今回はセリフ多めです。まだ艦娘は大淀ぐらいか出ませんが3話からどんどん出しますので待ってくれ!
「さて仕事を始めるとしよう」
俺は大淀から渡された資料を流し見た。鎮守府の資源量や配給等食料の管理、戦歴が事細かく記されていた。俺はさっそく資源量を見始めた。
やはりと言うべきか、燃料、アルミが足りない。これでは航空機の運用は難しいだろう。燃料は燃費の少ない駆逐艦や軽巡洋艦。特に睦月型や天龍型に遠征を任せるしかないな。
後は鎮守府外から来る配給だがこれは、ほぼ不定期だ。深海棲艦の進攻が激化し、海路の補給は絶たれ、陸路での補給が頼りとなっている。
だがこれも空襲などの影響によって月に何台かが来る程度だ。内地の方も食料の在庫が怪しいのだろう。
日本の食料は主に海外に頼っている。これは平時では問題ないが今のように敵からの攻撃で海からの輸送が厳しくなると、日本の全人口に食料が行き渡らなくなっていく。そうなれば人同士での食べ物の奪い合いが始まる。内部から崩れ始めてしまうのだ。
そこで日本政府は日本人で避難を希望する人々を海外、特に近くの韓国、中国などに流出していった。まったく違う文化。日本人が慣れれる筈もなく、その土地に住んでいた本来の民族との武力紛争が始まった。そんな事が大陸では色々な所で起きている。深海棲艦関係無く自ら争いを起こしてしまうのだ。
しかし今そんな話をしている場合ではない。どうやって安全な補給線を作るかが最重要である。陸路での補給が不安定な今、遠征での物資回収が必要である。
「近くに物資を回収出来るような場所などはないか?」
まだ俺はこの地域の資源地帯を把握したわけではない。実力で成り上がって来た、この鎮守府の艦娘や人間の力が必要だ。
「申し訳ないのですが、この近くに物資がある所はありません」
これはかなり不味い状況だな。不安定な補給に頼ってばかりではどうやったとしても深海棲艦と対等に戦うことは出来ない。何か打開策はないのか?
俺がそんな事を考えていると、ノック音がなった。
「入れ」
扉を開け、現れたのは俺より歳を取っているであろう中年の男と先程廊下で合った、若い男の二人がいた。
「失礼します。私は当鎮守府で整備科、整備長を務めている斎藤少尉と申します。」
「お、同じく整備科、山口であります!」
「要件はなんだ?」
俺はそう言った。そうすると
「ただ、挨拶に参っただけです」
「そうか...私から1つ聞いてもいいか?」
「...はい何でしょうか?」
気になる事がある。
俺がこの鎮守府へ来たとき外観は整っていた。たがあの時合った艦娘は明らかに可笑しい。服に血の跡があったり、髪の手入れが出来ていなかった。艦娘と言ってもあの子らは少女だ。髪や服などにはかなり気をつけているだろう。
俺の妹もそうだった。
だがあの艦娘はそれを出来ていなかった。それすらする余裕が無いのかそもそもする気が無いのかは分からない。それだとしても服に血が付いているのは辻褄が合わない。
艦娘が傷を負ったのならまず入渠をするはずだ。その時に破れた服なども新品に置き換えるはずなのだが、あの艦娘にはそれがされてないどころから、そもそも入渠をさせていないのかも知れない。
大淀が言ったように全艦出撃可能だとは全く思えない。あの発言が嘘なのは確実だろうな。
「艦娘は全員出撃は可能なのか?」
「...そうですね全員行けると思います」
その男の目は何か悲しげであった。何度も同じ光景を見てまたそれを繰り返すのかと思うよな悲観的な形相をしている。
「すまないが大淀と君は席を外してくれないか?」
「了解しました!」
「分かりました」
そう言って二人は執務室から出ていった。
「さて、ここには俺とお前二人だけになった。今から質問に答えてもらいたい」
「質問無視するのもいい、それが質問の回答としよう」
「発言を許可する」
「了解しました」
「それでは早速だがこの鎮守府の、艦娘は本当に全員出撃可能なのか?」
少し沈黙の末、斎藤少尉がこう言い始めた。
「貴方はもうお分かりでしょう?」
「ああ、そうだ」
「嘘を言っても仕方ないので本当の真実を今から語ります」
「いいですね?」
「よろしく頼むよ」
「提督はあの作戦をご存知ですか?」
例の作戦か。
「知っている」
「そうですか...」
拳を握りしめ悔しそうな表情をする整備長。俺だってあんな事をするこの国の頭のネジはとっくに外れているのだ。もう止められないところまで来ている。
「この国は何処から可笑しくなったんだろうな」
「...」
「貴方も同じ事をするのでしょう?」
「いや、私はあんな無能な策は取らない」
「私はあのような無能奴らと違う」
そうだ、俺はあいつらとは違う。あのゴミを固めたような存在は運がよく生き残って上に上がれた奴らだ。俺は最前線で戦いこの場所に来た。あいつらとは生きた場所が違う。
「勝算はあるですか?もうこの国は終わりなんですよ?」
確かにこの国の終わりは、近い。よく見積もって2年だろう。
「確かに勝算は絶望的だ」
「だが、まだ諦めるには早い」
「良くそんなことが言えますね」
「そこまでして艦娘を嬲りたいのですか?」
「あの子達が苦しんでいる所は私が一番知っています」
「だから救って上げたい」
「もうあの子達が苦痛を追わないために」
かなり興奮してるようだ。そこまでに艦娘との絆が深いのだろう。
「君の気持ちはよくわかったよ」
「もうこれ以上仲間を失いたくないんだろう?」
あんな作戦を起こしたこの国、いや人間が壊れている。だからは俺は
「なら一つ約束をしようではないか」
「……」
「話はこうだ」
「俺は艦娘を絶対に沈めるつもりがない」
「いや沈めさせない、この鎮守府だけじゃない他の鎮守府の艦娘も救って見せる」
「生きていたとしてもその艦娘が死にたいならどうするですか?」
「それでも助けるんですか?」
「助けるさ」
「それだと救いには」
「人も艦娘も同じだ」
「何か生きる糧を見つけたのなら生きたいと思うはずだ」
「確証はあるんですか?」
「あると言うのは嘘になるかもしれない」
「だが艦娘達を大切に思うなら彼女らを信じる事も必要ではないか?」
「そうですか...」
少し緊張の糸が解れたかの様にも見える。かなり思い詰めていたらしいのがよく分かる。俺だってこんな事をされたら上の奴らを恨むに決まっている。
「それで2つ目の質問だ」
「ここに来る前、一人の艦娘を見た」
「その子はボロボロだった」
「一体何故あのような状態で放置しているんだ?」
ここまで艦娘事を大切に思う人が艦娘が傷付いている状況で何もしないわけがない。だがどうしてあのようにするのかが分からない。
「それは前提督の意向です」
「それはどのようなものだ?」
「使えない艦娘は何も与えるなと」
「…そうか」
艦娘はどう使うかはそいつの腕で決まる。艦娘を上手く利用出来るのであればいいが、無駄に資源を浪費する無能な奴が上に着けば自ずと個々の戦果も落ちる。そうなれば戦果も上げれず、道草を食っているのと同じだ。
艦娘も人間と同じで個性があるし、出来ることも変わってくる。適材適所で使われなかったら本来の強さは発揮できない。
「今は入渠は可能なのか?」
「いや、それが経費削減と申して前提督が一つを残して全て破壊しています…」
「なるほど、そうであったか」
「修理が必要な子達はどれほどいる?」
「はい、艦娘のほぼ全員が修理が必要だと思います」
「まずはその一つの場所を出来るだけ使って傷付いた艦娘を治してやってくれ」
「次の資源が届き次第、入渠ドックの数も徐々に増やそう」
「了解しました」
後は鎮守府の設備等の情報が必要だな。まだここに来て一日も経っていない。せめて鎮守府の地図が欲しいところだ。
なんせここはかなり広い。深海棲艦と長年の間戦って来た場所でもある。それなりに土地も広くなるのも仕方ないだろう。
「3つ目だ、鎮守府にどのような場所があるか知りたい」
「はい、今ここに居るのが本館、この鎮守府の心臓部であります」
「以前の空襲で一部吹き飛んだとこもありますがまだ使えます」
「次に宿舎ですがここはこちらも以前の空襲で半壊しています」
「今は仮住居を作っていますが環境は劣悪そのものです」
「そうか…出来るだけ人員を振り分けて元の状態に戻そう」
「ありがとう御座います」
これはかなり酷い状況のようだ。空襲の頻度が日に日に増す一方だ。防空壕で凌いだとしても設備環境はボロボロ。このような状態で作戦指揮は無理であろう。
「今後は鎮守府の立て直しを最優先事項とする」
「艦娘の環境状況も改善させよう」
「勿論、君達もだ」
士気が高くなければ、例え最強の部隊であったとしても本来持つ本当の強さを発揮出来ない。上官とはそのような環境を整え、兵士たちを最高の環境で戦わせなければならない。
だから俺は、
艦娘を救う。
復讐を果たす為に、
家族、親友の為に。
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ある程度話は済んだ。斎藤少尉と長話を続け、気づけば日も落ちていた。
「もうこんな時間だ、君も休みたいだろう」
「今日はここまでにしよう」
「了解しました」
「それでは失礼しました」
お互い軽く敬礼し、斎藤少尉は執務室を後にしていった。
さて今後どうするかだが、とりあえずは鎮守府の復旧を急ごう。次の空襲は遅くて一週間後だろう。まだ時間はある。それまでに体制を立て直さなくては。
艦娘は今の状態だとまともに戦えるか分からない。とにかく損傷の激しい子から早く入渠させなくては行かない。
入渠ドックは一つ。全員が完全に入渠出来る訳では無い。選択しなければここは終わってしまう。損傷の激しい子から対空が可能な艦娘順にやるしかないだろうな。
ノック音がなった。おそらく、大淀が来たのだろう。
「入れ」
「失礼します」
「話は終わったのですね」
「ああ、そうだ」
「...提督はこれからどうされるですか?」
「今は鎮守府の立て直しが最優先だ」
「出撃は控えてもらう」
「後、今日合ったあの艦娘を明日ここに連れて来てくれ」
「話がしたい」
「了解しました、それでは明日に」
「よろしく頼むよ」
「それでは失礼します」
そう言い大淀は出ていった。
さて俺もそろそろ寝るか。
外は月明かりに照らされている。明日は確か雨だったはずだ。今は見られる月は明日には見えなくなってしまう。
暗く先の見えない未来。この先、月が見える事はあるのだろうか?
俺はそう思い、私室へと入った。さて、明日からは本格的に執務が始まる。
明日に備え、床に着くことにした。
「今日は悪夢だろうか?」
俺にはまだわからない。
亀さん投稿でも見てくれる方がいると書いてても苦になりませんね!来週はゴールデンウィークですので時間があれば2話ぐらい一気に投稿出来るといいなぁ
もう少しコアな表現入れても大丈夫ですか?
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大丈夫だ、問題ない
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いやです!これ以上艦娘をいじめないで!