今回は一ヶ月ぶりの投稿だと思います。何とか前編は予定通りに上げれそうですが後編に関しては少し遅れて投稿することになります…
そして今回は結構エゲツい表現のオンパレードになります。前編に関してはほぼ0なんで安心して見れると思う…(多分)
空高く二羽の鳥が飛んでいた。青く澄み渡った空に彼女達はいた。誰にも囚われず、空を自由に飛ぶあの翼が懐かしく、共に羨ましい感情がほつほつと湧いてくる。あの鳥達のようになれるのならと。私達は同じ空を見ていた筈だった。......なのに...なのにどうしてだろうか。どこから道を間違えたのだろう。
......
もし生まれ変われるのなら何になるのか。そんなことを考えたことがあった。実際、私達は生まれ変わった。人に似た者として生命を与えられた。翔鶴型航空母艦二番艦、瑞鶴。私はその名を与えられ、そして新たな敵と対峙することになることになった。敵の名前は深海棲艦。そう言われる奴らは人を無惨に殺し、残虐の限りを尽くしている。一人、また一人、罪もない人々が死んでいく。しかし、人の生み出した兵器では到底太刀打ちが出来なかった。そんな時に私達が現れた――人から見れば救世主にも見えたのかもしれない。人類の為に奔走してこの世界を救う。昔にも言われたようなことを連ね、私達艦娘の総意とした。次こそは守り切ると約束を重ねて。
私には姉がいる。翔鶴型航空母艦一番艦、翔鶴。この世界で唯一の姉妹。私は嬉しかった、また会えて一緒にいれることが。翔鶴姉に郷愁を感じていたんだと思う。愛情や信頼が二人にはあった。人間はこれを家族と言うらしい。...だから何でも乗り越えれる気がした。――そう思っていた。
最初で最後に配属されたのは海上自衛隊、横須賀基地。私達が着くと近くの会場に案内された。そこで待っていたのは、今でも記憶に新しく残っている。案内をされるがまま会場に入るや瞬間、大きなクラッカーの音の元で歓迎された。期待された未来、喜びの感動、感謝の心、尊む人々。様々な感情が入り混じっていた。でも、それが嬉しかった。必要に感じてもらえる、居場所が私達にはある。私達は顔を合わせずとも同じことを考えていた。
その時、奥から一人の男が現れる。賑やかな会場、人混みをかき分けながら彼は壇上の上に立つ。今までの賑やかな雰囲気は変わり、途端に話し声はなくなっていった。それは他とは違う、心が揺さぶられるような感情。その場にいる誰もが息を呑む。何故なら彼は異様に若かった――いや、明らかに可笑しいのだ。肩の階級を見れば海将補であることが誰にでもわかる。ある程度の知識があれば、将官クラスになるまでにかなりの時間を費やすことはわかるだろう。
「みんな、よく集まってくれた」
「今日、集まってもらったのは新しく配属された翔鶴、瑞鶴の歓迎会だ」
「これから長い時間を共にすることになる」
「我々はここから立ち上がり、静かな海を実現する為に集まった
「人類の為に戦うことを決意してくれた二人に乾杯!、以上」
壇上に立つ男はそのような言葉を並べ、壇上から降りて行った。何事もなかったかのように会場には談笑する人々の声が広がり始める。声と共に食べ物いい香りが鼻に抜けていく。視線をテーブルに移すと、様々な食べ物が置かれていた。
食べちゃっていいよね?だって私達の歓迎パーティーなんだし。と、心の中で言い聞かせ、テーブルに置かれた皿を取って盛り付けようとしたその瞬間、目の前に盛り付けられていた皿が姿を消す。せっかく食べようと思っていたものはどこかに消えてしまった。仕方なく別の皿に箸を持っていくのだが、これまた消えている。跡形もなく盛り付けられた食材は消えていた。一体誰がこんな仕打ちをしたのだろうか。それは考える暇もなく答えを教える。
「う~ん...!美味し!」
隣にいる黒髪ロングで少しおっとりとした表情を持つ女性が一人、満足気に言っているのがわかる。声の主は私が食べようとしたものをぺろりと平らげていたのだ。正に暴食の限りを尽くす健啖家に相応しい。
「ちょっと!それ、私が食べようとしたんだけど」
高圧的な態度でものを言う。流石に後ろめたさがあったのか、口に入ったものを飲み込むと微かに目を伏せる。
「あら...、ごめんなさい」
顔に多少の笑みを浮べ、前にいる彼女は謝ってきた。その言葉は会場の談笑に溶け込んでいく筈だと思われていたが、彼女の後からとある二人が現れる。
「ここにいたのか赤城!」
「探しましたよ、赤城さん」
壇上に上っていた男とサイドテールの女がそこにいた。そして、私の前にいる奴が赤城と言う名前であることがわかった。やれやれとした態度で二人は私に近づいてくる。
「あらあら、提督に加賀さん」
「ここの料理とても美味しいんですよ!」
彼女は綺麗に食べれた皿を二人に見せている。誇らしげにする彼女を見るとムカついてくる。恐らく、体にも表れていたのだろう。自然に嫌味を口に出していた。それに腹を立てたのか、加賀さんと呼ばれる女に目をつけられた。
「赤城さんも悪いですがそこの貴方、初対面の人に向かってその態度はあんまりかと」
「何よ?あんたは勝手に庇いたいだけでしょ!?」
それが赤城さんと加賀さんとの邂逅だった。間違なく大失敗だってことはわかってる。あの後、翔鶴と提督が止めに入らなかったらどうなっていたことか...
そんな最悪な初日が終わり、私達は本格的な戦闘訓練に入っていった。矢を射ることに精度が増していく気がする。もう、これなら一航戦にも負けない力がある。――しかし、そんなことはなかった。
「貴方の撃ち方には納得いきません」
加賀さんは一々口を挟んできた。あれが駄目だ、これが駄目だと言われ続け、それが毎日続くと考えると腹が立つのは必然。私の負けず嫌い精神が反発して大きな喧嘩にも繋がった。
「何でそうやって一々口を挟むのよっ!」
「貴方がちゃんとしていないからよ」
「ほら、またそうやって口を挟んでくるじゃない!それが嫌なの!」
「無駄口を叩ける暇があるなら的に当ててみたらどうなの?」
憎たらしく口を挟む加賀さんに怒りを覚えた。何でそこまで言うのよ。私だってちゃんとやっているのに、そこまで言わなくてもいいじゃない。あんな敵なんかに私は負ける筈がないのに――。気づけば弓を捨てて弓道場を抜けていた。あんな暑苦しい所なんかにいられなかった。
「瑞鶴...」
「翔鶴姉は放っといて!」
「......」
翔鶴姉は私とは違って積極的に他の人からの意見を受け止め、自身を磨いていた。対称的に私は反発して、反抗している。せっかくみんなのために戦おうと決めたのに私は壁に
「大丈夫か?」
そんな声を掛けられた。聞き覚えのある声色、それは答えを与える暇もなく言葉を続けた。
「さてはまーた加賀と喧嘩したなあ?」
「提督...」
ため息を着きながらも私の横に座る。彼は度々こうやって私の愚痴を聞いてくれていた。ただ単に聞いてくれるだけでも救われていた。
「それでね!『なんでそんなことも出来ないの?』って言ってきてさ、本当に頭に来るんだから!」
「なるほどね」
愚痴を話しているとふと、あることが思いつく。
「そう言えば提督ってなんでそんなに若いの?」
提督と言えばもっと歳を取った無精髭のおっさんだらけの人達だと思っていた。だが、私達の提督はおっさんどころかまだ二〇代前半と思わせるぐらいに若い。考えれば考えるほど彼の生い立ちが気になっていた。
「そうだなぁ、指揮幕僚課程...
「ふーん、そうだったんだ...それで今は何歳なの?」
「今か?二十八歳だ」
彼は肩書を誇らしげに見せつける訳ではなく、さり気なく伝える。思った通りに彼は若かった。それに加えて彼は途轍もない頭脳を持った若き将であることも。なのに私の愚痴なんかに付き合ってくれる。それだけでも嬉しい。なのに――どこかその優しさに漬け込みたくなる。
「話は戻るけど加賀はな、お前のことを大切思ってるからこそ厳しく当たっているんだよ」
「大切?」
「そうだ、実際加賀はお前がいない間、『戦場から生きて帰す』ために必死で瑞鶴のことを考えてくれているぞ」
「恐らく、今もな」
......そうだったんだ。加賀さんもちゃんと私のことを考えてくれていた。私は行くべき場所に向かった。息を切らして駆ける。伝えなければいけいない。そして私は彼女を見つける。
「はぁはぁ、やっと見つけた...」
「瑞鶴?」
「提督から話は聞いたわよ...今まで悪かったわね」
「...そう、何を吹き込まれたのか知らないけど、私のやり方は変えるつもりはないから覚悟を決めておきなさい」
そう言いながらも少し嬉しそうにしていた。もし、提督の助言がなければ、今も私は塞ぎ込んでいたに違いない。この与えられたチャンス、無駄にして堪るもんですか。
それからも私と加賀さんの関係は続いた。時々許せない言い方もあったけど、これも私のために言っていると考えれば苦ではなかった。次第に戦闘にも参加する機会が増えていくと納得する。敵を舐めている暇なんてない。今までの教えがなければここに立ててはいなかっただろう。今一度、加賀さんや赤城さんの背中を見るとその重荷が伝わる。しかし、そんな辛さを二人は見せない。本当に強いからこそああやって戦うことが出来るんだ。見習わなくちゃいけないね。
戦況も大分落ち着いて来た頃だった。確か、丁度海上自衛隊って名前から日本海軍という命名に変わった時のことだった。突然、私は赤城さんに呼び出された。理由もわからぬまま仕方なく向かう。そして歩いていくと人気のない廊下、そこに彼女はいた。
「あ!来てくれたのですね!」
「それでなんのよう?」
「実は今日は相談に乗って貰いたくて...そのですね......」
「実は――私、提督とお付き合いをしていたんです...」
「え?」
うん?お付き合い?提督と赤城さんが?正しく目が点になると言う言葉が正しかった。その前に二人ともそんな素振りなかったじゃない。急な展開に頭が真っ白になっていた。一体何時からそんな関係に...
「なによ、自慢話でもするの?」
「そうじゃなくて...本題はここからなんです」
「今日提督に言われたんです」
「なにを?」
「『結婚しないか』って」
「え?」
なになに!?ちょっと待って、そこまで進展するほどの仲だったの?って...結婚?ガチの結婚?付き合ってたってだけでも驚いているのに次は結婚って...どんだけ頭が真っ白になればいいのよ。
多分その時は本当に動揺していたんだと思う。赤城さんに心配されるほどに驚いていたからね。あの時は本当に何もかもが宝石みたいに輝いていたな。もう今じゃ無理な話だけど。
私はとりあえず、赤城さんの相談を聞いた。求婚を申し込まれた赤城さんはどうしたらいいのかわからず、私に聞いてきたらしい。理由は男付き合いが上手そうだからと単純なものだった。それよりも私はそんなに軽そうな女なの?酷い言われようね。
「まぁ...それであなたはどうしたい訳なのよ?」
「それはもう私も結婚したいです...」
「でも私達は艦娘と言う身分です、居候の分際でって思われそうで怖くて...」
「――そんなこと気にしなければいいじゃない」
「だって提督のことが好きなんでしょ?やらない後悔よりもやる後悔よ」
「そ、そうですよね...瑞鶴さん、ありがとうございます!決心が付きました」
後はトントン拍子で話は進んでいったらしい。二人は非番の間に指輪を買ってそのままって感じかな。全く、何かと思えば恋に悩む乙女の相談話だったなんて呆れるわ。仲睦まじい二人は本当に幸せそうだった。二人は本当の家族と言うのも知れたんだと思う。そしてある日、私は二人の写真を撮ることになった。
「四月二二日、二人の結婚日にして赤城さんの進水日か...」
「それではお二人方〜準備はいいですか?」
二人はニコリと笑い、返事を返す。
「はい、チーズ!」
二人の幸せが詰まった一枚が紙に刻まれる。これ以上に幸せがないぐらいの笑顔が写し出された写真を二人に見せる。肩を寄せ合う二人はどこか眩しく見えた。
「加賀と翔鶴も呼んでみんなで一枚撮らないか?」
突然提督がそんなことを言ってきた。その提案に赤城さんは乗り気なようで返事も待たずに二人を呼びに行った。五分ほど待っていると二人を呼んで来た赤城さんが帰ってきた。
「提督、二人を呼んできました!」
「何かと思えば写真ですか」
「いいじゃないですか、撮られることなんて珍しいのに」
「それじゃあ、みんなで一枚撮ろう!」
「タイマーは十秒でいいかな?」
「よし、じゃあいくよ!」
カメラのタイマーを設定して私はみんなの元へ向かう。
「最高の一枚でいくぞー」
「三、二、一」
......
――そう、それが本当に幸せだった時の話。
けど、幸せが一生続く?そんなことはない。
幸せの先は先の見えない闇と絶望が待っているんだ。
人間なんて信用出来ない。
どうでしたか〜?流石に突然付き合ってるやって言われて次は結婚するんやなんて言われたら脳みそ麻痺しますよねぇ(こじつけ)
まぁ、前編は全くの胸糞0で書いた筈なんで後編からは一気に落としちゃっます。是非よければそちらも見て下さい!!
もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?
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大丈夫だ、問題ない
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いやです!これ以上艦娘をいじめないで!