どこにいるの?

 

 雨はいつか止むんじゃないの?

 

 なんで降り続けているの?

 

 なんで止まないの?

 




いやぁちょっと書きすぎですね…反省します。
今回は少しグロい描写あったんですけどどうでしたか?そこまでグロさを出せずに表現したつもりですがもっとオブラートにした方が良かったですかね?
まだこれでも足りない!と思ってくれる方がいるのならもっとグロさ上げたいと思っています!(作者もそっちの方が楽しいし)
とりあえず来週に上げる予定ですがまた延びそう…

もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?

  • 大丈夫だ、問題ない
  • いやです!これ以上艦娘をいじめないで!
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